2018年04月26日

キーワード解説:2段階(5M/3P)で行うなぜなぜ分析の進め方(ロジカル・シンキング)

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 ★品質対策書・クレーム対策書フォーマット【
 ★ロジカルシンキング【


キーワード解説:2段階で行うなぜなぜ分析の進め方
なぜなぜ分析のルーツは、「トヨタ生産方式」の著書でおなじみの大野耐一氏が
当時のトヨタの工場で、設備が故障したときに技術者に原因の調査が甘く、復旧
できないので、「なぜを5回繰り返せば、真の原因が突き止められる」と教えた
ことが、始まりです。

ここでいう原因とは、機械が止まった因果関係の解明のことを指しています。
つまり、機械が止まった原因はフィルターがついておらず、潤滑油の中に切粉が
入り、軸が摩耗したというのが原因です。

しかし、このなぜなぜ分析では、品質管理の不備の原因は究明できません。
機械の点検、保守のルールは? 日常点検のルールは?というように、4M(5M)
管理のルールの不備や欠陥を指摘し、再発防止を図る必要があります。

また、なぜなぜを繰り返すには、ロジカルシンキングのルールに従って行う必要
があります。

当研究所では、2段階(5M/3P)なぜなぜ分析法により、上記の問題を解決する
手法を開発しました。これによって、物理的な因果関係の究明と、品質管理の
しくみの不備を指摘し、再発防止につなげるよう、フォーマット化を行っています。

なぜなぜ(5回)分析法の誤解:現場で解析用に作られたツールではない

工場の品質問題が発生した時、原因を究明するため?に、なぜなぜ分析が良く
使われています。

しかし、闇雲になぜなぜ5回繰り返しても「本当の原因」にたどり着くことは
ありません。従って、「再発防止策」も打てません。
なぜなぜ分析は、「一定の決まり」を守らなければ正しく実施できません。

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「トヨタ式なぜなぜ5回」は、大野耐一氏の著書「トヨタ生産方式」の中で解説
されています。しかしそれは、自動車の量産が始まった初期の工場で現場指導
として行われたもので、確立した品質管理の理論や手法とは異なります。

従ってそのまま現在の工場には当てはまりません。また、実務上、現場やオフィス
でなぜなぜ分析を行うことはありません。それは実務経験があれば容易に想像が
できます。

1.工場の現場で「なぜなぜ分析」は使わない
工場で、機械が故障したり、組立ラインでポカミスが発生した時、現場の作業者
や監督者は、すぐに問題を解決し、不良が出ないように対策しなければなりません。
問題発生の事実や原因を調べることはあっても、その場でなぜなぜ分析を行うこと
はありません。

なぜなぜ分析を使っている場面を想定してみると、QCサークルで活動報告書
作成するとき、お客様から求められ、対策書になぜ、なぜ、と繰り返し記入し
体裁を整えるときぐらいですね。

いづれも現場から離れた場所で、頭の訓練として使われていますが、それは現場
使うように作られたツールではないからです。

2.なぜなぜ分析の元祖
「なぜなぜ分析」は「トヨタ生産方式」の著者としても有名な大野耐一氏の
「なぜなぜ5回」が始まりとされています。

「トヨタ生産方式」の33ページと34ページの「なぜを5回繰り返すことができるか」
の中に、機械が動かなくなった時の事例が説明されています。

(1)なぜ機械が止まったのか?
   オーバーロードが掛かってヒューズがきれたからだ
(2)なぜオーバーロードが掛かったか?
   軸受け部の潤滑が十分でないからだ
(3)なぜ十分に潤滑しないのか
   潤滑ポンプが十分組み上げていないからだ
(4)なぜ十分組み上げないのか
   ポンプの軸が摩耗してガタガタになっているからだ
(5)なぜ摩耗したのか
   ろ過器が付いていないので切粉が入ったからだ

大野氏の解説では、「なぜの追及が足りないとヒューズの取り換えやポンプの
軸の取り換えの段階で終わってしまい、数か月後に同じトラブルが再発する」
としています。
また「五回のなぜを自問自答することによって、①物事の因果関係とか、②その
裏に潜む本当の原因を突き止めることができる」とも述べています。

大野氏が在籍した当時の工場のスタッフは、技術レベルもまだ低く、解析能力も
なかったために、もっと深く物事を追究するようにと言う意味で、「なぜなぜ
五回」と指導したのだと思われますが、今の時代はこのような技術レベルでは
工場の生産は成り立ちません。

3.現場で原因を探る方法
機械を熟知した技術者であれば、状況を実際によく診断した上で「潤滑ポンプ
が摩耗し潤滑が十分できずオーバーロードが掛かった」それは「ろ過器が付い
ていないため切粉が入ったため」とすぐに結論づけるでしょう。

分かり易い例として、家庭で、テレビの画面が映らなくなったとします。素人
の我々は、なぜ映らないのか電源コンセント、リモコンの電池切れなど、一般
知識の範囲で一つ一つ確認する作業を行い、それでも原因が分からなければ、
電気店に修理を依頼することになります。

このことから、素人が製品の知識が全くない状態で、「なぜなぜ分析」を五回
繰り返したとしても、原因は判明しないことは容易に理解できます。

では、修理のプロならば、どのように原因を究明するでしょうか?
考えられる要因を分類し、抜け漏れが無いように列挙し、その一点一点に
ついて事実を確認しながら潰しこみを行うことが原因究明の早道です。家電
メーカーでは、故障診断、トラブルシューティングリストなど、ネットでも
公開しています。

製造工程の寸法不良や、組立不良であれば、要因を抜け漏れが無いように機械
の要因、刃物の要因、材料の要因、人の要因など考えられる4Mの要因をすべてを
分類列挙し、原因の可能性を三現主義(現場、現物、現実)に沿って調べその中
から原因を特定します。

機械の故障であれば、要因を操作ミス、設計ミス・製造ミス、環境要因、劣化
・寿命、メンテナンス不良などに分類し、各機能のユニットごとに、漏れが
ないように可能性をすべて検討して、その中から原因を特定します。

その際に、それぞれの不具合の種類によって、要因を抜け漏れが無いように
列挙することが重要になってきます。ヒューマンエラー、機械設備の故障、
部品の加工寸法不良など不良の種類によって、要因の分類方法は異なります。

