熟練技能をどうやって継承させるか?中小企業の熟練技能とノウハウを継承する(その2)

(その1)で整理した通り、マニュアル化が可能な作業については、作業要素ごとに
作業方法、手順の標準化を行い映像や写真などを駆使したマニュアルを作成し、それを
基にした教育訓練を実施します。またマニュアル化が難しい作業は、熟練作業者自らが
実際の作業を行いながらの教育訓練を実施します。

  DX時代の人材育成、企業の中核人材として何を学び、実践していくのか?


 ★技術者スキルアップ・事例演習セミナー(FMEA/品質作り込み)


 ★YouTube動画(無料

しかし、熟練技能者には、技術と技能を明確に分離することや、またそれぞれを伝承
するためのスキルを持っておらず、また伝承することの重要性を理解していない場合が
多いと考えられます。経営者としても重要性を感じてはいるものの、具体的にどのよう
な方法で伝えていけば良いか明確な考え方を持っていません。

そこで、熟練技能の行動や作業の分析を行って、マニュアル化が可能な作業とマニュア
ル化が難しい作業の分離を行い、それぞれについて伝承していくための手順について
考えてみたいと思います。

1.熟練技能者の行動を分析すると意外な結果が
熟練技能者の作業の様子をよく観察すると、決まった手順で行う作業と、勘・コツの
必要な作業に分けられることが分かります。実は熟練作業の内訳は90%以上が繰り
返し作業+選択作業であり、熟練技能者にしかできない勘やコツを要する作業は10
%以下であるという意外な結果が筆者の実施した調査により判明しています。

以下にその一つの事例を示します。
加工機械による精密切削加工においては、決まった手順で行う作業(繰り返し型作業)
として、図面の準備、材料の切断作業、段取り作業、中間検査、バリ取り作業、洗浄
作業、測定作業、完成検査、機械の点検・清掃などがあります。これらの作業はマニ
ュアル化が可能であるため初心者でも訓練を積むことで作業を行う事が可能となります。

2.マニュアル化が難しい作業
マニュアル化が難しい作業としては、例えば加工条件導出作業があります。
ワーク(材質・形状)に対して工作機械の特性(クセ)、切削液・工具の選定、切削
条件(最適送り速度、回転数)をどのような組み合わせで行うのか、その複数の要素
の組み合わせは無限大に存在します。しかし、与えられている制約条件のもとで、最
も高いパフォーマンスが出せるように工具を選定して切削条件を最適化していかなけ
ればならず、それは長年磨き抜かれた感覚(勘)や、優れた技能(コツ)により製品
を作り上げる熟練作業になります。

更に深い経験や知識を基に、新たなモノやしくみ、アイデアを生み出すことも熟練技
能者として必要になってきます。

そこで、まず全体の作業を決まった手順の作業と勘・コツ作業に分けます。これには
多少時間が掛かりますが、作業の観察と熟練技能者へのヒヤリングを行いながら進め
ます。これには技能継承の必要性を説き、協力を得るための努力と工夫が必要となり
ます。

 ★メルマガ・バックナンバー
 ★無料会員登録はこちらから(解説書・DVD割引)

 無料ネット相談:問い合わせ/質問など <こちら
 無料品質管理書式フォーマット・簡易マニュアル <こちら
 無料メール講座(品質管理基本/設計品質向上/経営品質向上)<こちら
 YouTube動画サイト <こちら

 ★YouTubeお試し版

 マニュアル・テキスト一覧表ダウンロード<こちら
製造現場ですぐに使えるマニュアル




7月東京 名古屋2.jpg
技術者スキルアップセミナー
(2025年9月/10月/11月/12月)
下段のお申込みフォームより 
表紙09.jpg
■9月29日(月)13:00~17:00
デジタル技術活用事例(1)
  ヒューマンエラー未然予防対策
 1.作業現場のヒューマンエラー要因
 2.作業現場のヒューマンエラー対策
表紙10.jpg
■10月27日(月)13:30~17:00
デジタル技術活用事例(2)
  現場データの見える化と活用方法
 1.品質管理活動のPDCAサイクル
 2.PDCA高速化、4つの阻害要因
 3.PDCAサイクル高速化の対応策
表紙11.jpg
■11月25日(火)13:30~17:00
DRBFM実施手順:品質情報ナレッジシステム
  と漏れのないリスク抽出
 1.設計段階で問題を顕在化させる手法と取り組み
 2.FMEAで重要な故障_事故と故障モードの関係
 3.FMEA実施手順
表紙12.jpg
■12月15日(月)13:30~17:00
形骸化しない作業手順書の作成と運用手順
  熟練技能・ノウハウ継承
 1.作業手順の作成
 2.作業手順書の形骸化防止
 3.熟練技能・ノウハウ継承
20211018_142638-removebg-preview.png
 合同会社高崎ものづくり技術研究所代表の濱田です。
 日本が誇るものづくり技術にもっと磨きを掛けよう!!

 設計、製造、品質管理、海外工場管理などの実務経験45年
 製造業のあらゆる業務に精通!講演テーマも下記の通り
 多岐にわたります。  ★講演(セミナー)のご依頼は<こちらから
0524_2.jpg

 <講演・セミナーテーマ> 事例を豊富に紹介、すぐ使える実践的内容で好評を得ています。
 品質管理基礎・実践/ヒューマンエラー予防/QC七つ道具・QCストーリー
 トヨタ生産方式/TOC理論/DBR理論/スループット会計/FMEA・FTA/トヨタ式DRBFM
 実験計画法/なぜなぜ分析/4M管理/QC工程図作成/統計解析
 階層別教育/事業計画書・業務計画作成/DXの進め方/製造業のマーケティング(BtoB)
 仕事を楽しくする生き方とは?
  <プロフィル詳細  <ご挨拶