2019年01月08日

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キーワード解説:TOC(制約条件理論)生産管理手法

生産性とは「単位あたりの付加価値額」を意味します。付加価値額とは
売上金額から外部流出費用を引いた金額で表します。

「労働生産性」は社員一人当たり付加価値額を意味します。従って、単に生産
数量を増やしたり作業時間を短縮したりするのは「生産効率向上」であり
付加価値額が増えなければ「生産性向上」とは言いません。

付加価値額を増やすためには「売上額を増やすこと」と「外注費を減らすこと」
です。いづれにしても、それに見合う社内の生産能力は確保しておく必要が
あります。


【TOC(制約条件理論)生産管理手法】


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工場の生産性向上と稼働率

「稼働率」と「生産性」との関係を整理してみます。
稼働率は、機械の動き方だけではなく、人の働き方も含まれます。
稼働率が上がれば生産性も向上すると考えがちですが、そこには大きな誤解が
あります。



1.工場の稼働率とは?
「稼働率」とは、どれくらい効率的に製品がつくられているのかを表す指標です。
つまり、同じ時間内でよりたくさんの製品を生産する工場は、稼働率が高い工場
と言えます

例えば、機械が故障し、製造ラインがストップすれば、人が働けない時間分の給料
や、動かない機械の維持費や修理費などのコストが掛かります。人に払う給料や
機械にかかる費用は、製品をつくるために掛かったコストとして原価に含まれます。

限られた時間の中でつくった製品の数が多ければ多いほど、製品1個当たりのコスト
の負担が小さくなるので、原価を低くすることができます。

例えば、ある工場の製造ラインでは1日で8000個の製品が生産されます。1時間当たり
の平均的な生産能力が製品1000個とします。1日の労働時間が8時間とすると、1日
当たりの標準生産能力は8000個です。ある日の生産個数が6000個だった場合、その
日の稼働率は、6000個÷8000個=75%となります。このように一般的に、稼働率は
「実際に生産した個数を生産能力(本来生産できる個数)で割る」ことで計算できます。

また、実際に稼働した時間を稼働すべき時間で割るといった稼働率の計算方法も
あります。例えば、1日の機械が稼働すべき労働時間を8時間としたときに、実際に
機械が稼働した時間が7時間だった場合、7時間÷8時間=87.5%が稼働率となります。
このように、生産数基準と時間基準の両方を算出し比較することで、より詳細にムダ
な作業などを知ることが出来ます。

2.稼働率はどうやって改善する?
稼働率の改善方法はその原因によって異なります。
さきほどの 稼働率の計算で、6000個分の注文しかないことが原因であれば、営業
に力を入れて受注数を増やすことで、工場の生産能力を最大限に活用することが
できます。しかし、原因が工場にある場合には、機械や人の改善を行うことが必要
になります。例えば、作業員が製造に携わっていない間の手待ち時間や、直接生産
に関係しない間接作業の時間を減らすことも大切です。

手持ち時間をつくらないためには、
 ①部品の欠品によるラインストップを起こさないよう材料の数量や在庫の管理を
  徹底する
 ②不良を作らないようにする
 ③機械の停止・故障をなくすために、機械設備の点検・整備、清掃を計画的に
  実施する
 ④段取りの方法を工夫してムダな時間が発生しないよう効率化する
などといった対策があげられます。

間接作業を改善するためには、
 ①情報の連絡や部門での会議、資料の整理などのムダをなくす
 ②手直し品の数を減らす、運搬作業を効率化する
 ③検査・測定作業の効率化
などが稼働率の改善につながります。

3.稼働率が高ければ生産性は上がるのか?
では、稼働率さえ高ければ生産性は高くなるでしょうか?答えは否です。
ではその理由を説明しましょう。

まず、生産性とは「単位あたりの付加価値額」を意味します。付加価値額とは
売上金額から外部流出費用を引いた金額で表します。
労働生産性」は社員一人当たり付加価値額を意味します。従って、単に生産
数量を増やしたり作業時間を短縮したりするのは「生産効率向上」であり
付加価値額が増えなければ「生産性向上」とは言いません。
付加価値額を増やすためには「売上額を増やすこと」と「外注費を減らすこと
です。いづれにしても、それに見合う社内の生産能力は確保しておく必要が
あります。

生産能力が不足する場合は、まず設備の「IT化、自動化」を行うことであり、
能力が不足するからと言って、外注に出してはいけません。さらに重要な点と
して生産の空きが生じないように、「平準化生産」を行うことです。
以下に具体例を示します。
 ①生産が少ない期間は稼働を確保するために在庫品や長納期品の前倒し生産を行う
 ②全体の生産量を制限しているネック工程がフルに稼働する(少なくとも90%以上)
  ようにネック工程前にバッファー在庫を置く
 ③変動の大きい受注生産品と計画生産品の生産をミックスして生産し、生産変動
  が極力少なくなるように計画する
 ④取引先企業の生産・販売状況を独自分析し需要変動に備える
 ⑤リードタイムを短縮化して、その分受注を増やす活動を行う
 ⑥生産計画の仕組み、日程進捗管理のしくみを構築して生産を行い、その中で
  問題点、課題のフィードバックを行う

