2018年04月24日

キーワード解説:4M変化点管理の進め方

【4M管理のキーワード解説】
 ★4M管理の目的【】【】 ★4M管理の手順【】【
 ★4M管理の体系化【】【】 ★異常の定義と見える化【】【】【
 ★予測可能な変化点【】 ★突発的な変化点【】 ★重要要因・重要特性の管理【
 ★先手管理【】 ★特殊工程管理【】 ★トレーサビリティー管理【
 ★協力工場の4M管理【】【】 ★多品種少量生産の4M管理【
 ★未然予防の管理【】【】 ★4M管理にIOTを活用する【
 ★長編コラム(体系的4M管理)【】【


キーワード解説:4M変化点管理の進め方



多品種少量受注生産工場では不具合を未然に防止する品質管理の仕組みが従来に
まして重要となっています。
そこで日常業務の一つとして、4M変化点管理を体系的にしくみ化していくことが
求められます。

しかし、しかし、ISO9000のマネジメントシステムでは、体系的な「4M変化点管理」
は定義されていないために、工場ではどのように4M管理を行っていけば良いかが
不明確になっています。

4M管理の重要なしくみとしては、以下のものが挙げられます。
 ①4Mの変化を捉える対象の定義(対象の製品、工程を特定と優先順位付け)
 ②変化点の洗い出しと、変化として捉える方法、尺度(異常状態)を定義する
 ③変化点の重みづけ(品質に重大な影響を及ぼすかどうかでランク分け)
 ④それぞれの変化点が発生したときの処置手順と内容(5W1H) 
 ⑤品質特性の監視方法(検査・測定の方法・周期、管理図の作成要否など)

4M管理はなぜ必要か?変化点管理のポイント・工場の品質改善事例

4M管理は、特に多品種少量受注生産工場では、管理の重要ポイントとなっています。
しかし、ISO9000の仕組みだけでは、体系的な「4M変化点管理」は不十分と
なっています。

多品種少量受注生産工場では不具合を未然に防止する品質管理の仕組みとして
4M変化点管理は最も重要な位置づけとなります。



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取引先からの要望で変化点管理を実施しなさいとよく言われることがあります。
取引先は一体どのような意図をもって要望を出しているでしょうか?

●不具合の発生を未然に防止するにはどうしたらよいか?
11.jpg

上の図の通り、不具合の発生を未然に防止する方法は3種類あります。
そのうち、4M変化点(4M変動)管理は、設計が終って製造に入る前から
製造を行っている間に実施する管理のことで、日常の主な管理は4M変化点管理
と言っても過言ではなく、多品種少量生産時代では増々その重要性が高まって
います。

●4M変化点管理の目的
そもそも4M変更管理(変化点管理)とは何でしょうか?
物事を行うのには、その目的と手段、そしてその効果は何かを知る必要があります。

まず、4M変更管理(変化点管理)の目的は、「不良の前兆を捉え、対策する」です。
その手段は様々ありますが、「初期流動管理」「異常の検出・対策」「重点管理」
「見える管理」などです。
これらは、不良や納期遅れが出る前に、事前にその「芽を摘んでしまう」こと
で不良を発生させない、流出させない、納期遅れを起こさない効果があります。

●4M変化点管理はなぜ必要か?
「不良の前兆を捉え、対策する」のが目的ですが、もともとその目的のために
工程設計や人材教育を万全に行い、生産を開始することが前提ですが、今の時代
市場から多品種少量生産、短納期要求を突き付けられ、万全の準備が行えない
状況になっています。

そのために、4M変更管理(変化点管理)は、工場の日常管理における最も重要な
位置付けになっているのです。

いくら予防対策の仕組みを万全に講じても、生産現場では、変化点がきっかけ
となって不具合が生じてしまいます。様々な変化点が生じても不具合が生じない
ように管理する必要があるのです。

●管理の手順を決める
変化点管理の位置づけと目的が明確になったら、次に自社の工程で、何を管理
すれば不具合が発生しなくなるのか、項目を抽出して管理方法を決めます。
意図的であれ、意図的でない変化点であれ、工程が乱れないように管理する項目
を決め、日常管理の中で手順化しておきます。

異常・・・不良ではないが、放置すると不良につながる現象
(異音がする、寸法管理限界値を超えた、初物、中間、最終チェックで寸法が
 変化した)

不良(不具合)・・・寸法規格はずれ、検査不良、機械の停止、ヒューマン
 エラー発生

不良(不具合)が発生する前に異常を検出して、速やかに対処し、不良を未然
に防止する、あるいは、不良が次工程へ流れないように管理する、それが
先手管理」であり、何に重点を置くか(重要部品、重要工程)を決めて管理
を行うことを「重点管理」と言います。

●変化点管理で重要な5つのポイント
①異常を定義する
 何を異常と定義するか点検項目、手順、判定基準を明確にします。
 これは、先手管理を行うために、自社の今までの実績や経験から、抽出
 すべき内容であり、世の中で決まっているわけではありません。異常が
 発生するのは、何らかの変化が生じていると考えられるのでそれを突き
 止めて対策を講じます。

②重要管理項目を決める
 すべてを均一に管理することはできないので、重要製品、重要寸法、重要
 工程などを決めて点検点・管理点を定義します。
 重点管理では、一般の管理とは異なり、異常の監視周期の頻度を上げる、
 工程の点検項目・品質特性の監視項目を増やすなどの管理方法を取り、異常
 を漏らさず検出します。

③予測可能な変化点の事前管理手順を決める
 あらかじめ予測ができる変化点発生時の管理を明確にします。
 設計変更、工程変更、段取り替え、人の交替など、それぞれに応じて
 ①、②を適用します。

④突発的な変化点発生時の管理手順を決める
 予測できない突発的な変化点発生時の管理を明確にします。
 停電、不具合発生による作業中断、機械の故障、ヒューマンエラー発生
 など、それぞれに応じて①、②を適用します。
 問題を放置せず、速やかに原因究明と処置を行い、再発防止を図る必要が
 あります。

⑤管理状態の見える化
 異常状態や管理すべき変化点の項目をリストアプし、それを誰もがわかる
 ように見える化します。また処理ルートや管理責任者を決めます。
 4M管理ボード、アラーム表示などが有効です。

DSCF0386.JPG

変化点管理は、日常管理の大部分を占める重要な管理であり、管理監督層は
「異常」「重点項目」「予測できる変化点」「予測できない変化点」など
管理方法について、明確に答えられるようにしておかなければなりません。

変化点管理ボードは以上のような管理手順を明確にした上で、何を表示し
管理するのかを決める必要があります。


4M変化点管理とIOT導入:工場の品質改善事例

4M管理は、特に多品種少量受注生産工場では、管理の重要ポイントとなっています。
そこで、IOTを活用した4M管理はどのように行えばいいか考えてみます。

ICT.jpg


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■ IOTの3つの機能
IOTの3つの機能は、センサーによるデータ取得、ネットワークによるデータ転送
そしてデーターの蓄積・加工です。
4M変化点管理に求められるのは、リアルタイムに変化を捉え、適切なアクションを
取ることです。
そこで、現場の状況を捉える7つの道具と、それを処理して見える化する手段に
ついて明らかにします。

■ 刻々と変化する現場の状況を捉える7つの道具
日本能率協会コンサルティング(JMC)は、製造現場におけるIoTの活用に
役立つ可視化・分析ツールとして「現場IoT7つ道具」の展開行っています。
このツールは、製造現場の状態の見える化/分析につなげていくための手法を
整理したもので、品質管理で用いられている「QC7つ道具」のIoT版と言えます。
IOT現場7つ道具.jpg

例えば③場面分析では、チョコ停の瞬間、不良発生状況などを現場・現物・現実
で記録することを可能とします。
故障発生!不良製品発生! など発生のその瞬間はなかなか確認が難しいもの
です。IoSによって、場面を捉えることが可能になれば、原因が見つかり改善に
つなげることが可能になります。

1IOT7つ道具.jpg

AI機能を備えることによって、カメラの映像を瞬時に画像解析をして異常
を検出します。撮影している人や設備、ワークの動きが、AIで学習した正常な
動きと異なる場合を検知し、異常発生と認識をして記録を残し、同時に、関係
者へ画像と共にアラームメールを発信することも可能となります。

4M変動管理のルールを体系化する:製造業の品質改善事例

4Mとは、MAN(人)MACHINE(機械)MATERIAL(材料)METHOD(方法)
のことで、製造工程を構成する主要な要素です。これにMESURMENT(測定)
を加えて、5Mと表現場合もあります。

多品種少量受注生産工場では、管理の主体は「4M変化点管理」です。
しかし、ISO9000の仕組みだけでは、体系的な「4M変化点管理」は不十分と
なっています。
多品種少量受注生産工場では不具合を未然に防止する品質管理の仕組みとして
4M変化点管理は最も重要な位置づけとなります。

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1.4M変動管理・変化点管理とは
4M変更管理は、その発生する性質によって大きく2種類に分かれます。
一つは、4Mの変化が予期しない時に突発的に発生する「4M変動発生時の管理」と
あらかじめ4M変更が予測される場合の「4M変更管理」です。

一方、ISO9000では「プロセスの監視・測定」を通じて得られた危険情報に
基づいて対策を講ずる、一種の「予防処置活動」を求めています。

2.4Ⅿ変更管理の体系化
4M変更管理の全体イメージを下図に示します。

体系的4M変更管理解説1012.jpg
生産が始まる前に、事前に未然防止対策を講ずるのが本来の「予防処置」です。
ところが、万全な予防策を講じたと思っても、不具合は発生します。

工程設計の不備、また様々な外部要因(設計変更、材料変更など)や、内部要因
(機械の故障ルール違反)などによって、決められた工程設計通りの作業が行え
ない状況が生じます。

そこで、日常管理の中で、4M(実際は5M)の「変化点」に注目した管理が必要に
なって来ます。

3.重要要因、重要特性の管理
重要要因として、5Mの管理手順、管理点を明確にし(QC工程図)実績を記録
します。同時に重要特性(QCD)の推移を記録し異常発生の有無の監視を行い
ます。
重要要因、重要特性管理.jpg

変化点の把握は、管理図・推移グラフでの異常や日常点検での異常、またいつも
と違うと感じる状況の把握などです。

4.先手管理とは
先手管理とは、不良が発生する前に異常状態(予兆)を検出して、先手対策を
講じます。管理図ににおいて、UCL/LCL(上限、下限の限界線)を設ける
のもそのためです。
更に、ヒヤリハット報告を基に、ヒューマンエラー予防評価シートを作成し
ヒューマンエラーを未然に防止する仕組みの構築も非常に有効な手段です。
工場品質管理の仕組み.jpg


ヒューマンエラー(ポカミス)対策解説書0916.jpg



4M管理とトレーサビリティー管理:製造業の品質改善事例

4M管理は、特に多品種少量受注生産工場において、管理の重要ポイントとなっています。
トレーサビリティ(追跡可能性)管理について、4M管理をどのように取り入れるのかを
解説します。


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1.トレーサビリティー管理とは
不良が起こった時だけではなく、過去の管理表を見れば「どんな変化点がいつ
発生したか」をすぐに把握できる管理方法です。

