重要な情報は下流工程で劣化・欠落していく!工程FMEAの効果的実施方法とは?

顧客の期待の応える品質とは何でしょうか?
モノを作る側の都合で品質を考えていないでしょうか?


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顧客の期待や要求は仕様書、図面などの形でアウトプットされますが、すべて
を表すことができません。また、さらに上流の設計工程から、下流の製造工程
に渡す情報は欠落・劣化し、100%伝えることはできません。情報はどんどん
劣化していきます。

設計図面をもとに作成されるQC工程図や作業指示書は完璧に作成したつもり
でも、そこには必ず情報の欠落・劣化が生じています。
情報欠落.jpg
1.重要な情報が欠落すると、どのようなことが起きるのか?
2017年12月、JR西日本の東海道・山陽新幹線のぞみ34号で台車に亀裂等が
発生した重大インシデントは、車両の台車枠の「側ばり」に発生した亀裂が
衝撃や繰り返し応力により徐々に進展し、車両の床下からの異音等の原因と
なったのです。
台車亀裂.jpg
  ★新幹線のぞみの台車亀裂はなぜ発生したのか?
この事故は、台車製造メーカーの作業員が、台車側バリ溶接の際に、7㎜の
厚さの側バリを4,7mmまでグラインダで削ってしまい、強度が低下したため
繰り返し応力により、亀裂に至ったものです。

2.なぜ、グラインダで削ったのか?
作業者は、このような重大インシデントが将来起こりうるなどとは考えて
いません。これは、作業者だけでなく台車メーカーとして、列車の運行や
顧客に対する重大な影響についての情報が欠落、劣化していたため、作業
上の都合だけを考えて、溶接部をグラインダで平面に仕上げてしまった
と考えられます。

3.情報の劣化を防ぐには?
情報の劣化を防ぐために、それぞれの工程で問題が生じたとき、図面通り
作業ができなかった場合は、立ち止まり深く考えることが必要になります。

決して自分で判断し、前に進めてはならないのです。
この時、FMEAは顧客の期待に応えられるよう、情報の欠落・劣化を防ぎ
工程の信頼性を確保する役目を担っています。

各工程で「異常」に「気づき」、なぜこのような図面指示になっているのか
図面に記載されていない情報を得るための努力を怠ってはならないのです。

製造部門の役割は、図面通りモノを作ることが基本ですが、それ以外に
上流工程の情報(図面)に隠されている市場や顧客の情報の欠落劣化を
防ぎ、製造による付加価値をつける役目を担っていかなければならない
のです。