2018年05月06日

キーワード解説:強い工場のあるべき姿

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キーワード解説:強い工場のあるべき姿

中小製造業は、自社の強みをどこに見出すのか?特に独自技術を育て上げていく
長期的な戦略が必要になってきます。

ほとんどの受注生産企業は、発注元企業から発注を受けて生産を開始します。
しかし、加工賃のみでは付加価値が低く抑えられるため、受注量の拡大、
付加価値の大きい製品の受注獲得を狙って営業活動を行います。

付加価値をどこに求めるのかは、企業によって異なります。
 ①加工精度を高めるなど、難易度の高い製品を製造する
 ②試作品や、小ロットに特化した製品を受注する
 ③製品設計を一部請け負う
 ④保守、メンテナンスなどのサービスを提供する
 ⑤独自の製造方法を開発する(特許)

など、ある技術に特化して、その技術においてはどこにも負けないオンリー
ワン企業として独自ブランドを獲得していくことが中小企業の生きる道と
考えられます。

製造業の明暗を分けてきた形式知と暗黙知とは

アメリカの経営者の間に「日本に習え」というブームがあったのは、戦後日本が
高度成長により大躍進した時代です。
なぜ日本の製造業が強いのか、その謎を解くために日本企業は徹底的に研究され
たのです。



■日本から暗黙知を学んだアメリカ人
日本の製造業の現場レベルでは品質管理のためにボトムアップの改善活動が盛んで
あり、製造業成功の秘訣として当初、アメリカ人は日本の品質管理活動を模倣しよう
としたのだが、なかなかうまく行来ませんでした。

品質管理に必要なカイゼンは「職人のコツ」などを含んでいてよくわからなかった
からですが、それをなんとか「形式知化」したのが、TQCやシックス・シグマなどの
品質管理技法です。もともと日本の品質管理はアメリカのデミング博士が持ち込んだ
ものでしたが、日本の「暗黙知」の概念を取り入れ、再びアメリカで「形式知化」
されました。

■暗黙知と形式知
マニュアルに書ける知識のことを形式知と呼びます。例えば、ハンバーガーチェーン
のマニュアルが該当します。
しかし、寿司屋では寿司のマニュアルは教えてもらえません。寿司は湿度や温度など
様々なパラメータによって変化し、職人はこれを経験で覚えているので定式化できない
のです。マニュアルに書けない知識を「暗黙知」と呼び、したがって寿司の作り方
をマニュアル化しただけでは寿司屋にはなれません。

暗黙知は伝えるのが難しく、寿司屋の場合には10年程度の修行が必要になります。
しかし、いったん覚えてしまうと幅広く応用が利ようになります。
一方、形式知は早く覚えることができるが、条件が変わると、」それに対する応用力が
ありません。このように暗黙知と形式知には一長一短があり、一概にどちらかが優れて
いるとは言えない面があります。

なぜ、日本で暗黙知に頼った徒弟制度が温存されたのかは非常に興味深い問題です。
第一に日本の産業があまり変化しなかったという事情があり、例えば寿司の作り方は
長い間変化しなかったため、例え10年程度かけて学んでも、その後寿司職人として
十分に成り立っていけます。
日本の伝統芸能には形式知によらない知識伝達をするものが多く、歌舞伎、落語、文楽
などが挙げられ、多くの場合「家」が情報伝達の主体になっています。そこでは、生ま
れてから死ぬまで同じ仕事に従事していました。

次に日本人が文脈依存の文化を持っており、あまり多くを語らなくても「分かって
もらえる」文化です。比較的均質性が高いからこのようなことができるのでしょう。

■暗黙知の伝承が失われた日本の製造業
暗黙知と形式知に着目すると、今の日本の製造業の問題点が分かります。
日本の終身雇用の崩壊、少子高齢化によって人で不足が生じ、暗黙知の断絶が現実
のものとなっています。職場のノウハウや職人のコツといった暗黙知が伝わらず、
ものづくりの差別化ができなくなってきました。

さらに、IOT技術、AI技術などの進展に見られるように、産業技術革新のスピード
にもついて行けなくなってきました。技術革新のスピードについてゆくためには
分業と知識の共有が必要だが、そもそも自分たちが持っている知識を体系化して
棚卸しできなければ共有はできません。

この傾向は社員の非正規化が進むといっそう悪化してきます。
日本人は形式知による情報伝達が苦手であり、更に「暗黙知の継承ができない」こと
になった場合、製造業の現場の力はどんどん失われていくことになります。

IT産業や金融産業のように変化が早い産業では新しい技術にできるだけ素早くキャ
ッチアップすることが必要です。長い時間をかけて暗黙知を習熟している時間は
ありません。日本企業は暗黙知、形式知のどちらにも馴染めないという状態が続き
これが現在の製造業を最も悩ませているのもやもやの正体です。

■IT化時代に必要なもの
第四次産業革命が叫ばれ、産業構造の変化に伴って、日本人は形式知中心の世界に
慣れる必要があります。ビッグデータの活用ができるようになり、かつては暗黙知
だと思われていたものをそのまま形式知として取り扱う事ができるようになって
来ると予想されます。

しかし「形式知中心の文化の方が優れている」という事ではなく、形式知と暗黙知
の二つは状況に合わせて使い分けるべきで、どちらかが優れているというものでは
ないということを肝に銘ずる必要があります。

(続く)

戦艦大和の歴史から「日本のものづくり」は何を学ぶべきか?

多くの日本人が特別な感慨を抱く戦艦大和と武蔵!
戦前に作られ、傑作と言われた巨大戦艦は太平洋戦争の末期に米軍空軍の集中攻撃
によって太平洋の奥底に沈み、その雄姿は二度と私たちの目の前に現れることは
ありません。しかし私たちはこのことから何を学ぶべきでしょうか?



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大和型戦艦が搭載した46センチ三連装主砲は、戦艦搭載の艦砲として現在に至る
まで最大であり、装甲は46センチ砲弾を受けても耐え得る強靭性を誇りました。
大和と武蔵が「史上最大・最強の戦艦」であることは紛れもない事実です。
しかし、様々な技術的な欠点も指摘される中、戦わずしてその短い生涯を閉じる
運命をたどってしまいました。

■技術の意味が違う?
例え世界最強の戦艦であっても、撃沈されたのは、数少ない艦船、航空機で戦う
日本は、圧倒的な物量補給能力を有する米軍に対して総合力で及ばなかったという
のが一応納得できる回答になっていますが果たしてそうでしょうか

日本人は、閉ざされた島国の環境の中で、独特の文化を受け継いできました。
モノづくりに関しては、職人の優れた技能が受け継がれ、芸術品と呼ばれても
おかしくない、様々な伝統工芸品が生まれました。

刀などの武器や農機具、家具などを造るのは非常に上手ですが、広範囲のものを
結び付けてシステム化する、あるいはソフト的な見えないものを創造するという
作業は非常に苦手です。
そこは職人のものを見ればわかるとう現場・現物重視の世界で、モノの技術は
もの凄く高いものを持っています。

能力が高い職人だから、最終的に良い物が完成してしまい「ああ、これいいな!」
というように、そこで満足してしまいます。だから、「技術」という言葉の意味
がアメリカとは全く違って、職人の繊細な勘ででつくられたものを指しています。

■規格品を作るという技術
工業製品は、職人の持っている技術が高いだけでは、本当に良い製品になりません。
それは戦艦の大砲の規格、ゼロ戦の機体、機関銃の弾の規格の統一化がされていな
かったことなどに表れています。

職人仕事の完成度を一台ごとに追求はしても、複数の製品に関わる互換性には
目配りが足りず、戦後、アメリカが持ち込んだ大量生産とそれを支える品質管理
考え方を、日本人は敗戦とともに学ぶことになります。戦前は、「俺は自分の気が
済むまでヤスリ掛けして美しく仕上げるぜ」という具合に、職人のプライドに支え
られていた部分もたしかにあったと思われます。

戦争はアメリカの物量負けたというより、同じものを戦地にどんどん補給する
ためには、そもそも職人不要の量産品でいいのだという発想が、日本にはほとんど
なく、機銃の弾でも微妙に口径が違うとか、口径が同じでも薬莢の長さが違うと
いう状況が生じていたのです。

戦地に山のように弾丸があるのに、持っている銃に合わないということもよくあり
日本軍の装備の問題は、実は物量の不足にだけあったわけではなく、装備の互換性
が不可欠という近代戦争に必要な考えの不足が弱みとなって出てしまった面がある
と考えられます。

兵器にかぎらず工業製品は目的があってつくるわけですから、目的に対してどれだけ
きちっと出来ているかという点で判断しなければならないと思います。

■規格品を大量供給する工場
古来から続いた職人技の色濃く残っていた日本の製造業は、戦後アメリカから導入
された大量生産技術や品質管理の考え方を学ぶことになります。その一つがライン
生産に代表されるフォード生産方式です。

フォードの工場は、製品の標準化が行われ、製品のラインアップをT型フォード
一車種とし、その派生型のみを生産し、部品の規格化を行って、量産効率を高め
ました。
また、製造工程の細分化を行いベルトコンベア方式による流れ作業とし、生産
能率を飛躍的に向上させることに成功しました。作業マニュアルをつくり、高給
熟練工を不要としました。工員に対して高速でルーチン作業をこなすロボットと
しての役割を求めたのです。マニュアルの整備により、雇ってから即戦力化する
までの期間を短縮化しました。

複雑な作業を自分で考えて行う必要はない、単純な作業をマニュアルどおり繰り
返し高速で行う能力のみが必要とされました。フォード生産方式の量産能力は圧倒
であり、第二次大戦中、他の自動車メーカーが飛行機を1日1機つくるのが限界
だったのに対し、フォードはベルトコンベア方式により1時間で1機の飛行機を
作ったのです。

フォードは基本少品種で進めていたため、自動車が普及した時代になってからは
消費者のニーズの変化と多様化に次第に対応できなくなったのです。
市場が成熟し、自動車が普及してきたとき、差別化し、新たな魅力を消費者
訴求するには多品種少量生産において高い生産能率を発揮することが求められる
ようになったのですが、フォードは対応できなかったのです。

■多品種少量生産時代の工場
80年代、オイルショックなどによりアメリカの自動車メーカーは凋落し、日本
メーカーに負けたのです。なぜアメリカメーカーは負けたのか?なぜ日本メーカー
は躍進したのか?この理由が研究され、今度はトヨタの生産方式をアメリカが
日本から学んで、リーン生産方式が体系化されました。

生産マニュアルどおりに高速でルーチン作業を行う単能工が否定され、自律的に
生産方式を改善する多能工が評価されたことになります。ボトムアップのほうが
多品種少量生産に適しており、多品種少量生産が行えるならば、顧客ニーズの
変化に合わせて新しい製品を短サイクルで投入できることが評価されました。

フォード生産方式から、トヨタ生産方式までの過程で否定されたものと賞賛された
ものを列挙すると以下のようになります。

・否定されたものとは
 少品種大量生産/生産マニュアルと単能工/単純化された作業
・賞賛されたものとは
 多品種少量生産/自律した多能工/自働化された作業

さて、ここで日本の製造業は、その後順風満帆で発展できたのでしょうか?