トレーサビリティ管理は、製品製造における原材料使用実績、製造工程実績
検査実績等を蓄積し、その製品の原材料ロット、工程の処理実績を追跡し、
同じ原材料の使用または同じ時期に工程処理された製品の把握を可能とする
ことです。

最近の品質意識の高まりにより、トレーサビリティー管理の要求が増しています。
自動車部品、医薬品、医療機器、加工食品など、人の健康や命に係わる製品や
部品において、一つ一つ異常がないか検査を行ったり、部品一つ一つにロット
番号を付与し、記録する管理が行われています。

トレーサビリティー管理は、実際の作業を行っている担当者にとって、かなり
面倒な作業となります。

大手においては、大掛かりなトレーサビリティー管理システムや自動化設備を
導入して機械がこの役目を担っていますが、中小企業では、人手に頼っている
ために、ポカミスも起きやすく、人件費も掛かります。

いかにお金を掛けずに、管理するか?が大きな課題となっており、中小ならでは
の管理体制確立が望まれます。

2.トレーサビリティー管理システム構築手順
まず受け入れから出荷までの「ものの流れ」を整理します。そして、「識別
と対応づけの原則」を満たすルールを具体的に考えていきます。

(1)ものの流れの整理
トレーサビリティを確立しようとする範囲において、受け入れから出荷に至る
ものの流れをまず図示してみます。これにより、その流れに投入されたものと
産出されるものとの関係を把握することができます。
この図にもとづいて、各段階で、
・どのような単位で製品を識別するのがよいか
・どの単位とどの単位とを対応づけるように工程をコントロールするのがよいか
・対応づけの記録がしやすいか
を検討します。

(2)識別単位の定義
製品や材料の識別単位は、工場で1回の操業により大量の製品が生産される
ときは、その1回の操業によって産出される製品全体を1つのロットとし、
全ての製品に同一の「ロット番号」を与えることが考えられます。
1回の操業のなかでも、ラインや時間の単位で区切って、別のロットにする
こともできます。場合によっては、同じ製品であっても、1つ1つの製品に
固有の記号を与えることもあります。

識別単位の大きさは追跡の精度に関係するため、識別単位が適切に設定され
ていることによって、効果的な追跡が可能になります。

ロットを小さくすれば、事故が生じたときに回収する製品の範囲を絞ることが
でき、原因究明も容易になります。しかし、ロットを小さくするほど、分別
管理のための費用は高まります。そこで、費用と効果のバランスを考えて、
ロット(識別単位)を定義することが必要です。

(3)識別記号を付与する
識別単位を特定する記号を「識別記号」といい、識別単位1つ1つに対して
割り当てる識別記号のルールを定めます。識別記号は、重複しないことが重
要です。

複数の取引先から製品を受け入れる場合は、各取引先の製品の識別記号のル
ールが統一されていれば、受け入れた製品の識別記号の記録や管理がしやす
くなります。そこで、関係者間での合意が得られるならば、識別記号のルー
ルを統一することが望まれます。

(4)分別管理
意図しないものの混合や混入が発生しないよう、工程のコントロールの仕方
を定めます。
具体的な分別管理の方法としては、ラインを用いた連続生産の場合、複数の
ラインがあるならば製品によって別々のラインを使ったり、ラインを使う時
間帯を分けたり、仕切り棒で識別単位が切り替わるところを分けるなどの
方法があります。 あまり大きく現状を変えずに、対応できるよう工夫する
ことが大切です。

(5)川上~川下工程との関連づけ
原材料が入荷したら、その識別記号と、その仕入先と仕入日時を記録します。
これにより、一歩川上へ遡及できるようになります。
同様に、製品を発送する際に、その製品の識別記号と、その販売先と発送日
時を記録します。これにより、一歩川下へ追跡できるようになります。
この両方が適切に記録されるように、対応づける方法(ルール)と、それを
記録する様式を定めることが必要です。

(6)内部トレーサビリティーの確保
内部トレーサビリティとは、工場内のトレーサビリティです。
加工業者であれば、「どの原料を使って、どの製品をつくったか」が、工程
の記録によってわかるようにします。あらかじめ、原料の識別単位とそれか
らできる半製品、さらに半製品と最終製品の識別単位とを対応づける方法
(ルール)を決めておきます。そして、それらを記録する様式を決めておき
ます。

対応づけの方法は、製品の仕様や、生産方法(連続生産、バッチ生産など)に
よっても異なります。あまり大きく現状を変えずに、必要な改善によって原則
に沿えるように工夫することが望まれます。

(7)識別企業の付与方法
対象製品に識別記号を添付する方法を決めます。
たとえば、スタンプで番号を印す、ラベルに文字を書いて貼り付ける、インク
を噴きつけて印字する、電子タグをつけるなど、さまざまな方法がありますが
そのなかから適した添付方法を決める必要があります。

(8)情報の記録・伝達媒体
ものを受け取ったり、原料として用いたりする際、また製品を製造して新しい
識別単位を形成したり、製品を出荷する際に、識別記号を、読みとって記録す
ることが必要になります。それをどの媒体に記録するのかを決めます。

たとえば、原料の現品に表示された識別記号を目視し、手書きで記録したり、
付与されたバーコードをハンディターミナルで読みとって、パソコンに転送し
保存したりするなどさまざまな方法があります。

また、企業の内部情報として、その製品が製造工程でどのような履歴をもって
いるのか、たとえば、修理履歴、検査を強化して実施したなどが後で追跡可能と
なるよう事実を記録しておきます。(4M変更の記録)

(9)手順の確立
ものの流れの整理とともに、記録され、伝達される情報の流れを整理します。
そのうえで、ものに付与された情報の読みとりや記録、新しく生まれた情報の
記録、それらのラベルや送り状への出力・印刷の方法と手順を検討します。

ラベルや送り状・帳票書類は現状のものを活かすことができれば、コストア
ップを抑えることにつながります。そして、上記の検討し定めた方法や様式を
実現する手順を定めます。

手順書においては、いつ、どこで、だれが、どのような作業を行うかを明確に
します。具体的には、原料や製品の識別と対応づけのための一連の作業、記
録すべき情報項目、記録の方法、記録する媒体、保存方法と保存期間などの項
目を記した手順書を作成することになります。


4M管理の特殊工程への対応方法:製造業の品質改善事例

4M管理は、特に多品種少量受注生産工場では、管理の重要ポイントとなっています。
日本の品質が優れていると言われるものの一つとして溶接や熱処理などの特殊
技術があります。

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1.特殊工程とは
塗装、メッキ、接着、圧着、圧接、溶接・ロウ付け、ハンダ付け、(加)熱処理
アニール(焼鈍)、シンタリング(焼結)、鋳造・鍛造、製紙、製鉄などが特殊
工程ですが、他にも色々あります。

特殊工程で作られたものは、後から目視検査ではその良否の判定が難しいと言う
特徴があります。

後から検査ができない工程については、仕事のやり方(製造条件)が正しいことを
証明しなければなりません。これが証明できない限り、良品とは判断できないので
す。これを工程の「妥当性確認」といいます。

どこの会社も特殊工程がありながら、妥当性確認プロセスがきちんと整備されてい
るとは言えません。

今までの安定した品質は、熟練技能者に頼っていたために確保できていました。
中国のものづくりの品質が日本のそれにかなわない理由の一つは「特殊工程の品質」
と言われています。 中国には日本のように熟練者がいないからです。

検査して良品を選別するという中国の工場の品質管理手法では、「破壊しなければ
品質の良否が判定できないもの」は、不良であっても選別できません。

数年前に中国市場を揺るがす事故が起きたました。
世界的に有名な欧州のある自動車メーカーの高級車で,溶接したフレームが外れる
という,クルマとして致命的な欠陥が発覚したのです。この欠陥を生んだ主因は,
溶接作業の熟練度の低さにあったと言われています。

一方、日本の自動車部品を供給する中小企業では、その道一筋何十年という知識と
経験を積んだ熟練工が担当しており、これが日本車の高い品質を支える一つの要素
と言われています。 また溶接ロボットの技術の向上も見逃せません。

2.溶接工程の管理
「特殊工程」の代表である溶接作業について、どのような管理が必要なのかを整理
してみます。
(1)適切な溶接方法の選択
  溶接方法には様々ありますが、溶接法の特徴、長所・短所について情報を集め
  生産性の向上と、品質確保の点から検討する必要があります。

(2)溶接材料、溶接条件
  溶接を行う母材に適合した溶接材料を選定するとともに、材料の保管、取扱い
  方法を明確にする必要があります。
  溶接作業場所、設備などの環境、溶接を行う姿勢などにも配慮を行います。

(3)溶接要員の教育
  溶接技能を持った要員を配置し、定期的に、教育訓練を行い、その技能を確認
  します。溶接技能者資格制度を設け、資格認定者のみが作業を行うようにします。

(5)トレーサビリティー管理
  万一の事故の場合、原因を調査できるように、溶接品質の記録が残る仕組みを
  採用し、だれが、いつ、何の材料を使って、どのように溶接したかを追跡できる
  ようにします。

(6)試作確認
  本作業に入る前に、試験的に溶接を行って、強度テストその他、品質上の確認
  を実施し、記録します。

以上の内容を、「溶接作業手順書」「溶接工程管理規準」に落とし込んで、関係部門
関係者に周知徹底します。

4M変動管理として、品質保証部門は、溶接作業管理が日常問題なく実施されているか?
不良の発生状況はどのように推移しているかを監視します。

熟練作業者の確保が、年々困難になって来る状況で、「特殊工程管理」は品質確保上
重要な位置づけになって来ました。

体系的4M変更管理実践マニュアルの概要・4M管理(変化点管理)の進め方

4M管理は、特に多品種少量受注生産工場では、管理の重要ポイントとなっています。
しかし、ISO9000の仕組みだけでは、体系的な「4M変化点管理」は不十分と
なっています。
多品種少量受注生産工場では不具合を未然に防止する品質管理の仕組みとして
4M変化点管理は最も重要な位置づけとなります。
 ★体系的4M変更管理実践マニュアル「目次」
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4M変動(4M変化点)の発生によって
(1)変更が起こったときは、人が介入するため、間違いや思い込みなどが起こり
  ミスが発生しやすい
(2)決められた工程の作り込条件、手順通り作業できなくなり、品質特性が維持
  できなくなる
(3)不良が発生してから是正する、もぐらたたきの対策が多くなる
(4)不良が市場へ流出するリスクが高まる

そのため、様々な「ばらつき要因」をコントロールし、一定の品質を保つことに
よって、不良の発生、流出を未然に防止することが必要です。
また最悪、不良が市場に流出した際に、企業としてどのように対処すべきかを規定
しなければなりません。

そのためにまず、4M変動管理(4M変化点管理)を体系化、標準化し、どのよう
に管理するのかを明確にしておく必要があります。


以下に、体系的4M変更管理マニュアルの概要を説明します。

1.4M変更管理の目的と対象
 ①4Mの変化点による不具合発生を想定、事前に評価・対策を講ずる
 ②予期しない変化点発生時、不良流出防止の処置フローを事前に決めておく
 ③管理の対象は「人」「設備」「材料」「方法」「計測」の5Mが管理対象

