ルールを守らない・ヒューマンエラーが多いという悩み:製造業の無料ネット相談 Q&A集

Q:私は中小企業で品質管理に携わっています。
作業者として経験は豊富ですが、ルールを守れない人がいます。
不良をごまかしていたり、勝手に工程を変えてしまったり、不良が流出しても
あまり関心がないようです。
長く勤めているので、怠慢な性格となってしまったようです。組織で動くこと
を知らないのかもしれません。

何か良い方法はありませんか?

A:お問い合わせ内容について2つの点についてご検討いただきたいと
 思います。
一つは社員教育、もう一つはマネジメントについてです。
まず社員教育ですが新人教育と、中堅以上の社員の教育です。
方法は異なりますが、新人はOJT、中堅以上は標準(ルール)の教育、スタッフ
としての教育です。これは計画的に繰り返し行う必要があります。

計画⇒実行⇒チェック⇒アクションのサイクルが必要です。
どのような人材が必要なのか、いつまでに育てるのか、どんな項目を教育する
のかを明らかにして、現状の社員はどのレベルなのかを把握して教育します。
人材教育は、何にも増して重要なことです。

次にマネジメントについてですが
ルールを守らないのはなぜかを管理面から原因を追究し対策します。
ルールが陳腐化している、現実とかけ離れたルールになっている、内容を知ら
ないなどルールがルールでなくなっている可能性があります。

守れないルールは、守れるように改定が必要です。
ルールの現状と、なぜ守らないのかを三現主義で分析します。

このようなことは、時間がかかります。そして、作業時間を割いてこのような
課題に対処して行く必要があります。今まで忙しいから、時間がないからで
済ませてきたことをさらに放置していては解決しません。

今まで、8時から5時まで与えられた仕事をこなすだけになっていたやり方を
変えなければいつまでたっても改善できません。
多品種少量化の工場では、コミュニケーションも必要です。
問題が発生したらすぐに手を打たなければなりません。
ポカミスや、納期遅れ、急な飛び込み仕事をどうやったら改善できるのか?
全員で知恵を出し合うことが必要で、管理層は、そのような環境づくりをして
いく必要があります。

そのような課題に対応できるスタッフとしての社員を育て改革の原動力に
なってもらうことが必要になってきます。経営層は現状に危機感をいだいて
いるでしょうか?
もしこのようなことに無関心な経営者であれば、会社の存続は難しいと思い
ます。以上ご検討をお願い致します。

Q:丁寧にご回答して頂き有り難うございました。
経営者は感心どころか、第三者からの情報をあてにしています。私は管理
責任者も兼任していますが、現場を信頼していないように思えとても残念です。

経営で見ると結果を出すしかないのでしょうか。組織を見なおして欲しいと
いうことは理解できますが、私一人ではとても余裕がなく、理解を深める
ことの出来る若手に期待をしています。全体で問題に取り組めば、良い方向に
なると思い今まで頑張ってきましたが、会議も効率が悪いと言われ失くされ
てしまいました。

小さい会社ですので、今後がとても心配です。第三者機関(iso)では効果は
ありません。もっと会社の深みに入ることの出来る人がいればと思います。


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 合同会社高崎ものづくり技術研究所代表の濱田です。
 日本が誇るものづくり技術にもっと磨きを掛けよう!!

 設計、製造、品質管理、海外工場管理などの実務経験45年
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