「業務改善」の形骸化、改善しているのに結果が出ない?:品質管理手法の形骸化シリーズ1

 タブーとされてきた問題を掘り起こし勇気をもって対処すべし
 中小製造業を斜めから見たちょっと辛口のコメント集です。


「形骸化」とは『 本来の意味が失われ、形ばかりのものになってしまうこと』
を意味します。例えば、「ルールが形骸化されてしまった」などの使われ方を
します。

「形骸化」は、「魂が抜けた形だけになった状態」、「本来の意味を失い、
形式だけが残ること」を表す言葉です。

プレミアムフライデーの意味がない、ノー残業デーが機能していない…など、
「本来の意味を失い、形式だけ残っている」というとわかりやすいと思います。

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「形骸化」してしまうことは、あまり良い意味では使われておらず、
悪い意味で用いられていることが多いと思います。

1.業務改善の形骸化
「業務改善」しているのに、結果が出ていない?
業務マニュアルは整備され、業務改善は計画的に実施されているのに
仕事の進め方は非効率的、でミスは減らないなど、多くの企業はこの
ような、業務品質改善につながっていないようです。

生産部門では、課単位で年度や半期で業務改善の目標を立てて取り組ん
でいるそうです。毎月の活動経過や進捗を確認するミーティングや半年
に1回の成果発表会も開催されています。

改善したことは、すぐに業務マニュアルに反映されることにもなって
います。しかし、うまく進んでいないとの問題意識は、部長や工場長
も抱いています。

では一体なぜこのようなことが起こるのでしょうか?

2.活動の形骸化の原因
工場長や部長などの管理層と、課長・係長また、一般社員に聞くと大体次の
ような回答が返ってきます。

【管理層の言い分】
「せっかく改善に取り組んでいるのに、なぜみながやる気にならないのか」
「通常業務をこなすだけで人員的に一杯なので、本音としては改善活動に
 本気で取り組みたくない・部下に生産以外に余計な作業をさせたくない」

【課長・係長の言い分】
「改善目標は管理層が勝手に決めている」
「もっと優先的に取り組むべき改善がある」
「成果発表がしやすい業務改善目標を設定しないと、成果を認めてもらえない」

【一般社員の言い分】
「今の改善活動は、経過進捗ミーティング用や成果発表会用の資料づくりが
 大変なだけ」
「困っていることはあるが、お金のかかる改善はダメと言われた」

このように、下の階層ほどやらされ感が高いのが「業務改善活動」の実態です。
資料作りのため、発表のための活動になっており、そのための安易なテーマ
の設定がされていると考えられます。
このことは、改善活動が形骸化していることを表しています。

「形骸化」の対義語は「活性化」です。
機能が活発になること、反応性が高まることで、組織などの活動を活発にする
こと、「 止まっていた機能が活発に働くようになる」という意味になりmす。

3.業務改善を活性化するには
「業務改善」活動を見直し、活性化させるにはどうしたらよいでしょうか?

(1)みなが困っていることに取り組む
最初から管理層が取り組み項目を決めるのではなく、係長をリーダーとして
一般社員も含めて、現場の困りごとを出し合う。その中から、話し合いで取り
組み項目を決めます。

出てきた困りごとには、すぐできるものと、自分たちだけではできないものが
含まれます。
整理整頓や修繕が必要な項目から、他部門の協力が必要な情報伝達不足、
さらに、機械設備の老朽化による故障の多発など、さまざまな問題が提起
されます。

(2)全員参画で協力する
まずは自分の部署解決できる問題を解決します。
他部門と協力しなければ解決しない問題は、課長や部長にサポートをお願いし
情報交換の場を設け「悩み相談会」などのしくみを設けます。


(3)成果を数値で出すことにこだわらない
「成果は必ず数値で出す」ことは、生産現場では当たり前で不可欠のこと
とされていますが、あまりにそれに縛られすぎても活動は活性化しません。

発表会で成果を競うため、美辞麗句で飾った資料作りに時間を掛けるなどは
本末転倒です。
苦労した点や、試行錯誤したが結果が出なかったなどの生の活動経過の発表
は説得力があり、そのほうがかえって心に訴えるものです。