射出成型、溶接作業のパラメータデータ集収と分析方法は?中小製造業DXの進め方(6)熟練技術者が実施している作業を自働化する

機械や製造エ程のパラメータデータ集収と分析はDXにとって最初に行う
べき重要なことですが、実際には、熟練技術者が実施しており、必ずしも
効果的、効率的な方法ではありません。どう改善すればよいかについて
考えてみましょう。

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1.製造工程の設備や機械のパラメータとは
デジタルトランスフォーメーション(DX)において、製造工程の設備
や機械のパラメータデータの収集と分析は重要な課題となりますが、では
実際にどのようなデータがあるでしょうか。
 ①設備・機械の使用状況:設備・機械の運転時間、停止時間、異常発生状況
 ②品質データ:製品のサイズ、形状、重量、構造などの物理的な特性
 ③生産性データ:生産数量、生産スピード、生産効率など
 ④能力データ:設備・機械の最大出力、最大速度、最大能力など
 ⑤条件データ:製造品質に関わる、温度、圧力、濃度、時間などの条件
 ⑥消耗品データ:部品の消耗状況、部品の交換回数など

これらのデータを収集し、データ分析を行うことで、製造工程のパフォー
マンス向上、設備・機械の最適な使用方法の検討、品質向上などが可能に
なります。

2.パラメータの収集と分析方法
品質の向上、生産性の向上の課題を解決するためのいくつかの方法を以下に
示します。
 ①自動化:収集と分析のプロセスを自動化することで、時間の節約と
   データの一貫性の向上が期待されます。
 ②クラウドテクノロジー:クラウドを利用することで、データの収集
   保存、分析、共有が容易になります。
 ③データ可視化:収集したデータをグラフやチャートなどで視覚的に表示
   することで、データを理解しやすくなります。
 ④人工知能(AI)と機械学習:AIと機械学習アルゴリズムを活用すること
   で、大量のデータを効率的に分析することができます。
 ⑤チームワーク:技術者と非技術者、複数の部署とデータを共有し協力して
   データ分析の方法を改善することが大切です。

これらの方法を適切に適用することで、機械や製造工程のパラメータデータ
の収集と分析の作業効率が向上することが期待されます。

では、データ取得、分析の手順は具体的にどうすればよいかを整理します。
 ①課題の設定:まず解決したい課題を設定し仮説を設定します。つまり
   どの機械設備に問題があり、その問題を解決するためにどのような
   データを、どのように分析したらいいかを考えます。
 ②パラメータの選択:課題解決に最も重要なパラメータを選定することが
   大切です。例えば、生産速度、加工時間、エネルギー消費量、生産量
   など、課題に応じてパラメータを選択します。
 ③データ収集:選択したパラメータのデータを収集することが必要です。
   このためには、センサーやIoTデバイスなどを使用することができます。
 ④データの分析:収集したデータを分析することで、生産性の向上と品質
   の向上のための有益な情報を抽出することができます。
 ⑤データ可視化:収集したデータをグラフやチャートなどで視覚的に表示
   することで、データを理解しやすくなります。
 ⑥データの分析:マシンラーニングアルゴリズム(機械学習)を使用する
   ことで、大量のデータから有益な情報を抽出することができます。
 ⑦改善計画の策定:分析結果を元に、生産性の向上と品質の向上のための
   改善計画を策定することが大切です。

3.射出成形工程におけるデータ分析方法
では、具体的に、射出成形工程において必要なパラメータデータの種類、
取得方法、分析方法はどうすればよいか?整理してみます。

まず、射出成形工程において必要なパラメータデータとデータの取得手段
以下のようなものが考えられます。
 ①温度:温度の設定、推移のデータは温度センサーを使用
 ②圧力:圧力の設定、推移のデータを取得するには、圧力センサーを使用
 ③時間:サイクル時間等を取得するには、タイマーやクロックなどを使用
 ④生産量:射出成形した製品の数量を取得するには、カウンターや生産管理
  システムなどを使用する

これらのパラメータデータを収集した後、以下のような分析方法を適用する
ことで、生産性の向上と品質の向上が実現することが期待されます。
 ①データ可視化:収集したデータをグラフやチャートなどで視覚的に表示
  することで、データを理解しやすくなります。
 ②統計分析:収集したデータを統計学的手法を使って分析することで、有益
  な情報を抽出することができます。
 ③マシンラーニング:マシンラーニングアルゴリズムを使用することで、
  大量のデータから有益な情報を抽出することができます。

