管理者が習得すべき品質教育の基本(3)リーダー・管理者の責務;製造業の人材育成の進め方事例

品質教育の必要性を感じつつも、いざ実際にどのような教育を実施したらいいか
悩んでいる経営者も多いと思います。
以下に、実務的な品質管理教育の内容について(1)~(3)に分けて紹介
していきます。
 (3)リーダー、管理者の責務(この記事の内容

  DX時代の人材育成、企業の中核人材として何を学び、実践していくのか?


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品質教育の目的は、「品質向上に貢献する人材」の育成です。
教育の対象は、直接員、間接員、パート社員、中間管理者などすべての社員が
含まれます。むしろ一般社員よりも、管理層の教育の方に力を入れるべきだと
思います。

以下に(3)リーダー、管理者の責務教育項目と内容を示します。

①現場作業の教育計画と実施
効果的なOJTを行うには、具体的な計画づくりと、実施のフォローが成功
させるための最大のポイントになります。

計画作成は、教育ニーズに基づき実施しますが、それには、個人別にニーズ
捉える必要があります。
1.仕事に必要な内容を基本作業に分解する
2.新人の能力を把握する(学校を卒業して入社した場合は能力ゼロと捉える)
3.現在の能力と、必要とされている能力の差がOJTのニーズとなる 
4.ニーズに基づいて、個人別にOJT計画書をつくる
5.OJTの実施、遅れた場合は、計画を見直して日程を組み直す
6.終了にて、受講者はOJT受講報告書を作成する
7.評価とフィードバック(教育実施者は結果を評定し、フォローする)
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②人、モノ、作業の計画・進捗の見える化

「不良の前兆を捉え、対策する」のが目的ですが、もともとその目的のため
に、工程設計や人材教育を万全に行い、生産を開始することが前提ですが、
今の時代、市場から多品種少量生産、短納期要求を突き付けられ、万全の準備
が行えない状況になっています。

そのために、4M変更管理(変化点管理)は、工場の日常管理における最も
重要な位置付けになっているのです。

いくら予防対策の仕組みを万全に講じても、生産現場では、変化点がきっかけ
となって不具合が生じてしまいます。様々な変化点が生じても不具合が生じ
ないように管理する必要があるのです。

特に管理状態の見える化を行い、異常状態や管理すべき変化点の項目をリスト
アップし、それを誰もがわかるように見える化します。また処理ルートや管理
責任者を決めます。4M管理ボード、アラーム表示などが有効です。
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③整理・整頓・清掃・清潔・しつけ・点検

5Sとは、「整理」・「整頓」・「清掃」・「清潔」・「躾」という5つのSの
実施事項のこと。
また3定とは「定められた位置」(定位置)に「定められたモノ」(定品)を
「定められた量」 (定量)置くこと。

5S活動における整頓とは、単にモノをきれいに整えることだけでなく、「必要
モノ」を、「決められた場所」に、「いつでも取りやすい」ように置くこと
です。つまり「3定」(さんてい)を決めること、とも言われている。

経営効果が分からなければ、5Sを毎日行っている従業員は負担ばかりで、
利益に貢献しているのか、それが自分の業績にどう跳ね返ってくるのかも
わからない

そういう見方で5Sの効果を考えてみると
整理・・・不要なものを捨てる、仕掛在庫をなくすことによって資金の
     回転が良くなる。
整頓・・・モノを取り出しやすくする、工具を探す時間が短縮するなど
     生産性がアップする。
清掃・・・機械設備や治工具を清掃することで、故障を未然に発見でき
     チョコ停が減る。
など、それぞれ生産性の向上や、リードタイム短縮に直結している。
この指標を全員に見える化して、5S改善を行うことにより、目標に向かって
改善が進んでいることが明確になる。
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④標準化

多くの設計部門で、ありがちな考えとして「標準化は多品種少量生産型には
適用できない」というもので、これは「標準化」に対する誤解というほか
ありません。

標準化こそ技術の成果
標準化が適用できない主な理由として、標準化しても守られない、結局顧客
の言い分を聞かなければならず、「標準化」の推進は、自由に設計できない
恐れが生じると考えてしまうからです。

結局営業が受注したものを、開発・設計、調達などがその要望に個別に応え
てしまい、その結果製造部門へしわ寄せが行き、納期遅れや品質問題などが
発生します。

標準化のためには部門間のコンセンサスを得ること、コスト感覚を持って
全部門のベクトルを合わせる努力が必要になります。

「標準化」こそ設計効率化、設計・製造リードタイム短縮に対してなくては
ならない要素です。
即ち標準化こそ技術成果そのものであり、なされていなければ技術が確立さ
れたとは言えないのです。

つまり戦略なき商品増がコスト増の要因になりますので、ぶれない設計推進
活動が必要です。
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⑤業務目標の設定と職場の改善

管理監督者は、日常管理業務を通じて、現場で自らの目で、モノと情報の
良い流れができているか観察し、診断しなければならない。

管理監督者は、異常、変化を捉え(気づき)、派生する問題を予測し、管理
の原因を特定する。
 ・異常、変化を捉える(QCDS)
 ・そこから派生すると考えられる問題を予測、特定し影響度を分析する

「納期遅れが頻繁に生じる」、「お客様からのクレームが多い」などの
異常や変化点に着目した場合、その要因は何か?どの工程で生じているか
を洗い出す。要因はいくつも考えられるため、グループでディスカッシ
ョンしながら、項目を挙げていく。

(1)品質向上のための現場改善は、管理・監督層が日常業務の中で、異常
 や変化点に気づきそこから派生する問題の大きさを予測し原因究明と対策を
 講じます。

(2)モノと情報の流れ図を作成して、その流れが阻害されている場所(工程)
 を特定します。

(3)原因はすべて、品質管理のしくみの問題として捉え、ルール(手順書
 業務マニュアル、フロー)がどうなっているのか?現状とのGAPを認識する
 ことが出発点になります。

(4)ミスの発生は、「氷山の一角」であり、その下に隠れている管理の悪さ
 が原因となっています。

(5)そして、発生した問題は、ルールの有るのか無いのか?それを守って
 いるか?の「ルールの原因フロー」によって原因を特定します。 
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以下の内容は、各記事を参照してください。
(1)日常品質管理の基本<こちらから
①「お客様第一主義」の意味とは?
②品質管理の目的は何か?
③4M管理とは何のことか?
④「品質は工程で作り込む」の意味は何か?
⑤品質とコストの関係はどのようなものか?

(2)不良流出や再発問題の発生を抑える<こちらから
①三現主義(現場・現物・現実)をどのように実施するのか?
②上流で品質を作り込むとはどういうことなのか?
③ホウレンソウを徹底するにはどうすればよいか?
④現場のルールを守らせるにはどうすればいいか?
⑤再発防止策を講ずるための効果的な方法、手順はどのようなものか?


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 合同会社高崎ものづくり技術研究所代表の濱田です。
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