(続く)

戦艦大和を作り上げた技術力はすごい:日本の伝統的な「モノづくりの力」とは?

多くの日本人が特別な感慨を抱く戦艦大和と武蔵!
戦前に作られた、傑作と言われた戦艦はいったいどのようにしてつくられたのか?
そしてそれは、現代の日本の産業にどのような影響をもたらしたのかを探ってみます。



■世界最大の46センチ砲
大和型戦艦が搭載した46センチ三連装主砲は、戦艦搭載の艦砲として現在に至る
まで最大であり、装甲は46センチ砲弾を受けても耐え得る強靭性を誇りました。
大和と武蔵が「史上最大・最強の戦艦」であることは紛れもない事実です。
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大和型戦艦が搭載した46センチ砲は、艦載砲としては史上最大の威力を持ち、
射距離3万メートルで420ミリの装甲板を貫通することができました。照準
システムには、当時としては最高のハイテクが注ぎ込まれ、世界最大の15
メートル測距儀で目標との距離を正確に測定、目標の予測進路や気圧、気温、
風速、風向といった気象情報、地球の自転で生じる誤差などの数値を「九八式
射撃盤改一」と呼ばれるアナログ計算機に入力し、各砲の照準に必要な方位や
仰角をはじき出しました。
さらに、前部艦橋最上部にある射撃指揮所に設置された「九八式方位盤照準装置」
と呼ばれる射撃統制システムが、計算機から送られてきたデータを基に砲撃を一括
コントロールし、9門の主砲の砲弾を同一目標に撃ち込むことができました。

■欧米から学んだ技術とは
実は当時の日本の基礎技術力はとても低かったのです。
この時代、日本の基礎技術が世界をリードしていることはほとんど皆無で、艦船の
世界でも、航空機の世界でも同様に、英国やドイツ、あるいは米国の基礎研究成果
を必死に理解しコピーしようとした痕跡が至る所に見られるのだそうです。
日本が基礎技術で世界と競争できるようになったのは戦後になってからのことです。

しかし、基礎研究の水準が低かったにもかかわらず、最終製品に比較優位があった
のは、総合化技術としての設計力が優れていたからである。設計力を支えたのは
技術によりビジネスを創造するMOT(マネジメント・オブ・テクノロジー)と、
プロジェクトマネジメントの力によるものです。

世の中にあるすべての製品には、数多くの要素技術が詰め込まれています。しかし
どんなに優れた要素技術を持っていても、様々な要素技術をまとめ上げる総合化
の力が低くてはろくな製品を生み出せません。
戦前の日本の軍事技術の世界では、低水準の要素技術を総合化の力が補っていた
と言えます。

当時は、要素技術は「育てる」というよりも、外部から調達すべきものと考えられ
ており、それが成長の速度を早める戦略の1つであったと言えます。

しかしながらあの時代,これだけ巨大で精緻な建造物が短納期,低コスト,高品質
高性能を満たして造られことは,技術的に特筆すべきことだと思います。使われた
のは,手回し計算機とそろばん,そして計算尺。あとは大きな製図板が用意されて
いただけというから驚きです。

■現場の「カイゼン」で問題解決
製造技術においても新規性は数多くあります。例えば,溶接採用の大型構造物として
は世界初であることです。特に舷げんそく側に厚さ410mmの鋼板を採用したことや
それを支えた曲げ加工と溶接の精度は今でもその類を見ません。

船の基本性能である推進効率の向上にはこの美しい舷側が貢献しているのです。
このことを溶接工たちも十分理解しており、乗組員の士気はこの美しい舷側によって
大きく高揚したもいわれています。

日本の技術者は新しい技術に接すると必ずそれを自らのものにしてしまうだけで
なく、それに独自の工夫を加えてさらに新しい一段上の技術にしていったことです。
そうした現場のカイゼンによって目的を達成させる力があったのは少なくともアジア
では日本だけです。

たとえば中国は日本の江戸時代の頃からヨーロッパに留学生を派遣したりして技術の
導入を図っていますけれど、まったく自家薬籠中の物にはできていない。これは
職人の実質的地位、周囲の職人に対する敬意の念の違いが彼我に歴然とあったと
いうことでしょう。
設計だけならアメリカもイギリスもできたでしょう。しかし実際に建造する能力は
呉の海軍工廠にしかなかったと思います。鉄鋼から大砲をつくり、装甲をつくり、
それを組み立てて一隻の戦艦にするという現場の力が当時の日本にあったのだと
思います。大和はさまざまな日本人の力が結晶した存在です。

■現在の基礎となった生産管理手法
生産管理面でも,大和の建造に使われた部品表による物品集中管理方式は,今でも
十分通用する手法なのです。

大和は呉海軍工廠にて製造され、その生産品質と工程管理を担当したのは、西島
亮二大佐という人物です。
彼は、設計力が世界一のレベルであるだけでは、優秀なプロダクツは生産できない
ということを証明しています。
西島大佐はどのような生産管理を行ったかその代表例として、「西島カーブ」と
呼ばれるツールを考案しました。

西島大佐は3万枚もの設計図を調べさせ,大和に使われるリベット(鉄板を接合する
鋲(びょう))の予定総数が609万72本(実際は615万3030本),溶接の全長が
34万7564メートル(実際は34万3422メートル),水圧試験の区画数は1682と
いう数値を得ました。この3種類の数字をもとに各工場別,各職区別に工数予定曲線
である「西島カーブ」を作成しました。

製造が始まると実際の進捗状況をそのグラフに記入し計画線と比較し、実績と大きな
ズレが発生すると、工期の遅れであったり、前工程からの受け入れ品の品質不良で
あったりするので、早急に作業の修正や改善対応を行うというように管理の見える
化を行いました。

また資材の標準化にも取り組んでいます。
当時日本にはJISの前身となるJESという工業規格がありましたが、一般的では
なくボルト、ナット、金属パイプ等は設計や作業によって仕様がバラバラでした。
当初は倉庫には使われる見込みのない在庫部品が山積みされており、西島はこれ
を標準化し、在庫量の低減と作業の効率化を図り、標準パーツの在庫をリアル
タイムで実数が把握するようにしました。

パソコンのある時代であれば、それほど困難なものではないが、当時は紙と鉛筆
と算盤でこれを実施していました。
「西島カーブ」 にしても 「部品在庫のリアルタイム把握」 にしても、むしろコン
ピュータが普及して以降の方が、より効果的に機能する方式という点で、西島大佐
は時代を30年は先取りしていたといえるでしょう。

戦艦大和と武蔵が今なお多くの人々に知られるのは、吉田満氏の『戦艦大和ノ最期』
を契機に、その悲劇性に注目が集まった側面もあります。しかし、この世界最大
にして最強の戦艦が語りかけるものは、決して「悲劇」だけではありません。

大和型戦艦を造り上げたのは、欧米から取り入れた設計技術、要素技術と日本の古来
から培われてきた「モノづくりの力」はもちろんのこと、日本を守るという想いや
覚悟、そして日本人の魂が凝縮された「結晶」であったのです。

世界最強の戦艦大和を完成させた原動力とは?

戦艦大和、武蔵などの優れた造船技術の要となったのが、主に日本人が持つ伝統的
「モノづくりの力」です。
歴史の事実に向き合うことで、当時の人々が置かれていた状況や思いを客観的に
捉えて、初めて現在の状況が理解できると思います。

では、日本人は、なぜ世界最強の戦艦大和、武蔵を生みだすことができたのかを
詳しく見てみましょう?



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大和型戦艦の建造で、まず驚かされるのが、「列強に追いつけ、追い越せ」の共通
目標のもと、大正9年(1920)竣工の長門型戦艦によって世界の水準に追いつき、
その15年後には、大和型戦艦を計画するまでに技術力を高めたことです。

これほどの速度で建艦技術の革新を遂げたのは世界で唯一日本だけです。
その理由は、日本の歴史をひも解くことによっていくつかの要因が浮かび上がって
きます。

そこで原動力となったものとして、以下の3つが考えられます。
 1.古来から培われてきた、識字率の高さなど「一般人の文化の高さ
 2.徒弟制度で築き上げられた職人による「モノづくりの力
 3.日本人の、何事にも集中し、細部に拘り、妥協しない匠の精神

また、20世紀初頭から世界で巻き起こっていた爆発的な技術革新の流れを逃さず
しっかりとそれに乗ったことも大きいと考えられます。エンジンにおいてはレシ
プロからタービン、ボイラーは石炭焚きから重油焚きへと変わる過渡期にあって
日本の技術者は追いつけ、追い越せと懸命に研究開発を行ない、海軍も莫大な開発
予算を計上し、後押ししました。

そして当時の戦争では、敵の軍艦をより遠くから、強力に攻撃できる砲撃力が求め
られていました。「戦艦」は軍艦の中でも特に大型で、大きな砲を積んでいるもの
指します。

