モグラ叩きとは、現象として現れる問題にとらわれ、その原因にまで追究
が及ばずに対処療法で済ませてしまうこと。
例えて言うと、氷山の一角として表面に現れている問題だけを捉え、その
水面下に潜んでいる問題の原因はそのまま放置していること、と言われて
います。
しかし注意しなければならないことは、「モグラの正体」はそれだけでは
明らかにしたことにならないということです。
事例を上げてみると
①作業者がミスをした
→ 今後、二度とミスをしないように注意する
②作業者がミスをした
→ 今後、作業がやりにくいので、作業の方法を変える
③作業者がミスをした
→ 今後、ミスを起こさないよう事前に作業方法を検証する
④作業者がミスをした
→ 今後、設計段階で作業ミスを起こさない構造設計を行う
さて皆さんは、①~④のどの段階までをモグラ叩きと捉えていますか?
おそらく①は、モグラ叩きであると誰しも考えます。
しかし、②以降になると考えが分かれます。
②はモグラ叩きではないと考える人、いやいや③まで対策しないと類似
のミスは防げないと考える人、もっと上流の設計で対処しないとダメと
考える人もいるでしょう。
しかし、もっと大事なことがあります。
それは、しくみの悪さです。現在の、しくみ(ルール)はどうなっている
か?です。
しくみ(ルール)の不備を直さなければ、①~④の対策を行っても、また
同じ問題が発生します。つまり①~④だけでは、やはり「モグラ叩き対策」
なのです。
今後、ミスが起きないように・・・・は、すべて後追い対策です。
つまり問題が表面化してから、手を打つという「モグラ叩き対策」に他
ならないのです。
そこで、未然予防の品質管理の考え方が登場します。
しかし一気に、未然防止の品質管理に持っていくことはできません。
まず重要なことは、再発防止を確実に行うということです。
①ルールに基づいた原因究明と対策を行う
再発防止を確実に行うことで、つぎの生産における予防のしくみが
できることになります。
②そして、徐々に仕組みを充実さる
未然防止の体系を見据えた、しくみ構築がポイントとなります。
「★エラープルーフ化の検討」 「★未然予防出重要な三つの工程と対策」