群馬県は東京都から100km圏内と交通アクセスも良く、古くから製造業
の割合が高く「ものづくり」産業が盛んな地域です。
この群馬県高崎市で「高崎ものづくり技術研究所」は、活動を行っています。
1.群馬の工業の歴史
群馬県富岡市には明治時代に当時地場産業であった養蚕を発展させる形で
製糸工場が建てられ、近代工業の奔りとなりました(富岡製糸場)。
また、県太田市周辺や伊勢崎市は、太平洋戦争時に海岸部を避ける形で
軍需工場が置かれ、これらが戦後の北関東における内陸型機械工業へと
発展しました。

2.群馬県の特色
1.環境
内陸県のため地盤が安定しており、地震・台風など自然災害が少なく、
豊かな自然に恵まれています。
2.交通
軸となる高速交通網は発達しており、4本の高速自動車道路により東西南北
どこからでもアクセスできます。圏央道により中央道とも接続、北関東道
も全線開通し東北道とも接続され、より利便性が向上しています。
3.人材
産業技術専門校の整備・拡充など産業を支える社会環境・教育環境の整備
を行うことにより、優秀な人材の育成に力を入れています。
3.「かかあ天下」は群馬で生まれた!
おれのかかあは天下一? 家計を支える群馬のスーパー母ちゃんたち
群馬で古くから作られている名産品といえば「絹」ですね。特に桐生の
織物は、京都の西陣と並んで、高級品として全国的に有名です。その生産
で昔からパワーを発揮してきたのが、群馬の女性たちでした。
絹織物(きぬおりもの)の生産には、蚕(かいこ)を育てる「養蚕」
蚕の繭(まゆ)から糸を作る「製糸(せいし)」、糸から布を織り上げる
「織物(おりもの)」と、大きく分けて3つのステップがあります。
1.養蚕
「養蚕」では、蚕という虫を育てて繭を作らせます。とても繊細な虫で、
難しい飼育は子育てにもたとえられます。そのため、この仕事で女性が
活躍してきました。
2.製糸
「製糸」は、ぐらぐらと鍋で煮た蚕の繭から糸を引き出す仕事です。
昔ながらの手作業と、器械を使うやり方があります。そのどちらも根気の
要る作業で、女性を中心に行われてきました。
3.織物
「織物」では、繭から作られたままの色をした「生糸(きいと)」を染め
織り上げて布を完成させます。ここでもやはり女性の出番が多く、熟練の
技でクオリティの高い絹織物を生産してきたのです。
そんなわけで、群馬では古くから、働く女性が家計を頼もしく支えて
きました。男性たちはそれを「おれのかかあは天下一」と呼ぶように。
それこそが、群馬名物「かかあ天下」という言葉のルーツ。奥さんを
オニババ扱いするどころか、働き者として最高に誉めるキーワード
だったんですね。