経営トップのための「一から学ぶ品質管理の基本」シリーズ(その四:方針管理と方針の展開)

方針管理とは何かに関して以下の解説文を紹介します。

「まず経営者が、“こうやってみたい” “こうありたい”といった希望や理想を将来ビジ
ョンとして力強く発表し、その経営を何のために行なっていくのか、いかにして行なっ
ていくのかという基本の考え方、経営理念と具体的な目標を社員に明示する。それが
やはり事業活動の第一歩といえよう。

それらが力強く社員に語りかけられ、訴え続けられて、組織のすみずみまで浸透し、それ
ぞれの目指すべき方向が明確になれば、それが精神的支柱、判断のよりどころとなって、
経営者のみならず社員の行動、信念に力強さが生まれてくる。目標を達成しようとする
意欲と社員間のまとまりも生まれ、全社一丸となって、その実現に努力するようになる」

二十一世紀の日本と世界の繁栄を支え続けることができる企業となるために、今、それ
ぞれの経営者には、人間いかにあるべきか、人間社会いかにあるべきかという、それぞれ
の哲学から発した的確な将来ビジョン、正しい経営理念を確立し、社員に明示していく
ことが何よりも強く求められているといえよう。

出典:"初めに言葉ありき"――リーダーの心得(2)

1.方針管理とは
方針管理とは、経営方針を達成するための取り組みを言います。企業トップから発せられ
た中長期のプランは、部門や個々の業務まで順々に落とし込んでいくことになります。
ただし、全社の経営計画をそのまま現場に落としても対応できないために部門ごとに、
もっと具体的な目標設定とアクションプランを立てて実行することが必要となり、その
ことを「方針の展開」といいます。

2.方針の展開
①方針のブレークダウン
経営者の「こうありたい」「こうあるべき」とういう会社の将来の方向性を示す想い
は具体的なプランに落とし込む必要があり、これを工場長、部長、課長にブレーク
ダウンして、具体的なアクションプランに落とし込む必要があります。

例えば、「2年後に生産性を50%アップする」「3年後に流出不良は0件にする」と
いった目標を設定し、これを実現するための人材育成・強化、設備導入などの具体的な
計画を立てる必要があります。そこで2年後、3年後を考えて、計画し実行に移さな
ければなりません。
 組織:ある部門で担当するのか、プロジェクトを結成するのか?
 人材:リーダーは、メンバーは何人必要か?人材が不足していないか?
 検討内容:何を(4M)いつまでにどのような方法で実現するか具体案を検討
 費用:設備導入、人材強化などの費用見積り
 期間:検討期間(現状・問題点)、対策試行期間等

このように、中・長期プランのすべての項目について、具体化した計画に落とし込んで
いきます。

②今年度目標設定
そして、今年度に割り当てられたテーマを今年度目標に設定し計画を完遂させるため
の活動を行います。ここで目標を掲げたテーマは、必ず完遂させる必要があります。
つまり、2年後3年後の計画を見据え、達成すべき課題を今年度に実行します。

ポイントは、毎年未達の年度計画では意味がないということです。よくありがちな未達
の場合は、来年に持ち越し、継続して取り組むという考えは、決してうまくいきません。
これではPDCAを回していることにはなりません。このような例があまりに多いという
のが一般的な企業の方針管理の実態です。