金型製造・成形不良ゼロを目指す! 改善アプローチ(1. エラープルーフのしくみ)

日本の部品金型、成形を生業とする受注生産型の企業にとって、今後顧客ニーズに
対応していくには、薄型、軽量化、微細加工など先端技術の課題に対応する技術開発
に積極的に取り組み、尚且つ不良ゼロを実現する製造技術力を蓄積していくことが
求められています。



1.攻めの品質管理
品質管理の考え方には、「守り」と「攻め」があります。「守り」の品質管理
とは下流側の工程で製品の評価テストや検査によって顕在化した不具合の原因
を究明し、対策していく後追いの品質管理手法のことをいいます。

「攻め」の品質管理とは生産が始まる前の金型設計や、成形工程設計など金型
や製品が形になる前の上流工程に攻め入って、発生し得る不具合をすべて予測
し対策し、不良をゼロに抑える品質管理手法を指しています。

「守り」の品質管理手法では、次々と新たな不具合の発生、また類似の不具合
が繰り返し発生します。そこで、不良ゼロを目指すためには品質管理の考え方を
180度発想転換し「攻め」の品質管理手法を取り入れていく必要があります。

今回は攻めの品質管理手法であるエラープルーフ化および、品質機能展開(QFD)
などを取り上げ、その考え方や応用例を紹介します。

2.エラープルーフ化とは
エラープルーフ化とは作業ミス等による不具合が発生しないように、あるいは
発生しても影響の拡大を防止するようにあらかじめ工場の品質管理のしくみを
設計する概念を言います。これを応用して金型設計・製造工程まで拡張して
考えてみます。

エラープルーフ化1.jpg

図で示すように、エラープルーフ化では、各工程で講じられる予防のしくみ
の欠陥の穴をできるだけ少なく、小さくする多重防御のシステム(スイス
チーズモデル)を構築します。

(1)発生防止と波及防止の設計
不具合の発生防止(予防)の設計として排除、代替化、容易化を図り、万が
一不具合の兆候(異常)が現れた場合、早期検出とその異常の拡大を抑える
波及防止策を講じます。

(2)排除/代替/容易化
金型設計の結果、その機能・構造は図面にアウトプットされます。また製造
工程設計の結果はQC工程図にアウトプットされ、工程の機能構造として5M
(人、機械、材料、手順、測定)の管理項目をそれぞれ設定する必要があり
ます。金型および工程の機能、構造の不具合を防止するために以下の予防策
を盛り込んで設計を行います。

①排除
金型設計では、CAE(Computer Aided Engineering)による構造解析
流動解析、熱解析等による問題個所の修正、またメンテナンスフリー構造
化などを検討し、更に過去トラブルの不具合の原因を事前に取り除くこと
成形工程では、エラーの原因となる、あるいは発生させる可能性のある
作業を不要にすること、などが該当します。

②代替化
金型の機能や構造を最適手段で実現すること、製造工程では人が行っている
作業を機器やシステムなど他に代替させることをいいます。

③容易化
金型の部品点数を少なくするなど、できるだけシンプルな構造に設計する
こと、製造工程においては作業をしやすくする配慮を行います。 


(3)影響緩和
異常の兆候が現れた場合にその影響が拡大しないように、また影響を緩和
する設計手法として、フェイルセーフ、フールプルーフ設計を取り入れて
いきます。

フールプルーフ設計では、誤った使い方をしても人を危険から守り、金型
が致命的な故障や損害を生じさせないような構造に設計します。

これに対し、金型の一部が損傷、故障、停止などしても危険が生じない
ような構造にする設計思想のことをフェイルセーフ設計といい、あらか
じめ定められた安全側の状態に固定し、故障の影響を限定することにより
作業者の安全を確保します。特にハイサイクルで高速な開閉をする金型や
大型サイズの金型などの設計では、このような安全設計が必須となります。

(4)検査実施方法
最終検査の目的は、不良品を絶対に社外に流出させないことに加え、検査
のもう一つの目的として、工程の管理すべき5Mの項目がそのルール通り
実施され、守られているかどうかを確認することです。不良ゼロを目指す
には、不良は絶対に外に出さないこと、工程を止める権限を持つことが
重要なポイントとなります。
第三者検査.jpg
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 合同会社高崎ものづくり技術研究所代表の濱田です。
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