金型製造・成形不良ゼロを目指す!改善アプローチ(4. 不良ゼロ実現のための新製品製造立上げ管理)

金型製造・成形不良ゼロを目指す!改善アプローチ(4. 不良ゼロ実現のための新製品製造立上げ管理)


今回は、シリーズ最後の4.不良ゼロ実現のための新製品立ち上げ管理に
ついてです。
以下に、新製品製造立ち上げフローを示します。
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1.工程設計と製造準備
(1)工程設計
工程設計とはモノの作り方を設計する作業のことで、誰が(Man)、どんな設備
・機械・治具を使って(Machine)、どの材料を(Material)使って、どのよう
な加工方法・加工順序で(Method)で、加工を行い、その結果どのように測定
(Measurement)するか管理項目を決めます。

管理項目はミスを予防するため、エラープルーフ化の基本検討項目である排除、
代替え、容易化、影響緩和策が十分に検討され盛り込まれていなければなりま
せん。そして、その条件で作られた製品が品質特性(形状・寸法、外観)の
基準を満たしているかを確認する検査手段を決めます。

工程設計の内容は、QC工程図に表されます。QC工程図は、基本的に製品の
種類ごとに作成され、上記の5Mの管理項目が全て網羅されている必要があります。
また、個々の作業の詳細についてQC工程図を補足するために、成形条件設定表
作業手順書、チェックシート、検査標準書を作成します。

(2)製造準備
製造前の準備段階において、工程設計(QC工程図)、作業手順書、成形条件
設定表、検査標準書、限度見本、治具などを準備します。その際エラープルーフ
化における発生防止/波及防止の観点から異常検出・処理手順、自工程完結工程
の作り込み、工程巡回のしくみなどの予防対策を講じます。

2.量産試作検証と量産移行
(1)量産試作検証
量産試作では、量産と同じ工程の条件で生産を行い、製造準備が完全かどうかを
評価し、量産移行の可否を判断します。また、測定データの確認結果、工程能力
確認結果、検査結果を記録して解析を行い、フィードバックを行います。

(2)量産移行と日常管理
量産移行後は、エラープルーフのしくみに沿った日常管理、4M管理の実施、工程
パラメータ設定と管理、 製品のトレーサビリティー管理、金型、機械設備の日常
点検・保守メンテナンスを行います。

日常の工程管理のポイントは、異常を早期に発見して波及防止を図ること、効果
的な検査を実施して流出防止を徹底することです。


(3)品質向上の取組み
近年、IOTの取組が各企業で行われており、各種センサを駆使し、変化点等を捉え
トラブルを未然に防止し、成形の安定化を狙った取り組みが行われています。

例えば、射出成形監視システムを構築し、金型内にセンサを取り付け、金型温度
を監視し、不良発生防止を図る取り組みや、プラスチック射出成機のパラメータ
設定を遠隔で監視、または制御し成形条件を最適にコントロールを行っている例
も見られます。

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 合同会社高崎ものづくり技術研究所代表の濱田です。
 日本が誇るものづくり技術にもっと磨きを掛けよう!!

 設計、製造、品質管理、海外工場管理などの実務経験45年
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