不具合発生情報を水平展開するにはどうすれば良いか?
社内の情報共有による、類似の問題の再発防止・予防の考え方について
解説します。
★FMEAの効果的実践マニュアル(基礎編/実務編)
★工程FMEA簡易評価法実施手順書
1.故障モード抽出表・キーワード検索ツール
故障モードがどのようなメカニズムで発生し、どのような重大な影響を
与えるか?について見過ごすことなく予防策を講ずるために、過去事例
のメカニズム解析結果の情報は大いに参考になる。
また、設計~製造工程まで考慮し、どのように予防策を講ずるかを考える
ヒントとなる。
例えば、過去の問題発生事例から以下のような故障モード抽出表を
作成し、誰でも検索できるようにする。
故障モードがどのような状況で発生し、どのような問題(事故)が起きた
のかを知ることで、担当の新たな工程や、新製品などで類似の問題が発生
しないようにあらかじめ予防対策を講ずることが可能となる。
故障モードとは
例えば、部品の断線、短絡、折損、磨耗、特性の劣化などの物理的
化学的な構造が壊れること。
(故障とは、部品の構造が壊れることによって引き起こされる機能
の障害のことで故障モードと区別される)
故障モードの詳細
2.下流工程における情報の欠落・劣化防止
顧客の期待や要求は仕様書、図面などの形でアウトプットされるが
すべてを表すことができない。また、さらに上流の設計工程から、
下流の製造工程に渡す情報は、徐々に欠落・劣化し、100%伝えること
はできない。情報はどんどん欠落・劣化していく。
設計図面をもとに作成されるQC工程図や作業指示書は完璧に作成した
つもりでも、そこには必ず情報の欠落・劣化が生じている。
例えば、プレス曲げ加工時のストレスにより亀裂が生じ、そこに車両
振動など繰り返し応力が加わり曲げ部分が破損したなどの事故が発生。
これは製造時に発生した亀裂を見過ごしてしまうと重大事故につながる
という事例で、作業者は亀裂発生が重大事故につながるとは考えていない。
そこで、情報欠落を防ぐ対策として、工程間のレビュー・コミュニケー
ションが欠かせない。デザインレビューやFMEAレビューによって顧客
要望や、製品の使用環境などに対する製造技術上の制約など設計/製造
工程間の情報欠落、劣化を防止する。
3.ITの活用
品質改善見える化システム(案)を構築する。
社内に不具合情報を水平展開することによって類似の問題発生を防止する
水平展開する情報は以下の通り(品質改善見える化システム)
①不具合報告書
②手順書、規定制定・改定情報
③故障モード抽出表
不具合報告書は、是正内容が記載されており、同時に手順書類、規定類の
改定情報が含まれる。関係者はこの情報確認済みボタンを押すことで、
周知したものとする。対策書とルール改定情報は必ずペアとなって関係者
へ流される。
故障モード抽出表は、新製品、新規工程あるいは既存製品であっても水平
展開情報として「故障モード」をキーワードにして、どのような問題が
発生し得るのか?予測するツールとして使用する。
これはFMEAの実施と同じ効果が得られ、予防対策として非常に効果が
得られるものと思われる。
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