経営トップのための「一から学ぶ品質管理の基本」シリーズ(その三:リーダーシップのルール)

最近多く聞かれるのは、「営業力を強化して新規顧客を獲得したい」という課題です。
国内市場の縮小傾向の中、売り上げが伸びず、さらに取引先からのコストダウン要求に
よって、利益幅が縮小する危機感から、営業活動の強化を模索する経営者が多く存在し
ます。

しかし、従来からの人海戦術の営業では新規顧客獲得がだんだん難しくなっています。

今までずっと取引があった企業から突然発注を打ち切られたり、大幅なコストダウンを
迫られたりすることは最近では、当たり前のようになってきました。この場合、従来から
の考え方の延長で物事を考えるのではなく「変革を起こすこと」が求められています。
変革を成し遂げるには、経営者がリーダーシップを発揮しなければなりません。

松下電機の創業者である松下幸之助氏は、従業員に対して、「松下電器は何をつくると
ころかと尋ねられたら、松下電器は人をつくるところです。あわせて電気器具もつくっ
ております。こうお答えしなさい」と訓示したそうです。

出典:物をつくるまえに人をつくる――人の育て方、活かし方〈1〉
松下幸之助.com 

つまり松下幸之助氏は、第一に社員として貴重な人材を抱えているのですから、それを
組織力アップのために生かしていくことを考えました。そして第二に、何に注力して事業
を行っていくのか、方向性を明確に示し、そこに人材を集中して投入していく必要がある
と考えたのです。

しかし、「変革」の方向は企業によってそれぞれ異なりますから、例えば、他社より優れ
た技術を生かして、新市場に参入し、優れた製品を製造することで、差別化を図ろうと
考えたり、設計開発力を強化し、新製品を開発しようと考える経営者もいるかもしれません。

どの方法が正解ということではなく、経営者が明確に方向性を打ち出し、社員に周知する
とともに、社員の共感を得ること、信頼を得ながら、ともに前進していくことが重要では
ないでしょうか。

リーダーシップのルール
 1.新規顧客獲得のためには、企業の今までのやり方を捨て、変革を起こすこと
 2.社員としての貴重な人材を組織力アップのために生かすこと
 3.何に注力して事業を行っていくのか、方向性を明確にし、そこに人材を集中して
  投入していくこと
 4.変革の方向は企業によって異なるため、経営者が自社の強みを生かした明確な方向性
  を打ち出し、社員に周知し、共感を得ること。信頼を得ながらともに前進していくこと。


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