製造業は、人手不足が続き、生産能力の向上は非常に困難な状況にあります。
そのため、現在の各製造工程の製造能力と負荷状況を可視化してネック工程の
有効活用、平準化生産を優先して実施していくことが求められます。

4.稼働率と可動率の違い
「稼働率」とよく似た言葉に「可動率」があります。
「稼働率」が実際に製品をつくるために人や機械が働いた指標であるのに対して
「可動率」とは生産機能つまり機械を稼働することが可能であった時間を指標化
したものです。

工場の機械が故障をすると、修理が済むまでに人も機械も生産活動に従事できない
時間(ロスタイム)が発生します。そのため、故障がなく常に機械が生産し続けられ
るように、工場では日頃から機械設備の保守点検が行われています。このように
保有している機械のメンテナンスも万全で、故障なくいつでも生産できる状態にある
時間の割合を「可動率」と言います。
posted by k_hamada at 23:00| ★付加価値生産性向上対策 | 更新情報をチェックする

コストと品質のトレードオフをどう解決するか?

加工精度などの品質とコストは基本的に、トレードオフの関係にあります。
それらを、いかに高い品質レベルで価格を低くバランスさせるかが、企業の
競争力向上へとつながります。


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10の品質を10のコストで実現できる企業よりも、10の品質を5のコストで実現
できる企業や20の品質を10のコストで実現できる企業の方が競争力が高いと
いえるでしょう。

では、5の品質を5のコストで実現できるB社は競争力が高いのでしょうか。

もちろん、これは一概には言えません。市場が10の品質を求めているならば5の
品質では競争相手にはなりません。しかし、市場のニーズが5の品質であった場合
10の品質の企業がその品質をどれだけのコストで提供できるかが勝負の分かれ目
になってきます。

それは5の品質だからと言って5のコストで実現できるとは限らないからです。
7や8のコストでは負けてしまいます。その意味で品質とコストは、単純な比例関係
になることはなかなかありません。
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日本メーカーが海外、特に新興国のメーカーと競争するためには、品質とコストの
バランスをどう実現するかが今後、ますます重要になってきます。単に低コスト化
を図ったり、また単に高品質を追求するだけでは競争に負けてしまいます。

受注生産企業の場合、顧客から求められるのはまず、価格です。
品質トラブルを起こさない、納期を守る、これは当たり前のことであり、その前提
で、より安いメーカーへ発注することになります。

メーカーとしては、いくら安く受注しようが、儲けを出さなければ経営は成り立ち
ません。そこで注目されるのが「スループット(付加価値生産性)」です。
TOC_制約条件理論.jpg
「生産性」とは、投入資源と産出の比率です。

投入した資源に対して産出の割合が大きいほど、生産性が高いということになり
ます。つまり労働生産性とは「産出(労働の成果)」を「労働量(投入量)」で
割ったもの、言い換えれば「労働者1人あたりが生み出す成果」あるいは「労働者
1時間で生み出す成果」の指標です。

ですから、ムダや不良は極力なくす必要があり、更に従業員が少なくても生産高
を高く保てる工場が「生産性」が高い工場と言えます。

製造業は、生産性をいかに高めるのかが、究極の目的と言えます。
その中に当然、品質の改善も含まれます。

単に、検査をなくす、是正をして不良率を下げるという考え方ではなく「生産性」
を向上させるのはどうするかを考えるべきと思います。

posted by k_hamada at 21:58| ★付加価値生産性向上対策 | 更新情報をチェックする

生産性向上の意味とは?受注生産工場における労働生産性を上げるためのポイント②

日本の製造業者の2015年度労働生産性平均は中小企業が約762万円、大企業が
1171万円です。(中小企業白書2016)。
この差は、中小企業は、従業員一人当たりの付加価値額が大企業に比べ少ない
ことを示しています。


前回①の解説で、労働生産性=付加価値額/総労働量であることを説明しました。
労働生産性の分子は生産量や売上額ではなく付加価値額(売上-外部費用)です。
いくら業務改善で効率化したりロボットを入れて自動化しても分子の付加価値額
が増えなければ生産性は上がりません。

付加価値額を増やすためには売り上げを増やすか内製化の促進が必要です。
業務効率化だけ行っても、その分仕事が増えなければ、余った人員を減らさねば
なりません。

近年の日本経済低迷を生み出したリストラによる固定費削減と同じ悪さに陥って
しまいます。
効率化し生産能力を増やした分、内製化すると同時に受注も増やす必要があります。
しかし生産量の変動が激しいと待機時間ばかりが増えるだけで付加価値額は増え
ません。当然増産に対応するために外注生産を増やすといったことは返って付加
価値額は増えないことになります。

付加価値額を増やすためにはできるだけ生産を平準化して空き時間のない生産を
心がけることが必要です。
生産平準化を実現するためには以下の対策が求められます。
 ①受注生産品の変動の谷間に計画生産品、長納期品を生産する
 ②受注ロットを分割して生産する(ダンゴ生産を行わない)
 ③生産スケジュールをネック工程に同期させる(ネック工程を遊ばせない)
 ④市場や取引先の生産・販売見通しを分析し需要変動に備える
 ⑤平準化生産のための指標化と見える化を行う
  「標準時間(標準工数)設定」
  「製造能力と負荷状況(稼働率)」
  「日程計画と進捗状況」

