2018年03月12日

キーワード解説:市場クレーム対策の進め方

【キーワード解説】
 ★モグラたたき品質管理からの脱出法【 ★是正処置【 ★再発防止【
 ★水平展開【 ★予防処置【1】 ★標準化とはどめ【 ★問題の放置【
 ★真の原因とは、しくみの不備までたどり着く【
 ★流出予防処置の種類は3通りある【 ★不良対策がうまくいかない3つの理由【
 ★検査の仕組みを設計する【】【 ★最優先で不良の流出を止める事【
 ★市場クレーム、不良流出をゼロにする【】【 ★市場品質問題と品質管理のレベル【
 ★不良ゼロ対策の手順:7つのステップ【
 ★製造品質を良くすること=コストを下げる事【


キーワード解説:市場クレーム対策の進め方

工場の不良原因の解析は、基本ステップを踏むことにより、確実に対策する
ことができます。
2段階(5M/3P)なぜなぜ分析の基本ステップは、多品種少量、変種変量生産時代の
不良原因解析と対策手順の王道を目指し、実務ですぐ使える技法&ツールと
して継続して改善研究を行っています。

納品先が納得する3つの品質対策とは?製造業のクレーム対策の進め方

自動車部品メーカーが、顧客メーカーから信頼を得られる品質対策について考えてみます。
モグラたたき対策では納得してもらえない厳しい現実を打破するには、品質管理力を高める
以外に方法はありません。

1.ある部品工場の不具合対策事例
自動車部品の量産工場、月産、約200,000本のステアリング部品の生産をして、某メーカー
に出荷しています。半年ほど前に、客先メーカーから当社の生産した製品のネジがきつくて
相手部品が組み付かないとクレームがありました。暫定的に流出を防ぐため客先から全数
検査の指示がありました。

対象製品を急いで隔離、選別をして対応しました。後日工程内での発生原因の追求をして
発生原因の解決が出来ました。発生原因、流出原因、水平展開をして客先に報告したの
ですが客先からは全数検査の解除が出ずに未だに完成した製品を全数検査しています。

さて、客先メーカーはなぜ、全数検査を解除しないのでしょうか?

2. 再発防止策だけでは納得してもらえない?
客先メーカから見て、上記の対策では納得できないのだと思います。
では、どこが納得できないのでしょうか?

製造メーカでは、最初に①因果関係の究明を行い、次に②直接の管理の要因を洗い出し
 ・ねじ穴を規格通りに加工する作業手順書通りに作業を行ったか?
 ・ドリルの交換周期のルールを守っていたか?
 ・ねじ穴が規格通りの寸法で加工されているかある間隔で確認したか?
などの管理要因の不備を対策し、この問題は再発防止策が打たれたことを報告しました。

しかし、ここまでは、すでに発生した不具合の原因究明と対策であり、モグラ叩きにすぎ
ません。ほかに、管理上の不備・欠陥、作業ミスなどにより、様々な不具合が発生する
可能性があるのではないかと疑いの目で見られます。

不具合が発生したら対策する「後追いの改善」の結果をいくら報告しても、今の厳しい
市場環境下、お客様は納得できません。お客様は、ほかに不具合の可能性がないかどうか
をすべて検証し、今後不具合が絶対に起きないように対策してほしいと思っているはずです。

3.お客様が納得できる報告とは
では、お客様の納得する報告をするには、具体的にどうすればいいでしょうか?
それには品質管理の考え方を、問題が起きないようにあらかじめ予防処置を講ずる「未然予防」
の品質管理の考え方に変えていかなければなりません。そのような体制がとられない限り、
永久に全数検査を義務付けられることになるでしょう。

未然予防の品質管理とは、不具合発生を予測し「予防処置」を組み入れた「工程設計」、製造
工程における異常をいち早く発見し不良発生を未然に防止する「4M変化点管理」、そして
不良を一切流出させない出荷停止機能を持たせた「検査方式」の構築です。
これらの上流から下流に至る工程の対策が流出防止の考えで構築されているのかがポイント
になります。

品質管理の基本0601.jpg

(1)工程設計(QC工程図)
工程設計のアウトプットはQC工程図です。
QC工程図には、5Mの要素である人、機械、材料、方法、測定などの管理項目を規定します。
例えば、溶接作業は1年以上の経験を持った熟練作業者(認定者)が、溶接作業手順書に
沿って作業を行い、出来栄え確認、合格基準を満たしていることを確認します。
このように、管理項目を規定し、漏れがないことを、例えば「工程FMEA」で検証します。 

(2)4M変化点管理
QC工程図が完璧にできていても、製造工程ではいつもその通りの作業ができるとは限りません。
例えば、熟練作業者が忙しく、経験1年未満の作業者が作業に当たらなければならないことも
あります。その場合はどうしたらいいでしょうか?

このような突発的な事態にどう対応するのか?を決めておく必要があります。例えば作業者の
行った溶接部分を、後で熟練作業者が必ず確認を行って、不良の流出を防ぐ手順を確立して
おきます。このような変化に応じた予防策を講じることを4M変化点管理といいます。

(3)検査方式
検査の方法はいろいろな種類があります。
例えば、作業者自らが後工程へ不具合品を送らないように検査する「自工程検査」、工程の
最後に専門の検査員を置いて検査する「第三者検査」、管理層が現場を巡回して作業者や
機械、製品を抜き打ち的に検査する「巡回検査」など、それぞれの目的を考えて、また製品
の品質状況に応じて検査方法、頻度等を決めます。

検査で重要な事は、不具合を発見したら「工程を止める」「出荷を止める」ことです。
この仕組みがないと、納期優先で、どんどん不具合品が流れていってしまいます。

この3つの未然予防対策を至急社内で整備し実績を報告することによってのみ、製造メーカー
は信頼され、全数検査が解除されるものと考えます。今までの後追い品質管理から決別する
ことが会社の存続のみならず更なる発展につながるものと確信しております。

是正処置、再発防止、水平展開、予防処置の違いについて:製造業のクレーム対策事例

是正処置、再発防止、水平展開、予防処置の違いについて考えてみます。
更に、標準化と歯止めについても考えてみます。
おそらく、すべての用語を正確に区別して正確に答えられる人は少ない
のではないでしょうか?
対策書1.jpg

 
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1.是正処置
「是正」を辞書で引くと「誤ったことを正しく改めること」と出ています。
しかし、ISOの是正は、それとは大きく異なります。
「組織は、再発防止のため、不適合の原因を除去する処置をとること。」
と記載されており、是正処置とは、不適合が発生したら、同じ不適合が二度と
起こらないように、不適合の発生原因を取り除く処置のことと規定しています。
 a) 不適合(顧客からの苦情を含む。)の内容確認
 b) 不適合の原因の特定
 c) 不適合の再発防止を確実にするための処置の必要性の評価
 d) 必要な処置の決定及び実施
 e) とった処置の結果の記録(4.2.4 参照)
 f) とった是正処置の有効性のレビュー(a~e)

是正処置は、工場の管理の仕組み、組織の変更、設備の見直しなどが含まれます。
作業指示書、検査基準書などその製品固有の管理手順(書)は単に処置であり
是正処置とはみなしません。

それだけでは、類似した製品や工程でも同様の不具合が発生する恐れがあるため
個別のドキュメント変更では是正したことにならないためです。

2.再発防止
ISOの是正処理と再発防止は同じ意味です。
不適合が発生したら、同じ不適合が二度と起こらないように、不適合の発生原因
を取り除く処置のことと規定しています。

3.水平展開
是正処置の効果をより大きくしていくための有効な活動は「水平展開」です。
ひとつの改善で得られた情報は、かならず、その結果を同じように活用できる
ところはないだろうかと考えることが大事です。
 a)同じような構造の機械はないか
 b)同じような作業方法をしているものはないか
 c)同じような材料を使っているものはないか
 d)同じような設計をしている製品はないか

どこまでが是正処置で、どこまでが水平展開なのかは厳密には区別がつけづらい
思います。
是正処置を行うときにはできるだけ、考えられる範囲で水平展開を図り、同様な
不具合発生しないようにします。


