FMEAより効果の上がるボトムアップ設計手法:簡単に取組める未然予防の設計手順:高崎ものづくり技術研究所

お客様本位のボトムアップ型設計の考え方とはどのようなものでしょうか。
潜在する問題の未然防止策と、顕在化した問題の再発防止策とは、設計の
考え方は全く異なります。



   
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顕在化した問題の不具合事象から、原因を追究し、フィードバックして
く方法は、次の類似製品で、同様な不具合の発生を防ぐことは可能です。
しかし、全く経験のない、未知の問題には対応できません。

また、設計変更を行った場合、新たな部品を採用した場合など、問題発生
の予測が出来ず、対策が漏れてしまうことがあります。
このような場合の不具合を見つけ、対策するには、設計システム、および
設計者自身も、原因追求対策型の設計、(トップダウン型)から、未然
防止型の設計、(ボトムアップ型)へ、考え方を、180度発想転換する
必要があります。

ここでは、FMEAの考え方をベースに、問題発生・流出を予防する、ボトム
アップ設計手法について解説します。

1.潜在している問題を顕在化する「故障モード」
故障モードとは、例えば、部品の断線、短絡、折損、磨耗、特性の劣化
などの構造破壊のことを指します。
一方、故障とは、部品の構造破壊によって引き起こされる機能の障害の
ことで、故障モードの影響により発生します。 

FMEAでは設計の対象を、システムで捉えたとき、環境・使用条件が
きっかけとなり、部品、コンポーネントの構造が、破壊、(破損、劣化、
接続不良等)が、発生したときに、どのような影響を及ぼすのか?故障
発生までのメカニズム、一連の流れを予測し、リスクを定量化します。


2.ボトムアップ解析(FMEA)と、トップダウン解析(FTA)
トップダウン解析(FTA)では、既知の故障の発生確率や、故障の原因と
なる部品の不良までの因果関係の解析を行います。
この場合、部品・材料レベルまでの特性、信頼性などの情報が得られる
ことが、ポイントとなります。

ボトムアップ解析(FMEA)では、部品の故障モードから予期しない故障を
発見します。
そのためには故障モードを含む心配点をすべて洗い出す必要があります。
この場合は故障モードが製品に及ぼす影響、リスクを想定できるかがポイ
ントになります。

 ★FTAとFMEA(DRBFM)との違いは何か?

6.ボトムアップ型設計手法とは?
未知の不具合を見つけ、対策するには、設計システム、および設計者自身
も、原因追求対策型の設計、(トップダウン型)から、未然防止型の設計
(ボトムアップ型)へ転換する必要があります。
ボトムアップ設計の手順を、①から⑤までのステップで示します。
FMEAより効果の上がるボトムアップ設計手法.jpg


①新規点変更点リストの作成
アレンジ設計を行った部分(新規点・変更点)と、その方法を採用した根拠
を明確化する。
つまり、部品を新しく採用した時は、「耐久性アップのため」などの理由を
明確にすること、従来部品との互換性、二次障害が発生しないことの根拠を
示す必要がある。


②既知の問題の対策
既知の問題をトップ事象に、トップダウン解析、(FTA)を実施する。
これは、従来からの設計手法で、同様の問題が設計対象の製品に発生しない
ように、あらかじめ対策する。
例えば、従来製品で電源コードが断線し、発煙事故が発生したなら、電源
コードを固定し、断線しないように対策する。


③心配点のリストアップ
新規点・変更点に着目し、心配点や、確認を要する不明点を新規点変更点
リストにリストアップする。
例えば、今回新しく採用した部品は、耐久性アップのため採用したが、
一定以上の外部ノイズに対して誤動作する可能性がある場合、誤動作の確率
誤動作の影響による顧客(使用者)への影響がないかどうか?心配点を
リストアアップする。


④リスク評価と対策
心配点、確認が必要な項目に関して、設計時点で確認実験を行い、対策を
講ずる。
例えば、ノイズ試験機により外部ノイズを加え、誤動作が起きないかどうか
また、ノイズ防止対策により、改善がみられるかどうか定量的に把握し
対策を講ずる。
そして、安全性、信頼性が確保できるかどうか、リスク評価を行い、必要
であれば追加の対策を講ずる。


⑤有識者によるレビュー
設計者は、設計時点で作成した、新規点・変更点シート、セルフFMEA評価
シートを、有識者レビューインプット情報とし、今回の設計の概要と、設計
の根拠をデータで示し、それぞれの専門分野の有識者による、レビューを
行い、抜け漏れのチェックを行う。


以上がボトムアップ設計の概要です。

本格的なFMEA実施となると、設計者に多くの負担が掛かります。
また、上記のボトムアップ型設計の考え方、手順に基づいた設計がされて
いない状態でFMEAを実施しても効果は得られません。
そして、後追いのもぐらたたき設計の進め方を変えない限り、設計品質
向上は望めません。

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★製造業改革 三つの柱
一つ目:人材育成
二つ目:技術力(品質)向上
三つ目:下請け体質からの脱却(顧客開拓のしくみ)


日本のものづくりは、人に受け継がれてきた熟練技能と、全員一丸となって困難に立ち向う、力の結集力より優れた製品が生み出され世界的に高い評価を受けてきました。

 しかし、これだけでは、これからの時代に中小が生き残っていくことは困難になって来ました。市場の厳しい品質要求に応えていくこと、また多様なニーズをとらえて機敏に対応していくことが求められますが、売り上げの伸び悩み、人材難熟練技能者のリタイヤなど、経営資源の不足する中小企業では今までのやり方では対応が困難となっています。

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 経営層は、これらの時代の変化を捉えて、従来からの下請け体質を打破し、果敢に事業変革にチャレンジしていかなければ明るい未来は開けません。

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など、中小企業の持つソフトな経営資源(人、技術、組織)と、アナログ対応力(顧客の期待に沿う)に磨きを掛け、これらを武器に新たな事業の可能性を追求し、利益を得ていくことこそ日本の中小製造業に課せられた使命と考えます。

   高崎ものづくり技術研究所
   代表 濱田金男