2018年03月05日

キーワード解説:設計ミス防止対策

【キーワード解説】
 ★設計ノウハウシステム【 ★設計のしくみの「めざすもの」【
 ★設計品質の作り込み【1】 ★設計と製造の役割と品質保証【
 ★設計ミスと信頼性・安全性設計【 ★リスクベース設計【】【
 ★設計ミス防止とお客様目線【 ★過去トラを設計に取り込む【
 ★標準化と共通化【 ★具体設計段階の品質確保【
 ★設計プロセスと品質管理【 ★商品の信頼性と安全性【
 ★デザインレビューを有効に活用するには【 ★QC工程図と工程設計【
 ★企画品質・設計品質・製造品質・使用品質【 ★QFD【
 ★商品コンセプト【 ★ヒューマンエラーの回避【
 ★FMEA/FTA【 ★IATF16949(TS16949)の要求事項【


キーワード解説:設計ミス防止対策

品質を最大限に高めるのは設計システムや手法ではなく、あくまでエンジニア
という人間です。
商品の開発を1人で行うケースは非常に稀です。しかし設計システムや手法を
使って多くの経験やスキルを持ったエンジニアが必ず存在します。
システムや手法がもたらしてくれるメリットを最大限に利用しつつ、エンジニア
同士が協力しあうことで設計品質を高めることができます。

また、蓄積されたノウハウや、過去トラ情報など、できるだけ品質が保証され
ているものを利用する、設計の標準化、共通化を図る、レビューで設計品質を
高めるなど従来からの設計手法に加え、潜在不良を洗い出し、リスクに応じて
対策を講じるアセスメント手法の導入を図ることが有効であり、従来の実機に
よる評価や認定、検査だけでは顕在化しない不具合を洗い出すことが可能と
なります。

最後に、エンジニア間のコミュニケーションによる情報共有が大切であること
も付け加えておきます。
孤独な設計環境での思い込みによる設計は最も品質を低下させます。

設計ノウハウシステム:リスクの予測&アセスメント設計手法

ある事業所の事例として、標準体系は管理標準(ISOマネジメントシステム)と
技術標準(品質・設計・製造・設備)に体系化され、定期的にメンテナンス
されている。

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設計ノウハウシステムの構築.jpg
1.設計ノウハウシステム構築上の問題点
長年にわたって積み上げられた技術を体系化して標準化を図っても、技術発展の
加速化、新分野進出等により、技術標準の維持管理はより困難になっている
 ・一度作成したノウハウは、メンテナンスがされていない
 ・時間に追われ、情報を格納すること自体が徹底されていない
 ・ノウハウが整理・分類できていないので目的の情報を探しづらい
など、設計者によって使いやすい設計ノウハウシステムの維持管理は困難が伴う。

2.過去トラの宝庫、大部屋設計フロアー
ある事業所では、仕切りもない設計フロアーに、ベテランから新人まで、機構系、
電気系、ソフト系のあらゆる設計部門を集めた大部屋設計フロアーで設計作業を
行っている。

そこでは設計者同士のコミュニケーションが積極的にとられ、何か分からない事が
あると、「あの人なら以前このような製品でこのような機能を実現しているので、
聞くと言いよ!」と教えられ、先輩に紹介してもらって聞きに行きます。
そして、その人は聞かれたこと以上に親切にいろいろ教えてくれるのです。
そこでは、過去トラのデータベースがなくとも、先輩から教えてもらうという
風土があったのです。

3.ノウハウ共有の場としてのデザインレビュー
ほとんどの企業において行われているデザインレビュー(DR)はノウハウの共有や
活用の場としても本来有効なはずですが、DRが本来の目的を果たしていないケース
がほとんどです。
 ・出席すべき有識者が業務多忙のため参加できない
 ・レビューを受けるべき設計者の準備不足(目的、ポイントが不明確)
 ・DRが設計者への負荷となっている
結果としてDRは手段が目的化され、形骸化している。

このような現状を踏まえ、①②③のそれぞれのメリットをうまく組み合わせ
自社に合わせた設計ノウハウシステムを構築し、活用することが望ましい。設計ノウハウシステムの構築1.jpg


設計のしくみの「目指すもの」とは:リスクの予測&アセスメント設計手法

一般的にしくみとは、①組織 ②制度 ③プロセス ④コンピュータシステムなど
を指します。
しくみ化とは、処理をコンピューター化する意味だけではなく、決められた通り
仕事の流れ(プロセス)が守られるように、全体を整えることです。そうすること
によって、いつ、誰が、何度やったとしても、良い成果が出せるようになります。

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  ・設計技術者のための設計品質向上無料メール講座

図表2-2-1 設計のしくみ.jpg
特に、設計の仕事の進め方は「人に依存」します。効率のよい仕事の進め方をする
人もいれば、遅い人もいます。また間違いが多い人もいます。
設計業務をしくみ化するというのは、設計者の仕事の進め方を、属人的なやり方を
極力廃し、決められた仕事の流れを前提に、うまく流れるように設計のシステムを
構築します。

各企業がどのようなしくみを作るかどうかは、その目的によって違ってきます。
目指すものが不明確のままで、システム化しようとしたり、手法の導入すること
を目的としたりしたしくみは期待した効果は得られません。

では、設計のしくみの「目指すもの」とは何でしょうか?
◆IATF16949(TS16949)の要求事項
2016年10月、ISO9001:2015を基準とした自動車産業向け品質マネジメント
システム規格として、IATF16949が発行されました。これは、従来のISO/TS16949
に替わる、自動車産業の品質マネジメントシステムを対象とする国際規格です。

IATF16949は自動車関係製品の品質を確保するため、iso9000では規定して
いない、より具体的な実現手段を規定しています。
IATF16949は製品実現(一連の製造プロセス)を達成する手段として、先行製品
品質計画(APQP:ADVANCED PRODUCT QUALITY PLANNING )または
プロジェクトマネジメントを用いる事を要求しています。 