4.予防処置
「予防処置」とは「不適合やロス、ミスが発生することをあらかじめ予測し、
防止するために、その原因を除去する処置を決めること。」と定義できます。
ISOでは「予防処置」について以下の事項を規定しています。
 a)起こりうる不適合及びその原因の特定
 b)不適合の発生を予防するための処置の必要性の評価
 c)必要な処置の決定及び実施
 d)とった処置の結果の記録
 e)予防処置において実施した活動のレビュー

つまり「是正処置」は一度発生した事実「顕在的要因」に基づく再発防止策であり
「予防処置」はまだ発生していないが、「今、こうしておいた方が良いのでは
ないか」という予測による対策することです。つまり「潜在的要因」を除去する
発生防止策です。FTAやFMEAは予防処置のツールとして用いられます。

5.標準化と歯止め
歯止めとは標準化と管理の定着のことです。
「標準化」とは、だれがやっても同じようにできるような仕組みにすること
ですが、標準書とか手順書、或いは作業書といった作業をするためのマニュアル
を見直す、または新しく作り、そして、これを皆で順守するということが
標準化です。

しかし、決めごとだけ作って、それを実行しないと意味がありません。
決めたことがちゃんとできているかという点検やチェックが必要です。そして
それはやったかどうかの記録を残す必要があります。

それが「管理の定着」になります。

さらに新しい人が加わった場合は、その作業手順を教えなくてはなりません
つまり「教育」が必要ということです。
これら、「標準化」「教育」「管理の定着」を5W1Hで整理し、いつ・どこで
誰が・何・どのようにとするのかを明確にします。

工場の問題はなぜ放置されているのか?解決を阻んでいる5つの障害とは?製造業のクレーム対策事例

生産現場は今、様々な問題を抱えています。
納期遅れ、当初の計画がすぐに変更になる、不良が流出する、ヒューマンエラー
が多い、手直しが多い、外注品質が悪いなどなど・・・
結果として生産性が上がらず忙しいけれど利益が出ない、新人教育も満足に
できないという悪循環に陥っているのです。

では、悪循環を断ち切れないのは一体何が障害になっているのでしょうか?
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一言でいうと、人の考え方と行動が「品質管理の基本」から外れているからです。
では、その中身を見てみましょう。

1.今後担い手となる若手人材が育たたない。(育てていない)
職場で、自らが中心となって問題解決に当たり改善を推進していく人材がいな
ければ企業は発展しません。専門知識や経験はもちろん、周りの人を巻き込んで
コミュニケーションを図りながら、仕事を進めていける人材の育成が急務です。

与えられた仕事しかしないという作業者意識を捨て、自らが考え、行動する
スタッフが、今必要なのです。そのためには、中間層の底上げのための教育
(知識・実践)は最優先で行わなければなりません。

2.コミュニケーション不足、情報が流れない
自分の意見を言う、相手の言っていることを聞くなどのコミュニケーション
をもっと活発に行う必要があります。ベテランは新人に仕事のコツを教える
新人は先輩に分からないことは積極的に聞く、あるいは意見を言うというような
風土作りが必要です。

また部署間の意見交換も重要なことですが、あまり活発に行われることは
ありません。情報の流れの悪さが、行動を遅らせ、問題が放置されるのです。
ホウレンソウと唱えてもそれだけではだめです。情報が流れないのは、情報の
種類、ルート、方法・媒体などが明確になっていないからです。

全体朝礼、職場の朝会、現場ミーティング、会議、メールや通知類など、方法は
いくつもあります。どの情報をどうやって伝えるのかを明確にしてルール化を
行う必要があります。

3.責任不在(組織の役割不明確)
組織はあってもそれがうまく機能していないため、責任があいまいになっている
のです。
 ・結果を誰に報告していいかわからない
 ・社長から直接担当者に指示がくる
 ・管理者も担当者とおなじように現場で仕事をしている

など、中小企業ではよくありがちなことです。
これでは、自分だけで解決できない大きな問題が解決できず放置されてしまいます。
問題が起きるのは、部署と部署との情報やモノのやり取りでトラブルが発生する
からです。

自工程完結とは、自分たちのやるべきことを明確にして、それをきちっと守り
次の工程に渡すということです。
櫟本異なる異常が発生したら、どう連携を取って対処するのか、それぞれの役割を
決めておく必要があります。社長が、細かな指示まで、間違いなく出せることは
100%あり得ません。

4.手法の誤解・理解不足
なぜなぜ分析、FMEA、QCストーリーなど、何のためにどのような場面で
使うのかは、あまり明確に意識されているとは言えません。
問題解決ステップは、最終的に仕組みの是正を行って再発防止を図りますが
例えば、なぜなぜ分析では、しくみの悪さまで指摘できません。

このような手法の解説で、的を得た説明にはなかなか出会うことができません。
品質管理の普及活動にとって正しい情報が少ないのは憂うべきことです。

5.業務が標準化されていない
標準化されなければ、再発防止も、予防もできません。
また、ただルールを守れ!だけでは守れません。
標準化とは、どういうことをいうのかを正しく理解する必要があります。
 問題発生
  ↓
 原因究明
  ↓
 ルールの不備指摘
  ↓
 ルールを直す
  ↓
 周知して守らせる

この標準化のサイクルを回すことによって、はじめて再発防止が図れます。
ルール無し、無視、無知などが蔓延している工場は、品質管理は成り立ちません。

真の原因とは、しくみの不備までたどり着くこと!製造業のクレーム対策事例

真の原因とは、しくみの不備までたどり着くこと!
品質対策を行う場合、原因はどこまで追求するのか?という疑問が沸いてきます。
それは、間違ったなぜなぜ分析を念頭に原因追及を行った結果、いつまでも
原因にたどり着かないというのが実態です。
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では、真の原因にたどり着くためには、どのような手順で解析を進めればいいで
しょうか?

まず、物理現象の原因と、品質管理上の原因を分けることです。

●物理現象の原因とは何でしょうか?
例えば、部品の表面にキズが付いたのは、運搬中に部品同士が振動でぶつかった
とします。そうすると、ぶつかるという物理現象が起こって傷になった。
これが、物理現象の原因です。
物理現象の原因はぶつかったから傷がついたという因果関係が成り立ちます。

その原因を取り除くには、運搬中振動でぶつからないように部品と部品の間に
緩衝材を入れれば傷はつきません。これは「処置」で、品質管理上の対策は
何も実施していません。

●では、品質管理上の原因は何でしょうか?
作業者が、運搬作業を行う時、どんなルールに従って作業したでしょうか?
 ・部品を入れるトレーで運ぶことになっているが、その時トレーがなかったので
   トレーを使わずに運搬した
 ・作業者はトレーで運ぶことを知らなかった
 ・トレーを使うルールはあるが、一度に多くの部品が運搬できないのでルール
   を無視してトレーを使わずに運搬した
 ・運搬上のルールは全くないので作業者の判断で運搬している

ヒューマンエラーの場合、必ずルールを基準に作業がどうなっているのかを
探るのが品質管理上の原因究明のやり方です。つまり
 ルールがあるのか?無いのか?
 ルールを守っているのか?守っていないのか?
 ルールを知っているのか?知らないのか?
 ルール通り作業ができるのか?できないのか?

上記のように、ルールと実態のギャップをあきらになればそれが品質管理上の
原因です。物理的な原因は一つですが、品質管理上の原因は複数の場合も
あります。

●また、4Mの要因に分類してその中から原因を探す方法もあります。
これは、ヒューマンエラーと特定できない場合にこの分類方法で原因を探します。
 人・・作業者はルール通り作業したか?
 機械、冶具・・運搬車、トレーはルール通りのモノを使たのか?
 運搬の方法・手順はルール通りか?
 加工前の材料に問題なかったか?