強力な砲を搭載した戦艦は、国の威信の象徴であり、また、技術力・工業力の高さ
の指標ともなっていました。

日清戦争、日露戦争に勝利しアジアで唯一先進工業国の仲間入りした日本は、その
ころの仮想敵国は、アメリカソ連などの列強国であり、特にアメリカとどのように
対抗するかが大きな課題でした。アメリカは資源が豊富で、かつ日本よりもはるか
に高い工業生産力を持っていたため、日本海軍は、物量で勝負するのは不利でした。

そのため、アメリカの戦艦の大砲が届かない距離から、強力な大砲を撃つことの
できる戦艦を開発し、数は少なくても艦の「質」を高めることでアメリカと対抗
しようと考えたのです。

その点日本は、有利な点が一つありました。
それはアメリカの軍艦は大西洋と太平洋で共に使えるようにする必要があり、それ
には、パナマ運河を使用しなければなりません。南米大陸を回り込む航路は、
パナマ運河を通るよりもおよそ2万km余計に航海する必要があり、多くの時間と
労力、燃料を消費することになります
ところがパナマ運河を通れるようにするためには、軍艦の幅をパナマ運河の最も
狭い部分である、幅33.5m以下になるように抑える必要があります。

戦艦は大きな砲を積めば積むほど重くなり、その重さを支え、バランスを取るに
は必然的に艦の幅も大きくする必要があります。また、砲の威力が大きくなると、
発射時の反動も大きくなり、発射時に艦をなるべく安定させるためにも幅を大きく
することが必要でした。
それのような理由で、アメリカの戦艦の大砲は40センチが限度でした。

そこで日本海軍は、アメリカよりもさらに大型の大砲を何門も積むことを考え
ました。そして大和には46センチ砲という、それまで主力とされていた40センチ
砲と比べて6センチも口径が大きい大砲を9門(3連装×3基)搭載しています。
その結果、大和の幅は38.9mとなり、世界最大・最強の戦艦を完成させたのです。

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品質問題多発の原因!日本の製造業の品質を支えているものは何か?強い工場のあるべき姿

品質問題が絶えない日本の製造業の品質を支えているものは何か?
日本の製品の品質は世界一といわれる反面、製品のリコール、企業の
データねつ造、改ざんなどの企業品質の問題が多発しています。

 ★中小企業の経営品質を高めるステップ
  ★工場長・品質管理部長のスキルアップセミナー

今、このような相反する現象はなぜ起こっているのでしょうか?

そもそも日本品質を育んできたものは、熟練技能を持った匠の存在と
阿吽の呼吸で代表される、共通の価値観に基づく行動のルールです。
モノ言わずとも、相手の考え方を理解し行動するという暗黙のルール
があってこそ、日本製品の品質が世界一の座を獲得できたのです。

匠の技を持つ職人が存在する限り日本品質は高く評価されるでしょう。

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しかし、熟練技能者の減少と重なって、多品種少量生産を強いられる
工場では、若手も即戦力として熟練技能に立ち向かわなければならな
くなっています。

毎日作るものが変わり、変化の激しい製造工程では、管理層は現場を
十分に把握できず、全員が共有した暗黙のルールも、いつしか自分を
中心とした狭い範囲の独自ルールで仕事を進めるようになって来ました。

結果として、品質問題は解決せず放置され、仕方なしにデータはねつ造
改ざんが日常的となり、それが発覚して社会問題となっています。

日本の企業は、匠の熟練技を継承、残しつつ、かつ共通のルールを
どのように復活、維持させていくのかを真剣に考えなければならない
時期に来ていると考えられます。

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所詮、日本人の文化として、標準化(手順書作成)をきめ細かに行っても、
それよりも、行動の基本となっている独自の風土が存在するのですから
欧米的な考えでルールを決めても決して守られることは有りません。
(例えばIso9000)

これからの日本製品の品質を世界で継続して認めてもらうには
 ①若手社員へ熟練技能の継承
 ②明文化されない共通の組織風土、暗黙のルール、価値観の共有
の重要性を認識し、独自の品質管理の概念を築き上げていくことが最も重要
ではないかと考えます。

強い工場のあるべき姿(2017年度 ものづくり白書より)

キーワード解説:強い工場のあるべき姿(2017年度 ものづくり白書より)

中小製造業が利益を出すために必要なのは現場力の維持向上。
そのための技能人材の確保が大きな課題となっています。

これは少子高齢化で働き手がどんどん減っている現在、日本社会全体として
労働力の取り合いが起こっています。

そこで、ロボットやIoT、IT導入や仕組みづくりによって、生産性を上げていく
ことより少ない人数で同じ業務をこなしていくことが解決の手段として掲げられ
ていますが、中小企業にとっては、そもそも人材をとるのが難しいために、取り
組みが遅れています。

本来、企業にとっては、人材を採用をしてから、いかに短期間で、第一線で
活躍してくれる人材に育てていけるかが重要課題であり、企業の競争力の源泉と
なります。だから人材を速攻で育てられる企業は強いと言われます。

中小企業では人材を採用する際にどうしても現場の即戦力技能者のニーズが高く
目の前の課題をひとまず人を増やすことで解決しようと考えていることを表して
います。

しかし、よく考えると、今の製造業に非常に必要な業務は、例えば新しい生産
技術の開発を行ったり、現場の生産体制の課題発見を行ったり、生産現場の
ヒアリングを行って改善活動を行ったりすることです。

次に、ものづくり白書の中で、もう一つ問題とされている「付加価値の低さ」
や「収益率の低さ」です。下請け体質の受注生産では、コストダウン圧力や
納期対応で、四苦八苦している状況から抜けられないのです。

でも、それも根っこは同じではないかということです。
現場の改革や商品の開発仕組みづくりなどをする人がいないために、新たな
マーケットを開拓して利益を上げて行くことができないと考えられます。

生産性向上や付加価値向上につながるITやIoTを初めとしたサービスは、多くの
企業が提供を始めています。

とは言えそれを自分たちで選定して導入し、会社の中に根付かせていくという
のは非常に難しい事です。
「生産プロセスなどのデータの収集・活用の状況」というデータも白書で紹介
されていますが、どこも「データを取っていない」か「データは取っていても
活用できていない」のです。

日本にとって製造業は非常に非常に重要な産業です。
中小企業の経営者や管理層が、その方向性に気づき、危機感をもって情報収集や
様々な企業や、自治体、大学などとの交流を図り、外部資源の活用を図ることに
よって、解決方向を見出そうとしています。

モノよりコトの品質が問われる時代:強い工場のあるべき姿

「わが社は品質を重視している」とほとんどの経営者は答えます。
ただ、品質を強みとしてしてきた日本の製品ですが、そのレベルが低下
していると感じている人も多いと思います。

 ★中小企業の経営品質を高めるステップ
 ★工場長・品質管理部長のスキルアップセミナー
 ★無料サービス

では、なぜ日本の品質レベルが低下したのでしょうか?
モノの品質は、現在では新興国でもそこそこの品質のものを作ることが可能です。
しかし、海外製品に対して、なにか不安を感じてしまうのは、時として期待通り
の「モノ」が納入されないのではないか?という不安があることです。そして
案の定、実際に期待通りのモノが納入されない「コト」があるからです。
二つ返事で引き受けた仕事でも、状況が変わると、それを理由に納期が遅れたり
勝手に図面とは異なるものを作ったりします。

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ところが、日本でも最近、期待通りの「モノ」が手に入らない「コト」が増えて
います。

「モノ」の品質は良くて当たり前であり、不良品を外へ流出させる「コト」は
論外です。つまり、「モノの品質」より、不良品や、図面通りでないものを外へ
流出させた「コトの品質」の問題が顧客を不安に陥れているのです。

不安にさせないためには、顧客が望んだ仕様のモノを、期待通りの納期で、期待
通りの価格で提供することです。不良品が混じっていることは論外です。
では、コトの品質を良くし、顧客に不安を与えないようにするためには一体何が
必要でしょうか?

それは、経営者の「コトの品質」重視の考え方とそれに応える「現場力」です。

では、それらを詳しく見てみましょう
第一に、経営者のコトの品質に対する考え方を現場に伝え、自らの行動で示すこと
企業を取り巻く環境は時々刻々と変化しており、またお客様のニーズは多種多様
に亘っています。

常に新しい「物作り」にチャレンジしていくことが必要であ、とくに、受注生産
工場では、顧客のきめ細かい要求を満たして行くことが、多品種小量生産時代に
生き残っていく条件となっています。

経営者は、社員全員に環境の変化への対応、顧客の多様な要求に応えなければ
企業が成り立たないことを繰り返し伝える努力を怠らず、肝に銘ずることが重要と
考えられます。

第二に、ものづくりのやり方を変えること(熟練技術者の技から、組織力と連携へ)
コトの品質を良くするためには、熟練の技重視の品質から、組織力と社員の連携を
重視した品質に変えていかなければなりません。

つまり、コトの品質へ対応可能な現場力を強化することです。

今まで、日本品質の優秀さは、熟練技能に支えられてきました。しかし、多品種
小量生産では、臨機応変の対応が求められ、正しい情報を基にした組織としての
対応力、連携が求められるのです。そのために必要なのは
 ・現場監督者、管理者の教育訓練、作業者のOJT
 ・コミュニケーションツールの整備(必要な部署に、必要な時に、正しい情報を)
 ・部署間、あるいは職場内の連携のためのツールの整備(朝礼、現場ミーティング)
などです。

第三に、スピード(速いレスポンスと行動)を重視すること
顧客に不安を与えないためには、スピードを重視することです。
早いレスポンスと行動は、顧客を安心させる最も効果的な対応なのです。
 ・顧客からの要望事項は、情報ツールを介してタイムリーに現場に伝えること
 ・顧客からの問い合わせは24時間以内に何らかのレスポンスを返すこと 
 ・トラブルを放置せず、すぐに対策のための行動を起こすこと
 ・万が一、不具合が流出したときは、まず顧客に迷惑を掛けない処置を施すこと

コトの品質を高める原動力は、経営者、管理層の正しい考え方と行動、そして
リーダーシップです。

ものづくり日本! 製造業復活のシナリオ:強い工場のあるべき姿

中小製造業の経営改革シリーズ2
日本の製造業の現状・課題を分析、再び世界で脚光を浴びるにはどうするのか?
ものづくり復活のシナリオを考えて見ます。

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1.ものづくり製造業の現状
このグラフは、国内自動車メーカーの生産台数推移を示しています。
国内生産は減少傾向を示しています。
推移.jpg

