過去に発生した不良やトラブルなど、二度と発生させないためには、失敗
情報を正確に伝えるため、過去トラ情報を「知識化」することが不可欠です。
品質情報ナレッジシステムの体系
1.品質情報ナレッジシステムの体系図
2.重点管理特性抽出表(QFD)
市場流出トラブルをゼロにする!上流工程における品質作り込み手順
知識化とは、起こってしまった失敗を自分や他人が将来使える知識として
まとめることです。ただ起こったことを、記憶にとどめておくだけのもの
は知識化とは言いません。
しかし、せっかく「不良報告書」「不具合対策書」など、失敗情報を記録し
一元管理を行っても、なかなか再利用されないのは、なぜでしょうか?
原因は、失敗の原因と経過が書いてあるだけの個別問題の対策になってしまい
その失敗から得るべきもの、活かすべきものを共有するための「知識化」が
されていないためです。
その失敗をどんな教訓とすべきか、その情報を使う側のほしい形で提供して
いないから、まったく活かされていないのです。
では、「使う側のほしい形」とは一体どのようなものでしょうか?
流出する問題は、ほとんどが過去に発生した問題であり、過去事例を分析
することによって、類似の問題を防ぐことができます。
では、データを使う側の欲しい形にするにはどうすれば良いでしょうか?
以下の表を見てください。
これは、国土交通省が公表している自動車のリコールの対象となった不具合
事例です。(「発生メカニズム」は、説明のため追加しました)


この情報は、個別の事故の情報を示しているだけで、つぎの設計に活用できる
知識化情報とは言えません。これでは従来のクレーム対策書と同じレベルの
情報であり、つぎの類似機構の設計に十分に生かせません。
情報を検索する側も、まったく同じケースを除き、現在の設計や製造に活かせ
るかどうか、すぐには分かりません。
では、これを知識化するとどうなるでしょうか?
知識化の文脈としては以下のようになります。
「〇〇〇の機能の製品を設計(製造)する際に、▽▽▽の考慮が漏れていると
△△△が起こった契機で×××部分に、◇◇◇の欠陥が発生する。
その欠陥は、市場で***の故障により、重大な事故に発展する恐れがある。
発生を防ぐためには□□□の処理を作り込んでおく必要がある。」
この文脈を組み込んだ「知識化情報」を蓄積し、記号で示したキーワードを
検索できるようにします。
下の表は、「故障モード抽出表」で、一般化された「故障モード」をキーワード
として、過去トラブルの水平展開を行うっことが可能となります。
スプリングの製造バラつき、配策のバラつきによってそれぞれブレーキ液の
漏れ、電気配線の腐食事故が発生することが一目でわかり、製造ばらつきが
発生することを予測した設計が必要になることが分かります。
設計者はあらかじめ類似品の設計を行う際に、知りたい情報をキーワード
検索し過去にどのような事故がどのような原因で発生したかを知ることが
でます。
これはFMEA実施において使用し漏れなく故障モードをリストアップする
ために有効なツールである「故障モード一覧表」を応用したもので、故障
モードがどのようなメカニズムで発生し、製品・使用者にどのような重大な
影響を与えるか?について見過ごすことなく予防策を講ずることが可能に
なります。
知識の構造化を行うことによって、設計者は、設計~製造工程まで考慮し
どのように予防策を講ずるかを考えるヒントとなります。
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