漏れや抜けがない、これが全て!という切り口を設定します。
この考え方をMECE(ミッシー)といいます。

また、4Mや5Mで抜け漏れのない分類を行い、それぞれの要因をさらに掘り下げ
行くという論理展開は「ロジカルシンキング」という手法が用いられます。

機械のプロ、製造工程の技術者は、おのずと「MECE」「ロジカルシンキング」
の手法を身に着けているため、原因に早くたどり着けるのです。

4.再発防止を図るには?
次に大野氏が言っている、①物事の因果関係とは何か?②その裏に潜む本当の
原因とは何か?この2つの意味は何かと言うことです。

本当の原因とは、それを対策し、改善することによって、二度と同じ不良が
再発しない原因の事と考えられます。

そこで「なぜポンプの軸が摩耗したのか?」「ろ過器が付いていないので切粉が
入ったからだ」というのは、①の物事の因果関係の解明に相当します。ろ過器を
付ければ、物理的な原因が取り除かれるのでとりあえず機械は動きます。
ただ、ろ過器を付けても、切粉が入るならば、そのうち目詰まりしてまた潤滑が
不十分となってしまいます。

なぜ機械が止まるまで何も対策されなかったのか?
逆に、機械が止まらないようにするにはどのように管理すれば良いのかという
予防のための管理の仕組み上の不備を指摘し対策しなければ、またいつか機械が
止まります。

原因を見つけたと思っても、不良が再発するなら、それは本当の原因ではあり
ません。大野耐一氏の解説では、「その裏に潜む本当の原因とは何か?」について
詳しい記述はありませんが、当時の工場のレベルでは、因果関係を究明すること
すらできなかったために、管理の仕組みまではとても指導できるレベルではなかった
のかも知れません。

その裏に潜む本当の原因を突き止める」とは、ろ過器が付いていない機械をなぜ
導入したのか?機械の選定する際の基準は無かったのか?、機械の日常点検、保守
部品交換手順、保守オペレーターの教育訓練手順などの管理の仕組みの不備を洗い
出し、指摘することです。

なぜその不具合が発生したのか?」という「因果関係」とその「管理のしくみ」の
不備が解明されたならば、次に、「なぜその不具合発生が防げなかったのか?
という「予防対策の不備」が究明されなければ、再発が防止できません。

以上のように、なぜなぜ5回の意味とその限界を知ることが重要になります。

続く・・・

なぜなぜ分析を正解に導けず承認が得られない読者の悩み1:2段階(5M/3P)なぜなぜ分析の進め方

読者からこのような切実な質問が来ました。
「なぜなぜ分析を正解に導けず上司の承認が得られません。私自身がなぜなぜ
分析を提出した経験が無く、周囲に直ぐ相談する先輩・上司がいません。
先生の模範解答を希望致します。そこから、作業者と私で勉強させて頂きます。」

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◆経緯と質問内容
標準作業:撹拌機の動作終了後、必要箇所を洗浄後に次製品の撹拌開始した
作業ミス:洗浄作業を行わず次製品の撹拌開始した為、異品種混入の異常発生

下記に作業者が実施した、なぜなぜ分析を表記します。
発生した問題:撹拌機ブレード洗浄忘れによる異品種混入異常

●なぜ1
 なぜ標準作業を守らなかった
 別作業者が手伝ってくれていたのでブレード洗浄が完了していると思い込んだ

●なぜ2
 設備№2の洗浄完了してない
 引継を受けたが、設備№1と感違いした 

●なぜ3
 勘違いした設備の洗浄[設備№1]は次班に引継いだ  

●なぜ4
 理由にはならないが色々な事が重なり数秒の作業を怠った 

このような文章力、表現力で説明不足が多々ございます。
質問の切り口を変えてみたのですが、なぜ2からなぜ3、なぜ3からなぜ4の
箇所がつながりません。
なぜ6迄になりましたが精神的表現が多く長文になっていたので、なぜ4まで
に私が修正しました。
「なぜなぜ分析」の模範解答を教えて下さい。

という質問内容です。

◆回答
「作業ミス 洗浄作業を行わず次製品の撹拌開始した為、異品種混入異常」
という問題に対して、作業者のミスを本人が「なぜなぜ分析」を行った結果ですね。
そこから導かれるのは、「気づかなかった」「思い込んだ」「勘違いした」など
のミスそのものを現しているだけで、一向に真の原因にたどり着きません。

まず、当事者がなぜなぜ分析を行うのは間違いです。
管理者が行うべきです。「気づくように」「思い込まないように」「勘違い
しないような」管理方法を管理者の責任で考え、改善する必要があるのです。

それには、管理者が「三現主義」で現場・現物・現実を目の当たりにして、
どこに問題があるのかを突き止めなければなりません。文章力、表現力の
問題ではありません。

現場の状況は質問文からは十分に把握できませんが、一つのヒントとして
「前工程が遅れた関係で2台同時に作業開始」とあります。なぜ、前工程が
遅れたのでしょうか?また「別作業者が手伝って」とありますが、作業分担は
どのようになっているのでしょうか?

「前工程が遅れた」のは、工程が通常とは違う「異常状態」となっています。
その時、作業標準通りの作業は守れるのでしょうか?
「異常状態」となったとき、どのような方法で、ミスが起きないように切り
抜けるのでしょうか?これは全て、作業者の問題ではなく管理の問題です。
管理層が自らの問題と捉えて「なぜなぜ」を行う必要があるのではない
しょうか?