この場合も、ルールが基準になります。
 ルールが全くなければ、品質管理はできません。(無法地帯)
 ルールを守らなければ、守るように指導しなければなりません。
 ルールと作業の実態がかけ離れているなら、合わせるようにどちらかを改善します。

●ルールが工場の基本です。
ただ、基本が間違っている場合もあれば、あいまいになっている場合もあります。

ルールを直すこと、ルール通りの作業、工程に直すことが再発防止につながります。
ルールに基づかない対策は、すべてモグラたたきとなって、再発を繰り返すこと
になります。


是正処置の本当の意味は?(再発防止、水平展開、予防処置の違い)製造業のクレーム対策事例

是正処置とは一体どのような処置でしょうか?
また再発防止、水平展開、予防処置の意味と違いについて考えてみます。
更に、標準化と歯止めについても考えてみます。
おそらく、すべての用語を正確に区別して正確に答えられる人は少ない
のではないでしょうか?



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1.是正処置
「是正」を辞書で引くと「誤ったことを正しく改めること」と出ています。
しかし、ISO9000でいう是正は、「組織は、再発防止のため、不適合の原因を除去する
処置をとること。」と記載されており、同じ不適合が二度と起こらないように、不適合の
発生原因を取り除く処置のことと規定しています。
 a) 不適合(顧客からの苦情を含む。)の内容確認
 b) 不適合の原因の特定
 c) 不適合の再発防止を確実にするための処置の必要性の評価
 d) 必要な処置の決定及び実施
 e) とった処置の結果の記録(4.2.4 参照)

つまり、「誤ったことを正しく改める」だけでなく、加えて「再発防止を確実にする
ことを求めています。
では、再発防止を確実にするとは、具体的にどのようなことを指すでしょうか?

2.再発防止
事故が起こると、必ず「事故の原因を速やかに究明し、二度と事故を起こさないように
万全の再発防止対策を講じ・・・」というのが決まり文句となっていますね。

しかし間違ってはならないのは、「修正処置」で終わらせてはいけません。
具体的には、不適合品に対して、手直し、修理、廃棄、人に対しては、優位勧告、教育
作業方法に関しては、「手順書の見直し」「基準の明確化」「検査の強化」などです。
これだけでは、「修正処置」の域を免れません。

では、何を行えば「再発防止」になるのでしょうか?
再び、ISO9000の主張を引用すると
「業務が定められた通りに実行され、所定の結果が確実に得られるよう、業務実行を管理
しなければならない。この管理で所定外の業務実行や結果が検出された場合には、『計画
どおりの結果を得るため、かつ、継続的改善を達成するために必要な処置をとることが必要
である。
是正処置をとる活動は、各業務の継続的改善に相当する問題対応の活動であり、『改善
の活動である」

つまり、「修正処置」以外に次のことが必要になるのです。
①「修正処置」で決められたことが正しく実行されるように管理すること。
②もし正しく実行されない、あるいは決められた通り実行しても不適合が発生する場合は
 更に追加の「修正処置」を取ること
③再発防止処置の決定と承認、その実行の責任など必要な事項を対策の手順に含めること

ほとんどの場合、手順書を修正する、教育するで終わってしまうが、それが正しく実行
されているかを管理し、結果を確認し、確かに再発しないということを判断し、承認する
ことが大切になります。

再発防止は、①~③の継続的な取り組みを含めた「改善活動」により初めて有効なものと
なるのです。

是正処置.jpg
3.水平展開
是正処置の効果をより大きくしていくための有効な活動は「水平展開」です。
ひとつの改善で得られた情報は、かならず、その結果を同じように活用できるところは
ないだろうかと考えることが大事です。
 a)同じような構造の機械はないか
 b)同じような作業方法をしているものはないか
 c)同じような材料を使っているものはないか
 d)同じような設計をしている製品はないか

どこまでが是正処置で、どこまでが水平展開なのかは厳密には区別が付けられない場合も
多いと思います。しかし、是正処置を行うときにはできるだけ、考えられる範囲で水平展開
を図り、同様な不具合発生しないようにします。

4.予防処置
「予防処置」とは「不適合やロス、ミスが発生することをあらかじめ予測し、防止するため
に、その原因を除去する処置を決めること。」と定義できます。
ISO9000では「予防処置」について以下の事項を規定しています。
 a)起こりうる不適合及びその原因の特定
 b)不適合の発生を予防するための処置の必要性の評価
 c)必要な処置の決定及び実施
 d)とった処置の結果の記録
 e)予防処置において実施した活動のレビュー

つまり「是正処置」は一度発生した事実「顕在的要因」に基づく再発防止策であり
「予防処置」はまだ発生していないが、「今、こうしておいた方が良いのではないか」と
いう予測による対策することです。つまり「潜在的要因」を除去する発生防止策です。
FTAやFMEAは予防処置のツールとして用いられます。

5.標準化と歯止め
歯止めとは標準化と管理の定着のことです。
「標準化」とは、だれがやっても同じようにできるような仕組みにすることですが、標準書
とか手順書、或いは作業書といった作業をするためのマニュアルを見直す、または新しく
作り、そして、これを皆で順守するということが標準化です。

しかし、決めごとだけ作って、それを実行しないと意味がありません。
決めたことがちゃんとできているかという点検やチェックが必要です。そしてそれはやった
かどうかの記録を残す必要があります。それが「管理の定着」になります。

さらに新しい人が加わった場合は、その作業手順を教えなくてはなりません。つまり「教育」
が必要ということです。
これら、「標準化」「教育」「管理の定着」を5W1Hで整理し、いつ・どこで・誰が・何を
・どのようにとするのかを明確にします。

品質管理活動とは、不適合の発生を防ぐために、日常の業務の中で、管理の定着を図り結果を
レビューするという継続的な取り組みを行うことを言います。

品質問題の市場流出防止対策、3つのポイントとは?製造業のクレーム対策事例

品質問題流出を防止する場合、3つのポイントで対策します。
さて、3つのポイントのどこで対策するのが一番効果的でしょうか?


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日本の製造業の現在置かれている状況は、多品種少量の受注生産企業がほとんど
となっている。製品を受注し製造を行うに当たって、品質管理上様々な課題がある。
 ・すべての製品についてQC工程図・作業指示書を作成することは困難となっている
 ・多品種少量で、急な納期、また頻繁に変更が入る受注生産においてミスが多発する
 ・問い合わせ、調整作業など間接的な作業が増加し、そこでミスが多発する
 ・多品種の製造は非正規作業者の増加等もあり教育・訓練が行き届かずミスが多発する
品質対策1.jpg

●それぞれのポイントにおける対策内容を詳しく見てみましょう。
 ①工程の設計
  QC工程図を作成する段階、工程を準備する段階で、あらゆるトラブル発生を
  予測し、予防策を工程に組み込んでおく。
  上流工程で対策することにより、製造工程で問題が発生しないようにする。
  対策内容として
   ・製造工程の4Mの管理項目を明確にする(QC工程図)
   ・ミスの起きやすい作業は、ポカヨケなどの対策を組み込む
   ・特殊な作業は、訓練を受けた作業認定者を指定する
   ・工程FMEAを実施して、潜在不具合の流出防止策を講ずる
   ・初期量産ロットで、初期流動管理を実施し、問題点をQC工程図に
    フィードバックする
   ・作用者訓練を実施する

 ②製造工程
  生産を開始した後、不具合が発生しない様、現場レベルで対策を講ずる
   ・普段とは違う異常な事象、予兆を捉えて不良になる前に対策を講ずる
   ・出来栄えのばらつきが管理限界を超えた時、原因究明と対策を行う。
   ・設計変更、工程変更時の確認手順を決めておく
   ・変更情報の伝達方法、伝達先、内容、フォーマットを決めておく
   ・突発的に工程にトラブルが発生した時の手順を決めておく
   ・工程の異常、製品の異常の内容と対処方法決めておく
   ・作業の中断、再開時の確認手順を決めておく
   ・基本作業における作業者訓練を実施し、スキルマップを管理する
   ・ルールを順守し、作業を行うように指導する
   ・ヒヤリハット報告のしくみを運用する

 ③検査
  お客様に不具合が流出しないように検査のしくみを作って流出を防止する。
   ・顧客要求がある製品について、指定内容に従って検査を実施する
   ・設計変更など変化点発生での検査方法を決めておく
   ・工程ストップ、出荷停止の権限を行使する
   ・第三者検査、巡回検査、自工程検査などを組み合わせ流出を防止する