またこの表は、自動車関連製造業の出荷額推移です。
中小企業では、殆ど出荷額は増えていません。
推移3.jpg

トヨタは20兆円を超える売上高、世界企業ランキングでも10位以内に入る超エクセ
レント・カンパニーです。ところがこのような状況の中で中小零細企業は、工場を
畳んでしまうか、否応なしに海外に出ざるを得ない状況に追い込まれています。

例えば日本の金型企業数は1990年代までは1万4000千社ほどありました。それが
2008年にはすでに1万社を切り、その後もじりじりと減少を続け2011年には9200社
余りとなっています。

中国では、確かな数は把握出来ませんが、すでに2万社近くの金型メーカーが操業し
ていると言われています。そして、中国へ進出した日系金型メーカーも、激しい価
格競争の波にさらされ、その優位性はどんどん失われ、市場を奪われています。

残念ながら日本のメーカーには、よい商品を作れば売れるはずであるという思い込み
が強く見られます。中小企業は経営資源も乏しく、出来ることは限られますが、従来
のようにただ、こつこつと金型を作っている時代では無いことを自覚し、新たな生き
残り対応が急務となっています。

2.スマイルカーブと付加価値工程のシフト
スマイルカーブを知っている方も多いと思います。
無題2.jpg
もともとは、電子産業などの収益構造を表す言葉の1つで,製品の組み立て・製造
工程の利益率が低いことを表現しています。例えば,製品企画や部品の開発,ある
いはサービスなどによる付加価値が大きく,機器の組み立てなどの製造工程では大き
な付加価値は得られないことを指しています。

金型や金属加工業界でも「中国の企業でやれることと同じことを日系企業でやっても
価格で勝負出来ない」というグローバル化の論理と、CADや機械設備の進歩が進んだ
分野で金型や部品製造するだけでは高い利益を上げられないという技術革新の論理が
働いているためにものづくりだけでは競争に勝てないのです。

日本の金型産業は、従業者数30人未満の事業所が金型出荷額の約50%を占めており、
金型事業所数では全体の約8割は従業者数10人未満零細規模の企業が占めています。
そして、中小・零細企業の中にこそ、世界に通用する高い技術力とともに、競争力
を持つ金型メーカーが多数存在しています。

技術力を持っている中小メーカーに求められることは、バリューチェーンの製造工
程で生産システムの歯車になるのではなくオンリーワンの技術や商品で上流または
下流のビジネスを追求することなのです。90年代以降の市場の成熟化、経済のグロ
ーバル化、そして技術革新の中で、多くの産業でスマイルカーブの傾向が強くなって
います。

3.スマイルカーブへの対応の難しさ
こうした変化にもかかわらず、実に多くの企業がものづくり工程にこだわり続け、
「逆スマイルカーブ」の時代に確立したビジネスモデルを未だに大事に維持し続け
ています。

「スマイルカーブ」への追求が出来ていないと言うより、すでに付加価値がシフト
した時代背景に気付いていないと言う方が正しいのかも知れません。

先に述べたように、中国には2万社もの金型メーカーがひしめいています。その厳し
い競争の中で、日系金型メーカーは、どうやって生き抜いて行けば良いでしょうか?

うちの技術は、中国メーカーなんかに負けないぞ」といいながらガンバッている社長
さん!今まで築き上げてきた会社、そして過去の成功体験、染み着いた仕事の発想を
変えることは並大抵ではありません。この社長さんの発想を変えることが出来れば、
目的は半分達成したと言えるでしょう。

日本の成長期に一旦出来上がった会社のシステムや、経営者の考え方を変革するのは
容易ではありません。また日本企業では特に、社員も運命共同体という考え方もあっ
て思い切った組織の改革も、人材の国際化も遅れていたと言わざるを得ません。そこ
で、中小・零細企業の後を継ぐ二世、三世の若手経営者にも期待が掛かっています。

彼らに期待することは、大胆な発想で社内の改革に取り組むことです。

4.我が国製造業の組織・人材
我が国ものづくり産業が苦戦している原因は、高い技術力を持ちながら、「企画・マ
ーケティング」「開発・設計」や「販売」「サービス」といったいわゆる「スマイル
カーブ」で付加価値の高い工程の競争劣位にあることです。ではどうやって、困難な
高付加価値工程への移行を実現していけば良いか具体的に示します。

私が着目しているのは、「ヒト」「組織」を中心とした「ソフトな経営資源」です。
金型を、高い技術力によってコツコツと製作するノウハウ。これも技術者に蓄えら
れた「ソフトな経営資源」の一部だと思います。今まで日本は、この部分で付加価
値を見いだし優位性を保って来ました。

今まで付加価値を生み出した「逆スマイルカーブ」の時代はこんな方程式が成り立
っていたのではないでしょうか?
   製造技術力+生産管理の仕組み=付加価値

でも、中国でもCADや優秀な工作機械がどんどん導入され、だれでも、ある一定の品
質の金型を製作出来るレベルに達しているのです。価格もどんどん下げられ、日系
企業は競争力を失ってしまいました。しかしながら、この方程式が成り立つと言う条
件のまま、会社の仕組みや根底の考え方が、昔から何も変わっていないの
です。

一つの例を挙げてみましょう。
無題.jpg
この組織図は、ごく一般的な会社に見られるライン組織を表しています。読者の方の
会社の組織もおそらくこれに近い形を取っているのではないでしょうか。下の黄色い
枠は、工場の生産の流れを示しています。
まさに、上記の製造技術力+生産管理の仕組み=付加価値が成り立つ前提の組織で
あることがよく分かります。そして、誰も疑問に思わず、今日までこの組織の中で仕事
を続けて来ているのです。

5.高付加価値工程移行への具体策
中国の工場に対抗するには、「スマイルカーブ」の上流、あるいは下流の工程で付加
価値を獲得することです。当然「組織」の形も変わっていかなければなりません。そ
して上流や下流の職務を担う「人材」も育てて行かなければなりません。

これからの経営は「組織」「人材」「仕組み」から成る「ソフトな経営資
源」を保有し、それを大事に育てていくことが求められます。
言うが安し、
行うは難しですが、一発逆転の特効薬はあり得ないのです。そんなものが、もしあっ
たとしても他社にすぐに真似されてしまうのがおちです。簡単に真似されないから
「ソフトな経営資源」となり得るのです。

2012年のものづくり白書(経済産業省)によると、「企画・マーケティング」及び
「販売」が劣っている理由を調査した結果が明らかになっています。「企画・マーケ
ティング」劣位の原因は、「経営戦略」「組織・マネジメント体制」、「グローバル
人材の不足」という点が指摘されています。

ところが、この戦略立案・マネジメントなどの部分は、日本の中小企業の
経営者が最も苦手とする分野なのです。
また大企業でも、抜きん出た戦
略立案・マネジメントによる経営を行っている経営者はほんのわずかしかいません。
それが証拠に、大手電機メーカーは総崩れ状態です。

6.「スマイルカーブ」で付加価値を生み出す方程式
逆スマイルカーブの時代からスマイルカーブの時代へ環境は急激に変化しました。
当然付加価値を生み出す方程式も変わっています。私たちは、その方程式に沿った
経営システムに変えて行くことが求められています。
では、スマイルカーブの時代の方程式はどんな方程式でしょうか?
(製造技術力+下流工程の技術)×仕組み=付加価値
(上流工程の技術+製造技術力)×仕組み=付加価値
 ・製造技術力・・・製造技術の高度化、小ロット・短納期対応体制等
 ・上流工程の技術・・・企画、特許、設計、部品調達など
 ・下流工程の技術・・・品質保証、サービス、メンテなど
 ・仕組み・・・新たな付加価値部門の新設、組織の統廃合・業務フロー、IT化、自動化など


この方程式は従来のものづくり技術をコアに、高付加価値工程へシフトした組織編成
人材配置、仕組みの構築を計画的、継続的に行っていく地道な努力が必要になります。

7.外部資源の活用
企業の改革は、トップがまず頭を切り換えて、今までの固定観念に捕らわれない柔軟
な発想と行動が求められます。それに加え、経営資源の乏しい中小企業は、「外部の
力」を利用することが大切です。1社だけの力では、とうてい改革は困難なことは明ら
かです。
その対応例としては外部資源をうまく活用することを薦めます。
 ・日本金型工業会等の各業種団体主催の海外展示会、商談会に共同参加する
 ・JAPANブランド育成支援事業(中小企業庁)などの公的補助金の活用
 ・市場とのコミュニケーション力強化(B to Bポータルサイトへのホームページ
  掲載等)
 ・経営戦略、組織、マネジメントの仕組みづくりは、専門家のアドバイスを受ける
 (中小企業基盤整備機構の国際化支援等)

などを有効に活用すべきと考えます。

8.結び
ものづくりが得意な日本の企業は、どうしても「品物」に目が行って、目に見えない
ものを苦手とし「経営戦略」「マネジメント技術」など「ソフトな経営資源」を蓄え
る事を怠ってきました。普通のものづくりは、もう発展途上国に任せて、「ソフト」
の重要性に気付き、いかに「ソフト」で差を付け、付加価値を得るかを真剣に考える
べきです。
世界一の「ものづくり技術」と、新たに「ソフト」が融合すれば日本のものづ
くりは誰にも負けないものとなって、再び世界の中で脚光を浴びるでしょう。


品質経営とは?中小製造業の経営改革【製造業の工場品質改善対策・事例の解説】

日本製品の品質には、これまで内外から高い評価を得てきました。
その一方で、日本が誇る“品質”にかげりを感じている人々も少なくありません。
従来の品質管理や仕組みでは対応できない」「何をどこまでやれば十分な品質と
いえるのか?」と言った悩みを抱える企業が増えています。

