業務上のトラブルやミスをなくすためにはよく「ルールを守れ」と言われます。
また、ルールを徹底しようと教育しても、守らないので困っているという話を
よく聞きます。
事例研究・実習で品質改善の実務能力向上を図る
DX、FMEA/DRBFM、再発防止手順など
では、ルールとは何か?またルールを定着させるにはどうすれば良いかを考えて
見ます。
まず、現場のルールにはどんな種類があるでしょうか?
・作業指示書などの現場で管理する作業標準類、記録類
・業務全体を規定する業務マニュアル、業務フロー
・ISOなどで規定する工場の共通ルール
・上司の指示、暗黙のきまり、慣習など
一般的に守らなければならない対象と考えられるルールは作業指示書や業務
マニュアルなどが該当すると思います。
しかしよく考えてみると、普段仕事をするうえで優先しているルールは?
と問われると、実は、社長の意向であったり、上司の指示であったり、また
暗黙の決まりであったりすることが多いと思います。
つまり、明文化されたルールよりも、明文化されない暗黙のルールの方が
より強制力を持っており、普段はそれに従って仕事をしているのではないで
しょうか?
では、なぜこのようなことが起こるのでしょうか?
結局、明文化されているルールは、100%完璧にできているわけではありま
せんし、時間が立つにつれて陳腐化していきます。
実際の業務内容と、どんどんギャップが広がっていきます。
また「こうすべき」と、トップダウンで与えられたルールは、納得できない
と感じた場合、守られることはありませんね。
・チェックシートをつける
・承認の印鑑を押す
・検査は必ず資格を持った検査員が行う
・部品や工具は必ず指定された場所に置く(ちょい置き禁止)
など、その他職場内にはいろいろなルールを守る必要がありますが、いちいち
守っていては仕事にならないというケースも発生します。
では、どのように全員が守れるルールを定着させていけば良いでしょうか?
考えてみると、いま現在模範的なメンバーが行っている仕事のやり方が、一番
効率的であり、品質問題を出さないように考えられた方法を確立し実施して
いるのではないでしょうか。
それならその方法をルールにすれば、100%守られるルールができることに
なります。新人には、先輩からその方法を教えてミスが起きないように指導
します。
しかし、時間が立つうちに、状況が変化し、100%守ることができなくなっ
てきます。そうなったとき、また一番最善のやり方を考え、うまくいったら
今までのルールを直していきます。
まず、うまいやり方を考案し、それを全員で定着させ、それをルールに落とし
込んでいくというやり方に変えていく、そうしないと、突然「こうせよ」と
与えられたルールは定着しないのは当然のことと思います。
①良いやり方を考え、暗黙のルール、良い慣習を作り上げる
②そしてその重要となる基本的な方法を明文化してルール化する
③新製品や新顧客などで変化したら、また①に戻る
このサイクルを回していくことで守れるルールが定着すると思います。