◆設計品質作り込みのしくみ
ISO9000、IATF16949を参考に、設計のしくみをどのように構築していったら
良いかを考えてみます。
IATF16949では、不具合発生前にリスクを削減、低減させるため、潜在的故障
モードの想定妥当性確認などを実施し、市場クレームなどを減少させていく仕組み
の構築を求めています。
これは、自動車のみならず、あらゆる製品の設計に共通した課題であると考え
られます。
設計品質作り込みのための重要なポイントは
 ①市場あるいは顧客の要求事項を確実に設計にインプットさせること
 ②市場あるいは顧客の暗黙の要求事項、法的な制約を確実に設計にインプット
  させること
 ③市場あるいは顧客に受け入れられるタイミング、価格でより付加価値の高い
  設計の製品をアウトプットすること
 ④市場あるいは顧客のあらゆる使用環境を考慮した設計の製品をアウトプット
  すること
 ⑤部品ばらつき、製造ばらつきを考慮し、製造しやすい製品の設計結果を
  アウトプットすること
であり、決められた設計プロセスに沿ってそれぞれの目的に応じた設計手法やツール
を使いこなし、設計を進めていく必要があります。そのためには、従来から採用され
ている考え方や、手法を根本から見直す必要も出て来ると考えられます。

(続く)

設計と製造の役割分担と品質保証:リスクの予測&アセスメント設計手法

ある方からこんな質問が来ました。

今現在の悩みは、工程FMEAの実施前に、設計部隊がFTAや設計FMEAを行い、設計
で市場不具合発生のリスク低減をできない項目を製造部門で対策すべきと思って
おりますが、設計部隊の認識が低く、うまく部門間の連携ができていません。
市場不具合リスク低減の為に、開発部門、製造部門が実施すべきことを明確に
することなど、どうすれば一番より効果的なのか悩んでいます。

設計ミス未然防止対策.jpg

これはなかなか難しい問題ですね。
品質はほとんど設計の良し悪しで決まってしまいますから、工程FMEAを実施しても
設計へフィードバックする項目が多くなると思います。
(特に設計の認識が低いということであれば・・・)
ということは、製造性を考慮した設計をはじめから実施する必要があるわけです。

FMEAを考える前に、まず、いかに製造性を考慮した設計を実施するか?です。
つまり、設計工程へ、製造部門が早いうちにかかわっていけるかがポイントとなります。
例えば、寸法リミットの緩和、微妙な調整個所の低減、部品の加工形状の単純化
ねじ止め個所の低減・・・・など

市場のトラブルを分析、して、まずそれを設計の観点で見直すことが必要です。
これは、FMEAではなく、FTAの役目です。
市場トラブルは、製造ミスがきっかけとなっているが、実はミスを起こしやすい
構造設計が原因になっていることが多いと思います。
どうしても設計で対策できないときは、製造側で冶具作成、ポカヨケ、検査など
で流出を防ぎます。

まず、FTAで市場トラブルをつぶし込むことを優先させるべきと思います。
FMEA はそれらの対策の後に、つぶしきれない想定外のトラブルを検出するために
使うツールです。
流用設計、類似設計の製品であればは、FTAを実施すればほとんどのトラブルは
解決するはずです。

当研究所では定期的にFMEA/FTAのセミナーを開催しています。
上記のような実践的な内容の解決策を提示できるセミナーは少ないと思います。
ぜひご検討ください。

(続く)

設計ミスと信頼性・安全性設計について;リスクの予測&アセスメント設計手法

設計のしくみ確立と設計品質作り込み法(3)として、設計ミスと信頼性・安全性
について考えてみます。

新製品を開発する場合、お客様の要求を理解して、デザイン、機能性能、操作性
などを検討し、図面を書いて寸法形状を決めます。
スライド4.JPG

しかし、これだけでは設計したことになりません。
お客様が購入する価格、保守性や信頼性・安全性まで総合的に検討する必要が
あります。

工場を出荷するまでにはデザイン、機能性能、操作性、寸法・形状は目で確認
したり、実際に動かしてみて計測するなど確認を行って不良流出を阻止できます。

しかし、信頼性と安全性は、外観では確認できず、定量的に計測することが
できません。したがって、市場に出てから、使用者の取り扱い方法、使用環境
劣化などによって故障が発生し、それが事故や災害につながることがあります。

品質はほとんど設計の良し悪しで決まってしまうと前回の記事で説明しましたが
では、信頼性・安全性について、市場でトラブルが発生しないようにするには
設計時点でどのようなことを考慮すればいいでしょうか?

従来は、設計プロセス(デザイン、機能性能、操作性の検討、寸法形状を決める)
と信頼性評価として、試作機を作って、いじわるテストを実施したり環境試験を
行い、一定の基準を合格すれば安全性も信頼性も合格と判断しました。

しかし、信頼性評価試験を十分に行ったつもりでも、市場でのトラブルは
防止できませんでした。
(もちろん筆者が過去に設計を行った製品も例外ではありませんでした)

その頃は、市場でトラブルが発生すると、設計ミスとして、評価不足、設計
詳細検討不足として捉えられ、設計チェックリストに追加、評価試験の強化
などの対策を実施しました。

しかし、当時もこれは「いたちごっこ」であることは感じていたものです。
でも当時はどうしていいのかわかりませんでした。

設計プロセス(デザイン、機能性能、操作性の検討、寸法形状の決定、試作評価)
は、例え設計期間が短くとも抜け漏れなく実施しなければならないことは当然
として、機能性能を検討すると同時に、信頼性・安全性を検討する技術を導入
しなければならないのです。

