OJTの名のもとに行われている職場における新人教育はなかなかうまくいきません。
その理由としては
①教育計画が建前となっていて、中身が十分でなく効果が上がらない
②現場指導者は、あれこれ自分の業務で忙しすぎて指導ができない
③そもそも現場指導者に教育するスキルがない
などです。
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1.OJTの問題点
OJTは、その実施者(上司・管理者)の力量によって、成果にバラつきが生じる
欠点があります。例えば、この製品を仕上げる技能は右に出る者がいないという
ベテラン係長がその加工技術や組立技術・ノウハウを部下にうまく伝授できない
ため、係長だけがいつもその製品を担当し、他の人間は作業ができないといった
ケースです。
この係長も部下にOJTをしていないわけではないが、「指導ノウハウ」の未熟さ
から部下を育てきれていないのです。
要するに、会社として部下を育てる能力・ノウハウが個人任せになっているのです。
2.作業分解とは
作業分解は作業の主なステップ(順序)、各ステップの急所は何かを整理し、作業
の目的を明確化することを目的としています。
例えば、作業を指導する監督者は、経験に基づき、仕事をするときの作業手順を
一つ一つ作り、主なステップの目的を達成するための手段を、作業標準書に書かれ
ないもの(勘、コツ、巧み)も含めて急所を掘り起こして、わかり易い言葉で
纏めることを指します。各ステップの急所を掴むには、以下の三つの条件があります。
①出来栄え判定:仕事の到達点と品質判断基準が明確か?
②安全性:危険で、作業員が怪我をする恐れがあるか?
③やり易さ:どのような勘やコツ動作が必要か?
ではなぜ、監督者は、目をつぶって他人に教えられるほど慣れた作業を、再度作業
分解をしなければならないのでしょうか?
作業指導の方法として、「いって聞かせる、やって見せる」だけでは、作業をうまく
伝えることはできません。それは、監督者が教える前に指導内容を、如何にうまく
伝えるかという方法を考えていない、また伝え忘れたり、言葉の表現が下手だったり
などの理由から、自分で思っているほど、相手が理解していない場合が多いと考え
られるからです。
3.指導する基準が必要
何故、同じ作業で同じ方法、内容を人に教えられないのかというと、指導標準がない
ため、指導する前に、指導する作業がしっかり整理されていないためです。
ひとつの作業を何回教えても、同じステップ、急所、その理由をわかり易く伝えられ
る基準(ツール)が必要ということです。
作業分解は教える作業の主なステップ、急所または急所の理由は何かをはっきり分か
るように、以下の4段階のステップを踏むことが必要です。
STEP1
・リラックスさせる
・何の作業をするか、概要を説明する
・その作業について知っていることを聞き、どの程度の知識・経験を持っているか
確認する
・作業に興味を抱くよう、スキルを身に付ける重要性、効果、メリットを説明する
・正しい作業位置につかせる
STEP2
・主なステップを一つづつ言って聞かせ、やって見せ、書いて見せる
・急所を一つづつ説明する
・はっきり、抜かりなく、根気よく教え、理解能力以上に強いない
STEP3
・やらせてみて間違いを直す
・やらせながら、主なステップを言わせる
・再度やらせながら。急所を言わせる
・再度やらせながら急所を言わせる
STEP4
・仕事につかせる
・わからない時に、どこの誰に聞けば良いか決めておく
・たびたび様子を確認し、質問するように仕向ける
・指導を行いつつ、だんだん頻度を減らしていく
4.作業分解シートの作成
「いって聞かせる、やって見せる」だけでは、作業をうまく伝えることはできない
ため、監督者が教える前に指導内容を、作業分解シートにまとめます。
ひとつの作業を何回教えても同じステップ、急所、その理由をわかり易く伝えられ
るツールとして作業分解シートにまとめます。
作業分解シートのフォーマットを、下図に示します。
では、実際の作業分解シートの例を見てみましょう。
作業分解シートの更に詳しい内容については、以下の手順書を参考にしてください。
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