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新工場の建設から製造工程・設備の導入、運用までのプロセス、検討項目について

読売新聞によると、九州フィナンシャルグループ(FG)は2023年
8月30日、台湾積体電路製造(TSMC)の進出による熊本県への
経済波及効果が、2022~31年の10年間で6兆8518億円
に上るとの推計を発表しました。
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TSMC以外にも半導体関連の大型投資が続いており、昨年9月の
前回推計値から6割(約2兆5000億円)上方修正しました。

最近では、防衛関連予算の増額による国内メーカーの受注増や、
自動車関連でも電池やEV用の部品、環境対策機器などの新規産業へ
の投資の増加が見込まれ、工場の新設、新しい設備の導入による
製造工程の新設などが相次いでいます。

しかし、
 ●工場の建設にどのくらいの資金が要る?
 ●工場の建設にはどのくらいの土地が必要なのか?
 ●製造工程をどのように構築したらよいのか?
など、悩んでいる経営者も多いと思います。

そこで、新しい工場を建設し、運用する際に検討すべき項目について
以下に具体的な事項と注意点を挙げます。

1.製造工程の求められる生産能力
①生産量の目標を確定し、需要予測を行う。
②生産ラインの効率や稼働時間を考慮して、必要な生産能力を計算する。
 【生産目標数量(年間)÷稼働時間(時間/日×年間稼働日数)】
  ×稼働率=1時間当たりの生産数量
③今後の拡張性を考慮し、将来的な需要にも対応できる設計を検討する。

2.必要設備
①生産工程に必要な機械や設備をリストアップする。
②各設備の技術的な要件や保守計画を確認し、メンテナンス計画を策定する。
③安全対策や緊急事態への対応計画を策定する。

3.製造工程の構成
①製造工程の流れや工程間の依存関係を明確にし、効率的なプロセスを設計する。
②各工程の品質管理手順を確立し、品質保証の仕組みを構築する。
③各工程の標準時間を設定し、そこに必要な作業者を割り当てる。
④各工程の作業者に必要となるスキルを明確にし、作業訓練計画を立てる

4.初期費用
①土地取得、建設、設備購入などの初期投資を明確に計算する。
②資金調達計画を策定し、リスクを評価する。
地元の法規制や環境への適合性を確認し、それに伴うコストを考慮する。

5.ランニングコスト
①設備の維持保守コスト、人件費、エネルギーコストなど、日常の運用に
 関わるコストを計算する。
②原材料の調達先や価格変動に備え、サプライチェーンのリスクを管理する。
③エネルギー効率の向上やリサイクルの導入など、持続可能性を考慮してコスト
削減策を検討する。

6.その他
①地元社会とのコミュニケーションや協力を図り、地元コミュニティに与える
 影響を考慮する。
②税制や補助金、労働法規制など、地域ごとの法的要件を把握し、遵守する。
③災害対策や緊急事態への対応策を策定し、事業継続性を確保する。

以上について、各専門技術者、外部支援者、設備企業などによるプロジェクト
チームを結成し、これらの項目を綿密に検討することで、新しい工場の建設と
運用を成功させるための基盤を築くことができます。

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 合同会社高崎ものづくり技術研究所代表の濱田です。
 日本が誇るものづくり技術にもっと磨きを掛けよう!!

 設計、製造、品質管理、海外工場管理などの実務経験45年
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