中小の工場では人手不足状態にあり、生産能力を増やせる状態ではない。
また簡単に自働化などの設備投資も難しいため、生産平準化のための生産管理
のしくみ導入が重要となってきている。

日ごろから、標準データ精度を高めておく必要があり、まずは既存の生産管理
システムを使って、精度アップを行っていくことが重要になります。

以上をまとめると以下の5項目となります。
 ①生産効率化を図る(ムダの削減、IT化など)
 ②効率化により能力が増えた分、内製化を図る
 ③外注先をできるだけ絞る
 ④生産の平準化を図る
 ⑤生産管理システムの精度アップ
posted by k_hamada at 20:00| ★付加価値生産性向上対策 | 更新情報をチェックする

ボトルネック工程基準の生産管理手法(製造業の工場品質改善の進め方・事例の解説)

自動車部品などの製造工場では親工場からの受注は典型的な多品種少量生産
を強いられています。背景として、海外生産・海外調達の増加により、国内で
生産するものは
 ・量の少ないもの
 ・納期の短いもの
 ・商品ライフさいぅるの短いもの
 ・設計変更、納期変更の多いもの
などが対象となっており、中小企業は、競争激化のなかで、条件が悪くても
このような案件を受注せざるを得ない状況にあります。

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このため多くの問題を抱え、経営を圧迫し、赤字経営に陥っている工場も
見受けられます。
 ①工程管理面・・・飛び込み、追加、変更が多く管理工数増加、在庫増加
 ②設備面・・・汎用機、稼働率低下、標準化、ライン化困難
 ③作業面・・・多能工化が必要、段取り替えが多い、新製品立ち上がりロス
 ④材料面・・・手配工数大、購入単価上昇、納期管理工数増、不良在庫増加
 ⑤仕様面・・・出図遅れ、技術者不足、品質トラブル増大、仕様確認工数増

そこで、このような工場の受注生産方式をどのように改善していったらいいか
具体的な手順を整理してみたいと思います。
 ①流れを清流化する
 (ライン数を極力絞り、製品ロットごとにどのラインを流すかを決めます)
 ②製造ラインに投入する基準ロット数量を決める
 (基準数より多い場合はロットを分割し流します)
 ③各ラインのネック工程を把握する
 (投入からネック工程まで、ネック工程から完成までの基準日程を決めます)
多品種少量.jpg
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以上により、ネック工程の能力を考慮し、ネック工程集中を避けた日程計画が
決まります。
ライン数を増やすのではなく、製品ごとに流すラインを固定し、ライン数を絞
ること、また注文数量をそのまま流すのではなく、基準ロット数量を決めて、
一回で流すロット数量を少なくすることによって平準化された日程計画が立て
易くなります。

また以下の改善活動を実施しながら、基準ロット数を少なく、基準日数を縮め
る努力をしていくことにより、更に平準化が進みます。
 ①段取り時間を短縮する
 (シングル段取り、外段取り化)
 ②工程ごとのストア最大数量を決める
 (最大ストア数となったら、生産を休止、ストアの空くのを待ち再び生産
  を開始、同期生産を行います)
 ③休止工程の作業者は、他の遅れている工程を応援する
 (助け合いのルールは生産性向上に大きく寄与します)
 ④特急品の処理方法を決める
 (特急品が入ったときの特急ラインを決め、最優先で生産します)
 ⑤生産の遅れ、仕掛の停滞が発生したら、その日のうちに原因を究明し、
  対策する

生産計画は、月単位で行い、前週の金曜日に翌週の生産計画を確定します。
確定後、納期変更、遅れ発生、特急品の飛び込み等が生じた場合、その都度
日程を調整しますが、最初は日単位、半日単位とし、最終的には時間単位で
管理できるようにします。

変更による混乱が生じないよう、毎日、緊急時はその都度、関係者が集まり
日程確認を行います。

以上の改善策実施により以下の効果が期待できます。
 ①リードタイム短縮
 ②仕掛在庫の低減
 ③生産性向上

実際には、リードタイム短縮50%などの目標を掲げ、全社改善活動として
展開します。トップが率先して取り組む姿勢が重要となります。

多品種少量生産では、多能工化は柔軟な生産計画立案に寄与します。また、
遅れ工程を支援する助け合いを可能にし、生産性を高めます。更に長期的
観点で、技術の伝承を進める上では各作業の標準化、マニュアル化も並行
して推進する必要があります。

作業の標準化は、多能工化教育の基礎であり、次のステップとして、標準
時間の設定が可能となり、基準日数の精度アップと、生産性向上の基本デ
ータとして活用が可能になります。

多能工化を進めるには、優秀な人材から進めます。そしてネック工程の多能
工化を優先して進めます。一律に進めるのではなく、目標を設定し、優先順
位を決め重点的に実施します。
また、資格認定制度、表彰制度などの人事制度との連携でモラルアップを図
り、マンネリ化を防ぎます。