2.4Ⅿ変更管理の体系化
 本来、4M変動を考慮して、ものづくり工程のルール化が行われているが、各
ルールは、独立して存在し、関連部門、関連業務の連携不足、情報の流れ、処理の
流れに漏れや欠陥が生じる恐れがある。

そこで、自社の4M管理の対象はなにか?を列挙し、必要な管理項目を関連付け
漏れなく、ミスが起きないよう事前に検討しておくことが重要な作業となる。

2.1 重要度のランク付け
 ①ランクA・・・品質に重大な影響を及ぼす4M変更
 ②ランクB・・・品質に影響を及ぼす4M変更
 ③ランクC・・・日常的に発生する工程の変更、または変化

2.2 変化が現れた時の取るべき処置手順
 ①作業前の事前準備確認
 ②工程の変更
 ③変更の適用、実施

2.3 4M変更工程監査
 工程監査は、重要度に応じて、試行前、試行時、初期品管理時適時実施
 ①準備作業
 ②工程
 ③品質確認

2.4 日常的4M変更管理
 ①日常変化の要素
 ②突発的または、徐々に変化する場合
 ③変化点の把握と対処
 ④日常指標管理
 ⑤変化点管理ボード設置

2.5 ルール不順守が起きやすい作業状況
 ①チョコ亭、設備トラブル
 ②品質・安全確保装置の管理
 ③やりにくい作業
 ④断続作業
 ⑤小ロット、マイナー作業、お久しぶり作業

2.6 基本ルール不順守と人的ミス
 ①基本ルール不順守
  ・人的ミスに区分しているミスでも、基本ルール不順守の場合が多い
  ・事態確認不十分のままの推量、誤認識、勘違い
 ②人的ミス
  ・基本を十分理解し、実施した上で発生する上記を除いたミスが人的ミスである

2.7 異常処理のルール化
 ①異常処理とは
 ②異常対応手順

3.協力工場の4M変更管理
 3.1 協力工場との取引関係構築
  新規取引の場合のみならず継続取引の場合、取引関係の再構築を図ること
  納入実績、品質実績の公表、表彰・ペナルティーなどのルールを適用

 3.2 協力工場品質管理の問題点
 第3者検査(受け入れ検査)は、手が回らないので未実施の場合が多く
ロット中に規格外品が混入(中央値狙いで生産されていない)や、協力工場
都合で5M条件を変えた時でも事前申告されていない場合も多い。

3.3 協力工場との取り決め
 ・基本契約のほかに、品質保証契約を結ぶ
 ・工程監査、無検査移行基準、品質管理の基準を双方で取りきめる
 ・不具合発生時の現品の処理、費用負担を明確にする

4.多品種少量生産の4M変更管理
 4.1 基本作業の洗い出しと標準化
 4.2 多能化化
 4.3 中間管理層の育成

5.トレーサビリティー管理
6.特殊工程管理

4M管理(4M変動管理)の基本・製造業の品質改善事例

4M管理は、特に多品種少量受注生産工場では、管理の重要ポイントとなっています。
しかし、ISO9000の仕組みだけでは、体系的な「4M変化点管理」は不十分と
なっています。
多品種少量受注生産工場では不具合を未然に防止する品質管理の仕組みとして
4M変化点管理は最も重要な位置づけとなります。

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1.4M変化点管理の概要
そもそも、4M変化点管理を行う目的は何でしょうか?
お客様からの要望であるならば、お客様は何か意図をもってそのような要望を
出されているのだろうと思います。

お客様から指摘されるまでもなく
「不良を流出させない」「お客様に迷惑を掛けない」ためにはどうすればいいか?
常に考えて行動されていることと思いますが、往々にして「もぐらたたき」に
なってしまい、不具合が発生してからの後手、後手の対応になりがちです。

不具合の発生を未然に防止するにはどうしたらよいか?
それには、機械の保守点検を実施する、ポカヨケ治具を準備する、作業者を
教育するなど、モノを生産する前に万全の策を講じます。
(工程設計における予防対策のしくみ)

モノの生産が始まったら、不良が出ないように、上記の予防策を組み込んだ
決められた手順、決められた方法で整然と作業を行います。ところが、整然と
した作業を乱す、様々な要因が発生します。そのきっかけとなるのが、変化点
です。

いくら予防対策の仕組みを万全に講じても、生産現場では、変化点がきっかけ
となって不具合が生じてしまいます。様々な変化点が生じても不具合が生じ
ないように管理を行うことを、「変化点管理」「4M変更管理」などと呼びます。

変化点管理は、予防対策とも捉えられますが、もうすでに生産が始まってから
の管理なので、厳密には予防対策とは言いません。(予防対策は生産を始める
前に工程設計段階で講ずる処置のこと)

この予防対策で防ぎきれない項目(予防対策の不備)を、製造現場で、不具合
が発生しないように管理すること、これが変化点管理の目的です。

変化点管理の位置づけと目的が明確になったら、次に自社の工程で、何を管理
すれば不具合が発生しなくなるのか、項目を抽出して管理方法を決めます。
意図的であれ、意図的でない変化点であれ、工程が乱れないように管理する
項目を決め、日常管理の中で手順化しておきます。

異常・・・不良ではないが、放置すると不良につながる現象
(異音がする、寸法管理限界値を超えた、初物、中間、最終チェックで寸法
 が変化した)
不良(不具合)・・・寸法規格はずれ、検査不良、機械の停止、ヒューマン
 エラー発生

不良(不具合)が発生する前に異常を検出して、速やかに対処し、不良を未然
に防止する、あるいは、不良が次工程へ流れないように管理する、それが
「先手管理」であり、何に重点を置くか(重要部品、重要工程)を決めて管理
を行うことを「重点管理」と言います。

2.変化点管理で必要な事は
①異常を定義する・・・何を異常と定義するか点検項目、手順、判定基準を
明確にします。これは、先手管理を行うために、自社の今までの実績や経験
から、抽出すべき内容であり、世の中で決まっているわけではありません。

異常が発生するのは、何らかの変化が生じていると考えられるので、それを
突き止めて対策を講じます。

②すべてを均一に管理することはできないので、重要製品、重要寸法、重要
 工程などを決めて点検点・管理点を定義します。
 重点管理では、一般の管理とは異なり、異常の監視周期の頻度を上げる、
 工程の点検項目・品質特性の監視項目を増やすなどの管理方法を取り、
 異常を漏らさず検出します。

③あらかじめ予測ができる変化点発生時の管理を明確にします。
 設計変更、工程変更、段取り替え、人の交替など、それぞれに応じて①、②
 を適用します。

④予測できない突発的な変化点発生時の管理を明確にします。
 停電、不具合発生による作業中断、機械の故障など、それぞれに応じて①、②
 を適用します。

変化点管理は、日常管理の大部分を占める重要な管理であり、管理監督層は
「異常」「重点項目」「予測できる変化点」「予測できない変化点」など、
管理方法について、明確に答えられるようにしておかなければなりません。

変化点管理ボードは以上のような管理手順を明確にした上で、何を表示する
のかを決める必要があります。

4M管理と工場の管理ポイント:製造業の品質改善事例

4M管理は、特に多品種少量受注生産工場では、管理の重要ポイントとなっています。
工場を管理する目的は品質、コスト、納期について、厳しいお客様の要望に確実に応え
ること。そのためには、今までの4M(5M)管理のレベルを更にアップしていくことが
求められる。

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6Mしくみ.jpg

5Mによる分類とは
 材料・部品(Material)
 設備・機械(Machine)
 作業者(Men)
 作業方法(Method)
 検査・測定(Measurement)
また、更にここに
 環境(Environment)
を加えて、5M+1Eとする分類が行われる場合もある。


工場の管理の目的は何か?
生産の要素である、5Mの管理項目を決め、トラブルが発生しないよう、最適
条件に設定しその状態を維持していくことにある。

①是正対策
ただ、完ぺきな管理は出来ないから、時々トラブルが発生する。そのトラブル
を確実に潰し、再発防止を図るための正しい「是正対策手法」を使ってしくみ
の不備・欠陥を確実に是正する必要がある。
これは、日常業務のなかで行う改善活動(小集団活動)のしくみに位置づけ
られる。

②異常管理
つぎに、トラブルに発展しないまでも、工程の異常または製品の異常を発見
し、トラブルを防止する異常の検出と対策を講ずる必要がある。
これは、日常管理のしくみの中に位置づけられる。異常の例としては
 ・作業上のルール違反が見つかった
 ・作業方法や、規格上で曖昧な部分が見つかった
 ・作業上やり難い工程が見つかった
 ・ポカミスが見つかった
 ・加工寸法が管理幅を逸脱した
など、異常の定義と処置方法を日常管理ルールで明確に決めておく。

③予防管理
そして、工程や作業をを乱す様々な要因が発生しても、正しい工程、正しい
作業が行われる、あるいは、正しい作業が行われなかった場合に工程がstop
するしくみ、アラームが発生するしくみ、工程の信頼性設計を行う。
信頼性設計の結果に漏れが無いかどうかは工程FMEAによって評価される。

④4M(5M)管理
最後に、4M(5M)の管理項目を決め、要求品質、価格、納期を保証する
工程の機能設計を実施し、設計のアウトプットとしてQC工程表が作成される。

⑤未然防止のしくみとは
以上説明した
 ・是正対策(改善活動)
 ・異常管理(日常管理)
 ・予防管理(工程の信頼性設計)
 ・4M(5M)管理(工程の機能設計)

この4つの管理を体系的に手順化されたものが「未然防止のしくみ」であり
6つ目のMであるManagementを指している。

少し難解な解説となったが、詳しくはセミナーあるいは解説書で詳細に
説明する予定。



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4M管理と多品種少量生産における管理ポイント:製造業の品質改善事例

4M管理は、特に多品種少量受注生産工場では、管理の重要ポイントとなっています。

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多品種少量生産工場では、作る製品が毎日のように変わります。ということは、
設備、材料、方法、人の4Mが、毎日のように変化することになります。
当然ミスが起きやすくなりますから、管理の方法も素早い確実な情報入手と対策が
必要になって来るので、日常管理ルールをしっかりと決めておくことが重要になっ
てきます。
また、変化をできるだけ少なくなるする管理手法の工夫も重要です。


以下に、それぞれの項目ごとに検討していきましょう。
1.共通化について
 部品・材料の共通化・・・「標準部品表」の作成など、設計工程で共通部品・材料が選択
   できるような仕組みを構築する。
 設備・機械の共通化・・・製造技術部門が中心となって、設備、機械の選定、治工具の工
   夫によって、様々な加工方法に対応できるようにする。
 製造ラインの共通化・・・作業工程の共通化や設備、治具の共通化をはかり、フレキシブ
   ルな生産に対応できる製造ラインを構築する。

2.標準化について
 設計作業の標準化・・・部品、ユニットのモジュール化、図面の共通化、デザインレ
   ビュー、試作などの設計工程の標準化等。
 加工、組み立て方法の標準化・・・カシメ作業、ねじ締め、半田付けなど作業を標準化
   マニュアルの作成などによって作業をできるだけ標準作業として定義する。
 管理ルールの標準化・・・倉庫の入出庫管理、トレーサビリティー管理など、生産に関わ
   る管理ルールの標準化を行う。