さて、上記①~③の対策で、どのポイントで対策するのが効果的でしょうか?
一般的に、未然防止のためには、①の工程設計段階で対策するのが理想と
されています。

●どのポイントの対策が最も効果的か?
しかし、現実は、QC工程図を作成しない小ロットの製品も存在します。
全てが理想通りにいくとは限りません。
①を補う形で②、③をうまく組み合わせ、総合的に対策するようにします。
近年では多品種少量生産、短納期に対応しなければならないこと、また非正規
社員の増加などによって作業ミスが多く発生する状況にあります。

あるべき姿としては、①のポイントを重視すべきです。
しかし現実的には、③の検査を流出防止の有効策として見直していく必要も
あると考えられます。

●検査において特に、重視する点は2つあります。
一つ目は、検査不合格の悪いものは絶対に市場に出さないこと。
これは当たり前のことですが、実際には様々な圧力が働き、悪いとわかって
いながら市場に出してしまうという不祥事が多発しています。
これは品質部門は何のためにあるのか?存在価値が問われます。出荷停止
権限を行使して、断固市場流出を防ぐ行動が必要と考えます。

二つ目は、自工程完結の考え方です。
つまり、自分で行った作業は、自分でミスがないか再確認することです。
これは、工程の作業でも事務作業でも同じことです。悪いものを後工程に
渡さないとする確認作業を個人レベルで習慣づけることです。
効果的な方法として、目視だけでなく、「指差し、声出し確認」を作業後
に徹底することです。
不規則かつ、急な作業などが増加する中で、自工程完結の考え方を浸透
させていくことがミスを防ぐためには重要であると考えます。

慢性不良の原因究明と対策:製造不良再発防止対策事例

ここでは慢性不良対策の特性要因図による解析事例を紹介します。

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1.慢性不良とは
慢性的な品質不良は、長期間に渡って発生し続ける不良であり、致命的ではない
が、不良として工程内で選別処理されており、大きな問題にはならないがゆえに
放置されがちな不良です。

ただ積もり積もって企業にとって多大な損失(品質ロス・コスト)を招いてい
ることが多く、実は経営を圧迫しかねない問題なのです。

慢性不良は、一般には材料を含む製造上のばらつきがある程度大きく、工程能
力が低い状態で発生します。
近年の商品開発の短期化、小ロット多品種生産のもとで、設計マージンの十分
取られていない製品が量産化され、量産ロットも小さいために、不良対策が後手
後手に回ってしまうケースも多くなっています。


2.慢性不良対策の体制

従って、慢性不良を解決するには、一担当技術者の範囲では難しく、全社ぐるみ
のプロジェクトを組んで解決に当たらなければなりません。慢性不良がなくなら
ない理由の1つとして、小集団活動や技術者個人の取り組みは限界に来ているこ
とを示しています。

しかしながら、しっかりしたプロジェクト体制を構築して組織一丸となって慢性
不良に取り組むからには失敗は許されないことを肝に銘ずることが必要です。

というのも、それには設備の見直しや工程の大幅改善などが伴う場合も多く、
改善後の一時的な効率低下や、費用面での負担も伴うからです。

3.慢性不良の原因解析
さて、慢性不良を解析する上では、不良の状態を詳細に分析することがとても
重要になります。三現主義で、不良が発生している現場を捉えることです。

犯罪で刑事が現場を調べたり聞き込みで事実を掴むのと同様に、科学的・論理的
に何が起こっているか?を詳細に調べます。その方面の固有技術に詳しいメンバ
ー主体で原因調査を進めることになります。

その方法は、リアルタイムに不良が発生している状況を見る、そのほか、不良品
の断面を見る、顕微鏡で拡大して見る、不良部の成分を測定するなどの方法で
正しく実態を掴みます。

例えば、傷の不良に悩んでいたとします。打痕、ひっかき傷、こすれなど、現象
を細分化しなければならないのに、一口に傷と不良項目をまとめていることで、
本当の問題が隠れてしまいます。
 ・傷の状況を拡大してみる(10倍~20倍)
 ・傷の箇所に付着物が無いかどうか見る

まずは不良の現物を自身の目でしっかり見てほしいのです。
現象をきちんと把握できれば、それが慢性不良を解決する糸口になります。

どうしても、不良発生の事実が掴みづらく見つからない場合は、原因を推定し
その原因を引き起こす要因について、発生確率の高いものから対策を打つこ
とになります。

例えば、どの工程で傷がつくかわからないと言った場合、各工程ごとに考えられる
要因を列挙して、一つ一つ対策してつぶし込みを行います。

4.特性要因図による原因の推定
特性要因図(魚の骨)は、不良の事象を頭にして4Mに分類した要因を列挙し、それ
ぞれの要因ごとに実際の現場を確認したり、データを取って要因を絞り込み、原因
を特定します。

これと類似した解析方法としてFTA(故障の木解析)があります。
FTAは、予防しなければならない事象について、その発生確率を予測する場合
使用します。

その追跡の過程で、発生要因事象についての想定外をなくす工夫をしなければなり
ません。例えば、すべての工程に関する作業を明らかにして、4Mで分類します。

前述の傷の場合、設備・治具、人、作業方法材料に分類し、傷の発生する要因を
洗い出します。発生確率が低いと思われる項目は優先度を下げ確率の高いと思われ
る項目から対策を打って結果を判定します。

慢性不良としてすでに傷の発生が認められている場合は、特性要因図で解析し
傷の発生を予防するのであれば、FTAによって発生確率を予測します。
是正処置と予防処置、また事実に基づくのか、それとも推測データに基づくのか
の違いが両者にあります。

(事例)
私の支援先であるある工場において、電子回路基板上に付着する異物(コンタミ)
付着防止対策を行った。
PCBボード受け入れ検査工程、PCBの部品実装工程、手はんだ工程・・・のどの工程
で、異物が付着しているのかを、特性要因図を使って解析を行った。

 ★ 異物調査特性要因図解析
 (企業内部情報を含むため、現在ダウンロード制限を行っています。もし入手希望
  の方は、メールにてご連絡ください)   

5.慢性不良の対策
対策を打つ前に試行し、効果を確認します。
ある期間の試行で効果がありそうだと判断した場合は、プロジェクトとして最終決
定し、工程の変更、設備の導入に踏み切ります。
もちろん、本格対策後も不良データーの監視は続けることになります。

この慢性不良対策は結構、体力を要します。中小企業では、スタッフの数も限られ
ており、日常業務の合間に、プロジェクトとしての役割も担う必要もあるため負担
も大きくなります。

プロジェクトには、外部から専門家(口だけ挟むのではなく、現場で一緒になって
解決に当たる実務家)を招く事も一つの方法です。

製造問題はなぜ再発する?不良対策がうまくいかない3つの理由:製造業のクレーム対策事例

ヒューマンエラーをはじめ、工程で発生する不良は対策したと思ってもまた
再発することがあります。
再発する不良は、同じ製品、同じ工程、同じ作業者の場合もあれば、類似の
製品、他の工程、他の作業者で発生する場合もあります。


 ★無料サービス

不良対策がうまくいかないのは、以下の3つの理由があげられます。
①三現主義の放棄
 現場をよく見ていない
 現物をよく見ていない
 現実を良く見ていない

原因解析は固有技術、現場を熟知したプロの知見が必要、素人では見る
ポイントは絞れない。
因果関係を科学的、論理的究明する知識・能力と「これはおかしい?」と
直感する経験と感性、洞察力を磨く必要がある。  

②問題の放置
 問題を放置する社内風土
 小集団活動の形骸化

組織の責任不明確・日常業務の改善活動サイクルが回っていない現場では
問題がそのまま放置されたままになっている。
また問題が隠れている、異常状態が見える化されていないために気づかない
場合も多い。
問題(異常)は現場ですぐ対処し解決する。また難しい問題も、解決ルートに
乗せて組織力で処理する。解決のフォロー、支援は管理層の職務。
  
