危機感をあおるトップの本当の実力:先を見据えた発想力と発信力の差?

最近、マスメディアを中心に、コロナの感染による危機感を煽る報道が目に余る
状況が続いています。
また、これぞとばかりに存在感を示そうと自治体のトップのパフォーマンスも
目立っています。本当に住民の生活の確保や安全を考えての言動かどうか、大いに
疑問があります。

しかし、中小企業の社長にとって、今回の危機は深刻です。収入に何の心配もない
知事や、専門家と称する大学の先生とは全く立場が違います。
口先だけ、保身のための危機感ではなく、本当に命が掛かった危機感を感じている
のです。

日本企業の99%を占め、地域経済の潤滑油となっている中小企業。新型コロナ
ウイルスの感染拡大は、街の商店や飲食店、工場など幅広い業種の中小企業の経営
をむしばんでいます。

帝国データバンクは、今年の倒産(負債一千万円以上、法的整理)件数が、新型
コロナウイルスの感染拡大の影響で七年ぶりに一万件を超すとの見通しを明らかに
しています。

エヌエヌ生命保険株式会社では、中小企業経営者 7,232 名を対象に、新型コロナ
ウイルス感染症拡大の影響によって、会社の経営で検討したことについて尋ねる
調査が行われたところ、最も多かったのは「従業員の減給」(21.7%)、次いで
「倒産・廃業」(11.6%)となっています。

しかし今後、アフターコロナ時代を見据え、「ニューノーマル」化でのリモート
ワーク環境整備を中小企業であっても進めていく必要があります。

優秀な人材確保に悩む中小企業では、在宅・短時間勤務を取り入れれば、子育て
や介護と両立しながら少しでも働きたいと考えている人や、通勤に困難を抱える
障がいを持つ人の力を活かす余地が生まれてきます。

また販路開拓、売り上げ拡大が課題の中小企業にとって外出自粛が求められる中
実店舗からECへの移行、リアルイベントのオンライン開催への移行、教育・研修
のウェブセミナー化など、既に幅広い領域でビジネスのオンライン化が進んで
います。

消費者心理としても、巣ごもり消費の期間が長く続くことで、オンラインサー
ビス利用の優先度が高まっていく可能性は極めて高いと考えられます。
製造業においても、オンラインサービス、プロモーション活動のツールとして
自社サイトを充実させ、発信力の強化、オンラインによる受注獲得のチャンスが
拡大すると考えられ、地方の中小企業でも平等にチャンスが生まれる可能性が
あります。

こうした取り組みは、コロナ危機が表面化する前から必要性が認識されていた
ものです。新型コロナウイルスのもたらした急速な社会変動は、これらの取り
組みへの対応を中小企業や地域へ前倒しで要請しているとも言えます。

この変化を捉え、適応していくことが、アフターコロナの企業経営と地域の
持続可能性につながるものと考えます。

トップには、こうした前向きな発想を社会へ発信し、世の中をリードしていく
実力が求められているのです。