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1.日本の品質管理の危機
「製品のライフサイクル短縮」「顧客要求の高度化」など、環境変化によって品質を保証
するための難易度があがっていること、また熟練工や技術者の定年退職、定着率が低下し
流動化している雇用の状況も大きく変化しています。
こうした条件のもとで品質を維持するには、従来のやり方では追いつかなくなっている
と考えられます。

企業としてもISOをはじめとする標準的な仕組みを導入し、品質保証の機能向上を目指して
きましたが、最近では、このような仕組みが行き詰まり、形骸化したり、日常業務の身近な
問題を改善していかなければならないQCサークル活動も低調です。

そこには、品質を意識し、正しく考えて行動する人員が経営者も含め相対的に少ないという
現実があるように思えます。多くの企業が、品質を重要視し、品質を維持・向上するための
仕組み「品質マネジメント・システム」を構築しています。

このような仕組みは、どの企業でもある程度用意されているが、大切なのはその仕組みが
どれほど機能しているかということです。
 (1)問題対応はしているがもぐらたたき対処型になっているレベル
 (2)製造など下流工程での議論が中心で上流までに波及していないレベル
 (3)PDCAサイクルが回っており事前に品質リスクを評価するシステム存在するレベル
 (4)品質リスクの視点が定着しており予測する活動と対策を実施しているレベル
 (5)品質経営が実行できているレベル

だが、冷静に見て、ほとんどの企業がレベル(1)、(2)というのが現状です。
どうも品質に対する考え方が、充分浸透していないため、発展が阻害されているとしか
説明のしようがありません。

2.不足しているトップの品質意識
品質を高めることが競争力強化において重要であることは間違いありません。
しかし、それとは裏腹に、品質を経営上の問題としてはとらえない企業が意外
と多いということです。

現場だけでは追いつかないテーマであるにもかかわらず、『品質は、現場や品質
保証部門で解決すべき問題だ』という感覚でいる経営陣は少なくないのです。
しかし、お客さま満足のための品質を社内へ展開するプロセスが入るのですから
本当はとても大きな経営課題なのです。

品質経営を実現していくためには、全社として取組むという意識をもつべきで
あり、やる気のある一部の人だけが手がけるのではできないことなのです。
品質経営というのは、組織として取組むことが大切であり、そういう社内の体質
もっていかなくてはなりません。

それが品質マネジメントシステムであり、その一つの実現手段がISO9000に沿っ
システム構築だったはずです。(良い悪いは別として)
一番重要なのは、トップである経営者に品質を重要視した経営方針を採用する強い
意志があるかどうか、という点です。ISO9000を取得して、品質向上に努めて
いると言いながら、コストだけ、生産性だけを重く見ているというのでは、やはり
大きな改革は難しいのです。

品質経営は会社の経営活動そのものですから、そのマネジメントの仕組みに欠陥
あると、改善がうまくできない以前に日常業務にも支障が出てきます。

そこに大きな「問題」があります。
ところが、問題解決というと、すぐ現場でIEとかQCを駆使した改善活動を
イメージしてしまうのです。

品質マネジメントの仕組みの欠陥でうまく進まない改善活動で、マネジメントの
欠陥を改善しようとしてもムリです。QCサークル活動がうまく機能しないのは、
すべてそのせいなのです。

3.改めてマネジメントとは何かを考える
マネジメントの基本とは何かを整理してみましょう。

(1)トップマネジメント。
 社長、取締役、工場長などのマネジメントで、その最も重要な役割は、方針
 を出すことです。そして、全社員へ浸透させる努力を払わなければなりません。

(2)ミドルマネジメント
 部長、課長など組織の長のマネジメントで、トップ方針に基づく経営を実現する
 ためにトップ方針を展開し具体化して、組織としての効率を最大限発揮できるよ
 う、人の教育、効率的な配置、業務プロセス(仕組み)の構築、改善を行います。

(3)ロワーマネジメント
 係長とか班長など実務の監督者のマネジメントで、組織方針に基づいた業務の実
 施計画を立てて、作業者に実行させ、進捗を管理します。

このようなにして、仕組みに基づいて業務を遂行した結果が確実に経営成果につな
がるようにしていく一連の活動がマネジメントであり、全社の仕組みが品質マネジ
メントシステムです。ここで大切なことがひとつあります。

つまり、これらの役割の中で、それぞれの責任を果たすための「権限委譲」という
ことが行われます。この権限委譲が行われた場合に「報告責任」という新たな責任
が発生することも決して忘れてはいけません。

仕事は部下に任せろ、任せたら必ず報告させろということです。ところが、こんな
簡単なことがうまくできない。その上、ほとんどの場合、当事者はマネジメントに
問題があるとは思っていません。マネジメントについて全く無知・無関心というし
かありません。

仕事をPDCAのサイクルで回す過程で、5W1Hをはっきり明確に示し、アウトプット
として、QCDの成果を出す。

4.トップは勇気を持ってマネジメント改革を実施すべき
マネジメントの問題を放置していたら、いつまでたっても改善の成果を得ることが
できません。そこで、現場の改善活動と同時に マネジメントの質を向上させる取
組みが必要となってくるのです。

本気で改善活動を進めようと思っているならば、 経営者・管理者は自ら率先して
自分の行っているマネジメントに改革のメスを入れる覚悟をしなければなりません。
それができなければ、いつまでも特効薬を求める不毛な改革運動にムダ金を使い続
けるだけです。


これからの中小製造業のあるべき姿とは?:強い工場のあるべき姿

中小製造業のあるべき姿とは、いったいどのようなものでしょうか?
多品種少量生産を強いられる中、生産性向上、費用削減、不良品を出さないなど
限られた人員で達成していかなくてはならず、企業にとって、難しいかじ取り
が求められます。
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■ あるべき姿を描く
企業のあるべき姿とは、「会社も、従業員も、お客様も、地域も、関連
企業も、みんなが幸せになること」、少なくとも、そのような企業にな
ろうという姿勢を示し、努力するとです。
では、みんなが幸せになるために、企業は何をすればいいでしょうか?

中小製造業は大企業と異なり、立派な機械設備、資金力、また優秀な人材にも
限りがあります。
新しい顧客獲得や新しい市場を開拓しようと思っても競争も激しく非常に
困難な事は、中小企業の社員であればだれでも承知していると思います。

一夜にして新市場を開拓し、売り上げを伸ばすことは困難ですが、自社のある
べき姿に向かって正しいステップを踏み、着実に近づけて行く日常の努力が
必要になってきます。
その内容は、それぞれの企業で異なりますが、共通して言えることをいくつか
上げてみたいと思います。

■ あるべき姿とは
あるべき姿とは、今関わっているその業界の製品で一位の座を占めることです。
それは、加工精度であったり、寿命であったり、価格・納期であったりしますが
とにかく中小企業の出来ることは、ニッチの分野、大企業が手を付けない市場で
一位を獲得することです。

この事は、トップ層をはじめ理解はしていても、いざどのようにしたら一位を
獲得できるのか?その方法を実行するのはなかなか難しいのもです。

■ あるべき姿に近づけるには
そこで、あるべき姿に近づけるための方策をいくつか列挙してみます。
 ①個人商店経営から脱皮!会社を仕組みで動かす
  ・形骸化した組織構成の見直し
  ・組織の役割と責任権限明確化
  ・権限移譲
  ・組織間コミュニケーションのしくみ構築

 ②経営理念、方針の周知徹底の仕組みを作り、運用する
  ・経営計画書の作成(市場、売り上げ、利益:中長期計画)
  ・人材育成計画
  ・強みを生かした技術力強化計画

 ③ビジネスモデルの明確化
  ・加工技術を追求する(痛くない注射針)
  ・アイデア・特許で勝負する(絶対に緩まないねじ)
  ・営業力を高める(顧客ニーズの取り込み) 
  ・開発力で勝負する(工場を持たない) 

 ④他社との連携、公的機関や大学との連携
  ・自社にない技術を持った企業と技術提携
  ・大学や研究機関と連携し開発テーマの製造技術を確立する

 ⑤補助金・助成金の活用
  ・国や地方自治体の補助・助成事業に応募する

そのほかにもまだまだ方法はあると思います。
あるべき姿は、経営者が心に思い描く理念に基づいて形作られていくもの
です。経営者の想いが社員全員に染みわたり、共感し、あるべき姿として
形作られるものなのです。

忘れてはいけないのは、現在の経営資源をベースとすることです。
人材、設備、技術、顧客、の現状を踏まえ、それをベースとして、どこに注力
していくのかを考えるべきです。
決して、中に浮いたような一発勝負は行うべきではありません。

品質問題で経営体質が問われる:強い工場のあるべき姿

最近のホンダの品質問題、リコールの多さは、会社全体の品質管理に疑問が生じる
ほど深刻な問題をはらんでいる。品質問題の本質を明らかにして、緊急に品質改善
を行わない限り、市場から見放される危険をはらんでいる。

ホンダは、昨年後半に発売した主力車種の「フィット」で5度、「ヴェゼル」で3度
と、短期間に相次いだリコールで新車投入が遅れ、過去最高益を狙う勢いだった生産
に急ブレーキがかかっている。

フィットのHVは、発売直後の昨年10月と12月、さらに今年に入って2月と7月に変速
装置やエンジンの制御プログラムの不具合で、急発進の恐れがあるとして、リコール
を実施した。

トラブルの状況と原因はそれぞれ異なるが、いずれもHV用デュアルクラッチ式自動変
速機(DCT)の制御プログラムにかかわる部分だ。今回、十分な対応ができなかった背
景には、DCTを使ったHVシステムがホンダにとってこれまでに経験がないまったく新し
い複雑なシステムだったことがある。

従来、ホンダはHVのシステムとしてIMAという方式を使っていた。これは常に稼働す
るエンジンを必要に応じてモーターがサポートするという比較的単純な方式のHVシス
テムだった。

これに対して新システムは、2つのクラッチを持つDCTにモーターを組み合わせ、発進
時にはモーターのみで走行し、加減速や車速など状況に応じて変速機の段数を変化さ
せてモーターアシスト走行やエンジン走行、充電を行う複雑な機構になっている。

HV競争の緒戦でトヨタに完敗したホンダが、逆転をすべくHVシステムを完全刷新する
という高い目標に挑んだわけだが、品質管理での詰めが十分でなかった。

これまでの状況を見て、問題の本質は何なのかを推測すると
HVではトヨタの後塵を拝したホンダとしては、逆転を狙ってHVシステムの刷新を試み
たが、結果は不完全な形で市場に出さざるを得なかった。

車にソフトウエアを組み込み、ソフトウエアが重要な機能を果たすことになると、ソ
フトウエアの開発体制の良し悪しが、車そのものの品質を決定づけてしまう。

また、単純にソフトウエアのバグではなく、おそらく、機構部分の動き、センサー
からの信号など、メカトロニクスの世界で、ソフトとメカの機能分担、情報のやり
取り、タイミングの調整など、理論では解決できない泥臭い部分もあるのだと想像
はできる。
これはもう、カットアンドトライを何回も繰り返し、限りある時間との戦いの中で
一つ一つ不具合をつぶすしか方法はない。
事実、DCTのユニットを供給するドイツの大手機械メーカーシェフラーの開発陣と
ともに、本田技術研究所では最後の最後まで手直しを繰り返したというから、結果
は推して知るべし!