③正しい対策方法を知らない
 固有技術の未熟によりメカニズムの解明ができない(過去事例の蓄積がない)
 仕組みの改善(再発防止策・水平展開)がされず、その場限りの対策となっている
 品質改善手法の誤った理解、選定と使用 (なぜなぜ分析、FMEA/FTA)

手法は、手段であり、導入することが目的ではない。
前提として、品質管理の正しい理解と、継続的な品質管理活動が欠かせない。
その原動力となっているのが、固有技術と管理技術を身につけた「プロ人材」の
存在である。

多品種少量生産では、特に①、②は致命的です。
問題を現場主義で正確に捉え、速やかに対処していくことが重要です。
また形ばかりの手法にこだわっていては、③の正しい対策は打てません。

「人がいないから」「時間がないから」などの理由は取引先には通用しません。
その厳しい環境の中で、いかに品質管理のレベルを上げて行くのか?が管理層の
知恵の出しどころです。最優先は、何が何でも流出を止めること!です。

1.不良対策のレベル
不良対策のレベルは、もぐらたたき/再発防止/水平展開に分類されます。
不良対策のレベル .jpg
●もぐらたたき
思い付きやカンに頼った対策、個人のミスで済ませてしまう対策のこと。
少なくともこの品質管理レベルからは早急に脱出しなければならない。

●因果関係の究明と対策
発生した固有な問題を三現主義(現場、現物、現実)、データに基づいて、
なぜ発生したのかを論理的に解明し対策すること。そのためにはプロの知見が
必要で、破壊・劣化などは物理的な因果関係の究明、ヒューマンエラーは
人の責任だけで終わりにせず、管理(しくみ・ルール)上の原因を究明する。

この事によって、発生した固有な不良に対しては「再発」はしなくなる。
但し、類似の製品、類似の工程での問題、人が替わることによって再発する
可能性が高い。

●しくみの欠陥の解明と対策
類似の問題も含め発生を防ぐ「再発防止・水平展開」するには、日常管理の
しくみの見直し、人事制度の見直し、組織の見直し、または新たな設備の導入
等も対策の対象と考え、工場全体をカバーする汎用性を持たせた対策(水平展開)
がポイントとなる。

因果関係の究明と対策、しくみの欠陥の究明と対策の2段階で行う不良対策
手順は「不良原因解析なぜなぜ2段階法」の説明を参照してください。

2.不良対策の対象となる工程
工程に対して不良対策を行うには3種類の考え方がある
対策工程.jpg

①工程を設計する、あるいは工程を準備する段階で、あらゆるトラブル発生
を予測して、事前に対策を組み込んでおく。
(例えば、ポカよけ治具をあらかじめ工程に組み込んでおく)

②製造開始後の工程で、普段とは違う異常な事象、不良ではないが予兆
 (ばらつき大・規格ぎりぎり)を発見して、原因究明と対策を行う。
 (異常の見える化と4M変化点管理)

③お客様に迷惑を掛けないために、自動検査ロボット等を導入して、全数検査
 を実施し、流出を水際で防止する。
 そのために、効果的な検査工程を設計する必要がある。

対策は①、②、③のしくみを総合的に見て、その中の不備な部分を改善する。
その繰り返しによって(品質改善活動)、理想的なしくみに近づけて行く
努力が必要。


工場の不良対策!検査の仕組みを設計する:製造業のクレーム対策事例

検査の目的は何か?
不良を絶対に社外に流出させないことです。
最近のニュースを見ていると、大手企業の品質に対する感覚がマヒしている
ように思われます。

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1.流出防止策を講ずるとは
設計部門が悪い、品質システムが定着していないと言っても、品質は良くなり
ません。まず自部門の品質保証部内をしっかり固めることです。品質保証部と
してできる事、外に不良を出さない対策から始めることが重要です。

ここで実績を上げたなら、社内への影響力を拡大し、本格的に本来の不良の
発生源を止める対策に着手します。不良が止まったことで、まず顧客からの
信頼が得られそして、社内改革実施のきっかけとなるのです。
これは、企業に所属していた筆者自身の経験から得た事実です。

2.検査工程の設計と運用
冒頭で述べた通り、お客様に迷惑が掛からないように、まず市場への流出防止
の重要性を認識し、対策を講じます。一時的にお金の掛かる手段もやむを得な
いのです。
これが今の工場の実力として理解し、一時的なコスト上昇はやむを得ないと考え
検査を強化して、社外への流出を止めます。


2,1 検査工程を設計する
どの工程で何を検査するか、全数検査か、抜き取り検査か?または巡回検査か?
など、製品や工程の品質状況に応じて決めます。常に効果を把握し、やり方を
改善していく、現場の管理者との情報共有は重要です。

検査の工程の種類としては以下のものがあります。
 ①受け入れ検査
 ②工程内検査(自主検査)
 ③工程巡回検査
 ④出荷検査
 ⑤最終抜取検査
 ⑥立会検査、出講検査
 ⑦協力工場工程監査

検査の方式としては以下の5種類に分かれます。
 ①抜き取り検査
 ②片側検査
 ③両側検査
 ④順次検査
 ⑤全数・全長検査

検査の意義としては以下の3つがあります。
 ①不良品の流出防止
 ②モノの品質を見て、工程管理の仕組み改善へ反映
 ③顧客の立場でモノを見て出荷品質を保証する

また、検査工程を入れるもう一つの目的として、工程STOP、出荷停止処置を
取るための情報を素早く入手することです。そのために品質保証部門の
「出荷停止」権限を明確に規定します。

2.2 検査工程を運用する
検査工程を設計し、検査員を配置したら、当たり前のことですが、継続的に
運用しその検査の効果を図る必要があります。

検査数量、検出した不良数量、不良内容を毎日記録し、前工程に対して不良
が発生しないように情報をフィードバックし、翌日の検査で効果を見ます。

ただ、この作業を継続して行うことは大変な根気と熱意がいります。管理監督
者はよくこの仕組みを理解し協力しあって、品質を良くしていこうとする雰囲気
を作って行かなければ続きません。

検査部門(品質保証部門)の役割を整理すると以下の通りです。
 ①検査工程設計
 ②出荷品の検査による品質保証
 ③出荷指示、出荷停止指示
 ④検査技術の改良
 ⑤検査員の資格認定
 ⑥立会検査

2.3 検査の位置づけ
実は、効率的な検査工程、検査員のあり方について、流出防止の重要性を理解し
ながらも、ほとんど有効な手が打たれていない状態となっています。
 ①検査を行っているが、不良流出は止まらず、目的や方法が形骸化している
 ②人材を検査員として教育し、有効に機能させる方策が打たれていない
 ③検査工程をどこに、どんな手段で配置するか、考慮されていない
などについて、品質保証部長の正しい現状認識と決断が必要で、もっと与え
られた権限を充分に活用すべきです。
検査は、お客様の立場で品質確認をするという「保証検査」の役割を十分に
果たすことが求められます。
特に官能検査と言われる、アナログ的な判定では、自工程検査ではどうしても甘く
なりがちです。
そこは、しっかりと顧客と取り交わした「限度見本」で、訓練された検査員が判定
する体制を取るべきです。

第三者検査.jpg


2.4 全数検査の限界
良く行われる人海戦術で、工程の最後に検査員を置いて、全数検査を行う場合を
想定してみます。これは、人件費の安い新興国の工場で良く行われている手法
です。
しかし、この方法も安心できないのです。検査員は、指示された箇所の検査は
一生懸命まじめに行います。ところがそれ以外の検査はしません。

工程ではあらゆる不良が発生する可能性がありますが、ここは良く不良がでる
から注意しようとか、あの作業者は良くミスをするので、検査もしっかり見ない
とダメとか、仕事に応用が利かないのです。

また、始めた当初は緊張感を持って検査しますが、時間が経つにつれ、見逃し
が起きる様になり、全数検査を入れれば安心という考えを持っていると、思わ
ぬ失敗をすることになります。

全数検査は緊急時を除き、人手による方法は避けるべきです。
自動検査機」など、機械化を検討すべきです。既製品は高価なため
できれば自社で、簡単な専用装置を考案して導入します。
顧客との契約上、あるいは顧客の信頼を得るために必要と判断した場合に導入
を検討します。