3.万能化について
 多能工化・・・1人の作業者が、様々な作業が行えるように訓練する。
 熟練工化・・・逆に、ある作業に特化して、様々な要求に応えられるように訓練する。
   例えば、溶接作業に関しては、どのような部品でも、様々な溶接技術を用いて対応できる。など

次に多品種少量生産に適用される生産方式について考えて
みましょう。
ジャストイン・タイム生産方式、セル生産方式などは、多品種少量生産に適した
生産方式として広く知られています。これらは外注品の支給管理のカイゼン、作業
者の多能工化などの対策を講じながら、仕掛在庫を極力減らし、生産効率を高める
ために、4M管理の仕組みを試行錯誤しながら築き上げていかなければなりません。

しかしながら、多くの生産現場で「ジャストイン・タイム生産方式を取り入れよう
としたがうまくいかない」「セル生産ラインを組んでみたが、効率が上がらない」
などの声をよく聞きます。

なぜ、うまくいかないのでしょうか?
それは、ジャストイン・タイム生産方式、セル生産方式を取り入れる前に、生産
現場で最低限やっておかなければならない項目ができていない場合が多いのでは
ないでしょうか。
生産管理や品質管理の基本、日常の作業ルールの明確化、ルール順守といった普通
の管理がおろそかになっているということです。

では、その基本的な項目を列挙してみましょう。

1.見える管理の徹底
4M管理の目的は、変化点に対し、予兆(異常)を検出し不良が流出しないうちに
素早く対策を打つことです。そのために、変化点情報を関係者に見えるようにする
こと、そして変化点の情報を共有化することが大切になります。
 ・5Mの管理値の明確化と毎日、毎週のトレンド変化の確認
 ・アウトプット(中間品、完成品)の特性値の明確化と確認

2.カイゼンのサイクルを回す
変化点の異常を発見したら、それを素早く取り除かなくてはなりません。生産現
場ではそれが、意外と徹底できていないのです。不良が顧客まで流出し、クレーム
を受ける、工程で同じ不良が何度も繰り返えし発生する、納期遅延を繰り返し起こ
すなど慢性的な不良が発生している場合は、早急に仕組みを改善しなければなり
ません。
 ・問題発生事の処理フロー、仕組みの見直し
 ・問題発生時の組織、責任者の明確化(仕組み化)
 ・表彰、罰則規定の制定、運用
 ・管理人材の教育、人材補強

3.現場監督者・スタッフの役割明確化
 ・日常点検、保守の徹底
 ・作業者のルール順守の徹底
 ・QCDなど、問題発生時の監督者の役割、処理ルート明確化
 ・その他

4.管理層・トップの役割明確化
中小企業では、トップの考え、行動が企業の浮沈に大きくかかわっています。
まずトップが先頭に立って、「見える管理」「カイゼンサイクル」を徹底させる
仕組みを作って、そこに参加し、社員一丸となって取り組めるように体制を作る
ることです。

5.コミュニケーションの仕組みを作る
トップの考え方を管理層、一般従業員まで伝え、徹底させること。そのためには、
毎週一回は全体朝礼を開くなど仕組みが必要になります。また、定期的な生産会議
品質会議など、生産現場の4M変化点の記録などを基にした情報共有化、組織間にま
たがる問題点の対策を講ずる場も必要です。

生産現場ではこれら1~5の仕組みがあり、しっかり運用されていることが多品種
少量生産の4M変動管理をスムースに導入するための必要条件です。

この4M変動管理の考え方は、ISO9000の「プロセスの監視・測定」にそっ
て得られた情報に基づいて、危険を察知して、事故や不良が起こる前にその原因を
取り除いてしまおうと言う考えに基づいており、一種の「予防処置」に該当します。

しかしながら、本当の予防処置は、ものづくりが始まる前に終了していなければ
本来の姿ではありません。
 ・作業手順の標準化
 ・多能工化、万能工化
 ・工程FMEAの実施

などによって、上流工程での対策を重点的に行うよう、人材の重点配置・教育訓練
の実施等、長期的・計画的な取り組みが必要になっていると考えられます。


4Ⅿ管理を怠ると知らぬ間にお客を失う?中国のある日本料理店の事例

かつて、中国に駐在していた頃のある「日本料理店」の料理の味の変化を例に
4M変動管理の重要性について考えてみます。

この日本料理店は、4M変動管理を怠ったために、知らず知らずとお客様を失い
ついに倒産に追い込まれたというお話です。

20160205_035[1].jpg

4Mとは、MAN(料理人)、MATERIAL(食材)、MACHINE(設備、道具)
METHOD(調理方法)と定義します。

中国の日本料理店では、良く行くなじみの店で、味が変化してしていることに
気づくことがあります。
料理人は、中国人で中国の日本料理店で修業し、あらゆる種類の日本料理の
作り方をマスターしていますが、それまでは日本料理は食べたこともなく、
もちろん日本に行ったこともありません。

味は、突然変わってしまう場合と、じわじわと変わっていく場合などいくつか
のパターンがあります。
1.突然変わる場合は、今までの料理人が辞めてしまい、新しく来た料理人が
 代わりに料理するようになった場合

2.じわじわと変わっていく場合は、最初教えてもらった味を忘れてしまい
 調理法を変えたり、手を抜いたり、自分好み?の味に替えて行ってしまう
 場合

3.日々微妙に変化を繰り返すのは、例えば朝、豚骨を2時間煮て炒め物用の
 だしを作る決まりになっていたが、調理人が遅刻し1時間しか煮てない状態
 でお客様に提供してしまう場合

料理の世界でも4Mが変化した時のルールをきっちり決めておかないと、とんでも
ないことになってしまいます。店のオーナーや、責任者が知らない間に、まずい
料理が毎日お客様に提供されてしまったら、どのような影響があるでしょうか?

まずい料理が提供される。
   ↓
お客様は無言で退店し、二度と帰ってこない。(一時的影響)
   ↓
そのお客様は知り合いに「あそこはまずいから行かないほうがいいよ」と話す。
   ↓
お客様のお友達も店に来なくなり、その友達は他の知り合いに「あそこは美味し
くないらしい」と噂する。
   ↓
口コミ情報が広がり、結果、お客様が来なくなる。
   ↓
店は徐々に収益を失い倒産、従業員全員が職を失う。

4Mの変化は頻繁に起こります。 条件がひとつでも変わると料理の味が変わり
お客様の満足度に大きな影響が出ます。
したがって、4Mの条件をマニュアル(レシピ)で明文化し調理人はそのルール
に従って調理作業をしなければいけません。
そして、その味が変化していないか、チェックしたり、お客様の反応を聞い
たりします。

ところが、色々な理由でマニュアル(レシピ)通りに調理出来ない場合が
当然出てきます。4M変更があった場合、必ず責任者に報告し、料理の味が
落ちていないかテストをし、責任者の承認を得てから、お客様に提供しなく
てはいけません。これを実行できない調理人はクビにするしかありません。

重要なのは、レシピ通りに調理して、お客さんからまずいと言われる
 ・・・これはオーナーや店長の責任。

レシピに従わず調理して、お客さんからまずいと言われる
 ・・・これは調理人や従業員の責任。

あなたの会社では、知らず知らずのうちにまずい料理をお客様に提供して
いませんか?


4M管理(4M変動管理)の設計・生産管理の考え方・製造業の品質改善事例

体系的4M変更管理について、どのサイトよりも詳しく解説しています。

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多品種小ロット(少量)生産時代の4M変動管理はどうあるべきか?
ものづくり工場での悩みは尽きません。営業マンが個別受注で取って来た小ロット
の製品を設計部門で顧客の要求に合わせて図面を引き製造部門に渡す。図面に合わ
せて、部品・材料を購入、そして、加工・組み立て・・・。こんな流れで生産して
いたのでは、品質も不安定、納期も守れず、しかも無駄な費用がかさみます。

以下に多品種小ロット生産の採算と、製造品質を決定する「4m変動」管理ポイント
についてまとめてみます。

 ★無料マニュアル「4M変更管理マニュアル」は <こちら

1.設計品質
(1)モジュール化設計
 例えばパソコンを例に取ると
パソコンとして成り立つためには、少なくとも数十ぐらいの要求仕様があり、それ
が設計パラメータとなります。画面の大きさ、メモリの容量などから始まり、振動
や騒音、熱はもちろん、衝撃を受けても割れないようにするなどといった要求仕様
を加味した上で、パソコンを構成する部品のモジュール化が世界的な標準として確
立されています。

モジュール化を行うには、部品(ユニット)同士まずきちんと組み付くかどうかが
問題になります。物理的にも、信号などのインタフェースの標準化が必要で、あら
かじめモジュール化設計時に評価しておく必要があります。そして、営業マンも、
どの部品(ユニット)を組み合わせると顧客の要求に沿った製品が出来上がるのか
を熟知して営業活動を行わなければなりません。

このように、個別受注品でも、モジュール化設計によって、新たに設計しなけれ
ばならない要素をできる限り少なくし、製造段階での設計変更を減らすことによ
って設計品質向上、設計納期短縮を図ります。

(2)図面の共通化
 設計部門と生産設計部門が協力することにより、図面の共通化を図ります。
 ・モジュール化部品(ユニット)は機能ごとにまとめて一つの図面とする
 ・共通化図面では、外形寸法、曲げ寸法、穴位置など異なる部分は注記で表現する
 ・どの部品(ユニット)を組み合わせるかは、受注製品ごとに仕様書を作成する

(3)設計スケジュール管理
 設計品質を確保する事と、出図納期を遵守する事は、裏表の関係にあります。
事前に設計すべき内容を充分検討し手戻り(訂正図)を発生させない事、設計者が
その作業に集中出来るように日程を計画する事が重要です。
出図日程計画は少なくとも週区切りで、設計内容や工程(検討・計算、作図、検図
、出図作業、など)、出図成果を明示する事が重要になります。

2.生産スケジュール管理
(1)Push生産とPull生産
 製造業は受注と生産の関係によって、4種類の生産形態に分けることができます。
  • 個別受注生産
  • 繰り返し受注生産
  • 受注組み立て生産
  • 見込み生産
の4種があります。
 図を見れば分かるとおり、どんな業種でも上流側は見込み(Push)で進められ、
下流は受注が入ってから動きます(Pull)。

無題の画像.jpg

 生産形態の違いとは、上流側の見込み生産と、下流側の受注生産がぶつかる点
の場所の違いです。しかも、両者がぶつかる地点に(理論的には)在庫が必要と
なります。これをカップリング・ポイントないし在庫ポイントと呼んでいます。

(2)モジュール部品(ユニット)の見込み生産
 在庫ポイントはできるだけ下流側に設定することで、リードタイムを短縮する
ことができます。
それには、できるだけ部品の共通化(モジュール化)を行います。さまざまな製品
で使用する部品の共通化を図ることで、部品需要の平準化を狙います。需要が平準
化され予測精度が上がると、在庫が抑えられ、しかもリードタイムを短縮すること
ができます。