「なぜなぜ」を正しく理解し実施する方法は、次回詳しく説明します。
その前に、行わなければならないのは、工程の変動によって、作業標準が守れ
ない状況が生じていることを捉え、なぜ守れないのかを、管理者が自ら現場に
行き、三現主義で原因を突き止めることが必要と思います。

②へつづく


なぜなぜ分析を正解に導けず承認が得られない読者の悩み2:2段階(5M/3P)なぜなぜ分析の進め方

前回①の続き

Q:「なぜなぜ分析」を作業ミス当事者が行う事が間違いと教えて頂きました。
 私は管理者ではありませんが、当事者目線も少し必要と感じます。
 「なぜなぜ分析」の模範解答を教えて下さい。


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A:それではもう少し具体的に解説します。(長文)
まず、作業ミス当事者にヒヤリングすることは必要なことですが、原因究明と
対策は管理層が行うべきです。それは、作業ミスを管理の立場から見なければ
ならないからです。

◆なぜなぜの最初のなぜは4Mに分類
次に、なぜなぜ分析は理論として確立したものはありません。
それは、トヨタの工場で設備が故障したときに、原因究明が不足し、設備が
頻繁に故障したために、当時の工場責任者であった大野耐一氏(のちの副社長)
が、部下に指導を行ったとき、「なぜを5回繰り返せ」と教えたのです。

それが、今の時代まで伝わっているのですが、大野氏は、なぜなぜの理論を
確立した人物ではありません。部下の指導のために、もっと深く考えよ!と
教えただけなのです。

一般になぜなぜ分析は、原因究明のために使われていますが、工場の不具合の
原因は、人・設備・方法・材料の4Mに分類されます。また測定・環境を加えて
5M+1Eで分類することもあります。なぜなぜの深堀は、この4Mの要素の中に
要因がないかどうか調べることが必要です。これをすべて作業者にさせること
はできませんね。

このように漏れがないように要因を洗い出すことをMECE(ミッシー)と
いいます。5M+1Eのすべてについて調べれば、漏れや抜けがなくなると
いう考えです。

これをなぜなぜに適用すると
異品種混入の要因(なぜ異品種が混入したのか)
 人の要因・・・作業者同士のコミュニケーション
 設備の要因・・・ブレードの確認
 方法の要因・・・作業分担、引継ぎ手順
 材料の要因・・・なし
 測定(検査)の要因・・・洗浄確認
 環境の要因・・・計画変更で、焦り
の6項目について、要因を漏れなく洗い出すことになります。
もし材料に要因がなければ、「なし」としてその後は対象から外します。
そうするといくつかの要因が見えてくると思います。

◆さらに深堀して、原因にたどり着くには?
次に、それぞれの要因をもっと深堀するにはどうするかです。
やはり4Mのような思考の「枠組み:切り口」がないと、抜けや漏れが生じて
しまいます。ここでもMECEが必要になります。
例えば発生原因(製造工程)/流出原因(検査)という分類方法があります。
また発生原因(工程)の中身は以下に分類されます。
 手順書の不備または手順が決まっていない
 手順書を守らない(故意)
 手順書を守ろうとしても守れない(急ぎの作業)
 手順書を知らない(教育不足、新人が作業)

このように枠組みを設定して論理的に考え、段階的に分類していく方法は
「ロジカルシンキング」手法として確立しています。
ブレードの確認、作業分担、引継ぎ手順・・・などのそれぞれの要因について
手順書が不備なのか?守らなかったのか?現実は守れないのか?教育不足なのか?
を実態を調べます。この時、作業者へヒヤリングしたり、現場を見たり、手順書
の記載内容を調べます。これを「三現主義」に基づく原因究明といいます。

ここまで調べると、直接の原因が見えてきます。(以下は、例えばの例)
 計画変更時(工程が通常の管理状態から外れたとき)の体制、ルールが不明確
 この時、手順書で決められている項目が守れない状況に陥った
 工程が通常状態から外れたときの別ルールが必要だが、それがなかった

◆原因はルール(規定)を基本に、現状作業との違いを指摘する
これが、直接の品質管理ルールの原因です。
原因はすべて「ルール:規定」を基準に考えます。これを、人の行動や心理状態
がどうだったと考えても、原因にたどり着きません。なぜなぜのループができる
だけです。

原因にたどり着くには
 MECEの設定(4Mなどの切り口)
 ロジカルシンキング(切り口を設定し論理的に段階的に分類)
 最後はルール(規定、手順書)を基本に考える
であり、無秩序になぜなぜを繰り返しても頭が混乱するだけです。

原因にたどり着いたら、その対策は、原因の逆の考え方で、ルールを基本に
考えると
 ルールの不備を直す
 ルールがなければ新しく作る
 ルールが守られないなら教育訓練計画を立てる

これが直接原因の対策です。
但し、これは個別の問題の対策であり、これだけでは、類似の問題発生は防ぐ
ことはできません。

◆再発防止・水平展開を行うには
「是正対策」「水平展開」を行って、未然に予防することが重要です。
それには工場全体で対策しなければならないことも必要になります。
例えば、人が不足しているなら補充を行う、設備が不備なら増強する、生産
管理システムを強化するなどです。
しかし、これにはお金や期間が掛かりますから、工場の実情に合わせてどこ
まで実施するかを決めなければなりません。

またそのほかにも間接的な対策として
 朝礼などで、問題点を話し合いコミュニケーションを密にする
 応援制度を設け、急な負荷に対応できる体制、フローを作成する
 QCサークル活動の仕組みを作り、日常の問題を解決する
 現場監督層のマネジメント教育を実施する

などが考えられます。

なぜなぜ分析に話を戻すと、なぜなぜ分析を行うのが目的ではなく、原因を
突き留めて対策し、二度と起こらないようにするのが目的ですから、なぜなぜ
を行って、原因にたどり着けたとしても、再発防止の是正対策、水平展開は
できません。

なぜなぜは、気軽に簡単にできるように思われますが、実は理論が確立して
いるわけではないため、手順も明確になっていません。したがってそれぞれ
勝手な方法で実施されているのが実態です。

上記で説明した内容を、自分なりに理解して頂き、フォーマット化して、そこ
に当てはめ、記入し原因を導くような方法を提案致します。

【追伸】
原因の追究は「三現主義」で行わなければなりません。
頭の中で考えていてはだめです。ゆえに、なぜなぜの形ばかり整えようとする
「なぜなぜ分析」では原因にたどり着かないのです。

模範解答を、ということですが「想像」だけで回答は書けません。
現場・現物・現状そして、現状のルール(規定類)とそれをどのように守って
いるかを詳しく見た上で、初めて原因を導き出すことができるのです。

ご質問の中には、4Mの状況をすべて書かれているわけではありません。
また、御社のルールも詳しくわかりません。
この状況で、想像に基づいた分析はできないことはご理解いただけると思います


なぜなぜ分析がうまくいかない本当の理由!:製造不良再発防止対策事例

なぜなぜを五回繰り返して、根本原因を追究せよ!
と言われてもどうも、うまくいかない!
5回繰り返せば本当に根本原因にたどり着くだろうか?
そもそも「真の原因」「根本原因」とはなんだろうか?