リコール回数の多さから見ても、充分な評価も行わないまま時間切れになったとしか
言いようのない結果だ。開発プロジェクトの進め方、次工程へのステップで、進むか
それとも留まって、再検討を加えるかの判断が甘いとしか言いようのない結果では
ないだろうか?

開発ステップの基本を無視した判断ミスと捉えられても仕方がなく、今後のホンダの
品質管理体制にも疑問符が付いてしまうことになる。

相次ぐリコールを受けてホンダは品質改革担当を新設した。四輪事業本部の福尾幸一
専務執行役員がこれを担当し、併せて本田技術研究所の副社長も兼務することになっ
た。社内で「ミスタークオリティ」とも呼ばれる福尾氏は重責を担う。

リコールの多発で販売に影響が及ぶという負の連鎖を断ち切れるか、これからが正念
場ではないだろうか。

品質経営の第一ステップ::強い工場のあるべき姿

中小企業の経営者にとって、経営のよりどころとなる品質経営のフレームワークとは?
中小企業の品質経営の現状と、品質経営力をアップするためのステップについて考え
てみたいと思います。

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1.稲盛和夫氏の経営者観とは

日本では、中小企業の経営者になって、経営を教えてもらう機会がまずありません。
「本当は経営者育成学校というものがなけりゃいかん。」
「中小企業を本当に良くしていこうと思えば、経営者を育成する場がいると思うん
ですね。」

日本の雇用を守っているのも、経済を底辺で支えているのも、間違いなく中小企業
なのに、そこの経営は、社長が、見よう見まねで経営しているのが実態ではないか?

「では、大企業の経営者は経営が分かっているかというと、それもサラリーマン上が
りだからよく分かっていない。真の経営を学べる経営者育成学校というものがほとん
どないから、それなら私がということで盛和塾をつくりました。」
と、稲盛和夫氏です。

2.企業の品質経営レベル
では、品質経営のレベルについて現状はどうでしょうか?
竹中工務店では、経営理念として、最良の作品(建物)を世に遺し、社会に貢献する
ことを使命とし、品質経営基本方針を掲げています。

     -品質方針基本方針-
 品質重視の経営に徹し、新しい環境創造への
 挑戦により、お客様満足と社会の信用を得る

品質経営の品質とは、建物の品質を指すだけでなく、企業活動全体の質を指すもので
あり、高い品質の建物を作るには、その質が大事だという考え方です。

竹中工務店では、TQM活動を導入し、お客様満足の向上を狙いとし、企画・設計・施工
アフターケアーの各工程のプロセスの質の向上、建物の品質保証活動をTQM活動の根幹
に位置付けています。

そのために、建設プロセス全般にわたる品質保証活動の手順を標準化し、品質保証体系
を定めています。
この活動は、1976年に導入したTQC活動より続けられており、品質経営の先駆者とも
言える活動を展開しています。

いや、そんなことは別に竹中工務店でなくとも一般の企業でもやっている事では?と
思われるかも知れませんが、では、下の(1)~(5)の評価を行って、自社の品質
経営はどれくらい浸透しているか?チェックしてみてください。

(1)クレーム対応はしているが問題対処型(もぐらたたき)になっている
(2)製造など下流工程での対策が中心で上流までに対策が波及していない
(3)PDCAサイクルが回り事前に製品の品質リスクを評価するシステム存在する
(4)品質リスクの視点が定着し、上流で食い止める活動(予防)が定着している
(5)経営全体のPDCAが回り経営品質を向上させる活動が実行できている


ほとんどの企業が、(1)または(2)であり、まれに(3)の企業があるか
ないか、ではないでしょうか?

3.中小企業の経営者の現状
中堅・中小企業の経営者というのは、企業経営の責任がどっしり自分の肩にか
かっています。順調にいっている人もそうでない人も含めて、どういうふうに
経営をしていこうかと責任感に押し潰されそうな毎日を過ごしておられると
思います。

2番目は、やはり何といっても経営者は、経営のあり方で悩んでいる。
「こうすればいいんですよ」というものが欲しい。最大の悩みは、従業員をど
うまとめていくかです。どういう理念と哲学で引っ張っていけばいいのか。

当然、お金で引っ張っていく、あるいは名誉で引っ張っていくという考え方を
する人も出てきます。中小企業の経営者というのはこう言っては悪いですが、
勉強している人がそういるわけではない。そのため、結局は体育会系の人です
と、「おれについてこい」となってしまう。

そうではなくて、従業員を引っ張っていくのは、経営者の人間的な魅力なの
です。その経営者がどういう考え方、どういう思想を持っているかということ
でしか引っ張れません。経営者の魅力でもって、じっくりとみんなを魅了して
引っ張っていく。
と、再び稲盛和夫氏のコメント。

3.中小企業経営者の課題
稲盛和夫氏の経営観を、品質経営に当てはめてみます。
従業員を引っ張っていくのは、経営者の人間的な魅力であることは間違いあり
ません。ただ、それだけで企業を引っ張っていくことはできません。

マネジメントと言うものを重視しなければ、組織を運営していくことはできま
せん。創業当初は、経営者の知力、体力で組織を引っ張り上げてきましたが
社員が10人、20人と多くなって来ると、一人ではコンロトールしきれなくなって
来ます。

そこで、必要になって来るのが「仕組み」です。
もうすでに、仕組みはあるので・・・、いやその仕組みではなく、本当に実行
し、効果の上がるしくみ「マネジメントシステム」が必要なのです。

経営者は、効果の上がる「マネジメントシステム」をいかに構築するかを真剣
に考える必要があるのです。

4.品質経営の基本となるマネジメントサイクル

竹中工務店のTQM活動では、お客様満足の向上を狙いとし、企画・設計・施工
アフターケアーの各工程のプロセスの質の向上、建物の品質保証活動を会社全体
で取り組んでいますが、その活動の原動力となるのがマネジメントサイクルです。

すなわち
(1)ありたい姿の設定
(2)ありたい姿に近づけるための基本方針の設定
(3)活動目標の設定
(4)活動の推進
(5)活動経過、目標達成度の評価
(6)活動結果の評価と基本方針の見直し

(1)(2)(6)は経営層によるトップマネジメントの役割、(3)(4)
(5)は中間管理層、第一線監督者の役割です。

このように、マネジメントサイクルがきっちり回るように「仕組み」「組織」
「マネジメント人材」の三本柱を強化していくことが品質経営の第一ステップ
なのです。

このような「当たり前」と思われることがいかにできていないか?
「もぐらたたき」がなくならない現状を見れば、一目瞭然です。

これは経営者の責任です。
この「基礎」を無視して、様々な経営手法、工場の改革手法を導入しようと
しても、うまく定着するはずがありません。


「仕組み」「組織」「マネジメント人材」が、品質経営にどれほど大事と分か
っても、実際にどこから手を着けたらいいかわからない経営者の方も多いと
思います。

ケース・スタディー「利益の出る工場改革」:強い工場のあるべき姿

ものづくり企業経営者のための「利益の出る工場改革」ケース・スタディー。
(5S活動の進め方、多品種少量生産での納期、コスト、要求仕様い答える設計、
 サービス業務の収益化)

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事例1.5S活動で挫折しない進め方は
従業員30名の部品加工企業の経営者です。
製造の基本として5Sに重要性は理解しており、従業員と一緒に整理整頓のツールを
決めていつも指示しているのですが、生産に追われて気づいてみると仕掛品や手直
し品が通路に積まれ、工具も本来の場所に戻ってきません。
決めたことが守れるようになるコツがありましたら教えてください。

★回答は<こちら

事例2.多品種少量生産におけるコストダウンの方法
創業35年従業員数80名の信号接続ケーブル加工会社です。
生産の60%は自動車メーカーのTier2として、ほぼ同仕様の製品をインライン
で流していますが、受注量の減少に対応して自動車に限定しない特注品に注力して
います。ここ7年ほどの積極的な営業の成果もあり、順調に受注量/金額を伸ばして
いますが、慣れない多品種少量製品が増えたために管理工数の増大に苦しんでいます。
また購入部品のロットも小さいため、単価の上昇は相当のものがあり、なかなか黒字
化ができない状況です。
多品種少量生産におけるコストダウン(原価低減)の方法がありましたら、ぜひご
教授願います。

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事例3.多種少量生産での納期順守方法は
金属部品の切削加工を主に15人ほどでやっております。
ほとんどの注文が1個~20個、月間注文数は平均300件という典型的な多種少量生産で
、納期も長いものは1か月、急ぎの場合はFAXで図面が届き当日中に発送を頼まれるこ
ともあります。
もちろん現場にたくさん仕掛かっている時は、特急品を断るのですが、常時数十件が
仕掛かっている状態で、ちょっと判断を間違えると大量の納期遅れが発生し、何度か
発注元に迷惑をかけてしまいました。
何とか納期の順守率を上げる方法はないでしょうか?

