上流工程で品質を確実に作り込む方法「QAネットワーク」と過去トラブルの「知識(ナレッジ)化」

上流工程で品質を作り込むための「QAネットワーク」の手法を紹介します。

品質は、工程の上流で作り込む必要があり、工程設計、製造準備段階で
過去に発生した問題が再発しないように、確実に対策を行っていく必要
があります。

QAネットワークは、トヨタグループで考案された手法で、現在は多くの
企業で品質保証レベルの見える化に有効なツールとして活用されていると
言われています。

QAネットワークでは、品質保証項目または不具合項目に対して、発生防止
と流出防止のレベルをそれぞれ数値化して表わすとされていますが、対策が
十分かどうかを判断する基準が、あまり明確ではありません。

その理由として、過去トラブルの原因と対策が知識(ナレッジ)化されて
いないために、対策内容が、確実に発生防止、流出防止に繋がるかどうか
の判断基準が曖昧になり、主観的な判断になってしまうからです。

以下に、QAネットワークの概要と、過去トラブルの原因と対策の知識
(ナレッジ)化<過去トラの知識化>と、確実な発生対策、流出対策
実施方法について解説したいと思います。


1.QAネットワークとは
(1)目的
モノづくりの前の上流工程(工程設計、製造準備段階)で、ミスや加工
不良などの発生と流出を未然に防止することを目的とする。
過去事例を参考にして、現状の発生対策、流出防止対策に不備がないか
どうかを検証し、不備がある場合は、追加の対策を講ずる。

QAネットワーク1.jpg
QAネットワーク2.jpg

2.過去事例ノウハウの知識化(ナレッジ)とは
事前に想定される不具合の対策を講じるためには、「過去トラブル」の
原因と対策内容から、その因果関係を明らかにし、定量化しておく必要
がある。このことが、固有技術の蓄積に繋がる。

簡単な例として、ドリルによる穴あけ作業を例に説明すると
部品加工不良率10ppm以下にするためには、加工後の寸法特性値に影響
を与える、要因を特性要因図により抽出する。
スライド6.JPG

次に、抽出した要因(点検点)がどの特性(管理点)に影響を与えるかを
明確にするため、管理点・点検点マトリクスを作成する。
スライド7.JPG
加工テストを繰り返し、不良率10PPM以下となるCpk=1.66を満足する
点検点の管理方法を決める。
その時、規格公差より内側の、社内規格と、設定幅を設け、管理する。
スライド9.JPG  
管理点、点検点の管理方法を決定し、下表にまとめる。
これを、QAネットワーク表により評価を行い、発生防止と流出防止が
図られることを確認し、QC工程図にフィードバックする。
スライド8.JPG