こんな疑問が次々と沸いてきます。
そして、どの解説書を読んでも、分かったような
分からないような、そんなモヤモヤがいつまでたっても晴れません。

「トヨタ式なぜなぜ5回」は、大野耐一氏の著書「トヨタ生産方式」の中で
解説されています。しかしそれは、自動車の量産が始まった初期の工場で
現場指導として行われたもので、そのまま現在の工場には当てはまりません。
実際の現場で「なぜなぜ分析」を行うことは、まずありえません。

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そこで、今回はそのもやもやを晴らすために「なぜなぜ分析」を徹底的に
「分析」してみようと思います。

1.なぜなぜ分析の目的
 そもそも不良解析を行う目的は何でしょうか?
それは、大きく3種類に分かれるのだ!と思っています。
(1)不良発生のメカニズムを解明する(因果関係)
(2)不良を防止できなかった仕組み・ルール上の原因を解明する
(3)今後類似問題も含めて発生しないように予防対策の不備を解明する 

(1)は固有技術、物理学の法則、(2)(3)は人間が作り上げた
「仕組み」です。

(1)因果関係を解明する
因果関係を解明する時は、宇宙はなぜ存在するか?リンゴはなぜ木から落ちる
のか?などから始まって、なぜ風邪を引いたのか?などの身近な現象まで様々
存在するなぜを解明する時に使います。

工場で、なぜ機械が止まったのか?と言う例で有名な「トヨタ生産方式」の著書
の中で解説している大野耐一氏の「なぜなぜ分析」も実はこの部類に入ります。

つまり、自然のメカニズムを解明することを主眼に置いて、あらゆる事象やデータ
を基に、真の原因を究明する方法です。
リンゴが木から落ちたのは、地球の万有引力のため、風邪を引いたのは、ウイルス
が鼻やのどから侵入したためです。
また、機械が止まったのは、ろ過器が付いていない潤滑ポンプの軸が異物混入で
摩耗したからと「なぜなぜ分析5回繰り返し説」を大野氏は説いています。
科学的な根拠を究明し、風邪に効く薬を飲む、あるいはろ過器を付けるという対策
に結び付けて行きます。

但し、工場では機械が止まった物理的な原因は、その扱い方、保守点検などルール
・手順上の問題がが必ず絡んできます。

(2)仕組み・ルール上の原因を解明する
仕組み・ルール上の原因とは、なぜ風邪を予防しなかったのか?なぜ機械が止まる
まで何も対策しなかったのか?というように、管理上の欠陥のことです。

管理の手順は、ISOの仕組みや、作業手順書、点検チェック使途などで決めら
れていいます。また、習慣的に行われていること(暗黙のルール)や社内風土など
も含まれるでしょう。
では、仕組み・ルール上の原因を解明する「なぜなぜ分析」はなにを目的に行う
のでしょうか?

風邪を引いたのは、ウイルスが体内に入ったから、だから風邪薬を飲む、栄養を
補給するという処置を取れば治ります。ただ、それだけではまた風邪を引いてし
まうことがあります。
そこで、風邪のシーズンに入る前に予防接種をする、手洗いをする、うがいを
するなどの予防策を講じます。

予防策を講じるために、ワクチンの準備、予防接種、啓蒙や教育などが行われ、
二度と風邪を引かないように「しくみ化」します。

この一連のプロセス(しくみ)に漏れが無いか?もし風邪を引くものが現れたら
なぜ、なぜと、予防プロセスの欠陥を洗い出して、万全な予防プロセスを構築し
ます。

つまり、仕組みの悪さを暴いて、同様な問題が起きないようにするために行う
のです。

機械の故障も、なぜポンプにろ過器を付けなかったのかという、予防プロセス
の漏れや欠陥を洗い出し、ポンプを購入するときの仕様の確認プロセス、ひい
ては、設備を新しく導入する時のチェック項目を洗い出し、漏れがあれば追加
するなど、設備全体が二度と同じような事故が起きないように予防します。

分析を行う時に、この区別をせずに混同している、また、しくみの悪さには
一切触れず、因果関係だけを追求するなぜなぜだけを行っているため、
再発防止の対策が打てず、うまくいかないのです。

2.プロセス上の原因を解明する「なぜなぜ分析」
自然科学の法則を解明する「なぜなぜ分析」の到達点は明解です。
それは、事実に基づく科学的な解明が可能だからです。因果関係がはっきりして
いるので、あらゆる科学的な技術を駆使して原因を究明して、その現象が起き
ないように対策することができます。
ウイルスの種類に合った抗生物質を投与する、ポンプにろ過器を付けるなどで
現象は収まります。(その道のプロの仕事)

ところが、仕組み上の原因を究明して「根本原因」を見つけ、対策するには困難
が伴います。
風邪を二度とひかないようにする、設備の故障を起きないようにする、そのため
にプロセスの欠陥や不備を見つけ、補強するやり方で予防しようとしますが、あ
らゆるケースを想定できない、最後は人間の注意力に頼らなければならないなど
行き詰ってしまいます。

ですから、仕組みの欠陥をどこまで追求するのか?
何処までを想定した仕組みをあらかじめ構築するかを決めておかないと、なぜ
なぜ分析は永遠に終わりません。

科学の発達レベル、国の制度、企業の人材力や財力などで、予防策も自ずと限度
が出て来ます。

3.品質対策と「なぜなぜ分析」の関係
以上の事から、品質管理プロセス上の「なぜなぜ分析」は、自社の品質管理シス
テムに照らして、どこまで「なぜなぜ」を続け、「根本原因」に到達させるかが
ポイントとなります。
逆に、経営者は、自社の品質管理システムの達成すべき目標を明確にしておく必
要があります。つまり経営資源の配分としての人材、設備、およびプロセスとして
方法(しくみ、測定)を人出でやるか、あるいは高価な自動設備を購入するかなど
どこに目標を置くのかで対策も決まります。(管理層の仕事)