以上の改善は決して順調に進むものではなく、何度も壁に阻まれることが予
想されます。全員朝礼、日々の生産会議などコミュニケーションの場を設け
トップ方針を全員に浸透させ解決に当たる良い雰囲気を作りだしていくこと
も重要と思われます。



posted by k_hamada at 20:00| ★付加価値生産性向上対策 | 更新情報をチェックする

トヨタ式生産が多品種少量生産に向かないわけ (製造業の工場品質改善の進め方・事例の解説)

生産管理システム(仕組み)の構築は、ものづくり企業の浮沈を決定する
最も重要な仕事です。従来のシステムや方法をそのまま踏襲するのではなく
企業のビジネス戦略や工場の業務プロセスの検討結果をベースとして、シス
テム(仕組み)を再デザインが必要です。

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例えば、今、生産管理方式で最も注目を集めているのは、トヨタ生産方式
(プル型生産方式)です。

プル型生産は言わずと知れたトヨタ生産方式を実現する為の手法であり、後
工程からの引き取りにあわせて、前工程が生産を開始する生産方式です。

現在はこのプル型生産がモノ造りの理想のように言われていますが、多品種
少量、受注生産型ではプル型は効果が出ません

1.トヨタ式生産が多品種少量生産に向かないわけ
実は、プル型生産が成立する為には、色々な前提条件があるのです。
代表的なものを上げると
 ● 生産の平準化(量の平準化、種類の平準化)が出来ていること
 ● 定量在庫を決めて管理することが出来ること
 ● ある程度の期間安定的に商品を製造出来ること

などが上げられます。しかし現実的には生産の平準化が出来る企業はあまり多
くなく、月次や週次の生産変動に悩まされている企業がほとんどなのです。

なぜ自動車産業などでこのプル型生産が成り立っているのかについては、詳し
く解説しませんが、前提条件からプル型生産が成り立たない企業が取り組んで
も、うまく行くはずがありません。

よく下請け企業で、在庫を抱え、カンバンで引き取り要求が来たら、その在庫の
中から出荷し、親企業では、ジャストインタイムで組立を行っているというよ
うな笑えない話を耳にします。

プル型生産の大きな問題点は、変動が大きい製品では、リードタイムが返って
長期化すること、在庫が一定量以下に減らないということを上記の例は証明して
いるのです。

2.自社に最も適合した生産方式を採用する
自社は一体どのような種類の製品をどのようなリードタイムで生産している
でしょうか?また、それは今の生産管理システムの実態と適合しているので
しょうか?

生産管理方式は、製品特性、生産量、そして企業特性に応じて、“最適な生産
方式・管理方式”を選択・構築することが重要です。

(1)生産形態による分類
多品種少量生産企業を生産形態によって分類すると、以下の4種類となります。
 ● 多品種少量個別受注生産企業(毎回異なる仕様の加工部品等の生産)
 ● 多品種少量ロット受注生産企業(同一仕様、繰返し性のある製品の生産)
 ● 多品種ロット見込み生産企業(多品種の混在、繰り返しロット生産)
 ● 一品個別受注生産企業(大型設備、工作機械などの生産)

B to B受注生産企業のほとんどは、多品種少量ロット受注生産が主体の企業
であり、それ以外に多品種少量個別受注生産/多品種ロット見込み生産の要素
も多少ミックスされた部分も持っていると考えられます。

(2)生産管理システムによる分類
生産管理システムを大きく分けると、「MRP」に代表される「プッシュ式」の
生産管理システムと、「トヨタカンバン方式」で有名な「プル式」生産管理
システムに分けられます。

また、「製番管理システム」は、日本では昔から多くの企業で運用されており
代表的な生産管理システムの一つで、製番(製造番号)を使って管理します。

製造指令書を発行するときに、その製品に関するすべての加工と組立の指示書
を準備し、同一の製造番号をそれぞれにつけて管理をおこなう方式であり、
個別生産のほか、ロットサイズの小さい、つまり品種ごとの月間生産量が少な
い場合のロット生産で用いられることが多い場合に有効なシステムです。

「ゼロ戦」を作っていた中島飛行機が使っていた生産管理のやり方で、「追番
管理システム」がありますが「製番管理システム」と基本的な考え方は変わり
ません。飛行機のような「個別受注生産」で用いた生産方式です。

見込み生産に強いMRPと、個別受注生産に強い製番管理(追番管理)を融合さ
せて、部品や中間品はMRPで大量生産、そこから個別に製番生産という組み合わ
せをとる場合もあります。

以上をまとめると以下のようになります。
 ● トヨタ式生産管理システム(PULL型)
 ● MRP生産管理システム(PUSH型)
 ● 製番(追番)管理システム(PUSH型/PULL型と併用)

(3)リードタイムによる分類
リードタイムは、顧客リードタイム、生産リードタイム、調達リードタイム
などに分けられますが、一般に需要量が多いほど、顧客は待たずに入手できる
ことを期待します。家電製品や医療などはこの分類に入り、これらの製品は
見込み生産を行って、在庫の中から販売する方法を取っています。

これとは逆に、ビル建築や船舶、プラントなどは受注してから設計し製造を
行います。以上をまとめると以下の種類に分類されます。
 ● 見込み生産(Make to Stock)
 ● 半見込み生産(Assemble to Order)
 ● 部品中心型生産(Parts Oriented Production)
 ● 受注生産(Make to Order)
 ● プロジェクト型生産(Engineerring to Order)