2.5 検査員の待遇
検査員として教育するためには、検査員は待遇面での優遇や生産現場での権限
付与などを制度化し、一般労働者とは違うという意識を本人や周りの労働者に対
して植え付けることが重要です。

優秀な人材を労働者の中から発掘し、会社を長期間辞めずに検査員として熟練
度を積み上げられるよう環境を整えることが有効な手段と考えられます。

検査員ごとの不良の発見数、改善提案数の工場内掲示毎月ごとの表彰、報奨金
など、たとえ僅かでも検査員へのインセンティブを与え、意識高揚を図ること
も有効な手段です。逆に、不良流出させた検査員に対する再教育制度なども併
せて制度化します。

2.6 重要な現場監督者
このような品質保証部長の考え方を推進するために重要なのは、検査課の主任な
どの現場監督者の存在です。
彼らにその考え方を良く理解させ、優秀で、適任な人材の発掘、検査員教育を日
常的に実施することが重要になります。

3.不良原因解析を確実に実施する
少なくとも発生した不良は、すぐに潰さなければなりません。
不良対策の手順を確実に実施することが再発防止につながるのですが、これは
品質保証部門だけでは限界があります。関連部門の協力を得るためにも「流出
防止」で社内の実績作り、顧客の信頼獲得が必要なのです。

発生した不良原因の究明、対策手順は以下の通りです。
 ①要因分析
 ②要因の絞り込み
 ③原因の特定(不良の直接の原因)
 ④原因の対策(是正)
 ⑤管理原因の究明(なぜ不良発生を予防できなかったか?)
 ⑥管理の仕組みの改善
詳しく解説しています。

工場の不良対策!品質保証部長は「出荷停止権限」を行使せよ!製造業のクレーム対策事例

工場のトラブル未然防止の品質管理のしくみ、予防処置を講ずる必要性は十分
わかっていても、なかなか理想通りにはいきません。労多くして効果はすぐに
期待できない現状の中で、品質保証部長として最優先で取り組まなければなら
ない事は、不良品は絶対に外に出さない事」です。

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これは当たり前のことと思われますが、最近は大企業でも、不良品を合格品と
して市場へ垂れ流す不祥事が相次いでいます。

品質保証部長が品質保証部としての社内戦略を持たないと,部下は肩身の狭い
思いをします。品質保証部長は「何をすべきか」を明確にしなければいけない。

品質部門は、不良品の選別を行ったり、ISOの維持管理だけを行う無力な組織
と化してしまっているのは、そこの責任者である品質保証部長の責任です。

品質保証部としてやらなければいけないことは
①不良を絶対に外に「出さない」プロジェクトを発足させ
 品質保証部の実績を上げること
方法はいろいろあるが、即効性が期待できるのは「検査」です。
悪知恵でもかまわないので,とにかく不良流出ゼロを実現してみせる。
そうしないと,何を言おうと信用してもらえず、あとが続かないのです。
検査で不良が発見されたら、即ラインストップを宣言します。
納期が遅れ、営業や生産部門から文句を言われようが、かまいません。
検査の役割は、「特採」で出荷することではなく「出荷を止める」ことです。

不良の原因が突き止められ、品質が確認されるまで出荷は許可しないことです。
生産スケジュールや納期の心配は生産部や営業部門の責務です。

こんなことを繰り返していたら、工場の信用が丸つぶれとなると総スカンを
食うことは明らかですが、そこで踏ん張れるかが勝敗の分かれ目です。

データをねつ造して良品として出荷する行為こそ、致命的な信用失墜につながる
のです。これを見逃してはいけません。

第三者検査.jpg
やり方としては、最初に影響の少ない製品で、工程ストップを宣言します。
そこで、工場全体がどういう動きを取るのか?顧客に対してはどのような
アクションを取るのかを、事前に想定しておき、シナリオ通りに行動に
移します。
慣れて?きたら、重要製品でも工程ストップ権限を発動します。
これで、工場中が迅速に動けるような仕組みができ上がればしめたものです。
まず、周到に計画し、勇気をもって行動に移すことです。

検査は付加価値を生まないというのが一般常識ですが、垂れ流し検査をしていては
付加価値を生まないのは当然です。

②次は,不良を「入れない」しくみを確立させる
協力工場の納入品質のよしあし評価を通じて,「受入停止権」を獲得することです。
同様に、停止後の対策、良否判断基準を決め、「停止解除」の宣言も行います。
協力工場のランク付けを行い、見える化することによって、協力工場相互の
意識づけ、競争意識を高めます。

以上の2点をライン業務として責任を持つこと、そうすれば品質保証部の言う
ことを素直に聞いてくれる人達も増え,上層部への発言力もアップします。
実績を上げると、品質を通じた改善業務がやりやすくなります。

不幸にしてクレーム発生した場合は、迅速化処理、流出防止を最優先させることです。
品質トラブル流出の、処理のまずさは、原因を追究し「トラブル発生を押さえる」
という発想にこだわり、対策が後手後手にまわってしまう点です。

理想は理想として、とにかく今は本質論より、流出防止をどんな手段を使ってでも
最優先させることです。
そして最後に不良を作らない社内改革に着手します。

これが、グローバル化した生産体制、国内での多品種少量生産における品質確保
の最も効果の上がる方法です。

③不良を「つくらない」しくみは,本来は,生産部門部門が
 主体となって進めるべき問題です。
しかし、日常の業務に追われ、後回しにされているのです。
そこで,品質保証部が主体となって製造,技術の3者合同のプロジェクトを
発足させ、「未然予防の仕組み」を構築します。


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④品質管理の仕組みを定着させる
以上のように製造品質の不良を外に「出さない」「入れない」「つくらない」
3ない品質管理方式が確立してから,それを定着させるための管理の仕組み
づくりに着手しますが、環境変化の激しい時代では、なかなか確立が困難な
状況となっています。

品質管理の究極の目的は、トラブルを未然に防止するしくみづくりです。
しかし、それは一朝一夕に実現できるものではありません。
日本品質はもともと優秀な技能者によって支えられてきたのであって、決して
品質管理のしくみが出来上がっていた訳けではありません。

従って、即効性のある流出防止対策「ライン停止」「出荷停止」「受入停止」
を徹底し顧客の信頼獲得すると同時に、市場流出による失敗コストの低減
に努めることこそ最優先の命題であると考えられます。



市場クレーム、不良流出をゼロにするには?製造業のクレーム対策事例

市場クレーム、不良流出をゼロにするには、当研究所が推奨する
「不良原因解析と再発防止2段階なぜなぜ分析法」により、確実に再発防止対策
を講じて行くことが求められます。

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品質問題は、経営を揺るがす経営問題の発展しかねません。しかしながら
品質管理は、品質部門だけに押し付けるという間違った品質管理の常識が社内に
蔓延しています。

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クレーム対策方法、クレームをゼロにするにはどうするか考えてみます。

必要なのは不良品を顧客に渡さないことです。
顧客の考える不良とは、使ったとき機能を発揮しない品物、あるいは使っている
うちに機能が低下してしまうような品物のことです。顧客は必ずしも高品質の
品物を求めているわけではなく、むしろ性能の安定した品物を望んでいるのです。

クレームが起こる第1の原因に機能の欠陥があげられます。
本来、カタログや仕様書にはその品物の機能・性能が書かれていますが、それを
信じて購入した顧客は、品物の機能・性能が満たされていなければ、それは欠点
となり、期待ばずれを感じ、クレームを申し立てることになります。

品物の機能・性能が満たされないのは、カタログや仕様書が、製品の機能と明らか
に異なる場合、また売り手側と買い手側の解釈の違いがあげられますが、作り手
側の論理で、顧客の要求している機能、使い方やメンテナンス性を十分取り入れ
た設計がなされていないことが考えられます。

第2は仕様書や図面とは異なる品物が出荷される(ばらつき)からです。
「製造上のばらつき」は、材料、部品のばらつき、製造設備の故障、狂い、作業者
の作業のばらつきなどですが、これらの影響を小さくしようとして、開発設計時に
価格の高い高級な材料や部品を用いようとし、また精度の高い高級な設備を導入し
ようとしたり、作業者に複雑で手間のかかる作業の負担を強いることになります。
これは明らかにコストアップにつながるし、好ましいことではありません。