「人材が不足している」を「根本原因」として結論付けても、無いものねだりに
なってしまい、対策が進まなくなってしまうかも知れないからです。

一般的な企業の品質問題発生、流出の「根本原因」と対策項目としては以下のよ
うなものとなります。
 人・・・教育・訓練制度、採用制度
 設備・・・発注手順、導入検証手順、保全点検手順
 材料・・・材料採用認定手順、外注選定・管理手順、保管手順
 作業・・・作業方法・手順、ポカよけ、自働化、検査手順、工程FMEA
 測定・・・計測器導入と管理、データー監視と分析、4M変動管理

自社の顧客、製品種類そして現状の品質システム(しくみ)に照らし、それぞれ
の項目の達成レベル設定し、それを目指した品質改善活動が求められるのです。

最後に、ポイントを整理します。
原因追究は2段階で行います。

まず、「物理的原因(因果関係)」の究明
不具合が発生した固有のメカニズムを論理的に究明します。
(その分野の技術のプロの仕事)
この作業はトラブルシューティングであり、3現主義で行います。
なぜなぜと追究しますが、これはメカニズムの解明のために行います。

次に、「管理システム(仕組み)上の原因」の究明
なぜその固有の不良を予防できなかったのか?を究明します。(管理者の仕事)
この作業は、なぜなぜ分析で管理上の悪さ(仕組みの欠陥)を暴きます。
 ①仕組み、ルールはどのように規定しているか?
 ②なぜ守らなかったのか?
 ③守ったにも関わらず不具合がなぜ発生したのか?
 ④しくみのどの部分が不備なのか?
というようになぜなぜを進めて行きます。

なぜなぜ分析がうまくいかない理由は
 ●原因究明は2段階に分かれることを認識していない
 ●管理の仕組み・ルールの存在を念頭になぜなぜの分析を行っていない
 ●なぜなぜの幅、深さの枠組みを決めずに行っている
この3つです。

なぜなぜは、自由発想で闇雲に行うのではなく、一定のルールのもとに行う
必要があります。


なぜなぜ分析3つの分析パターン:製造不良再発防止対策事例

なぜなぜ分析は、主に発生した問題の原因を探り、絞り込むためのツールとして
使われます。しかし、目的に応じて分析の方法は異なります。
無秩序になぜ、なぜを5回繰り返しても原因に辿りつくことはできません。

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なぜなぜ.jpg
なぜなぜ分析には3つの目的と、それぞれの分析パターンがあります。
原因に辿りつくには、それぞれのケースに当てはめて分析する必要がありますが
しかし、実際にトラブルが発生した現場では、なぜなぜ分析している暇は
ありません。
なぜなぜ分析は事務室で「なぜなぜと考える」のではなく、現場で、現物
をよく観察し、同時進行的に原因の推定とその仮説が正しいかどうかを
何度も繰り返し検証する作業を行って、原因に辿りつくのです。

当然、この作業は素人ではできません。
①物理的な因果関係、②人間の心理的な要因の洗い出しには、機械のプロで
あったり、製造工程を熟知した製造技術者や、現場の管理監督者で実施する
ことになります。

また発生した固有の不具合の原因(なぜ発生したか?)だけでなく、③その不具合
がなぜ防げなかったのか?
 なぜ、事前に対策を講ずることができなかったか?
 また、その不具合の予兆(異常)を捉えることができなかったのか?
について、しくみの悪さ(不備、欠陥)を指摘、是正するすることで、類似の
不具合も含め、再発防止と水平展開を図ります。


なぜなぜ分析の提唱者である「トヨタ生産方式」の著者、大野耐一氏は、現場で
指導を行った際に、「原因をもっと深く追求しなさい! そのためにはなぜを
5回繰り返えすことによって原因に辿りつく」と当時の未熟な技術者に、教える
ために、なぜなぜ5回を提唱したのです。

ところが、残念なことに「なぜなぜ5回」の形だけが独り歩きしてしまいました。
目的は、真の原因に辿りつくことです。そして、二度と問題が再発しない
ように対策することです。そのことと、なぜなぜを5回繰り返すこととは
イコールではありません。

(続く)



2段階(5M/3P)なぜなぜ分析手法の概要:製造不良再発防止対策事例

工場の不良原因の解析は、以下の基本ステップを踏むことにより、確実に対策する
ことができます。

2段階(5M/3P)なぜなぜ分析の基本ステップは、多品種少量、変種変量生産時代の
不良原因解析と対策手順の王道を目指し、実務ですぐ使える技法&ツールと
して継続して改善研究を行っています。
5M3P.jpg


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1.要因の分析(三現主義による事実の調査)
不良対策で重要なポイントは、「QCストーリー」的な要因分析ではなく、現に起こ
っている不良を「現場」で「現物」「現実」を詳細に調べる事が出発点となり、そこ
を間違うととんでもない方向へ対策を導いてしまいます。

同じ不良が再発するのは、大部分が頭で考えた的外れの原因に対策を行っている
からです。

まず、モノの不良の場合、不良が発生した現場で現物を手に取って調べます。
 ① 見える所を見る(表面を見る、拡大して見る、全体を見る等)
 ② 見えない所を見る(覗いて・透かして・解体して見る等)
 ③ 比較して見る(良品と並べて見る、引張り・曲げ等)
 ④ 簡単な方法で測ってみる(物差し、ハカリ、転がす、引っ張る等)
 ⑤ 発想を書きとめる(後で分らなくならない工夫)
他人の情報をうのみにしてはいけません。
まず、自分で確かめることが重要な第一歩です。

人が関わって発生する作業ミス系の不良が発生した場合もやはり現場で現状
調査を行います。ミスを犯したのは誰か?ではなく、どのような状況下で
ミスが発生したかを調べます。
 ①突発的な事情で作業中断は無かったか?
 ②作業環境(明るさ、騒音など)は悪くないか?
 ③作業のやり難さ(作業姿勢、製品の安定性、工具、治具)はないか?
 ④作業手順、作業方法に間違いやすい要素はないか?
 ⑤作業後の確認作業は実施されているか?
少し離れた場所で作業状況を観察すると、ヒントが得られることが多く
このような見方で、現場を定期的にチェックすることによって、問題を
事前に発見することに繋がります。

次に周辺情報を集めます。
これも記憶ではなく「記録」(事実)を調べます。
①対象ロットの特定、②発生傾向の特徴、③不良内容の特定を行ってある程度
要因を絞り込みます。

