2018年07月02日

熟練技能・ノウハウ継承のしくみ(製造業の事例解説・改善の進め方)

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1.ノウハウ(暗黙知)とは
学校や本で学んだ知識が、仕事における業績にすぐに結びつかないのはなぜ
だろうか?それは、ノウハウという、経験を通してでしか学ぶことのできない
知識や技能がなければ仕事をうまく進めることができないからです。

ノウハウは、言葉で表現することが難しく、手順の形で示されていない知識の
ことです。とくに、最近の仕事は、複雑で非定型的なものになりつつあるため
決まり切った仕事を忠実にこなすだけでなく、環境の変化にうまく適応して
仕事をこなしていくことが求められています。

マニュアル化が可能な作業
 ①繰り返し型作業・・・決まった手順で行う作業
 ②選択型作業・・・いくつかの種類モノや情報を選ぶ、または組み合わせる作業

マニュアル化が難しい作業
 ①磨き抜かれた感覚や、技能により作り上げられる技術工芸品、芸術的表現
 ②深い経験や知識を基に、新たなモノや仕組み、アイデアを生み出す仕事

2.ノウハウはどのように獲得されるのか
 仕事で役に立つ知識や技能は、現場での経験から学習するものです。
仕事の上で、一人前、さらに熟練者になるためには十年程度の長い時間を必要
とすることもあります。職場では、研修よりも実際の仕事の経験から知識や
技能の獲得を求められています。とくに、経営環境の変化や技術革新が急速に
進む現在においては、難しい仕事に取り組む挑戦性や、仕事の変化に応じた
適応力と柔軟性が求められています。 

3.必要なノウハウ・マネジメント
 一般の企業では、人材育成のために、業務遂行の手順や技術、知識を学ばせ
ることが多いでしょう。これらの手順や技術の中にも、先人が生み出したノウ
ハウは含まれています。
しかし、その量は少なく、またノウハウとして整理されていません。

 もちろん一般企業の中にも、多くのノウハウを持った、秀でた人材はいます。
しかし彼らは、自分がどのようなノウハウを持っているか、自覚していない
ことがあります。
ましてや部下に、箸の上げ下ろしではなくノウハウを直接指導したり、仲間と
日々、ノウハウを共有・拡充することは行っていません。つまり、ノウハウは
マネジメントされていないのです。

(1)技能者のノウハウの見える化
スピードが格段に速まった現代では、ベテラン技術者のノウハウや経験を見える
ようにし、従来なら20年かかっていたものを3~5年でマスターさせ、やる気の
ある技術者のレベルアップを加速させる必要があります。

それには徹底した熟練技能者の作業の動きと若手技能者との作業の差異を分析し
若手作業者の陥りやすい作業を指摘、修正していくように教育します。
①作業の差異分析・・・ビデオ撮影、目視による作業分析
 熟練者 VS 若手:相違点を抽出
 熟練者 VS 熟練者:共通点を抽出
②作業のポイント集
 a.熟練と若手の作用の相違点を抽出、可視化して比較対比する
 b.言葉で表現できないカン・コツ作業を掴み、可視化して比較対比する
 c.a,bを編集し作業を標準化し、また言語の壁をなくし、海外労働者にも共有する
 d.習熟度を定期的に測定する

(2)技術者の思考回路の見える化
ノウハウは企業にとって重要な「無形資産」です。しかし無形であるために
その共有や継承には困難が伴います。「ノウハウの見える化」で心掛けるべきは
問題解決の「答え」を追求することではなく、答えを導き出すための「考える
ヒント」を見えるようにすることです。
 その際に鍵となるのが、ベテラン技術者の考えた解決策や結果ではなく、ベテ
ラン技術者の思考回路を解析し、考える道筋を「見える化」することなのです。
単なる知識の詰め込みではなく、生きた知恵の伝承が求められています。

当研究所で公開しているノウハウとして以下のものがあります。
単なる知識ではなく、考える道筋を「見える化」したもので、比較的経験の浅い
技術者でも、ベテラン技術者と同等に品質問題を解決できるように準備されて
います。