さらに、デザインレビューでも信頼性・安全性の評価ツールである解析技法を
用いなければなりません。
信頼性・安全性を検討する技術と、解析技法によって、漏れのない設計が可能
となり、市場でのトラブル発生を未然に防ぐことが可能になるのです。

解析技法とは、FMEA、FTAなどを指します。
また信頼性・安全性設計を合わせてリスクベース設計と呼びます。

次回から、リスクベース設計について詳しく解説します。

(続く)

リスクベース設計手法による不良流出防止;リスクの予測&アセスメント設計手法

シリーズ4弾として、潜在不良流出を防止するリスクベースの設計手法について
解説します。

設計終了後の評価テストや、製造工程の試験、検査で発見できない不具合が
市場で発生することが良くあります。
自動車の構造欠陥、食品や化粧品への異物混入など、重大な事故につながる
可能性のある不具合は、リコールの対象になります。
では、なぜ設計時点、また製造工程でこのような不具合が見過ごされてしまう
のでしょうか?
スライド3.JPG

従来は、設計プロセス(デザイン、機能性能、操作性の検討、寸法形状を決める)
と信頼性評価として、試作機を作って、いじわるテストを実施したり環境試験を
行い、一定の基準を合格すれば安全性も信頼性も合格と判断しました。

しかし、信頼性評価試験を十分に行ったつもりでも、市場でのトラブルは
防止できませんでした。
(もちろん筆者が過去に設計を行った製品も例外ではありませんでした)
従来の設計手法では、このようなトラブルは防止できないということから
リスクベース設計に注目が集まっています。

リスクとは、発生頻度(故障率)×影響度(故障がもたらす事故や最愛の程度)
の式で表されます。

発生頻度(故障率)は、部品がある確率で破損する、製造ばらつきが生じるなど
によって、不具合が生じる度合いを言います。
つまり、完全にばらつきはなくすことができないのですが、できるだけ余裕度を
みて設計を行う方法がとられてきました。

しかし、従来設計時点で考えるのはここまででした。
不具合が生じた後の影響(事故や災害)についてはあまり深く考えずに設計して
いました。
また使用者の誤操作についても、操作ミスとして使用者の責任と考えられて
きました。

しかし、現在では、故障が起きた後の影響も考えて設計することの必要性が
求められるようになっています。
つまり、リスクベースの設計を行って、設計時点でリスクを洗い出すこと
そして、万が一故障してもその影響を最小限に食い止める対策をあらかじめ
講じておくことが必要になっています。

製造工程においても、製造ばらつきや人的ミスによって、市場でトラブルが
発生しないように、リスクベースの工程設計を行う必要があるのです。

基本になるのは・・・
 「この部品が壊れたら、顧客にどのような影響が出るだろうか」
 「このボタンを押し間違えたら使用者にどんな危害を与えるだろうか」
 「この製造工程を飛ばしてしまったら、事故につながらないだろうか」
というように、リスクベースの考え方を徹底しなければならないのです。

何も難しい理論や手法を取り入れる必要はありません。
まずこの基本に立って、設計の仕組み、製造工程設計の仕組み、教育のしくみを
見直したときに、不備や欠陥が必ず見つかると思います。

(続く)

製品設計・工程設計ミス未然防止とお客様目線:リスクの予測&アセスメント設計手法

市場では、設計の信頼性・安全性が求められています。
それには客様目線で設計・製造を行い、市場のリスクを最小限に抑える
リスクアセスメント手法の導入は必須となっています。

ものづくりを行う上で、作業ミスや作業漏れが無いようにQC工程図や作業
指示書を設計しますね。また製品設計でも、この部品が壊れないように、
またすぐ外れないように細心の注意払って構造設計します。

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でも、何事も完ぺきな事は出来ないので、どうしてもミスや漏れが出てし
まいます。ではどうやって「未然防止」対策を行えばいいか?

そのキーワードは「お客様目線」です。

お客様目線1.jpg


このお客様目線で設計する考え方は、最近注目を集めている「リスクアセス
メント」や「FMEA」の基本的な考え方なのです。


つまり「お客様が使った時に事故や故障が起きないだろうか?」「もし起こった
らどのような影響を与えるだろうか?けがをしないだろうか?」と考えるのです。

でも普通の設計の考え方はどうでしょうか?
不良を出すと、納期が遅れる、損害が出る、上司に叱られる、だからミスをしな
いように注意して設計しよう。こんな自己本位、自己防衛的な設計作業になりがち
ですね。

また、
 ・これは実績のある(?)設計の部品だから問題ないと先輩が言っている
 ・安く作るためにはこの方法しかない
 ・いままでこの方法の設計で問題は発生していない
 ・以前発生した不具合はすべて対策済みだから問題ないはずだ

など、できるだけ過去に実績のある設計方法を採用しようとしますが、これが往々
にして失敗のもととなります。

そこで、「もしミスをしたらどうなるか?」と発想転換をします。

一応、この部品の構造上、強度は問題ない設計を行ったが、でも「万が一この
部品が壊れたら、お客様にどういう影響を与えるだろうか?」と考えるのです。

特に構造設計に於いて、「部品の強度は十分のはずだ」ではなく、この部品は
「使用時に繰り返し応力はどれくらい掛かるだろうか?疲労破壊することは
ないだろうか?」と考えるのです。

製造工程も同じです。
もし、この工程で間違った部品を組み込んだまま、見つからずに納入し、
お客様が使ったら、お客様にどういう影響を与えるだろうか?」と考えます。

この「影響度」と「発生頻度」を予測して、この設計で問題ないかを数値化
して検証評価するのが「リスクアセスメント」であり「FMEA」なのです。

しかし、たとえ、「リスクアセスメント」や「FMEA」を導入していな企業で
あっても、この「お客様目線」の考え方は非常に重要ですね。

この部品がもし、壊れたら、重要な機能が失われる⇒壊れるとしたらどのよう
に壊れるだろうか⇒部品に繰り返しの衝撃はどれくらい想定されるだろうか
⇒どれくらいの頻度で壊れるだろうか⇒では構造シミュレーションを行って
確認しよう・・・