3.製造品質
(1)基本作業の洗い出しと標準化
 個別受注品であっても、製造工程では必ず共通作業が存在します。
例えば、切る、曲げる、溶接する、組み付けるなどの作業です。これらの共通作業
を洗い出し、作業方法の標準化(共通作業指示書の作成)を行います。
共通作業指示書では、以下の内容を記載します。
 ・作業手順
 ・必要な工具、治具、測定機など
 ・必要な補助資材(半田、接着剤、テープなど)
 ・作業結果の点検方法
 ・良否判定基準(写真、限度見本)

上記のように、多品種小ロットであっても、変化することのない共通作業を標準化
することによって、品質確保、生産性向上を図ります。

(2)多能工化
 少人化、作業の人によるばらつきをなくすためには多能工化を推進します。
多能工養成の手順としては、
 ①多能工養成のためのチームを編成する
 ②現状のスキルを工程別に明かにする
 ③“多能工訓練計画表を使って、各作業者の目標を設定する
 ④残業時間などを有効に使った多能工化スケジュールを作成する
 ⑤定期的に星取り状況を朝礼・夕礼などで発表し意識を高める

多能工化は、物を作る楽しさや創造の喜びの復活や、自己の能力の向上に通じるも
のであり「生産性と人間性の融合」からなる真の生産性向上に貢献するものと考え
られます。それゆえ企業もこのような従業員の教育体制を積極的に整えることが大
切となります。

(3)中間管理層の育成
 多品種、小ロット生産の工場では、現場の管理監督を行う中間管理者の役割が、
生産性・品質に大きく影響します。デスクに向かって仕事をしているだけではだ
めで、作業の進捗や不良の発生、作業者などに常に注意し、問題が起こればすぐ
にその原因を取り除くよう適切な処置を行います。

中間管理層に一番求められるのは、自分の職場の問題や、課題となっていること
を自ら発見し、改善すること。そのために部下を適切に指導したり、仕事をしや
すいように、またミスの起きないような作業方法を工夫したり、治具を製作した
りします。つまり、現場の改善のためのマネジメント力が問われるのです。

このような人材を育成したり、外部から経験ある人材を補強して現場力を高める
ことは経営トップの責任であり、最優先で行うべき仕事です。


4M管理(Man/Machine/Method/Material)管理の体系的管理手順(長編コラム②)

第二章 4M変更管理の体系化
1.概要
4M変更管理を体系的に捉えた全容を下図にしまします。
管理の要素は①〜⑦となります。
 ①4M変更管理対象の定義
 ②設計変更・工程変更管理
 ③初期流動管理
 ④日常(変更)管理
 ⑤日常(変動)管理
 ⑥重点要因(5M)・重点特性(QCD)の監視
 ⑦異常処理手順

管理のサイクルは、
(P)計画・・・管理の対象の定義づけとランク付け
(D)実行・・・設計変更・工程変更管理/初期流動管理/日常変更管理
(C)チェック・・・重要要因、重要特性の監視と異常検出
(A)アクション・・・異常処理手順による対処
となります。

間違いなく的確実行するための重要なポイントは、それぞれの手順の5W1Hを
明確にすることです。どこの部署が責任を持って判断し、実行するかをはっきり
と決めておかないと、確実でスピーディーな対応ができません。

4M変更管理では、事前に組織や責任者の明確化と各責任と権限を決めておかな
ければなりません。また、顧客に対して報告が必要かどうかのガイドラインを
決めておき、個別の事象ごとに設計部門、品質保証部門が中心となって協議し、
最終的には品質保保証部門が決定します。

以上の手順を、あらかじめルール化して運用します。
では、詳しく手順を説明します。

2. 4M変更管理対象の定義
まず、4M変更管理の対象となる製品やイベント、5Mの条件を抽出します。
a.新規品
 ・新製品・・・新しい要素技術、新しい開発要素を含む製品
 ・新用途・・・基本技術は同じで、今までにない用途の製品

b.変更品
 ・仕様変更・・・お客様の仕様に関わる内容の変更要求
 ・設計変更・・・社内事情による、寸法、材質、物性など設計仕様の変更
 ・工程変更・・・設備の新設・増設・改造、加工法、製法、購入先、外注の変更

c.その他
 ・生産再開品・・・長期間生産を行っていない製品の再開品
 ・重要品質問題発生品・・・品質問題対策品の生産頭出品
 ・段取り替え品・・・段取り替え直後の製品
 ・人の交替・・・スキルを要する工程の人の交替直後の製品
 ・設備トラブル修正後・・・設備等の修復直後の製品
 ・トラブル発生時・・・突発トラブル発生時の製品

3.変化点の洗い出しとランク付け
品質に影響を与える変化点を洗い出します。
管理する範囲は、最終的には工場全体が対象となりますが、まずは範囲を限定
して、モデル工程として試行し、順次その範囲を広げていく方法も取られます。
項目としては、4M(人、設備、材料、方法)+計測(Measurement)に関係
するものを以下の観点で抽出します。
 (1)顧客の要求項目で承認を必要とする変化点
 (2) 過去に発生した製造問題(市場クレーム、工程内不良)の解析結果
 (3) ヒヤリ・ハット問題(不良予備軍)の解析結果
 (4) 他社事例の解析結果
 (5) 工程内観察結果

次に、項目ごとにランク付けを行います。
ランク付けの基準は、重要製品、重要顧客、新規度などを総合的に判断し、例え
ば、Aランク、Bランク、Cランクの三段階に分けます。 品質管理においては
このように、重点指向の考え方で、一律管理ではなく、重要度、優先度に応じて
管理の方法を変えることが重要です。  
ランクA・・・品質に重大な影響を及ぼす4M変更
 品質保証部門が、変更内容の妥当性を確認・承認、客先に報告
 (部品材料変更、大幅な設備、手順の変更、生産場所変更等)

ランクB・・・品質に影響を及ぼす4M変更
 品質保証部門が、変更内容の妥当性確認し承認
 (軽微な設計変更、工程変更、検査方法変更)

ランクC・・・日常的に発生する工程の変更、または変化
 発生部署が管理、結果を記録し、品質保証部門が確認
 (作業者、治工具の変更、設備の修理、メンテナンス、校正)

(注意)
 ここで、注意すべきは、あれもこれも必要だからといって、管理項目をどんどん
増やしてはいけません。目的は、管理項目を増やす事ではなく、変化点ができる
だけ発生しないように、工程を改善することです。管理項目を少なくして、管理
工数をできるだけ省いていくように改善を実施していくことが重要です。
(重点管理)

4.日常変更管理
4M変更管理の柱である日常変更管理の手順について解説します。
(1)管理の対象 
まず、日常業務における変更管理は、以下の内容となります。
●計画的な変更
 人・・・ローテーション、休暇対応、生産に応じて増員対応、残業
 機械・設備・・・修理、改造、段取り替え、点検、機械代替、治工具変更
 材料・部品・・・刃物変更、油脂類変更、副資材変更、使用材料変更
 作業方法・・・手順変更、工法変更、サイクルタイム変更、ライン変更
●突発的または、徐々に変化するもの
 人・・・一時離籍、突発休暇、休日出勤・勤務シフト変更
 機械・設備・・・故障、破損
 材料・部品・・・モノ違い、寸法不良等
 作業方法・・・ルール不遵守、追加加工、全数手直し、修理、選別
 その他・・・地震、台風、水害、火災、事故、停電、その他災害

(2)変化点の把握と対処
これらの変化に対応するためには、変化点の内容、変化の発生した製品の範囲
(ロット・生産数量)、を明確にすること、管理者および関係部署への連絡、
連携などの措置対策ルールを決めておく必要があります。
そのためには、変化点管理項目一覧表を作成し、変化点情報の把握と、変更管理
の実施内容を決めておきます。

機種ごとの重要要因、重要特性を決めて、現状の把握と目標とのかい離を毎日
確認します。その中で、異常・ばらつきを発見し、その変動要因を調査します。

突発的、または徐々に変化する場合の変化点の把握と対応についても
 変化点の把握・・・管理図・推移グラフでの異常/日常点検での異常/いつも
          と違う
 対応方法・・・変化点発生の範囲を把握する/関連部署への連絡/処置・対策  
などの内容について、手順化し周知徹底を図ります。 

(3)日常管理の注意点
4Mの変化が発生するとヒューマン・エラー(ポカミス)が多く発生する。
そこでポカミスの発生しやすい作業、ルール不順守が起きやすい作業を重点点検
します。
①チョコ亭、設備トラブル
 ・故障復帰後、品質変化が起こる
 ・手直しミス、作業飛ばしが起きやすい
 ・作業性維持のためやってはいけない事をする(アラーム動作停止など)
②品質・安全確保装置の管理
 ・検査設備、自動停止・ポカヨケ機構の点検
 ・異常や停止のまま放置がないか?
③やりにくい作業
 ・やりにくい作業は出来栄えのばらつきが大きい
 ・不自然な姿勢、自己流作業の有無
 ・治具、補助具が正しく使われているか
④断続作業
 ・作業中断、再開時に不具合、作業ミスが発生しやすい
⑤小ロット、マイナー作業、お久しぶり作業

(4)ヒューマンエラーの要因図


「スキル不足」「過失」に対する再教育、ポカヨケだけでは、もぐらたたきの
対策で終わってしまいます。近年、組織・システムのガバナンスに起因する
様々なトラブル(人的ミス)が指摘されています。①〜③の要因別に原因究明
することによって、管理ルールの不備を指摘し、再発防止策を講じていくこと
が必要です。



(5) 変化点の見える化
変化点管理ボードを設置し、変化点の見える化により、変化点情報の全員への
徹底を図ります。変化点管理ボードで表示する目的および内容は、以下の通り
です。
①良い製品を作るための条件(5M重要プロセス)
 ・変化点管理項目一覧表の貼り付け
 ・4M条件の掲示
 ・人員配置
 ・工程(ライン構成)
 ・変化点発生場所と概要の明示
②良い製品であることの確認(重要特性)
 ・品質特性確認
 ・特性検査
 ・工程能力
 ・サンプル保管
 ・不具合の有無確認、前後の比較結果

変化点管理ボード例を次ページに示します。



見える化とは、職場の全員が、目で見て仕事の進み具合が正常か異常かの判断
素早くできて、次のアクションにつなげていくために行うものです。見える
化はそのためのツールの一つです。次のアクションにつながらなければ、見え
る化の意味がありません。



(注意)
変化点の管理は、不良品ができる前に、事前に異常な状況を取り除き、不良
発生、流出を未然に防ぐことが目的です。とかく、管理することに目が行き、
管理そのものが目的化してしまうので、注意が必要です。





<事例研究2>
質問:一つ教えていただきたいのですが、4M変動管理の中で、どこかで変化点
が発生した場合には デ-タ取りをすると思うのですが、従来との比較を行いたい
時、最低いくつ位のデ-タを取る必要があるのでしょうか?
ご面倒ですがよろしくお願いします。

回答: 変化点の発生時についてのお尋ねですが、例えば量産工場において製品
の品質の変化を「変化点」と捉える場合を想定します。
品質の変化とは、
 ・ある形状の加工寸法
 ・製品の重量
 ・成分の含有量(割合)

などの、品質の特性値を計数値、計量値を製造単位(ロット)ごとに計測します。
その値をX-R管理図などに記録し、変化点が発生していないかどうかを判断します。
管理図の作成と判定方法を、巻末の参考資料にて解説します。