4.ノウハウ・マネジメントの仕組み
 企業にとって継承が必要と思われるノウハウを抽出し、それらを継続的に活用し
レベルアップし企業の強みとして差別化するために、体系的な管理を行っていく
必要があります。それには、上記3項で述べたような「技能者のノウハウの見える化」
「技術者の思考回路の見える化」を進めていく必要があります。

伝承が必要と思われるノウハウをリストアップし、見える化するためにはどのような
手段を行うのかを検討していく必要があります。
 技能の見える化・・・動画・写真を多用したマニュアル
 考える道筋の見える化・・・フローチャート、マニュアル化、フォーマット化
              トラブルシューティング表


posted by k_hamada at 22:30| 熟練技能の継承・ノウハウの継承 | 更新情報をチェックする

熟練技能の継承手順、訓練の進め方:製造業の人材育成・多能工化の進め方事例

中小企業では、定年退職になる職人が多く、新人にその技能を引き継ぐのですが
引き継ぎ完了したはずが、思い通りの製品が出来ずに、不良も多発しているので
どうしたらいいか悩んでいる企業も多いと思います。

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原因を追究すると、先人から引き継いだマニュアルを守っておらず、感覚や
思い込みで作業してしまう傾向にあり、そう思っていたとか、そうだと思った
とかに行きつきます。

熟練者の技能は、なかなか口では表せられない暗黙知的なものが多く実際に
体験しながら身に付けて行かなければなりません。
そこで、作業の「引継ぎ」の問題、「マニュアル」の問題の2つに分けて考えて
みたいと思います。

1.引継ぎの問題について
先人は、長年にわたって失敗を繰り返しながら今に至ったのであって、一通り
の引継ぎが完了したからと言って、すぐに先人と同じように作業ができるように
なるとは限りません。この場合、段階的なOJT実施計画に基づいて、作業を教え
実際に作業をさせて、結果を評価することを繰り返しながら、自立して作業が
できるかどうかを見極める必要があります。

特にどの作業で、どんなミスを犯しやすいのかを良く観察し、正しい作業が
できるまで集中的に繰り返し教える必要があります。その場合重要なことは
こうせよ(HOW TO)」よりも「なぜそうするのか(KNOW WHY)」を理解
させることです。

2.マニュアルの問題について
マニュルをなぜ守らないのか、なぜ見ないのかを考えてみる必要があるように
思います。
マニュアルが、見づらいのか、内容が分かりづらいのか、またマニュアル通り
作業してもうまくいかないのかなど、作業者の意見を聞きながら、見直すべき
ところは見直すことが必要です。

特に、なかなか文章では表せられない暗黙知的な技能については、それぞれ勝手
な感覚や思い込みで作業しがちです。そこで熟練者がマニュアルを作成するのでは
なく、むしろ作業を熟知していないが、物事を科学的に分析できる能力を持った
第三者によって、熟練者の意図をくみ取りながら作成し、その内容で実際に作業し
検証を行います。

また、熟練者の作業をビデオ撮影し、熟練者と一緒にそれを見ながら共同でマニュ
アルを作成、実際に作業を実施し、突合せを行う方法も有効と思われます。

一般的に、現場では、マニュアルを見ながら作業を行うことはありません。
マニュアルの内容、手順は事前教育によって頭の中に入っていなければならず
そうでない場合は生産性は低下し、ミスも誘発します。もしどうしても、現場に
貼りつける必要がある場合は、簡単な手順フローや、注意事項を箇条書きにす
るなど、見やすいものに限定します。

posted by k_hamada at 16:00| 熟練技能の継承・ノウハウの継承 | 更新情報をチェックする

工場の熟練技能の教育方法:製造業の人材育成・多能工化の進め方事例

Q.部品製造業です。定年退職になる職人が多く、新人に引き継ぎを実施させ
 引き継ぎは完了したのですが、思い通りの製品が出来ずに不良も多発している
 状況です。
 原因を追究すると、先人から引き継いだマニュアルを守っていない様子で、
 感覚や思い込みでやってしまう傾向にあり、そう思っていたとか、そうだと
 思ったとかに行きつきます。