設計時点で、このような発想が必要になりますが、それがないまま設計した
製品に対してFMEAを行おうとしても、すべての部品の評価はできません。

FMEAを導入するのであれば、この「お客様目線の設計」がされていることが
前提となります。「FMEA」は単なる評価検証手段でしかありません。

手法を導入するに当たって考えなければならないのは、
 ・それを何処で使うのか?
 ・使う目的は何か?
 ・メリット・デメリットはなにか?
をよく考えて選択することです。


過去トラブル事例を設計へ取り込む方法:リスクの予測&アセスメント設計手法

市場では、設計の信頼性・安全性が求められています。
それには客様目線で設計・製造を行い、市場のリスクを最小限に抑える
リスクアセスメント手法の導入は必須となっています。

設計品質を確保するのに重要な過去トラブルの有効利用について考えます。

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1.過去トラフィードバック上の問題点
どの会社でも過去トラブルのデータを収集して有効利用しようと考えています。
しかしながら、
 ・「過去トラ」を登録・管理するための仕組みが不明確
 ・「過去トラ」の件数は増加し続けている
 ・「過去トラ」の登録内容はメンテナンスされていない
などの管理上の問題が見られます。

また、それを利用する設計者側の問題として
 ・「過去トラ」の利用方法は開発現場任せになっている
 ・利用される「過去トラ」は身近なものに限られる
 ・「過去トラ」が利用されないこともある
 ・「過去トラ」の利用効果を確認していない
 ・「過去トラ」の利用効果がフィードバックされるのはその部署のみ
などにより、過去トラの利用方法にも問題が有ります。

但し、これらは設計者個人の問題と言うよりも開発設計部門の仕組みとして、
それぞれの企業の事情に応じた過去トラ利用システムを構築する必要があります。
 ・「過去トラ」の情報共有の場を構築する
 ・蓄積した「過去トラ」を適切に分類し、体系化する
 ・効果を客観的に判断するため、活用状況や品質を定量化し計測する
 ・増え続ける「過去トラ」の改廃や再発したときの既存情報へのフィード
  バックなど、情報の新鮮さを維持する仕組みの構築
など、一朝一夕では難しい課題を、少しずつ解決しながら積み上げていく必要
があります。

さあ、皆さんの開発部門ではどのように過去トラを活用しているでしょうか?
各設計者の頭の中にあるので、それを聞き出して設計しているという会社も
多いのではないでしょうか?

2.過去トラの宝庫、大部屋設計フロアー
私の設計していた頃の事例はあまり参考にならないと思いますが、1980年代
から1990年代にかけて設計していた頃、設計室というか、仕切りもない設計
フロアーには何百人という設計者が、日夜設計を行っていました。

ベテランから新人まで、機構設計、電子回路設計、ファームウエア設計など
あらゆる設計を行っており、何か分からない事があると、あの人なら以前
このような製品でこのような機能を実現しているので、効くと言いよ!と
教えられ、先輩に紹介してもらって聞きに行ったものです。

そして、その人は聞かれたこと以上に親切にいろいろ教えてくれるのです。
過去トラのデータベースがなくとも、先輩から教えてもらうという、風土
があったのです。

(続く)


設計の「標準化」と「共通化」とは?リスクの予測&アセスメント設計手法

市場では、設計の信頼性・安全性が求められています。
それには客様目線で設計・製造を行い、市場のリスクを最小限に抑える
リスクアセスメント手法の導入は必須となっています。

今回は設計の「標準化」と「共通化」について整理してみます。

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漏れのない設計ステップとは?
①設計仕様書を作成する
②具体設計に着手する
③技術的手段(方式)の妥当性を確認する
④実際に試作検証して設計通りのものか確認する
⑤最終のアウトプットとして、設計図面をリリースする

その中で、②③のステップについて一つ一つ考えてみます。
このステップは、設計者としての力量を発揮できる最もクリエイティブな
場面なのですが、逆に最も慎重に作業を進めなければならない重要なステップ
でもあります。

新製品と言っても、必ず過去の技術や、過去の製品を流用しているはずです
ので、その実績にある手段をそのまま実現すれば、問題は発生しないはずです。

但し、気を付けなければならないのは、流用した部分に問題は無くても、新規
部分との組み合わせたことによって不具合が発生することがあります。

1.標準化の意味
なぜそのような問題が発生するのか?
「標準化」という言葉はよく聞きますが、例えばUSB接続の機器はUSBの
規格を満足するように作られています。USBはコンピュータと端末装置を
接続するための規格として最も普及している標準インターフェース規格です。

部品・ユニットの仕様や属性に関して設計意図を明確にすること、これが標準
化の意味です。図面は標準図面として公開され、標準化されたものは、一度も
作ったことの無い部品・ユニットであっても、以後は設計側の検討を経由せず
に製作手配してもよいということになります。

2.共通化の意味
一方、「共通化」という設計手法を考えてみます。
過去製作した部品・ユニットを流用することによって図面作成枚数の削減や、
設計ミスの少ない効率的な設計が可能になります。
但し、似たような形状・仕様のものを検討する場合でも再度設計側で使用可否
判断が必要となります。「同じなので流用しました」で済ますことなく、何が
同じで、何が違うために、この項目と、この項目を確認し問題が無かった、と
すべきです。標準化されていない部品やユニットは、安易に流用は出来ない
のです。

「共通化」は「標準化」のための1つのアプローチであることは間違いあり
ません。しかしながら「過去図面を設計部サーバなどに蓄積しておき、ここ
から流用していく」という環境を構築するだけでは真の標準化には到達でき
ないといえます。

