中小企業経営トップの悩み解決「一から学ぶ品質管理の基本」シリーズ
(その五)組織マネジメントとは?
事例研究・実習で品質改善の実務能力向上を図る
DX、FMEA/DRBFM、再発防止手順など
★経営トップのための「一から学ぶ品質管理の基本」シリーズ
その二:経営者が守るべきルールとは?
その三:リーダーシップのルール
その四:方針管理と方針展開
その五:組織マネジメントとは
その六:組織管理ルールとは
その七:コミュニケーションルールとは
経営者に求められているのはトップマネジメントとしての強力なリーダーシップです。
そして組織を効果的に運用して成果を得なければなりません。しかし、工場には生産
管理や品質管理は存在するが組織をマネジメントするための組織管理ルールの存在に
ついて重視されていないのが実態です。
1.組織マネジメントとは
大企業であっても、ISO9000が求める組織管理の機能を詳細に規定しているケースは
あまり見られません。今までは明文化した組織管理規程がなければ管理・運営ができ
ないというわけではありませんでした。
しかし、現在では組織管理は企業の運営にとってはバックボーンとなるものです。
暗黙のうちに運営していると、やがて組織内の統一性を欠くものとなり、組織力を十分
発揮できなくなってしまいます。
往々にして、以下のような暗黙のルールが企業内には存在しています。
①社長が直接社員へ指示を出したり、報告を受けたりして、中間の課長部長にはその
内容は知らされない。従って課長部長も意思決定は極力行わず、部下に指示も出さ
ない。
②ミスが起きると、個人が責められ、組織のフォローもなく、直属の管理者の責任は
問わない。
③役割が分からない肩書の社員がたくさんいる(・・代理、・・主査など)。
④ライン組織に、課長1人、係長1人、担当1人などの串団子組織が存在する。
⑤業務の分担、指示があいまいで、特定の人に仕事が集中している。
⑥担当者が退職すると、引き継いだ人はまったくその業務内容が分からない。
2.組織管理の体系
組織全体の運営をおこなって行く責任は経営者が負い、管理職は与えられた範囲で
権限を委譲され、組織を運営していく責任を持ちます。しかし、中小企業のオーナー
経営者は組織の意思決定を独自に決断することが可能で、そのため、社員はオーナー
経営者の意向に沿って行動するようになり、経営者の言動イコール企業の暗黙の
ルールとなっている場合も多いのです。
組織管理は、従来から組織図、業務分掌などの断片的なルールは存在していますが、
生産管理や品質管理のように体系化され、はっきりと明文化されたルールは存在
しません。
規定として標準化することは全く考えたこともないという企業がほとんどと思います。
組織管理の体系には、以下のような基本となる枠組みがあると考えられます。
①マネジメント3階層のルール
②組織形態のルール
③コミュニケーションのルール
④その他
では具体的にどのようなルールなのかを明らかにして見たいと思います。(つづく)