1回のサンプル数は、この添付の例では5個ですが、数量は多い方が誤差は少なく
なりますので、事情の許す限り多くとった方が良いと思います。
(20個以上が望ましい)

どのような変化点をどのような目的で捉えようとされているかによって、サン
プル数や管理図の作成方法も各社様々な工夫をされていると思います。

また、設計変更、設備変更などあらかじめ変化点が分かっている場合はその
前後の計数値を監視し品質に異常が発生していないかどうかを判定するため
に使用します。

(6)評価とフィードバック
日常業務管理の中で、変化点の記録や、異常処置などの管理がうまくいった点
まずかった点、異常値を頻繁に起こす管理項目、逆に、ほとんど異常値を示さ
ない管理項目の分類を行い、4M変動管理システムがうまく回っているのか
どうかを評価します。

関係部門を集めて、半年、ないしは1年の周期で記録・データーを持ち寄って
レビューを行います。
レビューによる評価結果に基づいて4M変動管理全体の改善を実施します。

これは一年間運用し、その結果改善が必要な項目を抽出し対策案を準備し、
次年度から、改善を実施するというように、継続して管理システムを見直し
ていくことで、より効率の良い管理方法に改善されていきます。



5.設計変更・工程変更の管理
設計変更や工程変更は、基本的にその変化点が発生する時期があらかじめ分か
っているので、計画的に変更作業が実施可能です。
下のフォーマットは、設計変更通知の例です。

この通知によって、5WIHを明確にして、関係部門に速やかに指示を出します。
変更によって、顧客に影響を与えるものは、事前に「4Ⅿ変更申請書」を提出し
承認を得ます。フォーマットの形式はフリーですが、左の枠外に、目的、担当
職場、実施時期など、を漏れなく記入するように注意書きがあります。
変更指示の内容を、この通知で関連者にもれなく情報提供が可能になります。


(1)設計変更の手順
設計変更を行う場合、変更の起案元(設計部門)、品質保証部門および関係部門
で審査会を開催し、変更内容の検討を行います。
必要に応じて信頼性評価などを実施し、現状品と比較して品質・信頼性に差が
無いことを厳密にチェックします。重要な変更については品質保証責任者が
最終的に承認するシステムとします。

また、すでに品質・信頼性に対して影響が無いことが判った変更内容については
起案部門で判断できるようにし、合理的に変更できるようにしています。
お客様へは、品質・信頼性、電気的、機械的特性、外形寸法、外観、使い勝手に
関わる内容について事前に変更連絡を行います。

顧客に提出が必要な4M変更の項目は以下の通りです。
 ・機能上の変更がある場合(操作方法の変更、性能の変更、機能の追加削除)
 ・外観上の変更がある場合(外形、色、重量、材質変更など)
 ・製造方法を大幅に変えた場合(外注先変更、工法変更、部品、材料変更)
 ・顧客の要求がある項目
 ・その他、顧客に事前に報告が必要と判断した変更項目

顧客に4M変更申請書を提出するかしないかの判断は、(製品、工程)設計部門
品質保証部門が協議し、最終決定は品質保証部門が行います。

(2)工程変更の手順
設計変更の適用決定後、工場部門では、以下の手順により、設計変更の内容に
従って工程変更を行います。

①作業前の事前準備確認
 ・工程変更計画書作成
 ・工程変更申請書提出(客先)
②工程の変更
 ・QC工程表の変更
 ・作業指示書の変更
 ・設備、治工具、測定機の確認
 ・作業者への変更内容説明、作業方法の教育・訓練
 ・工程変更事前監査(チェックシートによる)
 ・過去のトラブルを反映させる(過去トラブルの再発防止)
③変更の適用、実施
 ・変更適用のロットは、「初期品」として品質監視対象とする(初期流動管理)
 ・初期品は影響を受ける特性を重点監視する
  (寸法、精度、機能特性等の記録)
 ・品質保証部門は、監視記録データーの問題有無を判定する
④結果の検証
 ・品質保証部門は、工程変更監査を実施
  (変更指示どおりの工程作業が行われているか)
 ・問題がなければ初期品監視を解除する

(3)参考書式フォーマット



6.新製品立ち上げ管理
(1)新製品の量産製造を立ち上げ手順
一般的に以下の手順で実施する。但し、製品の新規度、規模によって必要
 な手順を検討する。
 ①生産方式の決定・・・工程・工順/内外作/作業標準/設備・治工具
 ②技術試作・・・設計部門、顧客側主体で実施、品質保証部門が認定申請
 ③量産試作・・・設計上、製造上の問題点の洗い出しと対策実施、図面修正
 ④信頼性評価・・・環境・寿命試験等実機評価、工程FMEA実施
 ⑤認定・・・品質保証部門が認定申請、認定後量産移行が可能となる

(2)初期流動管理
初期流動管理とは、変更後のあらゆるトラブルに対して迅速に対策を講じ、
変更後の品質の低下、原価アップを招かない様、関連部門が総力で取り組む
ことを言います。初期流動管理の実施手順は、
 ① プロジェクト・チームを編成する
 これは、通常担当している組織だけでは、突発的なトラブルや社内横断的な
 問題点を機動的に解決できないため、QCDを総合的に管理するプロジェクト
 を結成する

 ② 初期流動管理の期間を明確にする
 初期流動管理の発動はいつで完了はいつか?をスケジュールを立てること、
 また完了の条件として、不良率、作業効率、歩留りなど目標値を設定し明確
 にする

 ③ 重要要因、重要特性の管理
 重要要因として、5Mの管理手順、管理点を明確にし(QC工程図)実績を
 記録する。同時に重要特性(QCD)の推移を記録し異常発生の有無を監視
 する


7.統計的解析手法による変化点の捉え方
(1)層別とサンプリング
層別とはデーターを要因毎に分けることで、一見関連性がないデータでも、
層別を行うと関連性が出てきます。層別の方法は以下の種類があげられます。
 ①5M1Eごとに行う
 (作業者、機械・設備、原料・材料、作業方法、環境、時間) 
 ②ヒストグラムで層別を行う

製造工程で2台の機械を使用していた場合全てのデータでヒストグラムを作成
すると二山型になる場合がある。二山型のヒストグラムでは工程能力指数が
悪い場合が多く、改善対策の検討が困難。
そこで、データを機械別に分け層別したヒストグラムを作成すると、問題点が
明確になる。
 ③散布図で層別を行う
 製造工程で2銘柄の原料を使用していた場合、全てのデータで散布図を作成
 すると相関係数や寄与率が低くなる。相関係数や寄与率が低い場合は因果
 関係が明確でなく、改善対策の検討が困難。
 そこで、データを要因別に分け層別した散布図を作成すると、因果関係が
 明確になります。

 散布図と、特性と要因の関係をX-Y二次元図で表し把握する
 相関係数とは、2つの値の関連性を調べる目安となる値のこと。-1.0~1.0
 の範囲に値を取り、絶対値が1に近いほど関連性が強く、0に近いほど関連性
 が弱いとされる。
 正の相関では相関係数が1に近く、負の相関では、相関係数が-1に近い値に
 なる。無相関では0に近くなる。

(2)ばらつきとは
ばらつきとは、JISZ1108:測定値・測定結果の大きさがそろっていること
または不揃いの程度。ばらつきの程度を表すには、標準偏差などを使います。 
5Mの条件の変化によって、品質特性が変化する場合のばらつきの管理はどの
ように行うかは、以下の日常的な管理が必要となります。
 ・機械の精度を維持する技術(加工条件・方法・点検・環境)
 ・材料の特性を考慮した加工方法
 ・測定機、測定方法、測定者のばらつき管理
 ・日常の管理で、ばらつきの異常を早期に発見する仕組みが必要!

<事例1 問題>
ドリルの寿命について、MCで加工をするのに、ある程度数値的に工具寿命を
判断したいのですが?いい方法あればおしえてください。径・時間・切削長等
いろんな観点からから決定したいのですが?

<回答>
①私はだいたいですが2ヶ月に一回の割合で全ての工具に対して交換をしてい
ます。それと使用程度に応じて交換するかしないかを決めています。ドリルの
場合は、リーマを通した後の、傷の具合を見て判断します。

②ドリルの切削長で判断するのが一番正確ではないでしょうか?
例えば、アルミは100m、鉄なら50mと、材質でおおよその工具寿命を決め
ます。自社で加工データーベースを作成してそれにより寿命を管理するのが
一番良いと思います。

③統計分析を使ってみてはどうでしょうか?
寿命判定では条件を一定としてある程度の予測を立ててからやったほうがよい
思います。
タグチメゾットや仮説検定等の手法を取り入れるとより数値的に判断・予測が
つきやすくなります。たくさんテストカットすると時間とお金がかかるので
統計手法で予測をしてからやるのも一つの手だと思います。


<事例2 問題>
高周波焼入れを依頼したところ以下の回答がありました。
・依頼者:HS95±3で焼入れをしたい。 部材Φ100×200L
・業者A:±3は無理。±10は欲しいががんばれば±5に入る。
・業者B:HS95なら狙いに対して0~5の誤差で出来る。
焼き入れの精度は一般的にどの程度ですか? 測定方法(HS、HV等)でも
誤差はありますか?

<回答>
焼き入れ硬度のばらつき要因
・測定誤差
・材質のばらつき
・高周波焼き入れ温度のばらつき
JIS規格では、材料の炭素量は±7%のばらつきを許容しています。材質の
ばらつきによってHS95の±5%以上ばらつきが出ます。肉厚の薄い部分や
角の部分などは早く冷えるためか硬く入ります。

測定誤差は、HVの場合、試験片を鏡面に研磨しておこなうので削り込む深さや
平面の出し方など、作業者の熟練度によって誤差が出やすいです。
HSについては跳ね返り高さより硬度を求める測定方法のため、試験片の表面の
よごれや、平面度に左右されるとおもいます。


(3)工程能力把握とばらつき管理
①分布について
母集団の分布(ばらつき)は、計数値、計量値などにより一定法則の数式に従い
ます。
・計量値・・・正規分布
・計数値・・・2項分布、ポアソン分布

正規分布は、計量値の基礎的な分布安定した製造工程からデータを取ると正規
分布に近くなる事が多い。統計的手法の中には、分布が正規分布を前提にして
いるものが多い。
工程能力指数Cp、Cpkの算出にも、正規分布が用いられる。

2項分布は、良品と不良品が一定比率で存在する母集団からサンプリングした
時に得られる計数値の分布のこと。
ポアソン分布は、まれにしか起こらない現象の確率を示す。
安定した工程において、一定の大きさのサンプル中の欠点数はポアソン分布に
従う。

②ヒストグラムとは
ヒストグラム作成の目的は、ある特性値について、多くのデータを得た場合に
どのような分布をしているのか、その分布を知るために“ヒストグラム”を作成
します。
 ・これらのデータの代表する値は何か?
 ・これらのデータのバラツキはどれくらいなのか?
 ・規格値と照合すると、どれくらいの不良が含まれていそうか?
 ・分布の姿からみて、工程の管理状況は良好か否か?