だいぶ絞り込まれてきたら、より詳細に不良の現物、現場の状況を観察します。
①現物の5感による観察、②顕微鏡などによる拡大観察、③VTRによる連続観察、
④x線による可視化観察、⑤化学成分分析など・・・

2.固有の原因を特定する(因果関係)
次に、不良現象を引き起こしている直接の原因の因果関係を明らかにします。
この作業は以下の手順に従います。

(1)要因の絞り込み
 1項の「有力な手掛かり」の中から、「原因候補」を絞り込みます。
調査した発生傾向の特徴である、時系列/ロット内のばらつき/傾向/過去類似
現象/良品との違いなど事実とデーターから、この要因なら、このデータが得ら
れるはずと言うように「仮説」を立てて、「因果関係」を割り出します。

(2)仮説の検証と原因の特定
次に「仮説」によって予測した「因果関係」を何らかの方法で実証します。
方法は様々ですが、再現実験が確実な方法です。再現実験ができない場合は
「原因候補」に対する対策を試しに講じ、効果があるかどうかを検証します。
「仮説」が正しいことが証明されたら本対策を講じます。

(3)不良要因解析上の注意点
陥り易いミスは、現場に行かず机上で、要因を推測することです。またデータ
だけから判断し、判断を誤ることも良くありがちな事です。
(1)不具合事象を一般用語でひとまとめにしない事。
  (傷、破損、塗装不良、組立不良ではなく、どこにできたどのような傷)
(2)現象分析に時間をかける事。
  (三現主義に基づいて、5Mの要因の異常・変化を捉える)
(3)要因を最初から決めつけず、白紙状態で「現象分析」に時間をかける事
(4)ヒューマンエラー(ポカミス)は、物理メカニズムの問題と分けて要因
  解析を行う。特に、故意、過失に関わらず手順違反、手順飛ばしをなぜ
  行ったのかに注目する 

スライド4.JPG

3.直接原因の究明(品質管理の原因)
「直接原因」とは、不良を引き起こした「固有の問題」がなぜ発生したのか?
日常の品質管理の悪さを言います。
具体的には、作業手順書や機械の点検マニュアル、検査マニュアルなどの不備を
指摘し、作業者に教育し、その問題は2度と起きないようにします。

(1)基本ルールとは
基本ルールとは、明文化された手順書やISOの規定以外にも、以下の一連の
しくみを指します。
 ①作業手順書、操作マニュアル、ISOの基準、暗黙の基準は明確か?
 ②社内に基本ルールはどこの場所にあるか?
 ③基本ルールの内容を知っているか?
 ④基本ルールを自分は守っているか?
 ⑤疑問が生じた時、基本ルールはどうなっているか調べたか?
 ⑥問題が起こったとき、基本ルールのどこに問題があるか、原因追究したか?
 ⑦基本ルールの問題点を指摘し、関係者で議論したか?
 ⑧基本ルールを見直し、修正したか?
 ⑨基本ルールを新人に教え、守らせているか?
 ⑩社内に基本ルールを重んじる風土があるか?

以上について、自社内の品質活動レベルを測定することができます
 2点以下・・・低レベル過ぎる
 4点・・・まだまだ認識が不足、どうしていいかわからない
 6点・・・品質を良くしたいという行動が起こり始めた
 7点以上・・・正しい方向性によって品質レベルは近い将来必ず向上する

しくみの中の基本ルールは、それが書棚にあるではなく、それを守り運用
して初めて有効となるものです。誰も見ない、だれも守らないのはルールでは
ありません。

(2)ヒューマンエラーは「ポカミス」だけではない
ヒューマンエラーは、ついうっかり「ミス」をしてしまうことと一般に言われ
ていますが、実は大半は「基本ルール違反」なのです。
①基本ルール不順守
 ・事態確認不十分のままの推量、誤認識、勘違い
 ・本業務は自己流で良いと思っている
 ・これは適用外と個人的判断で作業してしまう
 ・基本ルールは何かを理解していない、徹底できていない
 ・普段から基本ルール通り作業を行わない時が多い場合
 ・基本通り行えば当然認識できる変化点の認識が漏れた場合

②人的ミス(ポカミス)
 ・基本を十分理解し、実施した上で発生する上記を除いたミス  

(3)ルール不順守が起きやすい作業状況を重点点検する
①チョコ亭、設備トラブル
 ・故障復帰後、品質変化が起こる
 ・手直しミス、作業飛ばしが起きやすい
 ・作業性維持のためやってはいけない事をする(アラーム動作停止など)

②品質・安全確保装置の管理
 ・検査設備、自動停止・ポカヨケ機構の点検、異常や停止のまま放置がないか?

③やりにくい作業
 ・やりにくい作業は出来栄えのばらつきが大きい
 ・不自然な姿勢、自己流作業の有無
 ・治具、補助具が正しく使われているか

④断続作業
 ・作業中断、再開時に不具合、作業ミスが発生しやすい

⑤小ロット作業
 ・マイナー作業、お久しぶり作業

(4)予防管理プロセスの原因究明(3P:設計工程/製造工程/検査工程)
「予防管理プロセスの原因」の追究は、不良を引き起こした「固有の問題」が
なぜ未然に防止できなかったのか?を、3つのプロセスの共通のしくみの欠陥
を抽出し対策することで、今後類似の問題も含めて水平展開されます。
品質管理の基本0601.jpg
2段階(5M/3P)なぜなぜ分析の目的は、類似の不良も含め、二度と発生させない
ための工場の共通の仕組みの悪さを改善することです。


2段階(5M/3P)なぜなぜ分析の進め方:製造不良再発防止対策事例

不良、ポカミスなどの原因究明と再発防止策をどのような手順で実施するのか?
製造工場における品質トラブル対策は「2段階(5M/3P)なぜなぜ分析法
によって行います。


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2段階(5M/3P)なぜなぜ分析法は、最初の段階で、「なぜ起こったのか
を問い、不具合が発生した直接の原因(因果関係)を解明します。
そして次の段階で、「なぜ防止できなかったのか」を問い、予防の仕組みの悪さ
を指摘します。

不良解析2段階法 (事例演習).jpg
ところがいままで一般的に実施されている原因分析は、「なぜ起こったのか」
の追究のみで終わっています。そこでは、人、機械、方法、材料などの工程
のどこかに問題が有ることが明らかになります。