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事例4.発注元からの厳格な要求仕様に応えるには
自動車メーカーで使用している電子部品を作っている社員800人の企業の設計課長
です。車の電子系の技術がどんどん高度化するにつれ、部品に対する要求も厳しく
なっており、トラブルが起こるたびに検査項目が増えてきています。
非常にマイナーな設計変更、改良を加えるたびに、すべての信頼性試験をすると1か
月近い期間と多数のサンプルが必要となり、その費用はばかになりません。
もちろん市場品質問題を起こせば膨大な対応費用が発生しますので、設計品質を上
げるのは前提条件です。
設計品質と設計期間、製品トータルコストを最小限に収める方法について、是非ご
意見をお聞かせください。

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事例5.メンテナンス業務の収益化を図るには
業務用電動昇降機の製造、販売を主たる事業とする100名ほどの企業です。
設計ができる技術者を20名抱えているために、特殊仕様にも短納期で応えるところ
が好評で、2800社以上の顧客企業を抱えて特注品市場では60%の国内シェアを確保
し、量産品の価格競争にも巻き込まれずに堅調な業績を続けています。
これまで保守部品販売、修理や定期点検などのメンテナンスはお客様へのサービス
扱いで、次の注文を獲得する意味でもその部分だけ見れば赤字状態で対応してきま
した。

世間ではスマイルカーブと言って、メンテナンス部門が高収益を上げている企業も
あると聞きます。今後のさらなる業績向上のために、メンテナンス部門の黒字化を
検討していますが、従来顧客からの反発が怖くてなかなか切り出せません。
どのような手順でメンテナンス部門の改革を進めたら良いでしょうか?専門家の皆
様のご意見をお聞かせください。

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経営改革「会社の基礎体力アップ」:強い工場のあるべき姿

ものづくり中小企業、特に社員数十人規模の小規模企業の経営者は、日々
の実務をこなす中で、小規模ゆえに様々な問題に直面しています。

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また戦後の経済成長時代に業績を伸ばし業界での地位を築いてきた企業も
時代の変化の中で、先代経営者から二代目、三代目と、若い経営者に経営
を引き継ぎ、新しい感覚のビジネスを模索している企業も多く見受けます。

ただ、そこには共通課題も見えてきます。
特に、規模の小さい企業に見られる特徴として   
・多品種少量生産への対応遅れ、生産性の低下、納期・品質トラブル発生
・高度な業務に対応できる人材の不足
・と言いつつ社員の教育もままならず、社員の能力発揮が不十分
・組織の役割が曖昧、仕組み化が遅れ、個人商店的な経営から脱皮できず
・企業の成長を支えるPDCAの改善活動が停滞、又は全く実施されていない

などがあげられます。
つまり、企業組織としての力が発揮されておらず、潜在能力を充分に引き
出せていないのです。

企業にも、幼年期、青年期、壮年期と呼ばれる成長過程があります。
厳しい競争環境下で、売り上げが低迷している企業は、幼年期からなかなか
青年期を迎えられない企業も多いと考えられます。

また、売り上げを伸ばしている企業でも、体力が十分備わらない幼年期の
まま、規模のみが拡大し様々なひずみが生じている場合も多いのです。

では、各成長過程で企業はなにをなすべきかを考えてみます。
Step1:基礎体力をつける(幼年期)
Step2:他社との優位性確保、他社との差別化・競争力UP(青年期)
Step3:売上・利益拡大(壮年期)


以下、成長の各ステップを詳しく見てみましょう。
◆ Step1 基礎体力をつける(幼年期)
企業の基礎体力とは「PDCAが回る」「人材育成の仕組み化」「業務の仕組み
化」を指します。この三つがそろって初めて企業の成長に耐えうる「体力」
が備わってくるのです。

(1)PDCAの回る改善活動の仕組み作成と実施フォロー
企業にとって、これからの成長に欠かせない全社員による基本的な考え方
の共有、日常行動を定着させます。
【毎日夕会】
日常の問題点、課題の整理と優先付けを毎日30分~1時間の会議でディス
カッションを行います。(夕方または早朝に開催)
役職者に経営者が加わり、司会と記録(議事録)は当番制にします。
すぐ解決できる項目は、分担を決めて実行し、次回の会議で結果を報告
します。
また、中長期で解決しなければならない項目、部門横断的な仕組みの構築が
必要な項目はリストアップして、「業務計画」で各部門で取り組む、または
経営課題等はプロジェクト計画実施項目に追加していきます。

【経営方針書】
経営トップによる方針・目標を毎年度初めに立案して「経営方針書」を作成
します。全社員を集め、トップが説明し理解させます。
方針と、年間の具体的な施策の実施項目と目標値を設定します。

【業務計画書】
経営方針書のトップ方針に従って社員(役職者)は「業務計画書」を作成
します。トップの方針や目標を達成するため、自部門の範囲で実施する
目標を立てます。主な項目としては、
 ・売り上げ、利益の改善
 ・品質改善
 ・生産性の改善
 ・教育
 ・経費削減など 


これは、日常の業務改善以外の改善項目・目標として、部門メンバー全員
で分担して実施します。毎月実施した改善は、月末にトップを交えてレビュ
ーを行います。

(2)人材育成計画作成と実施フォロー
【人材マップ】の作成
社員の構成や特性を「見える化」し把握することが、これから人材を有効
活用するために重要となっています。
そのひとつの手法として「人材マップ」を作成し、個人の経歴、能力・技
能のスキル、特性などのカテゴリーで「見える化」し、採用・配置(ロー
テーション)・人材育成・人材活用の計画立案・実行に役立たせます。

トップの描いた会社の将来像によって「求める人材像」が明確になり、
人材マップによって「社員の現状」が把握できれば、それらを引き算する
と、人材ギャップが明確になります。

将来必要となる人材に対して、現状ではどの職種、専門分野で、どういう
能力を持った人材が何人足りない、というように、人材ギャップが質と
量の両面で明らかになります。

【人材育成計画】
人材ギャップが見える化されると、これまで感覚的に行っていた人材育成
と人材活用を、よりシステマティックに改めることが可能となります。

まず、人材育成については、人材ギャップを見ることで、将来必要になる
スキルが明らかになり、組織として優先的に引き上げるべきスキルを特定し
教育などを集中的に実施します。

【信賞必罰】
一般の会社は、「信賞必罰」と口ではいいつつも、何を賞するか、何を罰
するかはあまり明文化していません。極端に言うとすべて社長の胸先三寸
です。
そして、このような制度のない会社は不公平感がはびこっており、概して
社内が暗いのです。
組織を活性化し、信賞必罰でメリハリをつけるために、信賞必罰制度を運用
する仕組みを構築します。

会社の求める人材の能力、実績評価基準が明確化されれば、おのずと誰もが
納得いく信賞必罰制度の構築が可能です。
透明性と、普遍的な基準を設けることによってそれは実現可能となります。

(3)経営体制強化・・・業務を仕組みで動かす
【組織の責任権限】明確化
指揮命令系統が曖昧であったり、特定の個人に仕事が集中している組織は
業務処理が非効率であったり、ミスが多発したり、様々な問題が生じます。
組織の役割、組織の長、構成員の役割ははっきりと明文化しておく必要が
あります。ただし、社員の数が絶対的に少ない小規模企業では、助け合い
精神で、お互いの仕事をカバーしながら行っていかなければなりません。

【業務フロー】の明確化
個人商店では、業務の処理方法や、判断基準は個人の裁量に任されて
います。ただ、それでは人によって仕事のやり方が違ってきます。
また、社長はいちいち、それぞれの社員へ指示を出し、また結果を聞いて
その都度判断を下さなければなりません。

業務量が少ない、少人数の組織では、それは成り立ちますが、業務量が
増大し、社員数も増えてくるとそうはいきません。聖徳太子でもせいぜい
10人の行動を把握できるだけです。

そこで、業務内容を一定のルールで動かす必要が生じてきます。
社長は、人を直接動かすのではなく、ルールによって業務をうまく回して
人を動かすことが必要になってきます。

業務フロー、業務マニュアルを作成し、社内をすべて仕組み化して動かす
ようにします。

業務マニュアルの作成方法については、機会を改めて説明します。

【業務の見える化】推進
経営の状況(売上、経費、生産性・・・)、改善活動の進捗状況など、
指標を明確にし、その達成度・推移の実績管理を行います。見える化する
事によって、新たな問題点も見えてきます。

スライド4.JPG

これらの活動は、半年~一年かけて定着させます。
個人商店的な経営から抜け出し、組織と仕組みによる経営に移行するのは
容易なことではありません。しかし、ここから抜け出さなければ、業績も
低迷したレベルで止まってしまいます。
成長企業として、一歩上に抜け出せるかどうかは、この基礎体力づくり
が成功するかどうかに掛かっているのです。


◆ Step2:他社に対する優位性確保
PDCAがうまく回転するようになったら、自社の強みをより強くして、弱み
を克服する方策を講じ、ニッチな分野で業界一を目指すことが次のステップ
として重要になります。
幼年期から青年期に入ると、個性を磨かなければ企業は成長できません。
自社は、お客様から見て、他社と比べて、どのような特徴、利点があるだろ
か?を考えます。
お客様が自社を選んでくださっている理由が必ずあります。それをもっと磨
き、他のお客様にも認めてもらう努力をします。
 Q・・・業界一の品質、技術、サービス
 C・・・リーズナブルな価格
 D・・・ジャスト・イン・タイム生産
        
などが優位性として上げられます。


◆ Step3:売上・利益拡大(壮年期)

ヒット商品を単発的に出すのではなく、自社の優位性確実なものにし
継続的な売上高の確保、利益を出し続けるための方策を講じます。

スライド5.JPG

戦略の方向性は新製品・新技術の開発、(海外)新市場への進出、圧倒的
に優位な生産工程構築などの自社の強みを生かした新たな事業分野への
進出です。そのためには、ビジネスモデルの転換も必要となります。

スマイル.jpg

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経営トップのマネジメント力とは?:強い工場のあるべき姿

自社の強みを生かすには、それを支える人材を育てること
中小企業の場合は「人」「設備」「金」「情報」「技術」などいわゆる経営資源
が限られています。
大企業の真似をしようとしても、とうていかないません。従って他社との「差
別化」を生き残り策の究極の目標に据えて、独自の方針を定め経営を行って行か
ねばなりません。

