新型コロナ騒動を機に実際にリモートワークを体験した方も多いと思います。
「遠隔から十分出来る仕事を、今までわざわざ出社して行っていた」と
遠距離通勤の無駄を感じている人も多いのではないでしょうか。
「ポストコロナ時代の新たな働き方」として、リモートワークは定着すると
予想されます。
そのためのツールとして「リモートコミュニケーション」「オンライン学習」
「リモート医療」などの分野を手掛けるIT企業や、デジタル機器製造業
などが、躍進してくるものと考えられます。
但し、オンライン飲み会やオンライン帰省が普及するかどうかは疑問符が
付きます。

冗談はさておき、まだまだ中小企業ではリモートワークの移行が難しいとも
言われており、特に、中小製造業においては、手のかかる多品種少量生産品
を製造している中で、IOTであるとかロボットの導入など、とてもとても
考えられない状態であることは現場をよく知るものにとっては明白な事実です。
政府はすでにスマートファクトリー構想を打ち出していますが、ポストコロナ
で、その普及が加速するかといえば、難しい面があると思います。
そんな中、新たな「価値創造」に取り組む企業も存在します。

<コロナ感染防止ベッド>
新型コロナウイルスの家庭内や病院内での感染を防ぐ簡易的な隔離
シェルターを、三重県の会社員が中心となって開発した。
新製品開発
①困難な状況に自社の技術を生かせないかと考え、商業施設等の入口で
「高熱の人をさりげなく検出」できるシステムを、急遽1週間で開発。
小型サーモグラフィカメラと腕時計型端末のセットで提供。【北海道】
②空中で指や手を動かすだけでパソコン、スマホ、各種装置などを操作
できる技術を開発し、特許申請中。触れずにエレベーターのボタンや
ドアノブを操作するなどといった幅広い展開が考えられる。【近畿】
販路開拓
①物産展の中止等により食品の過剰在庫を抱える企業の商品を公開する
ホームページを開設。海産物や乳製品など70社の商品が公開されており
全国からアクセスが殺到。
非常時でも北海道ブランドの需要は高い。【北海道】
②オープンファクトリーを毎月開催し工業見学を行っていたが、最近は
人気ユーチューバーと組んで工場見学のユーチューブ動画も投稿して
いる。これにより新型コロナウイルスにも対応できている。【近畿】
このように、中小企業においては、自社の強みを生かして新たな製品開発
やサービスの提供など、基本に忠実に、そしてより一層ニッチな市場で
絶対優位を保つ戦略を加速していくことではないでしょうか?
特に中小製造業の強みである熟練技術に新しいアイデアを付加し、他社で
は真似のできない加工技術や作業工程の確立を行い既存顧客に積極的に
アピールしていくこと、この行動が原点となって、次へのステップアップ
につなげていくこと。
「高付加価値を熟練技能で生み出す」
このことが生き残りへの唯一の道であると考えます。