4.スポット溶接作業工程におけるデータ分析方法
スポット溶接作業において必要なパラメータデータの種類、収集分析方法に
ついて具体的に述べます。

(1)スポット溶接作業において必要なパラメータデータは以下の通り。
 ①溶融温度:溶接中の温度を管理するために使用されます。
 ②接合強度:接合部の強度を評価するために使用されます。
 ③接合速度:接合のスピードを評価するために使用されます。
 ④電流密度:接合に必要な電力を評価するために使用されます。
 ⑤入力電力:接合に必要な電力を評価するために使用されます。

これらのパラメータデータは、データロガーやセンサーを使って実時間で
収集することができます。

(2)スポット溶接作業の最適な条件設定
次にデータの分析を行って最適な条件を特定することにより、接合強度
生産性、品質などを最大化することができます。

また、データの分析によってトラブルシューティングも行えます。接合の
強度や品質に問題がある場合、パラメータデータを使って原因を特定し、
改善策を立てることができます。

この場合、統計分析手法によって最適な溶接条件を求めるためには、以下の
ようなツールが有用です。
 ①回帰分析:接合強度などの評価基準と溶接パラメータ間の関係を調べる
  ために使用されます。
 ②計量的観察法:溶接パラメータの影響を検証するために使用されます。
 ③デザイン・オブ・エクスペリメント(DOE):溶接パラメータの組み
  合わせの影響を検証するために使用されます。
④統計ソフトウェア:回帰分析、計量的観察法、DOEなどの統計的分析を
  実施するために使用されます。

これらのツールは、溶接パラメータの変化が接合強度や品質に与える影響を
明確にすることができ、最適な溶接条件を見つけるために役立ちます。
また、統計ソフトウェアはグラフや表の形でデータを可視化することができる
ため、分析結果をわかりやすく説明することができます。

(3)機械学習の適用はどのように行うか?
機械学習を適用するには、以下の手順を実施する必要があります。
 ①データの収集:機械学習には多数のトレーニングデータが必要です。
   適切なデータを収集し、準備する必要があります。
 ②データの前処理:収集したデータを整理、整形、欠損値の補完などの
   前処理を行います。
 ③モデルの選択:適切な機械学習アルゴリズムを選択します。モデルの
   選択には、予測タスクの種類、データの特性などを考慮する必要が
   あります。
 ④モデルのトレーニング:選択したモデルをトレーニングデータを使って
   学習させます。
 ⑤モデルの評価:トレーニングしたモデルが予測タスクに適しているかを
   評価します。評価には予測精度や可視化手法などを使います。
 ⑥モデルの最適化:必要に応じて、トレーニング済みのモデルを最適化
   します。

これらの手順を実施することで、機械学習を適用することができます。また
改良されたモデルを生産ラインに適用することで、生産性向上や品質向上
などの改善が期待できます。

そこで、機械学習ツールには何があるかについて簡単に述べます。

①教師あり学習Supervised Learning、分類や回帰のタスクに使用されます。
②教師なし学習:Unsupervised Learning、クラスタリングや限定主成分分析
  (PCA)のタスクに使用されます。
③強化学習:Reinforcement Learning、エージェントが環境とのやり取りを
  通じて行動を学習するタスクに使用されます。
深層学習Deep Learning、多層のニューラルネットワークを使用して
  特徴を抽出します。画像認識、自然言語処理などのタスクに適しています。
決定木Decision Trees、分類や回帰のタスクに使用されます。
ランダムフォレストRandom Forests、分類や回帰のタスクに使用されます。

これらは代表的な機械学習ツールの一部であり、タスクに応じて適切なツール
を選択することが大切です。

(4)プログラミング言語のR、またはPytonを使って機械学習分析を行う
RやPythonは機械学習分析に適したプログラミング言語です。

Rには、標準的な統計分析機能と、多様な機械学習アルゴリズムを実装する
ためのパッケージ(例えば、caret、randomForest、gbmなど)が用意
されています。

Pythonには、NumPy、SciPy、Scikit-learnなどのライブラリがあり、高度
な数値計算、統計学、機械学習アルゴリズムの実装が容易に行えます。さらに
TensorFlowやPyTorchといった、深層学習を行うためのライブラリもあります。

どちらを選択するかは、使い慣れた言語や開発環境、求められるタスク、利用
するパッケージなどによって異なります。両方の言語に精通している場合、
タスクに応じて適切な言語を選択することが望ましいです。

以上になりますが、いかがでしたか?
今までEXCELで実施していたデータの収集、加工、分析方法とはずいぶん
異なっていることが分かります。しかし、DXを始める基礎知識として、
必要な最新技術の動向を知っておく必要があります。

これをきっかけに、ぜひ皆さんにも意識の改革を行って頂くよう期待
したいと思います。

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 合同会社高崎ものづくり技術研究所代表の濱田です。
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