 先人はそんなことは無かったのですが、新人に切り替わったことで、この
 ような問題が多発しています。
 新人には、品質安定化のために、製品毎に作業手順マニュアルをパウチして
 機械に貼り付けさせて必ず見るように言っていますが、徹底が出来ないようです。
 どのようにすれば、徹底できるようになるのか、頭を抱えています。

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A.先人から「新人に引継ぎを実施、完了」しても、マニュアルを「守らずに」
感覚や思い込みで作業してしまう、またマニュアルをパウチして、機械に貼り
付けてもそれを「見ずに」作業し、ミスを犯す。
「先人はそんなことは無かった」のですが、どうしたら良いかというご質問
ですね。

熟練者の技能は、なかなか口では表せられない暗黙知的なものが多く実際に体験
しながら身に付けて行かなければなりません。そこで、作業の「引継ぎ」の問題
「マニュアル」の問題の2つに分けて考えてみたいと思います。

1.引継ぎの問題について
先人は、長年にわたって失敗を繰り返しながら今に至ったのであって、一通り
の引継ぎが完了したからと言って、すぐに先人と同じように作業ができるように
なるとは限りません。この場合、段階的なOJT実施計画に基づいて、作業を教え、
実際に作業をさせて、結果を評価することを繰り返しながら、自立して作業が
できるかどうかを見極める必要があります。

特にどの作業で、どんなミスを犯しやすいのかを良く観察し、正しい作業ができる
まで集中的に繰り返し教える必要があります。その場合重要なことは、「こうせよ
(HOW TO)」よりも「なぜそうするのか(KNOW WHY)」を理解させることです。

2.マニュアルの問題について
マニュルをなぜ守らないのか、なぜ見ないのかを考えてみる必要があるように思い
ます。マニュアルが、見づらいのか、内容が分かりづらいのか、またマニュアル
通り作業してもうまくいかないのかなど、作業者の意見を聞きながら、見直すべき
ところは見直すことが必要です。

マニュアルで表すことができるのは
 ①繰り返し同じ手順で行う定型的な作業
 ②ある決まった部品などのいくつかの種類の中から一つを選択する作業

マニュアルで表すことが難しいのは
 ①長年の経験で、体の感覚で会得した微妙な判定を伴う作業
 ②訓練された運動能力を必要とする作業、芸術的な作品を創造する作業

特に、なかなか文章では表せられない暗黙知的な技能については、それぞれ勝手な
感覚や思い込みで作業しがちです。そこで熟練者がマニュアルを作成するのではなく
むしろ作業を熟知していないが、物事を科学的に分析できる能力を持った第三者に
よって、熟練者の意図をくみ取りながら作成し、その内容で実際に作業し検証を
行います。

また、熟練者の作業をビデオ撮影し、熟練者と一緒にそれを見ながら共同でマニュ
アルを作成、実際に作業を実施し、突合せを行う方法も有効と思われます。
一般的に、現場では、マニュアルを見ながら作業を行うことはありません。

マニュアルの内容、手順は事前教育によって頭の中に入っていなければならず
そうでない場合は生産性は低下し、ミスも誘発します。もしどうしても、機械に
貼りつける必要がある場合は、簡単な手順フローや、注意事項を箇条書きにする
など見やすいものに限定します。

posted by k_hamada at 12:00| 熟練技能の継承・ノウハウの継承 | 更新情報をチェックする

「金型設計」と金型技術者に求められるスキル:熟練技能の継承・ノウハウの継承

金型づくりの上流工程である「金型設計」と金型技術者に求められるスキルに
ついて書いてみたいと思います。

1.設計作業の進化
私がかつて設計をしていたころは、ドラフターで、紙に鉛筆で書いて、消しゴム
で消しながらまた鉛筆をなぞって図面が真っ黒になるまでを書いたものです。

設計も2次元CADに変わり「もう消しゴムで線を消さなくて済む」ようになった
時は画期的でしたが、すでに私は具体的な設計作業からは離れていました。

1990年代に入るとPro/ENGINEERなどのツールを用いて3Dで設計を行うように
なりました。2Dだけの時代に比べて干渉チェックなどにより、設計ミスが大幅に
減り、設計品質が向上しました。設計期間の短縮や、標準化設計によるコスト
ウンの検討も設計段階から検討できるようになりました。

