標準化により、作業方法のばらつき・スキルのばらつきによるミスを
なくしたいがどうすれば良いか? また標準化が進まない理由は何か
を考えて見ます。
事例研究・実習で品質改善の実務能力向上を図る
DX、FMEA/DRBFM、再発防止手順など
1.製造業の作業現場でミスが発生する原因と対策
製造業の作業現場でミスが発生する原因は多岐にわたりますが、以下に
主な要因を示します。
①人為的ミス
人間が作業を行う上で、機械の操作ミスによる部品の誤った組み立てや
材料の取り違えなど誤った判断や操作ミスなどが起こる場合
②設備や機器の故障
機械の調整不良や機器の故障によって、検査漏れ、製品や部品の不良が
発生する場合
③作業環境の問題
作業環境が整備されていない場合、作業中に不必要なストレスや疲労が
蓄積し、作業効率が低下したり、ミスが発生することがある。例えば、
騒音や振動が多い場所での作業、温度や湿度が不適切な環境下での作業
④情報伝達の不備
製品の設計図面の誤り、工程表の不備、作業指示書の誤解釈など、製品
の仕様や工程などの情報が不適切であった場合、作業ミスが発生する
これらの原因を踏まえ、製造業の作業現場でのミスを減らすためには、
一般的に以下のような取り組みが有効とされている。
①作業手順や品質基準などの明確化
②定期的なトレーニングや教育の実施
③設備や機器のメンテナンスや点検の徹底
④適切な作業環境の整備
⑤情報伝達の改善や確認手順の導入
これらの取り組みを継続的に実施することで、製造業の作業現場でのミス
を減らすことができるが、それぞれの実施方法、手順を定めた「標準」の
作成が必要となり、それらを関係者が守っていく必要があるが「標準化」
が進んでいないことも事実で、ミスが中々減らないというのが実態と
なっている。
2.標準化が進まない理由は何か?
製造業で業務の標準化が進まないのはなぜだろうか?マニュアル作成や運用
の問題、その他の問題について以下に指摘する
①従来の文化や環境の変化に対する適応性の欠如
製造業は、従来からの手作業や人力に頼った作業が主流であったため
標準化のためのマニュアル化が十分に進んでいない場合が多々見られる。
また、新しい技術やツールの導入に対して、社員がそれに適応するため
の十分な教育やトレーニングを受けていない場合もある。
②複雑なプロセスや品質管理の課題
製造業には、複雑なプロセスや品質管理の課題があり、業務をマニュアル
化する場合、業務の詳細な説明や品質管理の基準などを正確に示す必要が
ある。しかし、このようなマニュアルを作成するには、多くの時間や労力
が必要であり、作成の過程でさらなる課題が発生する可能性がある。
③長期的な見通しが難しい
製造業には、需要や市場の変化が予測できないという問題があり、この
ため、製造業では、短期的な生産プランに応じて業務を調整することが
必要。このような状況下では、業務の標準化は難しい場合がある。
④組織内の文化やコミュニケーションの問題
日本の製造業には、個人の技能やノウハウに依存する文化がある。
また、製造業では、現場とオフィスの間での情報共有が不十分である
場合が多く、このような文化やコミュニケーションの問題が、業務の
標準化を妨げている。
3.業務の標準化を進めるには
これらの問題を解決するためには、経営陣が業務の標準化を推進し、社員
に対してトレーニングや教育を行うことが必要。また、現場とオフィスの
間での情報共有やコミュニケーションの改善に取り組むことも重要となる。
さらに、業務の標準化を進めるためには、以下のようなアプローチが考え
られる。
①マニュアル作成の効率化
マニュアル作成の効率化には、業務を可視化することが重要。業務の流れ
や手順を明確にすることで、マニュアルの作成や修正が容易になる。また
作成されたマニュアルを適宜更新し、社員に公開することで、業務の標準
化を推進することができる。
②ノウハウの共有
製造業には、社員の個人的なノウハウに依存する傾向があ強い。そのため
社員間での情報共有やコミュニケーションの改善が必要。
これには、社員同士のノウハウ共有を促す取り組みや、社員が業務を行う
上での障害を解決する支援体制の整備が必要。
③教育・トレーニングの充実
業務の標準化を推進するためには、社員に対する教育・トレーニングが
必要。これには、製造業の現場で必要なスキルや知識の習得や、業務
マニュアルの作成・修正方法などが含まれる。また、定期的なトレー
ニングを行うことで、社員のスキル向上やモチベーションの向上を促す
ことができる。
④IT技術の活用
ITツールの活用により、業務の標準化を効率的に進めることができる。
例えば、業務の可視化には、ビジネスプロセス管理ツールや業務改善
ツールを活用することが有効です。また、社員間の情報共有には、コラ
ボレーションツールやチャットツールを活用することができる。
以上のアプローチを総合的に取り入れることで、製造業での業務の標準化を
推進することができます。ただし、標準化は一朝一夕に実現できるものでは
なく、継続的な取り組みが必要です。
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