日本人は世界でも勉強しない国民と言われており、世界に比べてリスキリング
に対する意識や取り組みが遅れていると言われます。
リスキリングとは、従業員のスキルを新しい仕事に適合させるための教育や
訓練のことです。
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1.日本人は学ばない国民
日本は日本と外国のリスキリングの状況を比較した統計は、以下のようなもの
があります。
情報処理推進機構(IPA)が実施した調査では、学び直しを実施する米国企業
は82.1%だったのに対し、日本企業は33%にとどまっています。
またアジアの中でも、グラフで示すように学ばない日本人が際立っています。
結論をいうと、「日本人は勉強しない国民である」といえます。
そしてこのままでは国際的競争に打ち勝つ優秀な人材がいなくなってしまう
ということが懸念されます。
そして、将来少子化とともに国の全体が貧困化していく姿が見えてきます。
際調理師などは海外での日本レストランで働いた方が収入が多いといった
現象が現れています。
しかし、勉強もせず、スキルも実績も上がらない人材を抱えた企業では、給料
アップはできません。これは当たり前のことです。
国や企業はもっと社会人のスキルアップのための費用支援や研修機会の整備
などに力を入れ、企業の一番重要な人材の高度化が図れるようにもっと投資
すべきです。
2.なぜ学ばないのか?
オンライン動画学習サービスUdemy Businessではリスキリングに取り組む
国内企業800社の受講トレンドを分析しています。
18~64歳の学生を除く社会人35,508名に学習状況を調査した結果、41.3%が
社会人になって以降、学習した経験がなく、また、今後1年以内にも学習する
つもりはないと回答しており、学ぶ必然性を感じられていない「なんで学ぶ
必要があるの?」と考えている人たちです。
また求人情報サービスなどを展開する日経HR(東京都)は8月、リスキリング
に関する調査結果を発表した。その中でリスキリングに「取り組んでいない」と
回答した人に理由を尋ねたところ以下の通りとなった。
日本では、学ばなくても失業しない、現状維持のままでも何とかなるという
理由からか、学ぶ必要性を感じていないこともあり、お金がない、何を学べば
いいかわからないといった回答が返ってくるものと考えられます。
社会人になって学習したことがあり、これからも学びたいと思う層は33.6%の
人たちで、学びのきっかけとして仕事との関連性で、仕事で必要、会社に求め
られている、などから、学びが必要と考えていることがわかりました。
3.学び直しのトレンド
月間誌総務によると、企業が考えているリスキリングが必要な理由は下のグラフ
の通りです。
Re就活を運営している株式会社学情が「Re就活」へのサイト来訪者を対象に
社員が身に付けたいスキルについて行ったアンケート結果は下記のグラフの
通りです。
「プログラミングスキル」が56.6%、「マーケティング」「ID・DX・AI関連
スキル」は54.3%と、主にデジタルスキルが上位にランクインしています。
また、株式会社manebiが調査したアンケートによると、企業が実施しているリスキ
リングの学習分野は「データ分析」に関するものが1位でした。
新人研修もリスキリングの代表的な研修の1つですが、株式会社manebiが2022年
1月に実施したアンケート調査によると、オンライン研修での実施が半数近くを
占めています。主な研修方法の内訳は以下の通りです。
4.2030年代に向けて失業しないための3つのスキルとは
個別の専門スキル以外に、若手社員が2030年代に向けて身に付けるべきスキルと
して、問題発見力、一次情報収集力、未来予測力などがあげられますが、具体的に
どのように行動し身に付けていけばいいでしょうか?
問題発見力を身に付けるためには、自分の周りの物事や現象に対して常に疑問を持ち
分析や検証を行うことが大切です。また、自分の専門分野だけでなく、他の分野や
視点からも問題を捉えることで、新たな課題や解決策を見つけることができます。
一次情報収集力を身に付けるためには、インターネットや書籍などの二次情報だけ
でなく、実際に現場や現象を観察したり、関係者や専門家にインタビューしたりする
ことが重要です。
また、情報を収集する際には、自分の仮説や先入観にとらわれず、客観的かつ多角的
に情報を整理・分析することが求められます。
未来予測力を身に付けるためには、科学技術や社会のトレンドなどの変化を把握し、
その影響や可能性を想像することが必要です。また、未来予測は一つではなく複数
あり得ることを認識し、自分の立場や目標に応じて最適なシナリオを選択することが
できます。
これらのスキルを身に付けることによって、変化に機敏に対応し、自らの付加価値を
高めながら、自己成長を図ることが可能になります。
これらのスキルは一朝一夕に身に付くものではありませんが、日々の学習や仕事の中
で意識的に実践することで、徐々に高めていくことができると思います。
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