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その独自の経営方針によって「差別化」を図って行くための要素の中心を成し
ているのが人材です。人材の力を結集することによって、強力な組織作りが可
能となり、やがては強い企業へと変身させて行く原動力となっていきます。

人材活用を図り、強力な組織を作り上げていくためには、経営トップは強い
リーダシップを発揮しマネジメントしていくことが求められます。
(1)経営理念、方針・目標を明確にし、従業員一人一人に理解させる
(2)経営方針にそって、組織を設計、人材を適材適所に配置する
(3)組織の運営に必要なルールを制定する
(4)経営方針に沿って人事制度、教育制度を見直しする
(5)業務を見える化する(指標、プロジェクトの進捗等)
(6)定期的に問題点、課題をレビューする
(7)進捗の遅れのフォロー、計画の見直しを行う

経営トップは、企業としての大きな「PDCA」のサイクルを回し続けること。
それに従う管理層は、部門毎の「PDCA」を回し続けることが求められます。

但し、もしあなたが経営者でない場合はどうしたらいいでしょうか?
社員は経営者の首はすげ替えることはできません。
あなたにできることは、あなたの責任・権限の範囲、つまりあなたが課長であ
れば、課の中から、また部長であれば、部内で、このような考えのもとに、実
施していくしかありません。そして、トップにその実績をアピールして徐々に
全社に広げていく努力をすることですね。


何事もネックになっている部分から一つ一つ確実に対策していかなければなりません。
また特効薬はどこを探してもありません!!


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「ものづくり白書」にみる日の丸製造業の課題:強い工場のあるべき姿

この記事は、日本経済新聞社「ビジネスリーダー ニュースこう読む(中山淳史)」より引用しました。

この記事では、独フォルクスワーゲン(VW)や米アップルの経営手法をもとに、
日本のものづくりの形の変革を迫っています。


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「ものづくり白書」といえば、世界に冠たる日本の製造業の現状分析をする経済産業省
編集の刊行物だ。だが、6月5日に政府が発表した「2012年版」をみると、主役は
「日本の匠(たくみ)」でなく、独フォルクスワーゲン(VW)や米アップルの経営
手法だ。

■出だしから「ものづくりのデジタル化」登場
2012年版白書の第2章「我が国ものづくり産業が直面する課題と展望」では、出だし
から、CAD/CAMの普及などによる「ものづくりのデジタル化」が登場し、最新
鋭設備を導入しつつ、先進国並みの品質を持つ製品を安く、大量に世界に供給する新
興国の話などが紹介されている。

通常なら、日本の「匠の技」の重要性を説き、いかにそれを守っていくかの課題や提
言にページを割くところだろう。2011年版も東日本大震災で途切れたサプライチェ
ーンの話がたくさん出てくるが、「6重苦」などに苦しんでも日本の製造業は強い
のだ、との雰囲気が白書には漂っていた。

だが、デジタル化に続いて登場するのは、「擦り合わせが不要な製品設計(モジュー
ル化)」や「製造工程以外から獲得する付加価値」の話題である。

この2つ、企業でいうなら前者はVW、後者はアップルだ。
モジュール化はVWが世界中に広げようとしている新しい生産手法だ。モジュール
自体は聞きおぼえのある言葉かもしれない。ただ、ここでいうモジュール化は部品
というより、「擦り合わせが不要な製品設計」のことだ。

VWは高級車から小型車まで、先進国向けから新興国向けまで、すべての車を積木
に似たモジュールを使って組み立ててしまおうとしており、現にこうした手法です
ばやく車を開発し、販売台数の拡大につなげている。

製品の企画と開発に特化し、ハードウエアの機能だけに頼らないアップルの経営モ
デルはもう有名なので省くが、VWと共通しているのは、設計の段階から車なら世
界で数百万台規模、デジタル家電なら数億台規模で生産することを念頭に置く経営
だ。世界経済をけん引する新興国ビジネスの要諦はとにかく「速く、安く」である。
それを実現するにはつくり方を標準化しつつ、たくさん生産してコストを下げるに
尽きる。

■恐るべきコストダウンの力
日本が恐れるべきはそれだ。東大大学院経済研究科の小川紘一特任研究員は「VW
やアップルのすごさは品質というより、超大量生産による恐るべきコストダウンの
力だ」と話す。

自動車でいえば、日本の強さは工場にあった。だが、コスト削減は工場ごと(通常
は年産能力が20万~30万台規模)に、地道に積み重ねていくだけでは今後は勝てな
くなる。設計を源流から見直し、「つくりやすく」「価格が安く」「利益の出る」
生産方式をグローバルで構築し直す時代になったと言える。

もちろん、今後も個々の工場の現場力は大切だ。日本の工場には世界のマザー工場
としての機能も期待されよう。だが、白書から浮かぶのは製造業の潮流の大転換だ。
来年は世界のベストプラクティスを奪回すべく、日本の製造業も海外企業の最先端
を研究してみる必要がありそうだ。

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人件費の適正水準を考える:強い工場のあるべき姿

人件費の適正水準は?

人件費は、どんな企業でも「常に悩ませる問題」の一つです。
人件費の適正水準はどの程度であるのか?判断する指標として、なにがあるのか
を考えてみたいと思います。

■人件費率=(人件費/売上)×100%
人件費率は、売り上げに占める人件費の割合です。
サービス業などでは20~40%程度、製造業などでは10~30%程度と言われて
います。

■労働分配率=(人件費/付加価値)×100%
労働分配率は、付加価値に占める人件費の割合です。
サービス業などでは50~80%程度、製造業などでは70~90%程度と言われて
います。

■労働生産性=(付加価値/従業員数)
労働生産性は、従業員一人当たりの付加価値です。
サービス業などでは300万円~800万円程度、製造業などでは300万円~
1000万円程度と言われています。

ここで、付加価値とは
付加価値=売上高-(仕入費用+外注費)

工場長の業務改革・品質改善活動マニュル.jpg

これらの指標は、業種や規模によって大きな差が出てきます。
中でも規模による差は非常に大きく、人件費率や労働分配率は規模が大きければ
大きいほど小さく、労働生産性は規模が大きければ大きいほど大きくなります。

よって、業種や規模にあった人件費の模索が必要であると言えます。
と、結論付けてしまうと、結局どうしていいのか?わかりませんね。

そこで、新入社員一人を雇ったとき、いくら売上高を増やさなければならないか
という観点で見てみましょう。

例えば、A社は、
 ・付加価値率=50%(付加価値÷売上高)
 ・労働分配率=40%
とした時に、年収500万円の新入社員を一人雇ったとします。
この時、売上をいくら増やさなければならないでしょうか。

【解答】500万円÷40%÷50%=2,500万円

の売上増加が必要!

逆に考えてみましょう。
リストラによって人件費の負担を軽減するのも一つの手段です。
つまり、一人をリストラすると、2500万円の売り上げアップと同じ効果が
得られる???ことになります。

また、労働分配率は低ければ低いほど利益が出やすく収益性が向上します。
そのために分子である人件費、すなわち給与を下げるのが手っ取り早い方法です。

ただ、従業員のやる気を引き出し、活力のある組織にするためには、逆効果と
なってしまうでしょう。企業の成長力を著しく損ないかねません。

ここはやはり、世間並みを支払ったうえで、労働分配率算式の分母である付加価値
そのものを向上させることに全力を傾ける経営スタイルが望まれるのです。

コスト競争力がカギを握る【:強い工場のあるべき姿

コスト競争力を持った、強い工場を作るには?
今、会社は儲からなくなってきています。
価格要求も厳しくなっています。
値段が厳しいからコストダウンの取り組みをします。
しかし、それは真のコスト競争力とは言えません。

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■コストダウンではなくコスト力をつける
 ●価格競争に勝つためには、真のコスト競争力をつけなければならない
 ●他社のノウハウを持ってくるだけのコストダウンは「コスト力」とは言えない
 ●他社とちがうものを生み出そうとする力をつけなければならない

■真の“コスト力”とは何か
 ●「共通・共用化」ということを基本的にした商品設計とモノづくりが大切
 ●フル稼動のコストに見合う 小規模ライン・設備のコスト力を追求すること
 ●組織のムダ、人材活用のムダ、コミュニケーションのムダ、改善活動のムダ徹底排除
 ●最初からコストメリットは出ない、試行錯誤し、そこに自社独自のアイデアが生まれる
 ●差別化とは、他社のマネではなく、自分で考え、現場で努力することで会得する
 ●強い現場を作ること、それには人の育成、人材力こそが最重要となる

企業は、売上低迷の中、不良を減らし、ムダを極限まで省いて費用を低減しなければ
利益が確保できません。
「強い工場を作るプログラム」は、人材力・資金力の乏しい中小企業にとって導入が
容易な方法で、利益を出す強い工場を作る「プログラム」をコンセプトとしています。


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7月東京 名古屋2.jpg
セ ミ ナ ー 予 定 表
テーマ(目的日時開催場所
主な項目
 多品種少量生産工場の現場改善力強化による
 付加価値生産性向上と利益率UP
未定
 
・生産活動の目的
・生産性向上・リードタイム短縮
・ムダ取り(直接・間接業務)
 若手・中堅社員の自立化と現場力の発揮
未定
・QCサークル活動
・個人目標管理(MBO)
・業務計画による改善活動
 ヒューマンエラー予防7つの対策
 ヒューマンエラー要因4分類と再発防止策
12月20日
(木)
9:30~12:30

12月20日
(木)
13:30~16:30
東京都北とぴあ
8F 807会議室
JR王子駅北口5分
AM/PM連続受講の場合割引特典あり
・再発防止対策と流出防止策
・是正と予防、水平展開
・顧客信頼の品質対策手法
 顧客から信頼を得る3つの品質対策手法
 ロジカルシンキングに沿った正しいなぜなぜ分析
・ヒューマンエラー要因
・ヒューマンエラー予防策
・IOT活用技術
 小規模チームで効果の上がるFMEA/FTA手法
未定 
・工程FMEA
・信頼性設計とFMEA/FTA
・リスクアセスメント
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