第3は使用中にカタログ通りに機能しなくなることです。
製品機能の変動の原因は、製造工程で起こるばらつきの他に、使用環境の変動
劣化や摩耗により機能特性が変化するからです。
「使用環境のばらつき」は、品物の使用中の気温、湿度、気圧、電圧、姿勢など
の変化による影響のことをいいます。ユーザーは品物の使用目的に応じて多様な
環境で使用しますが、仕様書で使用制限をしていないのなら、あらゆる使用条件
で表示通りの機能特性が得られるものと考えます。

開発設計の性能確認を標準条件で行って、どんなに良い値が得られてもあまり
意味が有りません。使用中の環境条件の変化を加味した開発設計の方法が必要
なのです。

「劣化、摩耗によるばらつき」は、構成する機構部品が摩耗して寸法が変化した
り、或いは構成材料が保管中、使用中に経時変化で劣化、疲労し変質することに
よる目的特性の変化により発生します。

上記のように、クレームが起きる原因は3種類に分類することができます。
1.最初から機能そのものが満たされない
2.使い方によって機能が満たされない、けがや災害が発生する
3.使っているうちに機能が満たされなくなる

では、クレームをゼロにするためにはどうすべきでしょうか?
市場に流出する不良は、氷山の一角です。
製品が出荷されるまでの社内工程の品質管理、あるいは組織の品質管理に問題
があり、それらの要因を一つ一つ洗い出して対策を講じていく必要があります。

品質管理の目指す目標は、未然防止の品質管理です。
そのための仕組みや、組織を強化すること、そして人材教育をしっかり行う
事が求められます。


検査の目的と種類:製造業のクレーム対策事例

検査の目的は、不良品を絶対に社外に流出させないことです。
もう一つの目的として、工程の5Mの管理項目(人、機械、材料、手順、測定)
がそのルール通り、守られているかどうかを確認することです。

多品種少量生産の工場では、人が主体となって判断し、作業を行うため、ルール
に沿った正しい作業が行われていることを確認することがより重要となっています。



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モノの検査は現場の作業者や検査員が行います。
 ①自工程検査(自主検査:反復確認、指差し呼称など)
 ②第三者検査(ロット検査・全数検査)

しかし、工程の5Mの管理項目の検査は少し工夫が必要です。

1.職場(工程)巡回
管理監督者による職場巡回は、現場の様々な問題を発見、またルール順守を徹底
させるなど総合的な効果が期待できます。管理層は、デスクワークだけでなく、
現場を一日に一回は、巡回する習慣をつけるべきです。その場合、現場(機械や
人)の変化を見逃さない感性、気づきが重要となります。

2.報告書・データ、帳票の承認
提出文書、見積書、検査測定データなど、お客様など、外部に送付する前には
通常、管理層の承認が必要になります。しかし、往々にしてめくら印、めくら
サインを行う行為が横行しています。

やはり、管理する立場で、その数値の根拠、考え方、プロセスなど作成者に問い
正し、承認するという行為を徹底すべきです。メクラ印は絶対にやめるべきです。

隅から隅まで時間を掛けてみる必要はありません。担当した者に、考え方を聞く
だけでいいのです。そこで、つじつまが合わなかったり、答えられなかったり
した場合は、文書やデータの信頼性が低いということになります。

3.教育訓練と作業認定(適性の検査)
ルール通りの正しい作業を行うには、計画的な教育訓練(OJT)実施と結果を
評価し、作業認定を行うことです。新人に対する教育訓練に留まらず、例えば
6か月、1年間隔で再教育を実施し、手抜き自己判断による勝手な作業を防止
します。

以上説明した通り、多品種少量生産時代の検査は
 ①モノの不良は絶対に外に出さない
 ②作業の不良は「自工程検査」「現場巡回」「承認」によって正しいモノや
  情報を後工程へ渡すこと
 ③教育訓練により、作業認定(適性の検査)を行い正しい作業に就かせる
の、3点が特に重要となります。

製造業 市場品質問題と品質管理のレベル:製造業の製造業のクレーム対策事例

データ改ざん、ねつ造に代表される品質問題に関するニュースが最近大きく
報道されています。
そのほかにも自動車のリコール、食品の異物混入で操業停止など、経営を
揺るがしかねない問題は枚挙にいとまがありません。


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なぜ、品質問題が多発するのか?
消費者が敏感に反応するようになったことも否定できませんが、国内市場の
縮小、海外シフトにより、日本の工場の現場力が低下してきていることも
大きな要因と考えられます。

ものづくりにおける「品質をどうやって作り込むか?」という品質管理の
基本が形だけになり、作り込のレベルが消費者の要求に沿っていない、また
むしろレベル低下しているとさえ思えます。

7つのステップ.jpg

このように、日本の企業の品質管理は今、危機的な状況にあると言えます。
ISO9000などの品質管理システムを取得しても形式的な運用に終始し、また
かつて活発に実施されていたQCサークル活動も下火となって、QC七つ道具も
ろくに知らない若手社員が増えてきています。

品質工学をはじめとして、FMRA、品質機能展開などの品質管理技法解説や
セミナーも盛んに行われてはいますが、それらを工場の品質管理の仕組みの
どこに、どのように落とし込んで使っていくかの管理技術の検討が欠如して
いては実務への応用が利きません。

一方で、国産初のジェット旅客機MRJや、国産ロケットH2Aロケットを支える
高精度な部品は、数十人規模ではあるが、高い技術力を持った中小企業が担当
していると言う事実があります。

この相反する事実をどう捉えたらいいか?
つまり匠の技術力(固有技術)は高いが、管理技術力(マネジメント)は
低いことを物語っています。品質とは、実はこの固有技術と管理技術のバランス
の上に成り立っているのです。

例えば、ものづくり工程の「品質作り込みポイント」を規定しているQC工程図
にものづくりを規定する管理の方法が適切に明記されていない、極端な場合QC
工程図は形ばかりで、存在していないと同じと言うあきれた状態が平然と成り
立っている工場も見受けられます。

一方、ロケットやジェット機の部品は、熟練者が一個一個を手作りで加工し
品質の高い部品を作り上げるのは、いわば「刀鍛冶の刀匠」と同じ職人技の
成せる技なのです。そこには、QC工程図は存在せず、体に染みついた熟練
技能によって、ものづくりが支えられています。

7つのステップ1.jpg

優れた品質の製品を作り出すことと、品質管理が優れていることとは必ずしも
同じでは無いことを良く理解する必要があります。

製造問題 不良ゼロ対策の手順:7つのステップ:製造業のクレーム対策事例

品質問題がなぜ解決できないのか?
「不良ゼロ対策の手順:7つのステップ」は、不良対策手法をすべて網羅、
不良が減らない理由、弱点、陥り易い間違いを直し、正しい品質管理の考え方を
どこよりも詳しく解説しています!