上流側の見込み生産と、下流側の受注生産がぶつかる点の場所をどこに置くか
がポイントで、両者がぶつかる地点に(理論的には)在庫が必要となります。
これをカップリング・ポイントないし在庫ポイントと呼んでいます

以上を図示すると以下のようになります。

製造戦略1.jpg

(4)生産形態の分類表
以上、(1)~(3)にて説明した生産管理の分類と生産ライン、生産工程
の対応を示すと下表のとおりとなります。

製造戦略2.jpg

このように、生産管理方式の設計に先立って、影響を及ぼす要因別に整理
分類し、自社にとって何が一番適しているのかを、良く検討しておく必要
があります。

posted by k_hamada at 18:40| ★付加価値生産性向上対策 | 更新情報をチェックする

受注生産工場の生産管理:利益が出るポイント(製造業の工場品質改善の進め方・事例の解説)

近年、ものづくりにおいて多品種少量生産、変種変量生産の傾向がより顕著
に現れてきました。少ない量をより短納期で、しかも安く作らなければなら
ず、日本のものづくり企業はこのような厳しい環境下において、いかに利益
を創出していくかが最大の課題となっています。

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特に対企業をお客様としている、B to B企業においては、大手からの受注
生産を主体に事業を行っていますが、大手からの注文は、やはり多品種少量
変種変量であり、その要求を満たすために、より高度な生産オペレーション
が受注獲得のカギとなっています。

1.生産管理の重要性
生産管理システム(仕組み)は、目に見える生産現場と違って、目に見え
にくいため、なかなか悪さが顕在化しないため、改善の必要性を感じない
場合も多いと考えられます。

特にコンピューターに組み込まれたシステムは、専門家でも一度稼働を始め
てしまうと、手を加えにくく、また何年も経った後に改良を加えようとして
も、すでに当時の担当者が不在となってしまっては、改善は非常に困難を伴い
ます。

また、人間の手作業による様々な処理も、情報伝達、帳票作成など、個人の
スキルに頼っている部分もあり、現状業務の実態や、悪さがどこに潜んでいる
のか、直属の上司でさえ十分に把握できていない場合が多いのです。

ここで、近年のものづくりにおいては、生産管理の仕組みは、工場の中枢の
コントロール機能を果たす重要な役目を果たしているということを、経営者
をはじめ、全員が認識する必要があります。

現場工程の物理的な改善を進めても、効果が上がらず改善活動が衰退している
企業を良く見かけます。

効果を上げるためには、生産工程の物理的改善と同時に、生産管理の仕組み
の改善を実施することで、初めて効果が得られ、工場の利益創出につながる
のです。

2.生産管理の目的
受注した製品の納期や品質、そして価格要求を実際の工場の生産で、いかに
実現するかを考え、コントロールするのが生産管理の役目です。

そのためには、工場の物理的な工程の状況、能力を把握したうえで、工場全体
の「スループット」を最大に高めていくことが生産管理の最大の目的なの
です。スループットは以下の計算式で示します。
 ● スループット=付加価値生産性
 ● スループット=売上高-外部購入費(外注費+材料費)
 ● スループット=利益+作業経費(労務費+減価償却費+光熱費等)

スループットとは、コンピュータが単位時間内に処理できる命令の数や、通信
回線の単位時間あたりの実効転送量などを意味しますが、経営の世界では、製品
を販売して得られるキャッシュから、製品を販売するために投資したキャッシュ
を引いた付加価値額を表します。

もう一つ重要なのが「時間の概念」です。
すべての人間や組織にとって等しく、かつ有限なのが時間です。同じ24時間を
どのように有効に使うかによって企業業績は左右されます。従って、スループ
ットを考えるときに重要なのが、利益に時間の概念を加えた「時間当たりの利益
なのです。

それは、同じ1万円の利益を生み出すにも、1時間で生み出すことが可能なの
か、24時間を必要とするのかを認識しなくてはいけないということです。

 ● 社員1人、1時間当たりの付加価値(労働生産性)
  =売上高-外部購入費 ÷ 【作業者数×実総労働時間】
  =総付加価値額 × (作業者1人当たり生産速度×作業者の稼働率)

3.生産管理部門の役割
スループットを高く維持するためには、生産管理部門の役割として「停滞排除
と、「情報制御」の2つがあげられます。

(1)停滞排除
停滞排除』とは、徹底して停滞時間を排除、削減することによってリードタイ
ムを短くしていき、停滞なくスムーズにモノや情報が流れていく状態を作り
出していくことです。停滞を排除するには、以下のステップで管理を行います。
 ● 自社の標準生産リードタイムを明確にする
 ● 標準リードタイムに基づき、基準日程を作成する
 ● 受注した製品を作るのに必要最小限の原材料を投入する
 ● 生産管理部門は時間レベルの詳細な生産計画を立て進捗を管理する
 ● 調達は内示と納入指示を、調達リードタイムに応じてコントロールする
 ● 生産の平準化を図り、作業待ちや、仕掛在庫が生じないようにする