「標準化」のためには、製品体系の整備と明確な仕様を定義することが必要
となります。

(続く)

具体設計段階における設計品質確保対策?リスクの予測&アセスメント設計手法

市場では、設計の信頼性・安全性が求められています。
それには客様目線で設計・製造を行い、市場のリスクを最小限に抑える
リスクアセスメント手法の導入は必須となっています。

品質とは、①企画品質、②設計品質、③製造品質、④使用品質の4分類される
ことを前回説明しました。
今回は、②設計品質(具体設計段階で決まる品質)とは?に迫って見たいと
思います。

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1.具体設計の項目
まず具体設計の主な項目を列挙します。
 ・設計インプット(商品仕様)を正しく理解
 ・設計アウトプット(図面)を検証
 ・過去に発生した問題のフィードバック
 ・製造牲、保守性も考慮した設計
 ・実際に試作して設計通りのものか確認する

言わゆる設計品質が良い、悪いと言うのは、インプットに対してアウトプット
が、正しいかどうかで決まります。
インプットは、顧客との取り決めを文書にした仕様書を主体として、法規制
安全規格、社内設計規格などが相当します。また設計過程で得られるDRから
のフィードバック情報も含まれます。 (DR:デザインレビュー)

そこで、ミスや漏れが無い設計を行うには何が重要なポイントとなるので
しょうか?
一つはヒューマンエラーを回避すること
もう一つは漏れのない設計ステップを踏むことです。

2.ヒューマンエラーの回避
ヒューマンエラーは、製造工程で良く発生しますが、設計工程でも同じ
ように発生します。それを防止するには、一つ一つ確実に作業することです。
 ・電話やメールでやり取りした内容は、連絡メモとして必ず残す
 ・会議議事録は必ず取る。(特に客先との会議)
 ・図面作成時は、間違いがないか必ず見直す(自工程検査)
 ・図面変更した後、他に関連して変更する箇所が無いか見直す

以上は、ごく当たり前のことですが、これらは忙しい時はつい省略してしまう
ことが多くなります。とくに、情報のやり取りでありがちな、勘違いや思い
込み、確認漏れをなくすために、必ずメモを残す、外部との大事な会議の議事
録は必ず相手の確認サインをもらうことが必要です。
(これは、苦い実体験から言えることです)

次に、ヒューマンエラーを回避する手段を講じます。
一般的にヒューマンエラーを誘発する要因は
 ・教育訓練不足
 ・行動影響要因(内部PSF/外部PSF)
 ・組織風土要因
の3つがあります。
詳しくは、下記の記事を参照してください。

設計作業は、目に見えない情報を基に、具体的な商品の形を作り上げる作業
です。したがって、情報を大切に扱うこと、なぜそうするかの背景も含め
正確に理解する、そしてそれを正確に伝えることがミスを防止する上で最も
重要なことと言えます。

3.漏れのない設計ステップとは?
企画段階で決定された内容(製品仕様)に基づいて、自社の保有する固有技術
や、自分のアイデア等を盛り込んで目標の機能やコストを達成させるために踏む
ステップのことです。

主な項目としては
①設計仕様書を作成する
 ・機能・性能を具体的な品質特性で表す
 ・その機能・性能を実現するための技術的手段を決定する
 ・具体的には、どのような機構を設けるのか?どのような電子回路を
  組むのか?その時に必要な部品材料は何か?など

②技術的手段(方式)の妥当性を確認する
 ・過去に実績がある手段か
 ・過去に発生した問題はフィードバックされているか
 ・製造牲、保守性も考慮した設計になっているか
 ・安全性や故障が起きないよう信頼性は確保されているか
 ・目標原価は達成するか

③実際に試作検証して設計通りのものか確認する
 ・実機を試作して、機能や信頼性の確認を行う
 ・設計FMEAを実施する

④最終のアウトプットとして、設計図面をリリースする

デザインレビューを実施して、次のステップへ進めるかどうかをジャッジします。

設計品質が良い、悪いと言うのは、インプットに対してアウトプットが正しい
かどうかで決まります。正しいアウトプットを得るためには、正しいステップ
を確実に実行しながら設計を進めます。納期に追われて、ステップを省略する
と必ずミスが出ます。

また、設計手戻りが生じるとそこでもミスが生じる可能性があります。
設計ステップを漏れなく進めることが、設計ミスをなくす最も重要な点です。

(続く)


設計プロセスごとの品質管理のポイント:リスクの予測&アセスメント設計手法

市場では、設計の信頼性・安全性が求められています。
それには客様目線で設計・製造を行い、市場のリスクを最小限に抑える
リスクアセスメント手法の導入は必須となっています。
 ★ヒューマンエラー対策とリスク評価の手順

設計品質を向上させたいと考えている企業は多いと思います。
しかし、どのようにすれば設計品質が向上するのか、技術者の教育か?
あるいは仕組みの改善か?あるいは設計手法の導入なのか?
いや、その前に設計品質とは何かを整理してみましょう。

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1.商品の品質とは
品質を商品開発の流れで見ると以下の4つに分類できます。
①企画品質:商品企画段階で決める品質
 消費者が要求している品質を見極め、商品コンセプトに盛り込む品質

②設計品質:企画された商品の構造や動作を規定する作業の品質
 企画段階で決定された内容(仕様書)に基づいて、作成される設計図面
 部品表として作り込んだ品質で、設計者が自社の保有する固有技術や
 自分のアイデア等を盛り込んで目標の機能、コストを達成させたもの

