経営トップのための「一から学ぶ品質管理の基本」シリーズ(その六:組織管理ルールとは?)

組織管理の体系には、以下のような基本となる枠組みを形造るルールがあると考えられ
ます。
 ①マネジメント3階層のルール
 ②組織形態のルール
 ③コミュニケーションのルール

では一つ一つを明らかにして見たいと思います。

1.マネジメント3階層のルール
「マネジメント」は、アメリカの経営学者P.F.ドラッカーによって提唱された概念である
と言われています。具体的には、組織の目標を設定し、その目標を達成するために組織
の経営資源を効率的に配分・活用し成果を上げるルーチンワークのマネジメントサイクル
(PDCA)を回す活動とされ、経営者のビジョンをブレークダウンして実現するための
具体的な機能、機関を指します。

ここでは、マネジメントの基本的な役割を示す「マネジメント3階層のルール」について
考えてみます。

組織の各階層の役職は、ただ年功序列による肩書として与えてはいけません。経営者、
部長、課長係長・主任とそれぞれ果たすべき役割が決まっています。各マネジメント
階層に応じて、それぞれの役割、権限を明確にしておく必要があります。組織も、部
課、係と明確にその役割を「組織権限規定」「業務分掌」などで決めておきます。

但し、最近は迅速な意思決定が必要となり、何段もある階層組織では意思決定のタイミ
ングが遅くなってしまうという欠点があり営業、開発などの企画型の組織では、部、
チームなどの階層までとする機動的なフラットな組織が求められます。

 ★マネジメント3階層

2.組織形態のルール
アメリカの経営学者チャンドラーは「組織は戦略に従う」と提唱しました。一方同じく
経営学者のアンゾフは、チャンドラーとは全く反対の「戦略は組織に従う」という説
を示しました。つまりトップの戦略と、組織とは密接に関係していることを示して
います。

しかし、中小企業においては、人材には限りがあるため、「戦略は組織に従う(制約を
受ける)」ことになります。そのために、先を見越して、戦略を実行できるマネジメン
ト人材の育成を日ごろから意識して考えておく必要があるのです。

目指すべき方向を明確に示す一方で、余計な縛りを省いて、社員が自分の頭で考えて
動く裁量を与えていく、それがこれから求められる組織のマネジメントなのです。

企業の組織や役所などの組織において、殆どがライン組織またはライン&スタッフ組織
という権力集中・定型業務タイプのツリー状の組織で成り立っています。しかし、企業
の課題解決を図っていく上でこのようなツリー組織構造では、課題解決に当たって柔軟
な対応が難しくなっています。経営者が打ち出す経営方針・目標にそって、それを実現
するための機動部隊が構築されなければならないのですが、中小製造業にとっては、
限りある人材の中から、スタッフを育成していかねばならず、長期的視点での組織構築
が求められます。

(1)ライン組織
ピラミッド組織または軍隊組織とも呼ばれ、トップからの指揮命令ルートと下からの
報告ルートがはっきりするメリットがあります。ただし、複雑な業務指示が伝わらない
、報告がトップまで上がるまでに時間がかかる等のデメリットもあります。また、
官僚組織と言われるように、硬直化すると前例主義や自部門の利益だけを追求するよ
うになります。

(2)ライン&スタッフ組織
ライン組織のなかにスタッフ部門を設けた組織で、スタッフは日常業務の指揮命令系
ルートからは離れ、比較的長期の課題解決に取り組み、トップに対する提言や業務
改善などを実施します。非定形型業務への対応は可能になりますが、弊害として、
スタッフの目的が不明確な場合、役職を引退した人の腰かけ的ポストとなって形骸
化している場合も多く見受けられます。

(3)マトリクス組織
ライン組織は残したまま、各部門を横に横断する形でメンバーを構成し、いわば
マトリクスを形成する組織を言います。プロジェクト組織は、一時的にこのような
組織形態をとります。

ライン組織の指揮命令系統を残したまま、プロジェクトリーダー指揮により行動
するため、どちらを優先するかを業務によって決めておく必要があります。

組織の重要なポイントとして、環境変化に適応するため、様々な課題をスピーディー
に解決していかなければ、企業の存続も危ぶまれるということです。最近はルーチン
業務のライン組織とプロジェクト組織とを共存させる組織構成をとる企業が多く
なっています。