失敗しない海外委託生産(5)工程監査・リモート監査の実施手順

工場監査、工程監査は実際に協力工場を訪問して、現場の状況や書類の
確認を行うが、必ずしも効果的な監査が実施できておらず、量産開始後
様々なトラブルが生じています。


監査を適的に実施し、一定の品質レベルを確保することは、特に海外工場
委託生産にとって最も重要な管理項目です。
最近は、コロナの影響により、工場を訪問して監査を実施することが難しい
場合もあり、的確な監査が実施できないケースが増えています。
そこで、リモート監査を含む、工場監査、工程監査における重要ポイント
を以下に解説します。

1.目的を明確にする
工場監査・工程監査はその目的によって内容は大きく異なります。
監査の目的、方法における分類を以下に示します。
(1)監査の目的別に分類
 ①新しく協力企業を開拓したいので経営状態を確認する
 ②新製品の立ち上げなどで、その製造工程は適合しているか確認する
 ③不良発生時の再発防止策の確認する
 ④量産開始後、工場の環境、作業方法や品質に問題ないかを確認する

(2)監査方法による分類
 ①iso-9000や14000のマネジメントシステムに沿った監査
 ②商品の規格や、製造手順書に沿った製造工程の監査
 ③工場設備や機械装置などの基準、法律に沿った監査
 ④両社間の契約内容に適合しているかどうかの監査
 ⑤独自監査項目に沿った監査

事務的な通り一遍な監査はあまり意味がありません。目的を明確にして、
監査内容もポイントを絞り込んで実施します。
監査チェックシートは、あらかじめ、監査を行う相手に送付し、準備して
もらうと時間が節約できます。

実際の監査では、各監査項目について、現場、規定書、手順書、記録類を
確認する。決まり事と、実際の現場や記録が一致していることを必ず確認
します。

2.工程監査の限界を知る
監査項目は、生産工程の作業指示書や検査基準、作業者の教育、機械設備
類の管理、材料の管理など4Mの項目についてQCDが確保できるかどうか
確認が主体となる。特に重要な点は
 ①重要工程で作業ミスを防ぐ対策は十分か?
 ②異常や不良が即座に分かるよう、見える化されているか?
 ③工程や、製品に異常が発見された場合、誰がどのように処理をするか?

ただ、これらを見極めることは難しく、本当に品質確保ができているかどう
かは時間が限られた監査では十分に確認はできません。いざ生産を始めると
色々と問題が発生する。

3.求める品質レベルをはっきり伝える
では、工程監査をより効果的に行うにはどうすればいいかを考えてみます。
監査を実施する場合に、あらかじめ、外注先に求める品質レベルをはっき
り伝えることが重要です。これを伝えず、目先の問題点をつついている
だけでは根本解決にはなりません。

つまり、求める品質レベルを具体的に示して、それを実行させます。
管理のしくみとして、教育訓練、QC工程図、設備・機械類の定期点検、
品質判定基準、是正処置、4M変更報告、などの必要な規定は何か、保存
すべき記録類は何かなどについて、要求事項を明確にし、いつまでに、
このレベル達成すべきとはっきり通告し、期限になったら要求したレベル
が達成されているかどうか確認監査を行います。

4.過去の活動の記録を見ること
(1)目に見える部分に囚われるな
工程監査を行う時、通常は5Sが行き届いているか? 作業標準は工程に適切
に掲示されているか? 設備のメンテナンス状況は記録されているか? 
などあらかじめ準備した確認項目に沿って、目で見て確認します。つまり、
品質に直接影響を与える日常管理がきちんとされているか?ヒヤリングし、
自分の目で確認するが、工場監査を行う旨あらかじめ通告してある場合は、
工場ではいつもにも増して、現場をきれいにしたり、監査のために、作業
標準を整備したり、事前対応をしてくれていることも多いものです。

(2)工場の真の姿とは
そこで、工場の真の姿を確認する必要があります。例えば「日常活動の記録」
を時系列で確認することで、一時しのぎのごまかしが効かない監査が可能と
なります。活動の記録とは・・・例えば
 ①不具合発生の原因調査、対策の記録
 ②多能工の教育計画とその実績
 ③生産性を上げるための取組み内容と成果
 ④設備や測定器の管理記録、修理記録 
 ⑤材料の入庫、出庫、先入先出の記録
 ⑦取引額の日系企業の割合

などなど、いろいろある。綺麗にまとまっていなくても、このような活動
が継続的に実施され、PDCAが回っていることが確認でき、努力の跡が見え
るなら、この工場は合格です。もし口先だけの説明に終始し全く実行が伴っ
ていなければ不合格と判断します。しかもこれらの確認は、現地工場に出
向くことなく書類で確認できるため、大いに活用すべきです。

(3)工場で人材が育っているか?
人材が育つ環境を経営者が与えているか、一時しのぎではなく、継続的に
工場をより良くしていくためには、特に管理層、現場のキーマンに良い
人材が必要であり、それを理解し経営者が人材を育成しているかどうか、
これも活動の記録を見れば一目瞭然です。

このように工程監査は、外見ではわからない所を監査する必要があるのです。
お客様に信頼されている優良企業は、高性能の機械を導入している企業では
なく、目に見えない所で、ノウハウを積み上げている企業、つまりハード
よりソフトを重視し、積み上げた結果今の地位を築いているはずです。

ロナと共存の経済活動の中で、現地、現場確認主義の監査には限度が
あるため、活動実績記録類など、遠隔で確認できる項目はたくさんあると
考えられるので、上記の3つのポイントを念頭に、より効果的・効率的監査
実施方法を工夫しながら検討していくことが重要となります。

4.コロナ後の委託生産のあり方
「コロナが変化を加速させた」と言われていますが、製造業に限らずIT
企業をはじめ、流通・運輸業などにおいても外注できない仕事はすでに
なく、外注先も国内に留まらず海外に広がっている。リモートワークが
会社の外で行われるのであれば、位置づけは外注と同じであり、5Gなど
の大容量通信技術が充実してくれば、国内と国外の境界線がますますなく
なることを意味しています。

部品の3Dデータを海外の加工工場のマシンに直接送り、加工するなどの
業務はすでに始まっていいます。また、わざわざ海外工場へ出張せずと
もテレビ会議で日々の進捗状況の把握、問題点の解決などが可能となっ
てきました。またIOTも今後は自社内に留まらず企業間の取り組みにも
広がってきました。

人手不足で雇用がままなない日本企業は、新製品開発や新市場への展開は
広く外注を活用することで可能になってきます。
IT化は以前より叫ばれていたが、コロナによりITツールを使う側の意識の
変化が一気に進んできました。

このシリーズでは、リモートによる外注管理手法をいくつか紹介しており
それを参考に、今までの外注管理の固定した考え方を転換するヒントとして
頂きたいと思います。



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