③製造品質:実際に製造されたものの品質
 設計時には、製造を考慮して作り易く、ミスが起きにくい設計的な考慮が
 必要になる

④使用品質:実際にその商品を使用したときの品質
 様々な使用環境の中で、様々な使い方をした時に故障や事故が起きない
 こと、または故障しても安全な事が求められる 

さあ、一言で設計品質と言っても、企画品質を向上させたいのか?設計工程
そのものの品質を向上させたいのか?そして、市場に出てからの信頼性を向上
させたいのか?によって、論点が違ってきます。
特に④使用品質は、近年においては特に重要な品質となっています。

2.商品コンセプトを明確にする
設計と言った時に、設計データ(図面)をCADで作成すること、試作品として
モックアップを作ることなど、これらも設計の一部であることは確かです。

しかし、設計段階で、一番重要な事は何か?
それは、ずばり商品コンセプトを決めることです。一般消費者向け商品を
開発する場合は、特に誰に、どのような商品を、いくらで提供するか?
が重要になります。

企業からの受注設計品においても、考え方は同じですが、こちらの場合は
発注企業がそのことを考えているので、受注企業は、発注側の考えを
商品仕様書にまとめ、何を、いくらで作るのかを明確にすることから始め
ます。

ところが、往々にして、この事を明確にしないまま商品化を進めた結果
失敗するケースが多いのです。
設計問題で、発注企業との「仕様確認漏れ」は非常に多く発生します。
一般市場向け商品では、顧客は仕様書は提示してくれないので、顧客の
意に反した商品を作った場合は全く買って貰えない事になってしまいます。

開発設計の第一ステップは、商品企画をしっかり行うことが重要な点です。
新規度の高い設計になればなるほど、この事は重要になります。

QFD(品質機能展開)は、上記の企画品質を漏れなく実施するための手法で、
もやもやとした顧客要求を明確にして、品質特性に落とし込む作業を行います。

スマートフォンを例に取って見ると軽くて、画面が広く、明るい、それで
いて電池寿命が長いスマホが人気がある、とすると、これを実現するためには、
 ・重量は何グラム以下にする
 ・液晶パネルは何インチにする
 ・明るさは何カンデラにする
 ・電池は何mAHにする

曖昧な要求を品質特性に置き換え、具体的な数値で表現します。
そして、この品質特性を基に、部品や材料の選定、構造の検討などの具体的
作業に入っていきます。

重ねて言うと、この品質特性に落とし込む作業「商品企画」と「設計仕様」
を明確にすること。
ここで、設計品質のほとんどが決まると言っても良いでしょう。

3.設計仕様を明確にする
設計仕様(書)は、設計作業のインプット情報となり、この後、インプット
情報に基づいて具体的な設計作業に入ります。設計のアウトプットは図面
(構造図、組立図、部品表)などです。

ミスを起こさないためには、過去に実績がある図面を流用する、標準品を
使用する、シミュレーションを実施するなどして設計を進めます。
各設計ステップでデザインレビューを実施して次のステップへ進みます。

デザインレビューでは、過去に発生した問題がまた起きないか?の検証
また製造部門、保守サービス部門も交え、製造上の問題点や、保守上の
問題点を洗い出し、設計へフィードバックします。

①企画品質:商品企画段階で決まる品質
 ・商品コンセプトの明確化
   (誰に、どんな商品を、いくらで提供するか)
 ・商品仕様の明確化
   (商品コンセプトを品質特性に落とし込む)  

②設計品質:具体設計段階で決まる品質

 ・設計インプット(商品仕様)を正しく理解
 ・設計アウトプット(図面)を検証
 ・過去に発生した問題のフィードバック
 ・製造牲、保守性も考慮した設計
 ・実際に試作して設計通りのものか確認する

以上が設計作業の大まかな流れです。但し、ここには大きな落とし穴が潜ん
でいることがあります。

4.それは、④使用品質です。
使用品質とは消費者に製品が渡って、実際に消費者がその商品を使用したとき
の品質です。顧客は、設計時に全く想定しない使い方をしたり、幼児が触れる
などで誤飲や誤操作を行うことがあります。

それから、使用する環境条件です。
これも設計時には想定していなかった環境で使用したために、故障や事故を
起こすことがあります。というより、想定が甘かったために発生する事故が
多いと言った方がいいでしょう。

例えば、原発事故です。想定外の津波が襲ったために、発電機がすべて破壊し
原子炉の冷却機能が失われ、メルトダウンした、と言われていますが、結果
として、津波の大きさの想定が甘かったのではないか?

以上の通り、設計品質向上の課題は山ほどありますね。
これから、一つ一つ検討してみましょう。

(続く)

信頼性・安全性の考え方は時代と共に変化する:リスクの予測&アセスメント設計手法

市場では、製品の信頼性・安全性が求められています。
それには客様目線で設計・製造を行い、市場でのリスクを最小限に抑える
リスクアセスメントの導入は必須となっています。
 ★ヒューマンエラー対策とリスク評価の手順

製品の信頼性保証は,その対象の企画,設計,製造,試験・検査,使用,保全から
廃却までの一生(ライフサイクル)が関係します。
特に,製造に先だつ設計段階において,考えられる故障原因をいかに取り除いて
おくかという点が重要であり,このような技術を信頼性設計reliability designと
呼びます。

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信頼性設計においては,過去の失敗事例,成功事例を十分に研究解析して,新設計
に織り込む必要があります。

(1)信頼性の定義
信頼性とは、「定められた条件のもとで定められた期間に渡って要求機能を果たす能力」
(JIS-Z8115:2000/ISO8402 品質-用語)のこと。
①信頼度〈Reliability〉
 システムや製品が規定の条件で意図する期間規定通りの機能を故障なく遂行する
 確率。信頼度=e^(-故障率×期間) (「e」は自然対数の底(約2.72),
 「^」はべき乗を表している)
 1カ月当たりの故障率;100分の1の機器の年間(12カ月)の信頼度は
 「e^(-0.01×12)≒0.89」
②保全度〈Maintainability〉
 修理可能なシステムや製品が規定の条件において保全が実施される時、規定の
 時間のうちに保全を終了する確率
③稼働率(アベイラビリティ)〈Availability〉
 修理可能なシステムや製品がある特定の瞬間に機能を維持している確率
 信頼性は、この信頼度、保全度、アベイラビリティを含めて考えられていますが、
 修理ができないものは信頼度を、修理を前提にしたものは信頼度、保全度、
 アベイラビリティを重要視します。