2.設計スキルの向上
私は設計スキルを高めるために、多くの設計を経験したいと考えていました。
また、部品の加工や組立および試作トライなどに立ち会い現場で自分が設計
した製品を実際に見て、各工程の技術者や職人さんの話や考えを聞きながら
自分の設計思想について話をすることも常に行っていました。

それにより色々なことが吸収でき、自身の設計スキル向上に繋がったと自負
しています。
また、過去の実績を整理するツールも乏しかったため、部内や工場を駆けずり
回ってデータを収集したりもしていました。こうして集めたデータをもとに
新たな設計を行い、良いものができた時は現場の方々からの信頼にも繋がって
きたと感じています。

つまり、1人の知識や経験が少なくても技術者同士のコミュニケーションを通じ
て情報しっかり集め、議論し、自分なりに納得することによってスキルを磨く
ことができる訳です。

3.グローバル化と日本の金型技術力
ツールが整備され、完ぺきな図面は机上で作成できるようになりました。
新興国でも、ツールさえあれば同じレベルの図面は容易に作成できるように
なりました。

しかし、国際間競争にさらされている多くの日本の企業では、図面からは読み
取ることが困難な様々な知識や情報を有効に活用しきれていない、また継承され
ていないのが現状ではないでしょうか。

例えば、中国に代表される新興国の金型メーカーの急速な技術力の向上と圧倒的
なコスト競争力に対して、日本で金型を作り続ける金型メーカーには一層の高品質
短納期、コストダウンが要求されています。

4.技術力継承の仕組み
それらを実現するためには、自身の過去の経験(成功事例や不具合対策事例)
だけでなく、他の設計者が得た経験をも共有し活かせる体制や仕組みづくりが
必要です。

一般的に熟練技術者は若手に技術やノウハウを教えることを嫌い伝え方が不得手
であることが多いと言われます。私自身後継者を育てたい想いはあっても、自分
1人の力で判り易く伝えることは難しかったと実感しています。

しかし、会社組織の中では事業の成長や拡大のために若手に技術やノウハウを
伝承しスループットを上げていくことが必要となっていると思います。

それに加え、益々より高度な顧客要求への対応も必要となってきており、より
精度を求めて、新しい素材を用いた金型への要求など、自社だけでは対応でき
ない新技術への対応も必要になっています。

視野をもっと広げ、幅広く協力金型メーカーの協力を得て、熟練技術者と知恵
を絞りながら取り組む、技術強力、技術提携することも必要です。

ツールは近代化されても、設計の考え方は不変だと思います。
ただ、スピードと、より視野を広げた対応が、今の技術者には求められている
と思います。
posted by k_hamada at 11:00| 熟練技能の継承・ノウハウの継承 | 更新情報をチェックする
7月東京 名古屋2.jpg
セ ミ ナ ー 予 定 表
テーマ(目的日時開催場所
主な項目
 多品種少量生産工場の現場改善力強化による
 付加価値生産性向上と利益率UP
未定
 
・生産活動の目的
・生産性向上・リードタイム短縮
・ムダ取り(直接・間接業務)
 若手・中堅社員の自立化と現場力の発揮
未定
・QCサークル活動
・個人目標管理(MBO)
・業務計画による改善活動
 ヒューマンエラー予防7つの対策
 ヒューマンエラー要因4分類と再発防止策
12月20日
(木)
9:30~12:30

12月20日
(木)
13:30~16:30
東京都北とぴあ
8F 807会議室
JR王子駅北口5分
AM/PM連続受講の場合割引特典あり
・再発防止対策と流出防止策
・是正と予防、水平展開
・顧客信頼の品質対策手法
 顧客から信頼を得る3つの品質対策手法
 ロジカルシンキングに沿った正しいなぜなぜ分析
・ヒューマンエラー要因
・ヒューマンエラー予防策
・IOT活用技術
 小規模チームで効果の上がるFMEA/FTA手法
未定 
・工程FMEA
・信頼性設計とFMEA/FTA
・リスクアセスメント
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