生産計画を立てる際は基準日程が基本となり、時間レベルで各工程の通過時間
を決め、時間どおりにモノを流していく事になります。

現状多くの会社では日単位の生産計画は作っていても時間レベルでの計画を作
っているところは少ないのです。但し、このレベルの管理ができないと、大幅
なリードタイム短縮、在庫削減、スループット向上は望めません。

また従来の生産方式では各工程の同期性が薄く、各工程間に仕掛りが発生する
場合が多く、特に機械加工工程と組立工程など生産の仕方、設備の利用度合い
が大きく違うところでは生産計画自体も職場単位で作成することが多く、同期
性も必然的に薄くなっており、仕掛りの増大やリードタイムの長期化など数多
くの問題が発生しています。

(2)情報制御
次に『情報制御』とは、情報の流れを強力にコントロールすること、つまり
インプットされた情報やフィードバックされた各種情報を集約、加工し、信頼
でき得る情報として関連部門に提供していくことです。
 ● 各種生産計画立案日(長期計画、月次・週次計画、日程計画)
 ● 長納期品の内示提示日と発注日、納入リードタイム
 ● 短納期品の内示提示日と発注日(納入指示日)、納入リードタイム
 ● 初工程投入日および順序決定日
 ● 各工程の通過時間および日時
 ● 上記計画がタイムリーに更新され、指示が適所に確実に出されていること

4.PDCAの回る管理の仕組みを作る
生産管理の仕組みを改善するには、問題点を明らかにし、継続的に改善を
行っていくPDCAが回る仕組みを構築する必要があります。
 ● 経営者のトップダウンで全社一体となった改善を行う
 ● 他社の模倣をやめ、自社の問題、課題を捉え独自の解決を図る
 ● 課題やその改善結果等が逐次見える管理を行う
 ● 第一線の人材の育成、管理技術の向上を図る

上記のような活動を開始したらすぐに効果が現れるかというとそれは難しく
様々な困難に突き当たるものと考えられます。

やはり実現の為には会社トップの明確なビジョンと意思表示、管理職クラス
の論理的思考が必要で、実務者クラスの行動革新力も不可欠でしょう。

生産管理など計画系の改善と製造現場など実行系の改善が、うまくかみ合う
こと、また、調達系が弱い企業ではこの部分の改善も同時に必要となります。
(但し、調達系の改善には時間がかかる)。

また、多くに企業で問題となっているのは、品質の安定性です。
設計部門、品質部門、工程部門の連携も欠かせません。

posted by k_hamada at 18:39| ★付加価値生産性向上対策 | 更新情報をチェックする

中小製造業のMRPシステムの欠点を克服する(製造業の工場品質改善の進め方・事例の解説)

生産管理の目的は、一般に品質の良いものを、より早く、より安く顧客に
提供することです。
そのためには、欲しいものを欲しいときに客先に届ける「ジャストイン
タイム」の仕組みで、顧客の満足度を向上させることが必要です。

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1.現在運用している生産管理システム
生産管理方式は、MRPを主体とするプッシュ方式、カンバン方式で代表さ
れるプル方式の2つに分類されます。但し、各企業の実情に応じて、製番
管理方式、追番管理方式などの補助システムと組み合わせて管理が行われ
ています。

現在最も広く運用されているMRPを主体とした生産管理システムは、長所
・短所を合わせて持ち合わせているため、多品種少量・変種変量生産に適
合させるためには様々な工夫が必要となります。

そこで、すでに運用されているMRPの考え方、MRPを主体としたコンピュ
ータ管理システムが導入されている企業を例に、どのように対処してい
ったらいいのかを以下に整理してみます。

2.MRPシステムの欠点を克服する
(1)MRPの特徴
MRPは、アメリカで開発され、日本語訳では「資材所要量計画」と呼ば
れています。これと対比して、脚光を浴びているのが日本のトヨタで開
発されたカンバン方式です。

MRPの基本ロジックは以下の通りです。
 ①「基本生産計画」の設定、入力
 ② 部品×生産計画台数=「総所要量」計算
 ③在庫を加味して「正味所要量}の決定
 ④不良率、最低発注量などを考慮して「発注量」の決定
 ⑤各工程の着手日を考慮し「発注タイミング」の計算

MRPの特徴として
 ・プッシュ式・・・中央のコンピュータ統制機能により各工程を管理する
 ・計画主導型・・・達成可能な完成計画を立て、それを死守する統制機能
 ・部品表・・・ストラクチャー型部品表を展開し、所要量計算と発注を行う
 ・ジャストインタイムの一貫した工程一元管理のシステム
 ・情報は、正式かつ公式な情報で運用、KKDのあいまい情報では動かない
 ・オーダーリリースの考え方で、リリース後は変更が利かない
 ・独立需要品目、従属需要品目の2つの概念で、基準生産計画が立てられる

など、繰り返し生産が行われ、部品表、基準日程などの各種情報の確度が
高いもの、設計変更が少ないものなど、比較的安定した製品に向いています。

(2)MRPの欠点
 ・情報システム構築が優先し、現場を軽視した管理システムに陥りやすい
 ・製造指示は日単位であり、時間単位のきめ細かなスケジュールは立てられない
 ・一旦オーダーリリースで確定を掛けると、その後の計画の変更ができない
 ・基準情報の正確性を欠くと、仕掛在庫が課題となる、リードタイムが長くなる

