2020年06月05日

ヒューマンエラー予防対策:人のミスは管理の不備、欠陥により表面化する

人のミスはある確率で発生します。
ミスをできるだけ少なくするためには、作業者の意識向上は大切です。
しかし、多くのミスは管理の不備・欠陥により表面化することを現場の管理
監督者は強く意識すべきです。





氷山モデル.jpg

システムの氷山モデルより、ヒューマンエラー要因を分類すると以下のように
なります。

1.直接の要因
認知ミス、判断ミス、操作ミスの3つに分けられ、人間に脳の情報処理モデル
で表されます。

しかし多くのミスは複合的な原因で発生します。例えば
ブレーキとアクセルを踏み間違えて事故を起こした場合、どれに該当する
でしょうか?
 ①急に車の前を自転車が横切ったため
 ②慌ててブレーキを踏もうとしたが
 ③間違えてアクセルを踏んでしまった

情報処理プロセスでは、幅広い分野、不規則で変化のある業務、複雑な業務
におけるミスの原因の解明は難しいと考えられます。

2.管理の不備、欠陥の要因
(1)変動要因(PSF)
作業環境や、作業そのものにムリムラムダが生じている、やりにくい作業など
によってミスが生じます。(外部PSF)

また、作業負荷によって焦りや疲労、プレッシャーが生じている中での作業は
ミスに結び付きます。(内部PSF)

 PSF:Performance. Shaping Factors(人間の行動に影響を与える要因)

(2)情報要因
情報伝達で求められるのは、内容の正確性/スピード性/到達性です。
刻々変わる製造品種に伴って、工程間のスケジュール調整や納期調整などの
生産管理情報、顧客からの要求仕様、図面などの情報、これらを正しく、
タイムリーに必要部署に伝達しなけれななりません。

しかし、必ずしも情報ルート、情報伝達手段などが明確になっているとは言え
ない状態です。

(3)教育訓練要因(人の経験・スキル)
正しい手順を守るための教育・訓練が不足しているために技能が未熟なまま
作業を行い、ミスにつながっています。
教育計画、教育方法、教育手段、ツールなどが整備されていないため、新人教育
熟練技能教育がほとんどなされていないという状況を多く見かけます。

(4)組織風土要因
工場の現場では、ルールを守らない、役割と責任が不明確、正しい品質管理
方法が浸透しないなど、組織全体の活力やモラールが低下している職場も多く
見受けられます。

ヒューマンエラーは以上のような要因が複合して発生しているが近年の製造業
の現場の実態ではないでしょうか?
では、このような状況を脱し、ヒューマンエラーを減らすにはどのように対策
すれば良いでしょうか?

3.ヒューマンエラー予防策
管理監督層は、生産が始まる前、及び生産中であっても以下の項目について
現場をチェックして、ミスが発生しないように管理することがミス予防策と
して最も重要なことなのです。 

(1)変動要因(PSF)
 ①ハード上の要因・・・設備、機械、冶具、5Sの不備
 ・冶具の工夫(測定冶具、検査冶具)
 ・設備の自働化(アラーム、停止)・・・IT化
 ・作業環境(温湿度・照明・人間工学に基づく改善  )
 ・表示(目で見る管理、見える管理)
 ・5S3定、ゾーニング

 ②作業(ソフト)上の要因・・・作業方法、判定方法
 ・やりにくい作業がないか・・・工具の工夫、作業手順の改善、作業者の負担改善
 ・技能、勘、コツの作業・・・技能訓練、OJT、機械化・IT化 
 ・感覚に頼る作業・・・判断基準をデジタル化する、見本の作成
 ・ヒヤリハットの申告・・・作業者の気づき、管理監督者の気づき 

 ③内部要因・・・心理状態
 ・上司はコミュニケーションにつとめできるだけ、心理状態を緩和させる
 ・応援体制を敷くことによって、あせり、疲労、プレッシャーをなくす

(2)情報要因
 ・ホウレンソウのツール・・帳票、通知(IT化)
 ・会議・・・朝礼、部署間連絡会議、職場内ミーティング

(3)教育訓練要因
 ・自工程完結・・・指差し呼称、自工程検査、ヒヤリハット申告
 ・ルール順守・・・周知する、守れないルールを放置しない
 ・教育訓練・・・OJTのルール、作業認定のルール

(4)組織風土要因
 時間を掛けて悪い習慣を是正する
 そのためには、トップ層~監督層まで率先垂範で良い習慣を根付かせていく


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posted by k_hamada at 09:42| ★ヒューマンエラー・ポカミス対策 | 更新情報をチェックする
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