海外工場へ新たに生産を委託する場合、トラブルなく生産の垂直立上げを
成功させるポイントは、念入りな製造準備を行うことに尽きます。
その手順を1~4に示します。
工場監査・工程監査のポイント、新製品立ち上げ手順など、品質管理のポイントを詳しく解説します
★YouTubeミニ解説
1.図面、ドキュメントの支給
まず、図面や関連ドキュメントは、日本の熟練作業者であれば、図面が多少
不備でも、こうすべきと自分で判断して、工夫しながら作業を進めることが
可能ですが、海外では熟練作業者の存在はほとんど期待できないため、日本
で通用する図面は、海外では通用しないことが多く発生します。
特に、公差が厳しいと、海外では公差範囲内に収めることは困難な場合が
あります。そこで公差を緩和する、または、製品として支障なく組み立て
ることができる構造設計とするなどの対処が求められます。
2.工法・製造工程の決定と、治工具の準備
一部の部品、一部の工程を外注化する場合は、外注先の工法、工程をその
まま活用することになります。但し、流出防止のための検査強化、治工具
の支給などは最低限行う必要があります。
3.作業手順、検査手順の明確化
日本で実績がある作業手順書や、検査規格でも、作業ミス、検査漏れ、
誤判定を防ぐため、改めて以下の項目を再度検証することが必要となります。
①作業しづらい工程、間違いやすい作業の排除
②作業の出来栄えの良否判断基準、検査基準を明確化し、曖昧さをなくす
③汎用工具の専用化、治具化などを行い作業を容易化する
④限度見本の取り交わしなど、官能的な判断基準をできる限り明確にする
⑤作業者訓練(OJT)ルールを制定し、一定スキルに達した者を認定作業者する
4.試作品の評価、認定、量産移行可否判定
期待通りのものが、ばらつきなくできるかどうか、試作サンプルを製作し、
製造工程と完成品が品質上問題ないことを、委託側企業のしかるべき責任者
が判断し、量産に移行する。
納期に追われ量産開始を急いだ結果、不良品の山を作るということは絶対に
避けなければならない。
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