2020年02月28日

お客様への改善提案が自主開発製品へとつながる:製造メーカーから開発メーカーへ

部品メーカーの中には「いつかは最終製品を作るメーカーになりたい」という
志を持つ企業がかなりの数存在します。
ただ、いきなり設計部を設けたとしても、すぐにオリジナル製品が設計できる
わけではありません。

1.設計メーカーへのステップ
ステップとしては、受注した部品の加工から事業を始め、対応できる加工技術
を増やし、そのうち組み立てを手掛けるようになって、徐々に設計のノウハウ
を蓄えるうちに設計メーカーとなるといったケースが考えられます。

得意先のメーカーから寄せられる要望にきめ細かく応えていくうちに、部品
加工以外にも、ちょっとした組立加工ができるようになり、対応しきれない
加工方法については、それぞれの領域で優れた技術を持つ中小メーカーと協力
関係を構築していき、いつしか、一つの製品を丸ごとOEM製造できるように
なり、そうしているうちに自社ブランド製品を設計開発から製造・販売まで
手掛けられるように技術を磨いて実力をつけていくことです。

そうすることによって、当初営業部門は営業活動に強くなくとも、取引先の
工場から頼まれる仕事なら何でもできるようになろうと『自分たちのモノ
づくり領域を広げていく』という方針で貫いて行くことによって工場のすべ
ての組織が、開発のノウハウや手順を習得し事業領域がおのずと広がって行
ものと考えられます。

最終製品の販売を狙うのではなく、取引先からの要求にこたえる受注生産に
徹するというのが、中小製造業の成功のポイントです。

お客さまにとって、金属加工はA社、プラスチックならB社、組立はC社と別々に
頼むよりも1社にまとめて頼めた方が進捗管理・輸送などの手間を省けます。
『モノづくりワンストップ体制』をしくことにより、得意先企業の発注担当者の
手間を省く“サービス”を提供することだけでなく、お客さまの要望を基に、改善
提案、アイデアでモノづくりを進化するような会社に成長して行けるのだと
思います。

2.製造部門の強化が必要
冒頭に述べたように、いきなり設計部を設けたとしても、その活動は製造部門と
連携がうまく取れずに、宙に浮いた存在となってしまい、かえって設計部がネック
となってしまいます。

製造部門の業務を広げながら、製造技術的な開発の仕事を習得していくやり方が
受注生産工場にとって開発メーカーへの早道と考えます。
また優れた製造ノウハウに裏付けされた設計を行うことによって、品質・コスト
の面で優れた製品ができるというものです。

設計標準化は製造工程の標準化につながる:ある完成品メーカーのプレゼン資料

多品種少量受注生産の製品を扱う企業では、設計標準化、製造標準化は難しいと
いわれていますが、果たしてそうでしょうか?

以下のスライドは、ある完成品メーカーに対するプレゼン資料をそのまま掲載
するものです。

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顧客要求仕様と設計標準化の誤解

多くの設計部門で、ありがちな考えとして標準化は多品種少量生産型には
適用できないというもので、これは「標準化」に対する誤解というほか
ありません。

1.標準化こそ技術の成果
標準化が適用できない主な理由として、標準化しても守られない、結局顧客
の言い分を聞かなければならず、「標準化」の推進は、自由に設計できない
恐れが生じると考えてしまうからです。

結局営業が受注したものを、開発・設計、調達などがその要望に個別に応え
てしまい、その結果製造部門へしわ寄せが行き、納期遅れや品質問題などが
発生します。

標準化のためには部門間のコンセンサスを得ること、コスト感覚を持って
全部門のベクトルを合わせる努力が必要になります。

「標準化」こそ設計効率化、設計・製造リードタイム短縮に対してなくては
らない要素です。
即ち標準化こそ技術成果そのものであり、なされていなければ技術が確立さ
れたとは言えないのです。

つまり戦略なき商品増がコスト増の要因になりますので、ぶれない設計推進
活動が必要です。

2.共通化の推進
ユニット化とモジュール化によって共通化を推進します。
ともすれば製品数が増えるのに比例して部品数が増えますし、部品数が増え
ると、作業工数や設計工数が増えます。結果として管理コスト、在庫コスト
製造コスト、設計コスト、各種ロスコスト、リードタイムが増大します。
共通化とは、部品やユニットおよびその設計図にできるだけ共通のものを
使い、多くの製品に流用することで、設計や製造にかかる時間やコストを
削減できます。ただし、共通化できるのは過去に製作したことのある部品や
ユニットだけに限定されます。

顧客要望やライバルメーカーとの競争で製品数が増えても、ユニット組合せ
対応し部品数や管理工数を増やさない設計が可能となります。

3.標準化の推進
標準化とは「設計のやり方の標準化」であり、設計に何らかの「制限をかける
こと」で、個人裁量範囲を削減することです。そのことによって、個人差
減少、バラツキ幅の縮小を行っていく手法です。

顧客要求が様々だからと言って放っておくと色々な方向に向いて行ってしまう
ので、何らかの制限をかけながら、顧客の要望も取り入れていくこと、これが
標準化の基本です。標準化には以下の2種類があります。

(1)設計思想の標準化
 ①設計条件の標準化:設計パラメータを標準化しておき、顧客の要望に対し
 標準化した設計パラメータの中から選択する。例えば、同一部品図面におい
 ては同一材料、同一外形寸法、同一加工方法を適用するが、組み合わせ取り
 付け部品の違いにより穴位置、穴径が異なるいくつかのパータンを準備する。
 このことによって、個別の部品図面を作成する手間が省け、製造工程も共通化
 が図れる。

 また、同一図面において、材料の板厚を1mm,2mm,3mmの中から選択でき
 るようにする、また外形寸法だけを変化させいくつかのパターンを準備する
 などが考えられます。
定石シート(濱田1213).jpg 
 顧客要求仕様が8通りある場合、社内図面のA、B、Cの3通りの中から選択する
 ことにより、標準化が図れる。

 ②製造条件の標準化:塗装条件や表面処理条件、熱処理条件、面取り条件
 検査条件、規格などが対象になり、これらは製造コスト低減に大きく貢献
 します。

(2)手順の標準化
 作業の進め方や手順を明確にすることにより個人差を防止し、適切な進捗
 管理が出来るようにします。またポカミスの発生防止と負荷予測を実現します。
 QFD(品質機能展開)の実施、FMEAの実施、デザインレビューの実施など。

設計業務は知識や経験といったノウハウが必要となるため、特定の担当者に業務
が偏っているケースが多いと考えられます。ベテラン、新人のどちらが設計を
担当した場合にも、一定の品質を担保するためにも設計標準化は必須となります。
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