品質教育の必要性を感じつつも、いざ実際にどのような教育を実施したらいいか
悩んでいる経営者も多いと思います。
以下に、実務的な品質管理教育の内容について(1)~(3)に分けて紹介
していきます。
(1)日常品質管理の基本
(2)不良流出や再発問題の発生を防ぐ(今回の解説)
(3)リーダー、管理者の責務
★技術者スキルアップ・事例演習セミナー(FMEA/品質作り込み)
★YouTube動画(無料)
品質教育の目的は、「品質向上に貢献する人材」の育成です。
教育の対象は、直接員、間接員、パート社員、中間管理者などすべての社員が
含まれます。むしろ一般社員よりも、管理層の教育の方に力を入れるべきだと
思います。
今回はシリーズ(2)の解説として
不良流出や再発問題の発生を抑える教育の項目と概要を示します。
①三現主義(現場・現物・現実)をどのように実施するのか?
工場などの生産現場で、不具合品が見つかったときに、責任者が状況だけ聞いて
デスクの上で判断を下した場合、間違った指示を作業員に与えることがあります。
責任者自らが、不具合品が作られる工程(現場)を見て、不具合品そのもの
(現物)を見て、不具合品に起きている状況(現実)を見るという三現主義を
重視すればより正しい判断に近づくことできるといえます。
この三現主義の徹底を図るために、社内で仕組み化を図ることが有効な手段と
言えます。
そこで、各業務マニュアルの中に、上記の三現主義に基づく行動を規定し、
実行を第三者がチェックするというPDCAの手順を組み込むことで、三現主義
の徹底を図っていくことができます。
三現主義の仕組み化9原則とは以下の項目を指します。
1.現場、現物の写真、または動画を示すこと
2.今までとは違うことを示す数値の比較データーを示すこと
3.鷹の目、魚の目、蟻の目による見方を徹底し、それを示すこと
(物事を大局的に捉える、先を見通す、身近に細かく見る視点を併せ持つ)
4.事実、推測、仮説、意見、過去の経験なのか、明確にすること
5.記録シート、チェックシート、グラフなど記録を示すこと
6.データ測定時、対象物、日時、測定者、測定装置、測定方法を明記すること
7.事象を一般用語で表現しないこと
(例えば「傷」ではなく「幅、深さ、方向」の塗装表面の傷など)
8.事象は結果だけでなく、5WIHで捉えること
(「作業ミス」ではなく、いつ、だれが、どこで、どのような方法で、何を
した時、どのように発生した「ミス」なのか?)
9.今までのしくみの不備はどのようなもので、どこに問題があったのかを
具体的に示すこと(第*章の、第**項)
②上流で品質を作り込むとはどういうことなのか?
モグラたたき対策となる原因は、対策すべき内容が不十分であり、どこかに
対策の漏れや、不十分な点があるからです。不具合が発生する因果関係は一つ
ですが、品質管理の原因は複数あることに注目すべきです。
発生した現場の作業・工程に目が行きがちですが、本格生産に入る前の
工程設計(QC工程図作成)、製造準備段階に不備がある場合が多いと
考えられます。
つまり、準備不十分のまま、量産に入ってしまうため、やりにくい作業や
できばえ確認の方法、良否判定基準などが不明確だったりして、不良が発生
し、そのまま後工程へ不良が流出してしまうのです。
不良分析マップは、上流工程~下流工程までの不良原因(品質管理上の)を
漏れなく検討するためのツールです。
現場で発生した問題は、直接的には作業者のミスが原因ですが、ミスを予測し
予防対策を講じなかった上流工程の原因も指摘することを目的としています。
★詳しい内容は<こちらから>
③ホウレンソウを徹底するにはどうすればよいか?
報連相は知っていても、それをいざ実行するとなると難しい場合があります。
お互いに忙しい、報告する場がない、報告してもなにもリアクションがない
など、報連相がうまく機能するための環境が整っていないという事実も指摘
されます。
報連相が徹底しない理由
誰でも怒られるのは嫌です。しかし会社ではちょっとしたミスや嘘、隠し事
などから大きな問題へと発展し、結果的に莫大な損失をする大事件になる
可能性はいつだって充分に潜んでいます。
そういった企業では、報連相は正しく理解されていないと考えられます。
つまり、報連相ががうまくいかないのは、組織、階層、個人の役割が不明確の
まま仕事をしているからです。
1.各組織別の業務の役割が明確になっていない(指示・報告ルート不明確)
2.部長、課長など各階層別の業務、権限が明確になっていない
(役職の権限に沿った指示を出していない、報告を受けていない)
3.各個人の業務内容(何を・いつまでに)が明確になっていない
(個人がそれぞれ勝手に自分の判断で動く)
上記は、企業のマネジメントの問題なので、経営層がリーダシップを発揮し
業務システムの見直しを行っていく必要があります。
また、報連相を定着させるためには、報連相運用ルールを作って運用すること
も有効な手段です。
★詳しい内容は<こちら>
④現場のルールを守らせるにはどうすればいいか?