など、納期の短いもの、繰り返し生産がないもの、設計変更、納期変更が
多いものなどには、対応し難い性質を持っています。

(3)MRPの欠点を克服する
MRPの欠点を克服し、成功に導くためには、初めから無理とわかっている
「精神論」的な日程計画や負荷計画、KKDに頼った基本情報の入力を行わず
過去の蓄積データに基づいた「手順計画」「負荷計画」「日程計画」を立
てることです。そのポイントとなる項目は以下の通りです。

 ・実現可能な生産計画を立てる
 ・正確な部品表示データーを維持する
 ・入出庫情報の正確な把握
 ・基準情報を甘くしない

ただ、この場合、多品種少量生産、あるいは、変種変量生産では、「でき
る限り」「可能な限り」という条件が付いてしまいます。

従って、この欠点を克服し、自社に最も適したシステム(仕組み)を独自に
開発していくことが極めて重要です。

3.生産管理システム(仕組み)の改善案の検討
現状、実態の調査と数値化、解決すべき問題点・課題が明らかになった
段階で、いよいよ自社の実情に適合した生産管理システム(仕組み)の
設計に入ります。ここでは、コンピュータシステム構築を除いたしくみ
つまり組織・ルール・人材に焦点を当てて検討すべき項目を抽出します。

まず、企業としての生産管理の方針を明確にし、組織・ルールの改善を
進めます。最初にコンピュータシステムの改善から取り掛かると、99%
失敗します。それは理論が先行し、製造現場の実態が軽視されてしまう
からです。

以下に、ポイントとなる改善の項目を解説します。

(1)カップリングポイントをどこに置くか
見込み生産と受注生産の合流点をどこに置くか?すなわち部品で在庫を持
つか、半製品まで見込み生産し在庫を持つかをリードタイムとの兼ね合い
で決めます。

(2)プッシュ式/プル式のどちらにするか
MRPを主体とした、計画型の管理を行うか、カンバン方式を導入するか
あるいは併用するかなど、受注の平準化度、在庫量、リードタイムなど
を考慮して決めます。

(3)製造ラインの物理的改善との同期をどのように図るか
ライン生産、セル生産ラインでの1個流し生産、混流生産などの製造ライ
ンの方式と生産管理方式は、全社の取組みとして、同時進行で検討して
いかなければなりません。

(4)どのような改善目標(指標)を設定するか
生産管理方式の改善は、自社にとって、何のために行うのか?何を改善し
たいのか?を明確にした上で進める必要があります。その場合、自社の課
題や問題点は数値で捉えておくことが必要です。

(5)具体的な仕組みの検討項目
(1)~(4)の生産管理システム(しくみ)の方針・目的及びシステム
の骨格などの基本構想をしっかりと固めておくことが極めて重要な作業と
なります。

将来にわたって、使いやすいシステムが構築できるのかどうかは、基本
構想の良し悪しで決定してしまうのです。

最終ステップとして、細部の仕組みの設計を行います。
細部の仕組みについては、様々な解説書が出ているので、ここでは詳細
説明は割愛します。
重要なのは「基本構想」を実現するにはどうするか?を忘れてはならな
いことです。

 ・生産計画のしくみ
 ・材料所要量計画のしくみ
 ・日程計画のしくみ
 ・材料調達・外注調達のしくみ
 ・作業指示のしくみ
 ・進捗管理のしくみ
 ・フィードバックのしくみ
 ・生産管理組織、人材


posted by k_hamada at 18:39| ★付加価値生産性向上対策 | 更新情報をチェックする

生産性向上の意味とは?受注生産企業における労働生産性を上げるためのポイント①

近年「生産性」という言葉は、人手不足や長時間労働への課題意識が高まる中で
注目されるようになっています。また安倍内閣が打ち出した「働き方改革」でも
「労働生産性の向上」は急務とされています。
しかし「生産性」「労働生産性」「付加価値生産性」などという言葉の意味を
正しく理解されている方はどのくらいいるでしょうか。
また世界の主要国の中で「日本の労働生産性は低い」と言われていますが、企業の
労働生産性と、国際社会として見る労働生産性は少し違う意味であることを知って
おく必要があります。



1.「生産性」とは、投入資源と産出の比率
投入した資源に対して産出の割合が大きいほど、生産性が高いということになり
ます。
つまり労働生産性とは「産出(労働の成果)」を「労働量(投入量)」で割った
もの、言い換えれば「労働者1人あたりが生み出す成果」あるいは「労働者が
1時間で生み出す成果」の指標です。

労働生産性には以下の 2つの種類があります。
(1)物的労働生産性
 「産出」の対象を「生産量」「販売金額」として置いたもの。
  物的労働生産性=生産量(売上額)/労働量

(2)付加価値労働生産性
 「産出」の対象を「付加価値額」として置いたもの。
  付加価値労働生産性=付加価値額(売上額ー外部購入額)/労働量

付加価値額とは企業が新たに生み出した金額的な価値を指すと考えます。
  付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費=売上額ー外部購入額
受注生産工場のTOC&IOT活用による工場改革!1124東京.jpg