③標準偏差とは
一般に,データをとってみると,集団としては本来同じと思われる場合でも,
個々の値は少しずつ異なるのが普通です。これらの現象をバラツキがあるとか
変動があると表現します。バラツキや変動を数値で表すには
 ・最大値と最小値の差をとって,範囲(R)とする簡単な方法
  (サンプル数が異なる場合や大きい場合には適さない)
 ・個々の値と平均値からのズレ(偏差)を計算し,偏差の2乗の総和を求め,
  データ数で割ったものを分散と定義し,この値のルート(平方根)を標準
  偏差として使用する

標準偏差は、データのバラツキ具合を表す指標として使われます。
データのバラツキ具合を表す指標としては、標準偏差のほかに分散も使われます。
標準偏差は、分散の平方根です。標準偏差のほうがデータと同じ視点で見ること
ができるので、わかりやすいといえるでしょう。標準偏差の数値が大きいとバラ
ツキが大きく、逆に小さいとバラツキが小さいと判断できます。

④工程能力とは
管理状態にある工程においてその工程の持つ品質達成能力を工程能力といいます。
「工程能力指数(Cp)」とは上記の工程能力を数値化したもので「ある特性に
おいて規格幅を6σで割った値」で定義されます。

工程能力の定義にある「管理された工程」とはその特性値が 正規分布している
ことを指し工程能力指数についてもそれが前提となります。
ここでいう「特性」とは例えば長さや重さあるいは抵抗値などをさします。もの
を作る際にはこれらの特性に対してある範囲に収まるようにします。
このある範囲を規格とよび、設計する人がこれを決めたり、あるいは 標準(JIS,
ISO等)で決まっている場合もあります。

⑤工程能力指数と不良率 
工程能力指数と不良率の関係について両側規格のCpを用いて説明します。
規格幅が±3σの時にCp=1.00となりますが、この場合の不良率は0.3%
となります。
  規格幅  Cp  良品率  不良率
  ±1σ   0.33  68.3%  31.7%
  ±2σ   0.67  95.4%  4.6%
  ±3σ   1.00  99.7%  0.3%

同様の方法で8σの時、Cp=8σ/6σ=1.3333…の時は、6.33*10-5 で約63ppm
となります。
規格幅が10σの時、Cp=10σ/6σ=1.6666…の時は、5.74*10-7 で約0.57ppm
となります。これは200万個ものを作って1個しか規格外れが発生しないという
きわめて優れた工程状態であるといえます。

●工程能力指数(Cp)はどのようなときに役立つか
Cpの値を使用するときは「規格の中心と平均値が同じとする」という条件が付き
ます。実際には規格の中心と平均値が同じでないケースの方がはるかに多いはず
です。Cpは、その工程の実力が規格幅に対してどの程度のものかを知ることが
できます。
例えばCp=1の工程は平均値が規格の中心にあるという理想の状態でさえ規格外
は、0.27%発生するのだから、 仮に目標が0.1%ならば工程のやり方そのもの
を変えない限り目標は達成されません。
なお現在の平均値の偏りを含めた工程の評価はCpkを用います。

●工程能力指数の評価
工程能力指数の評価について、両側規格のCpを用いて説明します。
  Cp=1.67 工程能力は、十分過ぎます。
  Cp=1.33 工程能力は、十分です。
  Cp=1.00 工程能力は、まずまずです。
  Cp=0.67 工程能力は、不足しています。

(4)管理図の作成
 ①管理図の分類
管理図は、一般的に、用いる統計量(データ)のタイプや用途などによって
分類されます。

●統計量のタイプによる分類
 長さや重さなどの連続した値(データ)を扱う場合の計量値(連続型)の
 管理図、不良品の個数などのように、飛び飛びの値(データ)を扱う場合の
 計数値(離散型)の管理図

●用途別では、
 工程解析や現状把握などの目的で使用される解析用管理図
 異常値の検出のために作成される管理用管理図

計量値の管理図といっても、群間での変動を比較する場合と群内の変動を比較
する場合では当然ながら取り扱う統計量が異なってきます。また、同じ群間を比較
する場合でも平均で見るかメディアン(中央値)で見るのかで異なります。

 計量値(連続型)の管理図には、X-R管理図、x管理図、R管理図などがあります。
 計数値(離散型)には、P管理図、Pn管理図、U管理図、C管理図などがあります。

②X-R管理図
X-R管理図は、平均値Xと範囲(R)のデータを併せた管理図です。
平均値(X)は、群(同一組)内での 平均値を表し、範囲(R)は、各群内での
範囲を表わします。
 X管理図(X Chart)は、群ごとの平均値を打点し、群間(日別)の変化(変動)
  を見る
 R管理図(R Chart)は、群ごとに範囲(R)を打点し、群内(日内)のバラツキ
  の変化(変動)を見る

この2つの管理図を一対にして、「X-R管理図」といいます。
管理する品質特性は、寸法(長さなど)、トルク、重量、時間、抗張力(引っ
張り強さ)、硬度、純度、電流値や電気抵抗などのように量(計量値)


③P管理図/不良率管理図(Fraction Defective Chart)
不良率(P)を用いる管理図で、品物の良/不良だけで判定し、不良個数(Pn)
を検査個数(n)で割った不良率(P)で工程を管理します。サンプル数は一定で
使用例としては、組立不良などです。

④C管理図/欠点数管理図(Defect Chart)
各ロットに含まれる欠点(要求に合わない個々の欠陥)数(C)を打点して管理
する場合の管理図です。欠点を見いだす範囲が一定(一定の長さ、面積、量)
である場合だけに使用が可能、使用例としては、同じ機種のプリント基板上の
修正箇所の数などがあります。

⑤管理図の構成
管理図には、工程を安定した状態に保つために、上方と下方に管理限界
(Control Limit Lines)を設定、管理状態が管理限界内にあり安定しているか、
その外側に出て異常な状態にあるかを見分けます。
 ・中心線(CL:Center Line)を実線で記入
 ・上方管理限界線(UCL:Upper Control Limit)
 ・下方管理限界線(LCL:Lower Control Limit)を点線で記入

中心線(CL)は、その特性の平均水準を示し、2つの管理限界線(UCL、LCL)
は、アクションの限界を示します。打点が管理限界内にあれば、工程は管理状態
にあるが、打点が管理限界外に出たときは、工程に異常があるとみて適切な処置
を行う必要があります。

⑥管理限界の設定方法
管理限界は、問題のある作業の是正処置をするための経済的指針として用います。
管理限界線を設定する際は、3σ法の統計的な計算の結果をそのまま適用するだけ
でなく、経済的品質水準や技術的判断などによる望ましい管理限界の要求を加味
します。
 幅が狭い場合・・・存在しない故障や不良を探し出そうとするムダな労力
         (第1種の過誤)
 幅が広い場合・・・実在する故障や不良を見逃すこと(第2種の過誤)による
          損失

3σ法は、最も基本的で多用される管理限界の設定方法で、標準偏差の3倍の
位置に管理限界を設定します。3σ管理図では、第1種の過誤を犯す確率は、通
常0.3%程度となります。バラツキの分布が、正規分布(Normal distribution)
であれば、99.7%はこの管理限界の中に入るという意味です。

●安定した工程とは何か
生産した製品や部品のバラツキの幅が、あらかじめ規格値の範囲内にあれば
「管理状態にある」 「安定状態である」といえます。

●5Mの安定
製品や部品を生産する過程で品質に影響を及ぼすものは、「5つの要素」から
構成されています。これら5つの要素の品質のばらつき具合が総合されて製品全体
の品質が決定付けられます。

「生産の5M」が安定していれば、製造する製品や部品のバラツキは、いつも
ほとんど同じバラツキ方を示します。しかし実際には、5Mの状態が常に同じで
あるということはありません。もし、工程に何らかの異常があれば、バラツキ
の形が管理状態にあった場合とは異なって来ます。

(5)管理図による異常検出
①正常な点の動きの性質
正常な点の動き(“偶然原因”の範囲内で点がばらつく)
(a)打点された点の動きに特別な規則性や特徴が認められない。
(b)多くの点が中心線(CL)の近くにある。
(c)少数の点が管理限界線(LCL、UCL)の近くに散らばっている。
(d)管理限界線(±3σ)を超える点がない

②異常な点の動きの性質
(a)点が広くばらつく。中心線の両側にバランスがとれていない。
(b)点があまり広くばらついていなくても、「(1)正常な点の動きの性質」
   の1つでも欠けているときは、常に異常な点の動きといえる。

③「連」による管理状態の見方
管理図上の点が、中心線(CL)に対して、一方の側に連続して現れた場合、点が
中心線の上側にあり、次の点が同じく中心線の上側にきたときを“長さ1の連”と
言います。連は基準を決めて、異常発生の兆候に対して対処します。
 •長さが5の連では、“要注意!”として監視を強化する。
 •長さが6の連では、アクションの準備を整えて兆候の監視を継続する。
 •長さが7の連では、原因究明と対策のアクションを起こす。

連と点が中心線の一方に片寄るとき、連の長さが“7”未満でも、CLの一方の側に
点が続けて出現するような場合は異常
 •連続する11点中、少なくとも10点が一方の側に出現している。
 •連続する14点中、少なくとも12点が一方の側に出現している。
 •連続する17点中、少なくとも14点が一方の側に出現している。
 •連続する20点中、少なくとも16点が一方の側に出現している。

点が上昇傾向または下降傾向にあるとき
 •長さが5の連では、これからの点の傾向に注意が必要である。
 •長さが6の連では、アクションの準備を整えておくこと。
 •長さが7の連では、原因究明と対策などのアクションを行う。

点が傾向を持つとき
 ●長さの長い上昇(または下降)の傾向があるときは、連も同時に出現して
  きます。
 ●連の長さは短くても長さが7の傾向が現れたときは、工程は管理状態に
  ないと判断します。


4M管理(Man/Machine/Method/Material)管理の体系的管理手順(長編コラム①)

第一章 4M管理の概要

1.はじめに
当研究所のWEBサイトの検索キーワードのトップは「4M変更管理」です。
このキーワードで、情報検索を行っているものづくり企業の方の目的はどこ
にあるのでしょうか?

