そもそもFMEAの目的は何でしょうか?
これは、製品設計でも工程設計でも考え方は同じで、設計時点で市場のリスク
を低減させるため、信頼性設計、安全性設計の抜け漏れを検証するために実施
するものです。
FMEAを正しく理解する上で重要な事項を3つのポイントに整理し説明します。
1.FMEAは、現場で発生している問題を解決するツールではない
工程内作業で、再発している異品混入の問題について考えてみます。
問題が再発するのは、その問題の再発防止対策として実施すべき項目がされて
いないからです。再発、流出するほとんどの問題は、正しく再発防止対策が
実施されていない、また当然必要とされる品質管理の基本が手抜きされている
ことが原因です。
この「再発防止」のために、FMEAを用いることはしません。
再発防止対策とFMEAとは、まったく次元が異なります。
2.部品生産工場で使えるFMEA手法の正しい解説書は無い
FMEAは、今現場で起きている問題と切り離し、工程設計の段階で、どの
ように実施したらいいかを考える必要があります。
例えば、日科技連から、「日産自動車における未然防止手法 Quick DR」という
書籍が発売されています。これは、日産の信頼性、安全性設計担当されている
方が書かれた本ですがトヨタのDRBFMと同じ考え方でFMEAを実施する方法が
解説されています。
但し、これを部品生産工場に適用できるかというと、その具体的な手法は論じられ
ていないので難しい面があります。FMEAは、多くの業種、規模の異なる製造業で
使われていますが、なかなか、部品製造メーカーの工程FMEAをどのように実施
したらいいのか、詳しく、しかも正しく解説されている情報は見つかりません。
3.工程FMEAの目的(本質)は何か?
では、工程FMEAの目的、その本質は何かについて説明します。
工程FMEAは、設計時点、つまりQC工程図、作業標準書作成の上流工程で心配
点をすべて洗い出すことです。
そして、心配点と対策に漏れがないか検証する役目がFMEAなのです。
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