但し、素人が自由な発想で「なぜなぜ分析」を行っても一向に問題が解決せず
発散するか、堂々巡りしてしまい、原因究明はできません。

運よく原因にたどり着き、そこで明らかになった、その固有の問題は、たま
たま見つかった問題であり氷山の一角なのです。

人を教育する、機械を交換する、方法を変えるなどの原因を取り除くだけで
は、また別の製品を作るときに、同様の問題が発生します。

これでは、永遠にもぐら叩きがなくならないので、そこで、その問題が事前
に「なぜ防止できなかったのか?」と、問いかけることになります。

今、明らかになったのは、ある製品の、またはある工程だけで発生した固有の
問題かも知れませんが、それをヒントに、その問題を防止できなかった共通の
原因をひも解いていきます。

氷山の一角から、その氷山のすそ野まで明らかにする作業が必要になるのです。
その作業は、品質管理の考え方、自社管理システム(しくみ)のあり方を熟知
した管理技術のプロでなければできません。

品質システムは、理想を目指して仕組みを作りますが、人間の行うことであり
未知の部分、経験の浅い部分にはどうしても不備や欠陥が生じてしまいます。

そのために、氷山の一角の問題をきっかけにしてその不備欠陥を修復する
必要が出てくるのです。

修復する作業は、その固有の問題を含め、類似の問題も起こさないようにする
ため、汎用性を持たせることが必要です。

つまり、「教育が不足していた」ならば、教育システム全体の問題として捉え
教育計画の立て方、教材の選び方、講師の選定など、不備と思われる共通的な
問題を指摘します。

機械が故障したならば、操作手順書の作り方、日常点検方法、定期点検・部品
交換周期、内容など、その機械も含めて管理の方法に不備がないかどうかを
再検討することになります。

実態からかけ離れ、過剰にならず、しかも不具合を出さない最適な管理シス
テムになるように、現状の基準書や規定類の見直しを行います。

整理すると、
(なぜ)起こったのか?⇒個別の原因と対策(5Mの因果関係/マニュアル・手順書)
(なぜ)予防できなかったのか?⇒プロセスの不備(3P)⇒汎用性のある管理の仕組み
 を作る(管理技術)
という手順になります。

最初のなぜと、次のなぜは全く性質が異なる内容であり、そのことを区別し
解決するために当社は不良原因解析2段階法を提唱しています。

新「なぜ」「なぜ」分析手法と言ってもいいでしょう。


技術のプロ、管理のプロでなくても比較的容易に解析ができるように作成した
フォーマットを準備しています。
(上記の無料サービスで、手に入れることができます。)

正しいクレーム対策書・報告書の書き方:なぜなぜ分析の進め方・製造業の事例

不具合対策書・不具合報告書、クレーム対策書など、呼び方は様々ですが
その内容書き方、手順、フォーマットを紹介します。




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対策書.jpg

1.クレーム対策書を作成するには
対策書は顧客から求められて作成する場合もありますが、社内に於いても再発防止
の目的で関係者と情報共有とノウハウの蓄積・共有化につながります。

以下に「2段階(5M/3P)なぜなぜ分析法」による再発防止手順に従った対策書
の記入手順を示します。

【不具合内容欄】
この欄は、まず不具合の内容を記入します。
三現主義に基づいた事実を、「誰が、いつ、・・・したときに・・・だったので
・・・となるべきところが、・・・が・・・となった(不具合の内容)」
5W1Hで、正しい結果に対して、不具合の結果がこうなったと具体的に記入します。
決して、「傷が発生した」「寸法が規格外となった」など一般的な表現は避け、
その固有の事象を記入します。

そして、発生のメカニズム(物理的な因果関係)として、「重さ10kgの製品を
片手で持ったため支えきれず落下させてしまった」というように、物理法則に
沿った原因と結果を記入します。

【直接原因と対策】
①なぜ発生したのか直接の原因
発生のメカニズムが解明できたなら、次は品質管理上の原因を探ります。
つまり、ルールの内容と実際の作業内容を比較検討します。
具体的には
 ・作業標準(作業手順書)の有無
 ・作業手順書の内容を守って作業したか?
 ・作業手順をを守らなかったのか?
 ・守らなかったならなぜ、守らなかったのか? 
その理由を明らかにします。
その結果、手順書(ルール)がなかった?、ルールはあったが守らなかった
知らなかった。ルール通りでは作業がうまくできない、などの作業を行う上
での直接の原因が見えてきます。
品質管理の原因は、一つではなく、複合的に考えます。

②直接の原因の対策 
ルールがない、又は不備な場合は、ルールを新しく制定する、不備な場合は
修正します。内容は具体的に、「・・・標準の・・・ページ・・・の記載を
・・・に修正する」「・・・の記述を追加する」と記載します。
また、誰がいつまでに作成して、どのように周知するかも記載します。

ルールはあるが、それが守られていない場合、なぜ守られないのかを明らかに
します。周知方法や教育の方法に不備があった、故意に守らなかったなどの
原因に対して、周知方法、教育方法など、それぞれの対策を講じます。

【共通のしくみの原因と対策】
ここでは、なぜ事前に予防できなかったのか?原因を究明し対策を講じます。
不具合を予防するためには、あらかじめ発生する不具合を想定して、事前に予防
対策を講じておくことが必要です。
そこで、上記の不具合の原因をきっかけにして、できるだけ様々な不具合に対応
する汎用的な対策を講じます。つまり共通ルールの不備を見つけ対策を講じます。

【工程設計】ルール
QC工程図や作業指示書を作成するとき、生産開始後、問題が発生しないように
万全な工程設計がされるよう、設計のルールに漏れがないかどうかを再度見直し
を行います。
過去に発生した同様の不具合と共通したルール上の不備を見つけ対策します。

【4M変動管理】ルール
万全な工程設計を行っても、生産開始後は整然とした生産を乱す変動が発生します。
例えば、機械の突発的な故障であったり、作業者の操作ミスなどにより製品品質に
影響を及ぼす危険性があります。

生産を乱す突発的な事象や、設計変更、納期変更などによって、製品品質に影響を
与えない様、常に「異常」が発生していないかどうかを監視し、「異常」が発生
したらすぐさま対処できるよう処理方法、手順をあらかじめルール化しておきます。