おそらく、4Mの用語の解説はよく出てきますが、「4M変更の管理は、どの
ように行うか?」については、ネットや書籍などではあまり解説がされて
いない分野であるため、当研究所サイトにアクセスしているのではないかと
想像しています。

なぜ解説が少ないのか?
品質管理の手法は、様々ありますが、それらは戦後、アメリカやヨーロッパ
から理論体系が輸入され、学者によって翻訳され、製造業に広く使われるよう
になりました。
TQM、PDCA、最近ではISO9000,TS9000などがあります。
しかし、現場の実務に密着した4M変更管理に関しては、学者よりもむしろ企業
で経験を積んだ実務家が研究を行う分野であると思われ、それゆえ体系化が困難
となっているものと推測しています。

しかしながら、多品種少量、最近では変種変量生産を強いられている中小製造業
にとっては、いかに効率よく、トラブルを起こさずに製造現場の管理を行って
いくかは、重要なテーマとなっています。
当研究所が考える4M変更管理の中心となる実務手法は、日常業務における未然
防止のために、異常の見える化と早期発見「先手管理」と「重点管理」とです。
日常業務において、この2つのことを押さえておくことで、品質は格段に上がる
と確信しております。

そこで当研究所では、4M変更管理の体系化を試み、本コラムをまとめました。
不十分な点はあるかと思いますが、読者の皆様のご意見を頂きながら、今後も
充実化を図って行きたいと考えております。

2.4M変更管理の概要
そもそも、4M変化点管理を行う目的は何でしょうか?
お客様からの要望であるならば、お客様は何か意図をもってそのような要望を
出されているのだろうと思います。

しかし、お客様から指摘されるまでもなく「不良を流出させない」「お客様に
迷惑を掛けない」ためにはどうすればいいか?工場では、常に考えて行動され
ていることと思いますが、往々にして「もぐらたたき」になってしまい、不具合
が発生してからの後手、後手の対応になりがちです。

不具合の発生を未然に防止するにはどうしたらよいか?
それには、QC工程図を作成する、機械の保守点検を実施する、ポカヨケ治具を
準備する、作業者を事前に教育するなど、モノを生産する前に万全の策を講じます。
(工程設計における予防対策のしくみ)

モノの生産が始まったら、不良が出ないように、上記の予防策を組み込んだ決め
られた手順決められた方法(QC工程図・作業標準書)で整然と作業を行います。
ところが、整然とした作業を乱す、様々な要因が発生します。そのきっかけと
なるのが、変化点です。

いくら予防対策の仕組みを万全に講じても、生産現場では、変化点がきっかけ
となって不具合が生じてしまいます。様々な変化点が生じても不具合が生じない
ように現場で管理を行うことを、「変化点管理」「4M変更管理」などと呼びます。

なぜなぜ2段階法によるヒューマンエラー対策.jpg
変化点管理は、予防対策とも捉えられますが、もうすでに生産が始まってから
の管理なので、厳密には予防対策とは言いません。
(予防対策は生産を始める前に工程設計段階で講ずる処置のこと)

この予防対策で防ぎきれない項目(予防対策の不備や対応対象外)を、製造
現場で、不具合が発生しないように管理すること、これが変化点管理の目的です。

変化点管理の位置づけと目的が明確になったら、次に自社の工程で、何を管理
すれば不具合が発生しなくなるのか、項目を抽出して管理方法を決めます。
意図的であれ、意図的でない変化点であれ、工程が乱れないように管理する項目
を決め、日常管理の中で手順化しておきます。

異常・・・不良ではないが、放置すると不良につながる現象(異音がする、寸法
管理限界値を超えた、初物、中間、最終チェックで寸法が変化した)

不良(不具合)・・・寸法規格はずれ、検査不良、機械の停止、ヒューマン
エラー発生
不良(不具合)が発生する前に異常を検出して、速やかに対処し、不良を未然に
防止する、あるいは、不良が次工程へ流れないように管理する、それが「先手
管理」であり、何に重点を置くか(重要部品、重要工程)を決めて管理を行う
ことを「重点管理」と言います。


3.変化点管理で必要な設定は
①異常を定義する
 何を異常と定義するか点検項目、手順、判定基準を明確にします。これは、
 先手管理を行うために、自社の今までの実績や経験から、抽出すべき内容
 であり、世の中で決まっているわけではありません。

 異常が発生するのは、何らかの変化が生じていると考えられるので、それを
 突き止めて対策を講じます。

②重点管理項目を決める
 すべてを均一に管理することはできないので、重要製品、重要寸法、重要工程
 などを決めて点検点・管理点を定義します。
 重点管理では、一般の管理とは異なり、異常の監視周期の頻度を上げる、工程の
 点検項目・品質特性の監視項目を増やすなどの管理方法を取り、異常を漏らさず
 検出します。

③あらかじめ予測ができる変化点発生時の管理を明確にする
 設計変更、工程変更、段取り替え、人の交替など、それぞれに応じて①、②を
 適用します。

④予測できない突発的な変化点発生時の管理を明確にする
 停電、不具合発生による作業中断、機械の故障など、それぞれに応じて①、②
 を適用します。

変化点管理は、日常管理の大部分を占める重要な管理であり、管理監督層は
「異常」「重点項目」「予測できる変化点」「予測できない変化点」など、管理
方法について、各工程で明確に決めておかなければなりません。
変化点管理ボードは以上のような管理手順を明確にした上で、何を表示するのか
を決める必要があります。
4.4M変更管理の位置づけ
4M変更管理は、品質管理上、現場の日常管理の中でも重要な管理項目の一つで
ありISO9000の中での定義では「予防処置」に相当します。

「プロセスの監視測定を通じて得られた(危険)情報に基づいて、起こり得る
不適合が発生することを防止するために、その原因を除去する処置を決める事」
とあります。
但し、生産が始まる前に、事前に予防処置を講ずる本来の「予防」の考え方と
は異なります。あくまで、日常の生産活動の中における「予防的活動」なのです。
なぜなら、日常管理の中で、4M変更対応のための特別な監視体制や異常時の
対応を行わなければならず、費用や人出が掛かってしまうからです。予防処置
が万全であれば、このような事は発生しません。

1112.png

<事例研究1>
製造工場の現場監督者の方から以下のような4M管理に関する質問を頂きました。

質問:小型家電製品のOEM工場で、ラインの班長をしています。管理者は品質
上の課題を解決する際に、原因を4M視点で見ますが、品質の作りこみにおいて、
解決しなければならない課題を作業者にされることに、疑問を持っています。
作業手順の間違いや不慣れな作業の場合は、原因が作業者となることは分かります
が、挿入間違いを起こしやすいコネクターへの改善を、作業者に対して注意しろと
指導するのでは、本質的な改善ではありません。設計変更によって間違いが起き
ない仕様変更を実施すべきです。
4M視点から人は排除して、部門間連携を通して仕事の仕組みや設計で、品質
問題を解決することが重要と思います。4M視点の考え方について、専門家の
ご意見をお願いします。

回答:製造部門の大事な役割の一つは、4M変化点管理の仕組みを構築して運用
することです。設計は、完ぺきではありませんから、製造部門で設計改善する
までの間不良を作り込まないように管理する必要があります。
またそのほかにも日常様々な変動要因が発生するので、変動に対して影響を受け
ない管理を行う必要もあります。現場の管理者は、これらに対応するための日常
管理の仕組みをつくり、運用し、作業者に守るよう徹底させなければなりません。
作業ミスは、作業者の責任ではなく、作業管理を行っている現場の管理者の責任
と考えるべきです。
4M変動に適応する日常管理のポイントは「重点管理」と「先手管理」です。
重点管理とは、ご質問にあるような「間違いやすい作業」に代表されるように、
特に注意して管理すべき項目を事前にリストアップし、管理のレベルを上げます。
例えば、検査治具の使用、チェックシートに基づく再検査を行うなどの特別対策
を講じます。
先手管理とは、作業者がヒヤリ・ハット体験を報告し、不良発生に至らないまで
も、異常現象を見つけて、対策する仕組みを作る、また作業工程ごとにヒューマン
エラー発生を予測し、ミス防止対策を講ずる「ヒューマンエラー予防評価」を
行うこと、などを指します。
それでもミスが流出したら、作業者を責めるのではなく、「なぜ防げなかった
のか?」日常管理の仕組みの不備・欠陥を洗い出して改善策を講じます。これ
も、作業者が行うのではなく現場の管理者が行うべき仕事です。
他部門や上層部のすべきことを考える前にまず、班長として行うべき仕事は
何か?また何ができるかをよく考えて、実行してみてください。その上で、
班長の権限内で解決できない事項が発生したら、建設的提案を行うように
します。

5.4Mの要因を規定する工程設計
工程設計とは、ものづくりを始める前に、その工程順に、5M要因の管理項目
点検項目を細かく定め、その結果、特性値として得られる寸法重量などの測定
方法、検査方法を規定することを言います。設計の結果として得られるドキュ
メントがQC工程表です。

① QC工程表の目的
QC工程表は、モノの作り方、流し方を決めるもので工程順にどの要因を、どの
ように管理すればどのような特性が得られるのかの関係を示したもので、「モノ
の作り込み」を行うために作成します。

特性要因図と同じ考え方で、管理項目を漏れなく列挙し、QC工程表にその内容
を記載します。その時、管理項目と共に、ポカミス防止などの予防策を網羅しな
ければなりません。 

②QC工程表の作成方法、内容
QC工程表のフォーマットの基本的な構成は以下の図の通りです。

QC工程.jpg
ここで気を付けなければならないのは、
 ・どのような作業方法(作業手順書)で
 ・どのような設備、治具、測定機を使って(具体的な型式を入れる)
 ・どのような材料を
 ・どのような資格を持った作業者が作業を行うか
が、具体的に記されていなければならないということです。

そして、その結果得られた製品の特性を
 ・具体的名特性値(寸法、重量)を
 ・どのような測定方法で
 ・どの測定機を使って確認するのか
 ・どのように記録するか
を記載します。

③4M変更管理におけるQC工程表の位置づけ
4M変更管理において、QC工程表は以下のように管理を行います。
a.設計変更、工程変更時
 まずQC工程表を変更して内容の確認を行ってから作業に入ります。
 緊急時には、暫定的な臨時作業指示書を使う場合もありますが、必ず変更
 内容は、QC工程表にフィードバックを掛けます。

b.突発的な事情で工程を変更する場合
 工程の異常を発見した場合、工程能力が不足している場合などで、工程の
 管理手順、設定値などの変更が必要な場合は、まずそれが、QC工程表通り
 に作業が行われたかどうかを判断します。もし行われていなかったらQC工程
 表通りに作業を行うように修正します。
 もし、QC工程表通りに作業を行っても、期待する特性値が得られない場合は、
 QC工程表の要因の管理項目の不備の見直しを行います。
 まずQC工程表を基本とし、指示通りの作業を行い、それが間違っている、また
 ヒューマンエラーなどのミスが発生する場合は、QC工程表を見直し改善を繰り
 返していきます。

(第二章 4M変更管理の体系化へ続く)

7月東京 名古屋2.jpg
セ ミ ナ ー 予 定 表
テーマ(目的日時開催場所
主な項目
 多品種少量生産工場の現場改善力強化による
 付加価値生産性向上と利益率UP
未定
 
・生産活動の目的
・生産性向上・リードタイム短縮
・ムダ取り(直接・間接業務)
 若手・中堅社員の自立化と現場力の発揮
未定
・QCサークル活動
・個人目標管理(MBO)
・業務計画による改善活動
 ヒューマンエラー予防7つの対策
 ヒューマンエラー要因4分類と再発防止策
12月20日
(木)
9:30~12:30

12月20日
(木)
13:30~16:30
東京都北とぴあ
8F 807会議室
JR王子駅北口5分
AM/PM連続受講の場合割引特典あり
・再発防止対策と流出防止策
・是正と予防、水平展開
・顧客信頼の品質対策手法
 顧客から信頼を得る3つの品質対策手法
 ロジカルシンキングに沿った正しいなぜなぜ分析
・ヒューマンエラー要因
・ヒューマンエラー予防策
・IOT活用技術
 小規模チームで効果の上がるFMEA/FTA手法
未定 
・工程FMEA
・信頼性設計とFMEA/FTA
・リスクアセスメント
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