この事例は、組立品の天板取り付けネジが欠品しているとのクレームに対する
原因と対策事例です。
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<不良内容>
・納入した製品(設備)で、オプション品の天板が外れているというクレーム
が発生した。
・天板は、ねじ4本で締め付けるが、4本とも止めた形跡はない。
・作業者はベテランだが、オプション品は4,5台/月と生産数は少ない。
〈作業手順〉
1.製品1台分の部品を1つひとつ作業場周辺の棚から取ってくる
2.棚から取ってきた部品を作業場に集める
3.部品をはめていく
4.ねじの入った箱からねじを取り出す
5.取り出したねじで取り付けた部品を締め込んでいく
6.完成後に運搬作業者を呼ぶ
7.製品運搬後、再び次の製品に取り掛かる
8.製品は検査場に運ばれる
9.製品仕様を踏まえて検査を行う
10.検査終了後に梱包する
11.出荷場に運搬し、出荷される
<前提条件〉
・今までオプション品の天板のねじが無かったことはない(初めての事例)
・製品となる設備本体は標準品だが、今回はオプション品の取り付けがあった
・オプション品の取り付けは毎月4~5台ある
・天板のねじ締め作業に難しい点はない
・Aさんは組み立て作業に従事して5年目
・Aさんは毎月オプション品を組み立てていた
・作業標準書はある
・Aさんは部品の組み立てだけでなく、棚への補充も行う
・Aさん以外に同じ組み立て作業を行う人は3人いる
・Aさんを含めて4人とも補充および組み立てのやり方は同じである
・作業の途中で火災報知器が鳴って、工場から避難した
<なぜなぜ分析の悪い例>

<回答>
作業の手順、作業の前提条件(経緯)を整理することによって、ムダななぜを
省略できる。思い付きで、なぜなぜを繰り返すのではなく、事実の念入りな
調査と現状の見える化を行った後に「なぜなぜ分析」を行う必要があります。
この例の背景には、4M変動による影響が潜んでいます。
通常、ねじを忘れることはありませんが、作業中断によって、ベテラン作業者
でもミスを犯すことがあります。従って、このミスの起きた背景を良く調査
することが重要です。
更に、掘り下げを行うとすると、作業者に対する、作業中断時の処置、部品の
必要数量の管理は、個別作業指示書に記載するのではなく、共通組立指導書
などを作成し、教育を実施するなど、他の機種の組立へも水平展開を行う
必要性を念頭に「なぜなぜ分析」を進めることを推奨します。
このなぜなぜ分析例では、MECE(抜け漏れのない切り口設定)がないため
に、原因調査に抜け漏れが生じる恐れがあります。
それでも運よく原因にたどり着く場合もありますが、上の例を見てもステッ
プ1で「4本のネジを取り付けなかった」と、ステップ3で「組立がまだ
だったことを忘れてしまった」は同じ意味の内容を繰り返しているだけなの
で、ムダな作業となっています。
「組立がまだだったことを忘れ、4本のネジを取り付けなかった」⇒それは
「作業中断後再開時に取るべき確認を怠った」として2段階で原因究明は
終わりです。
<対策書例>
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