2.GDP(国内総生産)から計算される「労働生産性」
国際社会としての「日本の労働生産性」はGDP(国内総生産)から計算されます。
 労働生産性=GDP/就業者数または(就業者数×労働時間)

として計算されており、その結果で「1人あたりGDP」と言うことを表しています。
「日本の労働生産性」が低いというのは、この考え方を基準として言われている
のです。
ちなみに、日本の労働生産性は、OECD加盟35カ国の中でみると20位です。
そして、統計で遡れる1970年以来、主要先進7カ国の中では最下位の状況が続い
ています。

3.企業が労働生産性を上げるためのポイント
企業における労働生産性の向上は、収益性の向上に直結する重要な指標です。
生産性の低い企業でみられる共通点として、仕事の単価が低く、粗利が出にくい
構造になっています。

下の図を見てください。
かつてのパソコン業界では、加工・組立工場では利益率が低い(付加価値が低い)
という傾向があり下請け体質から抜け出すためには、単なる加工・組立だけでなく
事業を上流あるいは下流に拡大して、付加価値業務を増大させ、利益を確保する
とする、いわゆる「スマイルカーブ」の考え方を台湾エイサーのスタン・シー会長
が提唱しました。

スマイルカーブ.png

日本の製造業の現状は、国際的には、自動車、産業機械、部品・材料などで
高い技術力に支えられて利益を上げています。中小企業においても、独自の技術
により、ニッチな市場でオンリーワンの地位を確立している企業は高い利益率を
上げています。

つまり、製品が高く売れれば、一人当たりの付加価値額が増え労働生産性は高く
なります

では、一般的な受注型中小製造業では、労働生産性を高くするにはどうしたらいいで
しょうか?
「残業をなくす」「人を減らす」「経費を削減する」これらは一時的には効果がある
でしょう。しかし本質対策ではありませんね。

②へ続く


posted by k_hamada at 16:56| ★付加価値生産性向上対策 | 更新情報をチェックする

受注生産工場の利益を飛躍的に向上させるスループット会計管理! 高崎ものづくり技術研究所

従来からの考え方では、生産工程内にあるどこか一部の工程だけの生産効率
を向上させれば、工場全体の利益につながると考えていました。
しかし、実際のキャッシュ(会社の本当の利益)という意味では、必ずしも
そうならない場合が多々あります。
TOC_制約条件理論.jpg

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1.実際のお金の流れを表していない
従来の原価計算に基づく損益計算書の利益計算では、工場のお金の流れを表して
いません。
その原因として、大量生産時代の平準化された生産工程とは異なり、多品種
少量・変量生産プロセスの中で顧客の要求を満足させるために必要な能力は
生産プロセスの中で一番能力の低い工程(制約工程)によって決定されている
にもかかわらず、それ以外の工程の生産効率を向上させることで、収益を
上げようとしているからです。

TOCでは、スループットの最大化が会社の利益最大化につながるとして、会社
の利益を決定している制約(生産能力の場合は一番能力の低い工程)の徹底
活用(最低限の稼働)を行うことで、会社全体(全体最適)での利益を増やす
活動を行います。

 TOC:Theory of Constraints ;制約条件理論

2.スループット会計とは
スループット会計とは、企業の目標を「お金を儲けること」と定義し、
従来の原価計算に基づく損益計算書の利益計算から資金の最大化のため特に
製造業の会計の視点を変えるための会計です。

従来から経営判断に使われている損益計算書は、実際の資金の動きとは異な
っています。
例えば、操業度を上げれば、製造間接費の配賦率が低下する⇒製品単価が下がる
しかし、操業度の増加による在庫の増加となって利益の増加につながりかねません。

一方、在庫増加により資金が寝てしまい、資金が減少するといった損益計算書の
利益と資金のズレが生じます。
このようなズレを解消するためにスループット会計を用います。

3.スループット会計の3つの指標
スループット会計では、以下の3つの指標を用います。
①スループット:販売を通じて入ってくるお金
 =売上-材料費、外注費
 「生産」ではなく、「販売」である点に注意が必要

②在庫:販売しようとする物を購入するために使ったお金(寝ているお金)
 =材料、仕掛品(材料費、外注費)、完成品

③業務費用:在庫を販売するために費やすお金(でていくお金)
 =材料費、外注費以外の全てのコスト、製造原価の人件費、減価償却費等
  の製造間接費、一般管理費も含みます。

以上の3つの指標いずれかを改善するのではなく、スループットを増加させ、
同時に在庫、業務費用の減少を目標としています。

つまり、入ってくるお金を大きくし、寝ているお金、出て行くお金を小さくし
会社に残るお金を大きくしようというものです。
部分最適でなく、全体最適を目指すための会計です。
(ゴールドラット氏の「ザ・ゴール」より)

また、スループット会計を評価軸として、生産工程中のボトルネック(処理能力
が必要な仕事量より小さいリソース)を見つけ、ボトルネックを最大限増加、
活用し、スループットを最大化し、非ボトルネック(処理能力が必要な仕事量
より大きいリソース)のコントロール方法、リードタイムの短縮方法を取るのが
TOCの理論です。


posted by k_hamada at 03:48| ★付加価値生産性向上対策 | 更新情報をチェックする

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