ヒューマンエラーの原因追及となぜなぜ分析の関係(その1):本気でヒューマンエラーをなくしたいと考えている現場管理者向け記事

ヒューマンエラーの原因追及となぜなぜ分析の関係についてお話したいと
思います。実をいうと、今まで正しいと思えるなぜなぜ分析結果を見た事
がないというのが正直な感覚です。




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まず、いくつかのなぜなぜ分析の事例を取り上げてみましょう。
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まず事例1を見てみましょう。
このようななぜなぜ分析はよく見かけますね。

組立途中で離席したため、再開時ネジ締め工程を飛ばしてしまったという作業
ミスの内容です。
作業中断し、離席するときに中断札を付けるルールがなかったので作業指示書に
追加して再発防止を図ったということですが、対策内容もさることながら、
なぜ1,なぜ2、なぜ3までの分析の進め方はどうでしょうか?同じような
言い回しでなぜが繰り返されており、ムダと感じる人も多いと思います。

ネジ締め工程を飛ばした原因は、組立中の作業中断/再開時の確認手順の
ルールがなかったからで、特になぜなぜを繰り返す必要もないと思います。

事例2はどうでしょうか?
なぜ1,なぜ2、なぜ3の分析の進め方は、抽象的表現の実で進められて
おり、「判断基準の何がどのように明確でなかったのか?」「バランス
とり作業がどのようにまずかったのか?」が全く分析されていません。
詳しく現場を調査したとは思えないなぜなぜ分析です。


最後の真因を見ると、「曖昧だった」「間違えた」「認識不足」「指示
ミス」「問題意識無し」など原因はすべて人のミスであると結論付けて
います。

品質管理では、ヒトはミスを犯すものであることを前提に、そのミスを
起こさないような管理(しくみ)の悪さを指摘して、ミスをできるだけ
少なくするような管理方法を検討します。

例えば、許容値の指示が曖昧であったなら、許容値の指示方法がどの
ようにまずかったのか?許容値はどのような手順で決定していたのか?
など、もっと現場や、手順書などの記載内容の不備がないかどうか調査
が必要と思います。

事例3は少し様子が違うようです。
ボルトが回らない原因を探すための「なぜなぜ」ですが、これは、何人かで
集まって、ブレーンストーミングを行って要因を洗い出す目的で作成された
もので、現場の状況を詳細に観察すれば、ボルトが回らない原因がすぐに
わかると思います。なぜこのような「なぜなぜ」を行うのか?意味がよく
分かりません。

以上3つの事例のなぜなぜ分析の問題点をまとめると、
 ①発生した問題の対策が見えているのに、間に無意味ななぜなぜを入れている
 ②真因を人のミスと結論付けている
 ③現場調査、手順書など三現主義に基づく調査が全くされていない
 ④ミスを起こさないための管理のしくみの不備を指摘していない
 ⑤現場をまったく見ずに、ブレーンストーミングで要因を抽出している

では、ヒューマンエラー再発防止のための正しいなぜなぜ分析はどのように
行えばいいでしょうか?

そのヒントとなるのが、不良原因解析なぜなぜ2段階法です。
2段階1115.jpg
この分析方法は、発生した問題の事実の把握と因果関係を調査し、その
原因として、現場のルールの不備(ルールと作業のギャップ)を指摘します。


次回はこの分析方法について詳しく解説します。

 (その2へ続く)


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