中小企業では、マニュアルは作成に荷が重かったり、作成しても見てもらえ
なかったり、するなど、ハードルが高いものです。
そこで、仕組み作りの第一歩としてチェックリストを作成することを考えて
見ます。
事例研究・実習で品質改善の実務能力向上を図る
DX、FMEA/DRBFM、再発防止手順など
(1)業務チェックリスト
自分のやっている業務をチェックリストに落とし込むのです。そこに時間軸
や手順を埋め込むと簡単なマニュアルになります。
作業の手順を示すチェックリストは以下の3つに分類します。
①準備のチェックリスト(実施前)
②実行のチェックリスト(実施中)
③確認のチェックリスト(実施後)に分類する
また計画的に実施する業務は以下の流れで作成します。
例えば、教育訓練のチェックリストの場合
①現状把握:対象者のレベル(スキル)を測定し、スキルマップを作成
②計画(Plan):教育計画を立て、教育計画フォーマットに記入する
③実施(DO):誰が、誰に、いつ、どのような教育を実施するか
④評価(Check):教育後のスキルを測定し、スキルマップに反映
⑤再教育(Action ):スキルが不足している場合再教育を実施する
のように作成します。
(2)標準化
次に、「仕組み」がないため、今の仕事のやり方にバラツキがある。
そこで各個人の作成した業務チェックリストを仕事の流れ、情報の流れに
沿って繋げていき、共通ルールや手順を決めたり、また他の人でもできる
ような、社内標準マニュアルやチェックリストができるようにしていく。
作業標準、業務フローで、「人」の作業、「仕組み」を見直していく。
これが業務改善であり、業務効率化につながっていくのです。
(3)部分最適から脱却する
部分最適は、個人間や部門間の価値観の相違により発生します。
例えば、資材部門では、まとめて買えば安いと思い、一括注文を出します。
しかし、製造部門は、その日に加工する分があれば良いと考えます。
価値観が違うと目指すべき姿や行動が変わってきます。
情報やモノの流れが停滞するのは、価値観が不統一になっているためです。
工場全体のモノと情報の流れを掴み、全体としての価値観を統一していく
ことが大切です。
上の図は、品質保証部門と資材部門の業務の流れを統一、価値観を
統一し、連携した業務を行うフローを示しています。(全体最適化)