不良ゼロへの手順:7つのステップ」は、自社の置かれている現状の実力
をまず客観視して、そこから実現可能な内容から、段階的に「不良ゼロ」実現を
目指して取り組んでいく手法を取っていきます。

実際に起こっている不良を緊急に止めなければならないのは当然ですが、自社の
レベル、能力に合わせた手法を体系的に取り入れて、品質レベルを段階的に上げて
行くような取組みが必要になってきます。
いきなり、レベルの高い手法に取り組んでも、消化不良を起こし、返って逆効果に
なってしまいます。

では、以下に「不良ゼロへの手順:7つのステップ」の概要を説明します。

スライド1.JPG

ステップ1.自社の実力を客観視する
 ・日常の問題解決活動レベルを測る
 ・QMSの運用レベルを測る


まず、経営者や社員の品質に対する取り組み姿勢、ISO9000などのマネジメント
システムの構築内容と運用レベルを評価します。
これによって、どのレベルから対策をスタートするかが決定します。
 
ステップ2.品質管理の正しい理解と、自社の到達目標の設定
 ・品質管理の目的の明確化
 ・自社が目指す品質レベルの姿とは


扱う業種や顧客によって、自社の製品・サービスが実現しなければならない品質
レベルを決定します。例えば、加工精度は±0.1mmmなのか、±0.001mmなのかに
よって、設備や計測器は異なってきます。また、管理手順も複雑になってきます。
どこまでの品質レベルを提供するのか?これは経営トップの方針として明確にする
必要があります。

ステップ3.発生した問題を確実に解決する
 ・不良の直接原因(真の原因)追究
 ・慢性不良の原因究明と対策
 ・市場流出不良対策
 ・協力工場不良対策


このステップは、まだいわゆる「もぐらたたき」の段階です。
出た問題に対して対策を打つ。一般的に行われていることで、これが、品質改善
活動、「カイゼン」と勘違いしている企業もあるくらいです。
もちろん、出た問題を対策することは疎かにはできませんが、ここを抜け出し
一つ上のステップに進歩しない限り、「不良ゼロ」達成は望めません。

ステップ4.工程設計
 ・QC工程表の作成
 ・工程FMEA
 ・ヒューマンエラー対策


ステップ4まで来ると、「もぐらたたき」ではなく、未然に問題のつぶし込みを
行う「予防処置」が形になってきます。
「形」だけはできている企業もありますが、中身が伴っていない場合も意外と多い
のです。FMEAは、規定でやることになっているから、体裁を整えるだけの企業も
多いのではないでしょうか?
工程の機能設計と、信頼性設計の考え方を、正しく理解する必要があります。

ステップ5.4M変動管理
 ・設計変更管理
 ・初期流動管理
 ・特殊工程管理
 ・機械設備管理
 ・人の管理
 ・材料部品の管理
 ・協力工場の管理


製造工程は、波風絶たずに整然と流れるのが理想ですがそうはいきません。
多品種少量生産では、製品の切り替えが頻繁に起こります。また設計変更も翻発
するでしょう。
4M変動をうまく管理するのは、並大抵ではできません。各社ノウハウの蓄積に
努めなければばらないところです。

ステップ6.見える管理
 ・管理図
 ・変更通知
 ・トレーサビリティー管理


問題発生の要因となる4Mの監視、結果のQCDの監視を行い、それを見える化する
ことで、どこに問題があるのかが顕在化します。
あらかじめ予想される4Mの変動に関しては、関連部門で情報共有を行う必要があり
ます。見える管理は、アクションを取るトリガとして重要な役割を担っています。

ステップ7.目指すQMS構築に向けて
 ・いかに継続的改善を続けるか?
 ・自社独自のQMSを構築するには?
 ・品質経営とは?


世の中に完ぺきなものはありません。
一度構築した「QMS:品質マネジメントシステム」も、たゆまぬ改善努力によって
より完璧なシステムにしていくことが求められます。
ISOの要求事項を満足することを目的としたシステムから脱皮して、真に自社の
目指すシステムは何かを考え、顧客に対してどのような製品・サービスを提供する
のか?そのためにはQMSはどうあるべきかを経営者をはじめ全社一体となって考え
追求していかなければならないのです。

 ★リスク回避のヒューマンエラー再発防止対策マニュアル
 ★不良対策の手順:7つのステップ
 ★不良原因解析&再発防止2段階なぜなぜ分析手順書


 ★不良原因解析2段階法を実習で習得するセミナー
    東京・群馬開催スケジュール

 ★無料サービス
   ・クレーム対策書フォーマット(記入例)
   ・不良解析フォーム3セット(記入例)
   ・不良流出ゼロ達成3つのステップ 無料メール講座




製造品質を良くすることとは?=コストを下げる事:製造業のクレーム対策事例

品質が良い/悪い、と言ったり品質を上げる、と言ったりしますが、これが
どんなものなのか、明確でしょうか。

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よく「前回のような品質問題は起こさないようにしよう」とか、「品質目標
を立て、不良率を1%以下に抑えよう」とか言ったりします。

結局、品質を良くするとは、不良をなくすこと、悪さをなくす事であって
「品質」と「悪さ」と同義語なんです。

この発想のもとに、品質対策(悪さをなくす)を実施すると
 ・検査工程の追加
 ・検査項目の追加
 ・選別の実施
なんていう対策も、けっこう普通に許されてしまう。

JITや、セル生産で生産性の向上や在庫の削減を行ってきても、品質対策
で、この効果が帳消しになってしまうなんてことも起きてしまいます。

「品質を良くするには生産性を犠牲にしなければならない」
「品質対策を行うには費用が掛かる」
「品質の良い製品は高くて当たり前」
といった考え方が平気でまかり通ってしまうのです。

お客様は、品質が良いからと言って、高くても買うでしょうか?
同じ品質なら、安いものを買うはずです。

そこで、発想の転換が必要で、品質イコールコストと考えるべきなのです。

もちろん、品質保証部門では、「失敗コスト」「検査コスト」「予防コス
ト」として管理している企業もあるのですが、工場全体のスループット
(付加価値生産性)として、考慮されているかというと、そのコストを
明確に生産性に反映している例は非常に少ないと思います。

スループット=OUTPUT/INPUT と定義されます。

どういう事かというと、工場が生み出す付加価値に対して、どれだけ
人員や、経費をつぎ込んだか?で、もちろん生産活動の改善によってスル
ープットの向上は常に図られているでしょう。

ところが、従来通りの品質の考え方で、不良を減らす対策を行っていると
この活動と逆行してしまうのです。

では、コストを下げ、なおかつ品質を良くする対策を行うにはどうすれば
良いでしょうか。

 品質を良くする=悪さを減らす=コストを下げる
 コストを下げる=スループットを向上させる
 スループットを向上させる=生産性を上げる
です。

ものやサービスの「良さ」をどのように計測し評価しているか?
積水化学グループの例を見てみましょう。

積水化学グループでは、品質を支えるのは現場でのモノづくりである
と認識し、品質の不備は、クレームへの対応や廃棄物の増加といった
ロス・ムダ…つまりコストにつながるという考え方をしています。

つまり、「クレームゼロ、事故・不良ゼロ、廃棄物ゼロ」という
「3つのゼロ」を目標に掲げてロスコストの削減に取り組んでいます。

そして「モノづくり革新指標」という数値を設定し
・外部損失費(クレーム・苦情処理コスト)
・内部損失費(製造工程不良処理コスト)
・生産コスト(原材料費、人件費)
・安全損失コスト(災害労災対応コスト)
・環境コスト(廃棄物処理、エネルギーコスト)
のように、すべてをコストに換算して管理します。

つまり「品質」=「コスト」なんです。「品質」を測るる指標は不良
率、クレーム件数などではなく「コスト(費用)」です。

品質を良くするということは、コストを下げる事で、これが、ものづく
り企業の「品質の考え方」なのです。

7月東京 名古屋2.jpg
セ ミ ナ ー 予 定 表
テーマ(目的日時開催場所
主な項目
 多品種少量生産工場の現場改善力強化による
 付加価値生産性向上と利益率UP
未定
 
・生産活動の目的
・生産性向上・リードタイム短縮
・ムダ取り(直接・間接業務)
 若手・中堅社員の自立化と現場力の発揮
未定
・QCサークル活動
・個人目標管理(MBO)
・業務計画による改善活動
 ヒューマンエラー予防7つの対策
 ヒューマンエラー要因4分類と再発防止策
12月20日
(木)
9:30~12:30

12月20日
(木)
13:30~16:30
東京都北とぴあ
8F 807会議室
JR王子駅北口5分
AM/PM連続受講の場合割引特典あり
・再発防止対策と流出防止策
・是正と予防、水平展開
・顧客信頼の品質対策手法
 顧客から信頼を得る3つの品質対策手法
 ロジカルシンキングに沿った正しいなぜなぜ分析
・ヒューマンエラー要因
・ヒューマンエラー予防策
・IOT活用技術
 小規模チームで効果の上がるFMEA/FTA手法
未定 
・工程FMEA
・信頼性設計とFMEA/FTA
・リスクアセスメント
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