中小製造業のデジタルトランスフォーメーションはどのように進めていくのか?(1)

中小製造業における DX の目的は、顧客価値を高めた製品・サービスを
提供し続けられる企業となり、競争上の優位性を確保し続けることです。

その目的のために、DXをどのように活用していけば良いのかを考えます。
つまり、顧客価値の高い製品サービスをどこに対して、どのように提供
していくのか?そのための自社の特徴や強みをどう生かしていくのかを
戦略的に考えて実行していく必要があるのです。

参考:独立行政法人情報処理推進機構 社会基盤センター
   「中小規模製造業者の製造分野におけるデジタルトランスフォーメーション
   (DX)推進のためのガイド製造分野 DX を理解する」より





中小製造業を取り巻く事業環境の変化(中小企業白書 2016)
 ◆ 大企業の下請けを中心とした取引構造の希薄化
 ◆ 少子高齢化による国内需要の縮小
 ◆ 労働者の不足(外国人、フリーター等の存在を前提とした労働市場)

中小製造業の課題(ものづくり白書 2017/2018、中小企業白書 2019)
 ◆ 日本のものづくり産業全体の課題である、人材不足、強い現場力の維持
  ・向上、中小企業が所有している設備は老朽化が進んでいるに加え、
  中小企業全体の課題である収益力向上(稼ぐ力の強化)が急務である。

 ◆中小規模製造業は大企業の大量生産を支える垂直統合したサプライ
  チェーンの中で、低価格・高品質・短納期という要求に対応しているが
  マスカスタマイゼーションの要求に応えていく必要がある。

 ◆下請け構造から脱却し、個々の企業の強みを生かした水平方向の連携
  構造へ転換する必要がある


このような課題へ対応するため、「製造分野の DX」を以下と定義します。
「顧客価値を高めるため、製造分野で利用されている製造装置や製造工程
の監視・制御(OT)などのデジタル化を軸に、IT との連携により製品や
サービス、ビジネスモデルの変革を実現すること
「顧客価値を高める」ことで、その結果として収益力を向上させ、競争力
を高めることができます。
DXを推進することを目的にするのではなく、デジタル化が効果的である
ことを実証しながら組織を変革させていくことが重要です。

中堅・中小製造業がDXを推進するためのポイントは以下の通りです。
 ①少人数、小予算でスモールスタート
  工場の例としてカメラ、センサー、位置測位情報といった、稼働して
  いるシステムを止めることなく、追加できるものを検討
 ②成果を上げることで必要性を浸透
 ③社内理解を進めつつ拡大
 ④社内外から人材やアイデアを募集
 ⑤組織全体を変革

以上について経営層と現場が一緒になってDXについての理解を深めながら
進めることが成功への近道となります。

では、具体的にどのような目指す姿を描くのかについて、中小規模製造業
が製造分野におけるDX により目指す姿として、「スマートプロダクト」
「スマートサービス」「スマートファクトリー」を例示します。
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スマートプロダクトでは、どのように顧客体験を変化させたかという視点
で考えます。具体例として、碌々産業の例を図示します。「製品にデジ
タル技術を適用し、データを収集し、データを活用した付加価値と顧客
の経験価値を高め続ける」という点がポイントです。

これまでも、マーケティング、お客様からの声、ビックユーザーの声など
を製品作りに利用していますが、製品そのものの機能として、顧客経験
価値向上に利用できるデータ収集ができることが、ブレークスルーと言え
ます。
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スマートサービスでは「顧客体験をサービスで実現」します。しかし単なる
サービス単体の提供ではなく、「モノ+コトづくり」という点で、製造業者
が目指す姿として競争力を高められると考えます。
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スマートファクトリーの事例では、単なる生産性向上・品質向上ではなく、
データに基づく業務改革を行い、従来と違う顧客価値を提供できるように
します。そして工場のデータを活用して、受注業務の変革に繋げています。
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 ★中小規模製造業の製造分野におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の
  ための事例調査報告書

 ★中小企業におけるDXの成功事例5選【従業員規模別に解説】