例えば、「作業者が後退した場合、その作業スキルに問題ないかどうか」、
「製品のロットによって作業上注意すべき点は何か」などを監督者が作業者へ
注意を促すなどの日常の管理ルールを見直すなどです。

【検査】ルール
第三者検査は、工場の外には絶対に不良品を流さないというしくみの構築が
必要になります。つまり、不良を発見したらラインをストップする、出荷を
止めるなどの強い権限を持たせなければなりません。それには、検査部門は
製造部門から独立させ、社長や工場長に次ぐ出荷判断権限を持たせることが
必要になります。

自工程検査においては、作業者一人一人が、後工程に不良品を流さないという
意識向上と、作業が確実に実施されたかどうか、再確認する(指差し呼称)
などの習慣を徹底させる教育を常日頃から行うことが求められます。

問題解析のステップ.jpg
よく対策書に「発生原因」「流出原因」という分類で書かれているのを見かけます。
しかし、発生原因というのは「因果関係」を指すのか?「不注意」など人的ミスの
内容なのか?「標準書の不備」などの管理の内容を指すのかわかりません。
人それぞれに解釈してしまい、本来の原因にたどり着かないことになります。

流出原因も検査漏れなのか?それとも作業者がよく確認せずに次工程に渡して
しまったのか?明確ではありません。
対策書に「発生原因」「流出原因」と書くことは避けるべきです。

原因調査再発防止対策フォーマットの使い方:製造不良再発防止対策事例

工場の品質対策書、クレーム対策書を作成する前に使用する「原因調査再発防止フォーマット」
を紹介します。

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1.クレーム対策書を作成するには
対策書を作成する前にまず、「原因調査再発防止対策フォーマット」を使って
漏れなく原因をリストアップし対策を講じます。
以下に、その記入方法について説明します。

2.原因究明と対策は2段階で行う
不良や、クレームの発生を抑えるには、最初に物理的な原因(因果関係)を解明し
対策ます。
次に、その物理的な原因を引き起こした品質管理上のルール不備を指摘します。
以下にその記入フォーマットを示します。

品質問題・再発防止手順1.jpg
①事実の把握
どこで(Where)、誰が(Who)、いつ(When)、・・・・が(What)‥‥だったので
(Why)、・・・・となった。その結果・・・・が問題となった(How)

②因果関係
(人のミス、機械・測定機の異常、材料の異常、手順の不備・欠陥)により、・・・・が、
・・・・となった。(物理的な不具合現象)

③人
スキルの未熟(教育訓練の内容、理解度)/ルール不順守(曖昧なルール、故意、知らない、
無理解、忘れ)/焦り・疲れ・注意力低下・作業中断、引継ぎなど

④機械設備
機械の故障、メンテナンス不備、部品劣化、停電などによる停止、製造不良、設計不良、操作
方法不適、冶具・工具・設備の不備、工程の環境の悪さ(狭い、暑い、うるさい、塵埃など)

⑤方法
作業指示書・検査指示書(作業指示なし、あいまい、誤指示、変更内容適用漏れ)、作業前の
教育・訓練不備(方法、内容、頻度、理解度判定基準など)

⑥材料
材料の取り扱い方法、保管方法、検査方法など

⑦測定検査
測定・検査方法・手順の不備、測定器の故障、校正不備、測定器の選定(精度)

⑧直接原因の対策
Ⅰ処置、暫定対策、Ⅱ再発防止策:①ルールの新規作成・修正・追加(基準名、内容を具体
的に)、②ルール違反に対する対策(教育訓練、ルールの可視化)

次に、予防の管理上の原因(しくみの不備)を解明し対策します。
5Mの要因に対して、工程設計の不備、4M変動管理の不備、検査工程の不備
について、共通ルールの不備を指摘し総合的に対策します

品質問題・再発防止手順2.jpg
①工程設計の不備
 :必要技能項目、教育訓練内容、技能レベル不明確
 機械:機械設備の指定(精度、工程能力)不明確
    機械設備の点検保守、定期交換手順不明確
    冶具・工具の指定不明確
 方法:作業手順漏れ、不明確
 材料:材料の規格・取扱手順不明確
 測定:検査設計不備(方法、種類、頻度、項目)
    測定機の指定不明確

②4M変動管理の不備
 :人の交代、作業中断再開、作業内容等変更の見える化と管理方法不明確
 機械:機械設備の点検、異常の検出、異常の対処方法不明確
 方法:異常発生時の、見える化、異常の判定基準不明確
 材料:異常の種類、見える化、異常の判定基準不明確
 測定:異常発生時の検査方法不明確

③検査工程の不備
 :良否判定基準の人によるバラツキ
 機械:良否判定基準の機械によるバラツキ
 方法:良否判定基準の方法によるバラツキ
 材料:良否判定基準の材料によるバラツキ
 測定

④予防管理原因の対策
・各不具合項目を共通のルールに照らし、ルールの不備内容を修正、追加する
・設備、治工具の新規導入
・人材の補強、配置換え
・組織の見直し(新設、統廃合、役割の見直し)
・新たな管理手法の導入、システムの導入


7月東京 名古屋2.jpg
セ ミ ナ ー 予 定 表
テーマ(目的日時開催場所
主な項目
 多品種少量生産工場の現場改善力強化による
 付加価値生産性向上と利益率UP
未定
 
・生産活動の目的
・生産性向上・リードタイム短縮
・ムダ取り(直接・間接業務)
 若手・中堅社員の自立化と現場力の発揮
未定
・QCサークル活動
・個人目標管理(MBO)
・業務計画による改善活動
 ヒューマンエラー予防7つの対策
 ヒューマンエラー要因4分類と再発防止策
12月20日
(木)
9:30~12:30

12月20日
(木)
13:30~16:30
東京都北とぴあ
8F 807会議室
JR王子駅北口5分
AM/PM連続受講の場合割引特典あり
・再発防止対策と流出防止策
・是正と予防、水平展開
・顧客信頼の品質対策手法
 顧客から信頼を得る3つの品質対策手法
 ロジカルシンキングに沿った正しいなぜなぜ分析
・ヒューマンエラー要因
・ヒューマンエラー予防策
・IOT活用技術
 小規模チームで効果の上がるFMEA/FTA手法
未定 
・工程FMEA
・信頼性設計とFMEA/FTA
・リスクアセスメント
    好評!解説書シリーズ一覧
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