(2)信頼性に対する要求の変化
従来の信頼性の考え方は、以下に故障せずに長く機能を果たして行けるかで
あったが、現在では、故障率の低さ寿命の長さよりも故障が発生した時の影響の
大きさに関心が高まっている。


故障の原因は、検出が困難な欠陥や安全設計レベルの低さ、予想外に変則的な
ストレス、人為的エラー、自然故障などが考えられるが、従来は、通電テスト
正しい製造管理、老朽化した部品の取り換えなどが故障率の上昇を緩和すると
されて来た。

しかし、現在では設計,製造とメンテナンスまで、信頼性と安全性の指標を
リスクの指標に置き換え故障・事故、労働災害、環境事故防止を図る考え方に
変化している。
例えば、数百年に一度の大きさの津波でも、一度原発から放射能漏れが起きれば
甚大な被害が生じる。従って、数百年に一度の大きさの津波に耐えうる安全性
の確保が原発には求められるのである。

(3)信頼性設計とリスクベース工学
安全・安心が強く求められる社会になっている。
安全性はもとより,顧客が安心してその商品を選ぶうえで,魅力的な機能や価格
とともに故障が少なく,保守サービスも整い,優れた信頼性を持っていることが
条件となっている。

開発過程において信頼性設計は,機能とコストをバランスさせてコストパフォー
マンスを向上する役割を担っており,メーカーへの満足感,安心感,信頼感を
築くためにも重要性を増している。

リスクベース工学では、ものづくりを目指す工学の3本柱である設計,製造と
メンテナンスを対象として、従来の信頼性と安全性の指標をリスクの指標に
置き換え,故障・事故防止、労働災害防止、環境事故防止に活用する。
予測した不具合を列挙し、その影響(リスク)を評価する(発生度合、影響度合)

そのために重要となるのは
①市場における価値ある過去の品質データを資産として活用するナレッジデータ
 ベース化
②新規の材料,構造,デバイス導入時に想定される故障のメカニズムを先行的に
 究明してモデル化、故障物理にまとめ上げておくこと
 (CAEに基づく信頼性の検討)
③寸法や材料物性などのばらつきが信頼性に与える影響を管理するための,
 高精度でスピーディな検査技術
 また,保守の一環として負荷や劣化などの情報をモニタリングする技術

(4)リスクベース設計の考え方
信頼度とトータルコスト:リスクベース工学に基づき損失コストを算定することに
より信頼度の適正化が図れる

信頼性設計では、信頼度(または故障確率)が設計の指標となる。
並列システムの信頼度は部品数の増大に伴い向上するが、信頼度1 に漸近する
のみで信頼度1 とはならない。
信頼度1 の追求は、絶対安全の追求にほかならず、軽量化と経済性を阻害する。
リスクベース設計では、設計の指標をリスクに置き換えることによって、信頼度
に適切な打切りが設定できる。
信頼性設計では、安全係数は信頼度で一義的に決まる。リスクベース設計では、
より合理的な安全係数の設定が可能となる。


デザイン・レビューを有効なものにするためには?リスクの予測&アセスメント設計手法

市場では、設計の信頼性・安全性が求められています。
それには客様目線で設計・製造を行い、市場のリスクを最小限に抑える
リスクアセスメント手法の導入は必須となっています。

今回は、設計品質を検証する「デザインレビュー」についてです。
デザインレビュー(DR)は一般に「有識者からの指摘事項中心」のレビュー
で、指摘事項を再確認し、抜け漏れをフォローする形で実施されています。

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設計の検討不足、抜け漏れを防ぎ、過去の不具合を二度と発生させないこと
は設計品質マネジメントの基本です。そのためのデザインレビューは効率的
かつ客観的に行われる必要があります。

1.デザインレビューの問題点
しかし、多くの企業がこのプロセスを効果的に実施できておらず、自信を
持って、DRを実施したから問題は出ないと言いきれない部分があります。

設計者は、設計チェックリスト(設計ノウハウで構成されたもので、デザイン
レビューで一般に用いるリスト)を準備してDRに臨みます。ただこの
チェックリストに大きな問題があるのです。

チェックリストは、多くの企業で作成されていますが、ことあるごとに追加
されたり、陳腐化して現状に合わない項目が残っていて、蓄積量が多くなり
すぎ、逆にレビューモレが発生してしまう、という現象も挙げられます。

設計ノウハウや再発防止策を蓄積されてはいるのですが、それらが体系的に
整理・分類されていないことや、キーワードなどが設定されておらず、検索
や選別がしにくいことがデザインレビューでのチェックモレが発生する要因
となっています。

また、有識者から、また製造部門やサービス部門などの見方からの指摘事項
を得ると言っても、有識者がなかなか集まらず、時間も限られていることから
レビュー内容も十分とは言えず、形だけのデザインレビューとなっています。

2.効果の上がるデザインレビューとは?
では、効果の上がるデザインレビューを実施するにはどうすればいいでしょうか?
しかし、これを実施すれば万全という特効薬は残念ながらありません。

レビューのメリットの一つは、欠陥や問題の早期発見による修正コストの
低減ですが、欠陥や問題の検出は、レビュー会議に先立って設計者の責任
で実施すべきものです。

従って、設計者自身が、何をレビューしてもらいたいのかを明確にしておく
必要があります。
そして、自ら実施した設計プロセスの説明、それを採用した根拠・比較検討
データーなども示せるように準備を整えることが重要です。
設計作業は、一つ一つ根拠を明確に示せるかどうか、それを選択した判断
基準が重要
となります。