ヒューマンエラーの原因の一つにルールを守らないことが上げられます。
日本人は、一般的に社会のルール、秩序を守る民族です。
しかし、仕事上のルールは必ずしも守っているとは言えないのが現状です。
それはなぜか?考えてみます。
日本人は会社の中で、明文化したルールを作って守るという行為は苦手
です。それは、ルールは自然と暗黙のうちにできているのであって、
改めて文書化しなくても、その関係者が納得すれば、支障なく整然と
仕事ができるからです。
業務上のルールが守られないという現場では、以下のような理由を挙げ
ています。
1.ルール自体が業務の実態と合っていない(メンテされていない)
2.ルールを守っていたら仕事にならない、効率が悪い
3.理想としてのルールはわかるが、そこまでする必要はない
4.ルールを知らなかった、しかし仕事に支障は生じていない
つまり、現場では、聡明な日本人は自分で判断して良い仕事をしようと
努力しているのであり、また状況の変化が速く、ルールをいちいち変更
している暇がない、優先順位が低いことも背景にあると考えられます。
その結果、現場では以下のような様々な問題が発生しています。
1.それぞれの部署や人の仕事の役割がはっきりしない
2.情報が伝わらない、遅い、正確でない
3.それぞれの個人の判断で仕事が進められばらつきも多く、効率も悪い
4.問題が解決されず放置されれている
そこで対策は以下の4つに集約されます。
1.ルールの習慣化
2.現場管理者の5つの意識改革
3.再発防止対策が打てる人材の育成
4.業務の見える化と自工程完結
★詳しい内容は<こちら>
⑤再発防止策を講ずるための効果的な方法、手順はどのようなものか?
不具合対策書・不具合報告書、品質問題対策書など、呼び方は様々ですが
その内容書き方、手順、フォーマット(雛形)を紹介します。
「なぜ発生したのか」は「モノの欠陥・不良」「しくみの不備・欠陥」に分かれます。
なぜなぜ分析3つの対象とは?
1)なぜ発生したのか、物理的な因果関係を探る
2)なぜ発生したのか、現場の管理上(4M)の不備を探る
3)なぜ流出させたのか、工場の仕組みの不備を探る
1)は自然界のルール、2)は現場のルール、3)は組織間、または工場全体のルール
を基本に原因を突き止めます。
不良分析マップは、上流工程~下流工程までの不良原因(品質管理上の)を
漏れなく検討するためのツールです。
現場で発生した問題は、直接的には作業者のミスが原因ですが、ミスを予測し
予防対策を講じなかった上流工程の原因も指摘することを目的としています。
★詳しい内容は<こちら>
対策書を作成する前にまず、「原因調査再発防止対策フォーマット」を使って
漏れなく原因をリストアップし対策を講じます。
以下に、その記入方法について説明します。
不良や、クレームの発生を抑えるには、最初に事実関係と物理的な原因
(因果関係)を解明します。
次に、その物理的な原因を引き起こした品質管理の要因(5M)を洗い出して
原因の絞り込みを行い、対策を行います。
★詳しい内容は<こちら>
以下のシリーズの内容は、各記事を参照してください。
(1)日常品質管理の基本<こちらから>
①「お客様第一主義」の意味とは?
②品質管理の目的は何か?
③4M管理とは何のことか?
④「品質は工程で作り込む」の意味は何か?
⑤品質とコストの関係はどのようなものか?
(3)リーダー、管理者の責務<こちらから>
①現場作業の教育計画と実施
②人、モノ、作業の計画・進捗の見える化
③整理・整頓・清掃・清潔・しつけ・点検
④標準化
⑤業務目標の設定と職場の改善
詳しい解説は
★すぐ使える手順書(PDF電子データ)
★製造業管理者・リーダー研修用テキスト(DVD媒体)
★製造業管理者・リーダー研修用テキスト(PDF電子データ)
★【無料】製造業の現場ですぐ使える品質改善ツール・テンプレート ★メルマガ・バックナンバー
★無料会員登録はこちらから(解説書・DVD割引)
無料ネット相談:問い合わせ/質問など <こちら>
無料品質管理書式フォーマット・簡易マニュアル <こちら>
無料メール講座(品質管理基本/設計品質向上/経営品質向上)<こちら>
YouTube動画サイト <こちら>
★YouTubeお試し版