設計の欠陥や問題の検出作業の密度を高めること、レビュー会議でも短時間
で、問題や欠陥の有無を確認することを意識します。
つまり、設計者の設計に対する考え方が正しいかどうかを判断してもらう場
考えるべきなのです。

最近の傾向として、DRで3次元データを使うことが有効であり、分かりやすく
より突っ込んだ議論ができることが期待できます。視覚的に理解しやすいし
可動部の動きの表現も可能。説明のための時間を短縮できます。

DMU(デジタルモックアップ)機能で、部品のぶつかりや、組立順序の確認
など組立性を検証が可能となってきました。

また、流動解析、応力解析など各種のCAEツールの普及も相まって、2D図面
だけでは洗い出すことができない、不具合を事前に洗い出し、対策できるように
なり、これらの解析結果を、デザインレビューで抜け漏れが無いかどうかを
確認することで、より効果が得られるようになります。

しかし、最近の傾向として組込みソフトを含む電子制御機能の比重は高まって
おり、この部分の潜在バグをいかに事前に検出するかが課題となっています。
次回は、この部分にスポットを当ててみたいと思います。

(続く)

QC工程図(QC工程表)の目的は何か:フォーマット(ひな形)作成事例

QC工程図(QC工程表)の目的は何か:フォーマット(ひな形)と使い方、作成事例
について解説します。
QC工程図とは、下記のようなフォーマットで作成されます。



QC工程図.jpg

QC工程図1.jpg


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QC工程図は、作業単位(工程ごと)に、人、機械、方法、材料、測定(検査)
の方法、つまりそれぞれ管理項目を決め、それを守ることによって、目的の品質
特性が得られることを表しています。

つまり、QC工程図は特性要因図を表の形で表したものなのです。
この事を理解しないで、QC工程図を作成している例を多く見かけます。
作業単位(工程ごと)に、人、機械、方法、材料、測定(検査)の管理方法を
すべて規定しないと、例えば作業者が変わった時、スキルの不足した新人が
作業したりしてしまいます。

これを防ぐために、あらかじめ、この工程の作業は、作業スキルの認定を受けた
作業者というようにQC工程図で規定しておきます。

そのほかに、機械の指定、ポカヨケ治具や測定具も規定します。
つまり、目的の品質特性を得るための5Mの要因をすべて規定するのがQC工程図
であり、それを設計するのが工程設計なのです。

製品ごとに作成されるQC工程図の各項目について解説します。
●工程・・・部品の加工工程、組立工程などを指します。
 例えば、切削工程/バリ取り工程、ねじ締め工程/動作確認工程など

●作業方法・・・作業内容、作業手順を指します。詳しい内容は作業指示書
 機械操作手順書等で規定します。

●設備・・・その工程で使用する機械、工具、測定機、治具などを規定します。

●部材・・・その工程で使用する部品、材料、副資材などを規定します。

●作業者・・・その工程で作業する作業者の資格、熟練度などを規定します。

●記録・・・その工程の測定項目、チェックシートなどを規定します。

●特性値・・・上記の作業結果で得られた製品の特性値(寸法、外観基準など)を
 規定します。 

●検査方法・・・検査基準、検査手順、規格、公差などを規定します。

●測定機・・・特性確認に必要な測定機類を規定します。 

更にもう一つ注意点があります。
4M変動が発生した時に、それに影響されない事が求められます。
先ほどの人の交替の例のように、機械や材料が変更になった時、あるいはロット
が変わった時にばらつきが生じた場合でも、目的の品質特性が得られるように
作業しなければいけません。

機械を定期的にメンテナンスしたり、始業点検や調整、試し加工して測定する
材料の品質検査など、確実にものづくりを行うように管理項目を決めておきます。
これを、工程の信頼性設計と言います。
そしてその結果、信頼性に漏れが無いかどうかを工程FMEAで確認します。

以上QC工程図の目的と役割を整理すると
 ・工程の5Mの要因とその結果得られる特性(品質特性)を表にしたもの
 ・トラブルを未然に防止する予防策が組み込まれていること
 ・4M変動に影響されない対策が組み込まれていること
 ・重点的に管理する項目を明確にすること
 ・得られる品質特性値を明確にすること
などがあげられます。

QC工程表の目的と役割、重要性を理解して頂けたでしょうか?


7月東京 名古屋2.jpg
セ ミ ナ ー 予 定 表
テーマ(目的日時開催場所
主な項目
 多品種少量生産工場の現場改善力強化による
 付加価値生産性向上と利益率UP
未定
 
・生産活動の目的
・生産性向上・リードタイム短縮
・ムダ取り(直接・間接業務)
 若手・中堅社員の自立化と現場力の発揮
未定
・QCサークル活動
・個人目標管理(MBO)
・業務計画による改善活動
 ヒューマンエラー予防7つの対策
 ヒューマンエラー要因4分類と再発防止策
12月20日
(木)
9:30~12:30

12月20日
(木)
13:30~16:30
東京都北とぴあ
8F 807会議室
JR王子駅北口5分
AM/PM連続受講の場合割引特典あり
・再発防止対策と流出防止策
・是正と予防、水平展開
・顧客信頼の品質対策手法
 顧客から信頼を得る3つの品質対策手法
 ロジカルシンキングに沿った正しいなぜなぜ分析
・ヒューマンエラー要因
・ヒューマンエラー予防策
・IOT活用技術
 小規模チームで効果の上がるFMEA/FTA手法
未定 
・工程FMEA
・信頼性設計とFMEA/FTA
・リスクアセスメント
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